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2026年9月第3週ヒップホップニュース|Macklemore降板、GTA VI『The Album』、Drake『FOMO』──動いた日付と、空いたままの枠

ヒップホップニュース55 min read
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降板、辞任、延期、未発表。今週の中心にあったのは、作品ではなく日付だった。HIPHOPCs週刊ヒップホップニュース第37号(2026年9月13日〜20日)。

文責:Rei Kamiya/HIPHOPCs Intelligence Unit

対象期間:2026年9月13日(日)〜20日(日)〈日本時間〉。海外の出来事は現地の日付を併記した。

お急ぎの方へ:まずランキング結びへ。国内の知らせは国内ウォッチに、細かい動きは短報にまとめた。

9月14日月曜、Macklemore(マックルモア)がEd Sheeran(エド・シーラン)の全米ツアーから外された。

同じ日、ニューヨークの連邦地裁には、Diddyの1億ドル訴訟で代理人を降りたいという書面が出た。ダラスでは、Yella Beezy(イエラ・ビージー)の公判が始まるはずだったが、延期になった。

Drakeの短編映像『FOMO』は、公開から数時間でYouTubeから消えた。現地17日に戻り、19日には新曲「Quebec」が出て、これも数時間で非公開になった。

チャートでは、Rod Wave『Don’t Look Down』が1位から7位へ。日本時間21日の早朝に出た最新週では、Jhené Aikoがキャリアで初めて1位に立った。

降板、辞任、延期。今週は、決まっていたはずの日付が後ろへ動くか、消えた。

その一方で、新しく示された日付もある。11月19日の『GTA VI: The Album』、10月9日の「JAŸ-Z in 8」最終話、10月22日のデトロイトの連邦地裁。そして9月21日、大阪城ホール。

ひとつだけ、まだ何も入っていない枠がある。2027年2月14日、SoFi Stadiumのハーフタイムだ。

以下、今週の22本をHSI順に振り返る。

出典:冒頭の降板について:DeadlineDiddy代理人の申立てについて:本誌


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目次

2026年9月第3週のヒップホップニュースランキング

順位ニュースHSI本誌
1【米】Macklemore、Ed Sheeranの全米ツアーから降板84
2【米】『GTA VI: The Album』発表、34曲・11月19日80
3【米】「JAŸ-Z in 8」配信開始、Biggieの一節を外した話77📍
4【米】Super Bowl LXIハーフタイム、出演者が未発表のまま 🔴[観測]76
5【米】Drake『FOMO』と「Quebec」──出て、消えて、戻って、また消えた75📍
6【米】Billboard 200──Rod Waveは7位、Jhené Aikoが初の1位74
7【米】Tay Keith、検視局が死因を公表72📍
8【米】Lil Durk、無罪評決の後も拘置継続──10月5日に第2の公判69📍
9【米】9月18日のリリース群──Yeat、Offset、Rakimら68
10【米】Diddyの民事代理人、辞任を申請67📍
11【日】ちゃんみな「History」、映画『ファーストボイス』主題歌に67📍
12【日】GADORO、大阪城ホール単独公演をABEMAが独占生中継66📍
13【米】Eminem未発表曲流出事件、10月22日に有罪答弁の予定62📍
14【日】C6ix『岡崎8番』──アクラから福生へ62
15【米】Yella Beezyの公判、9月14日の開始が延期に61
16【日】渋谷WWW『LYRICADE』にSiero、gummyboyら追加60
17【米】Nicki Minaj、Fox Newsで大統領支持を語る59
18【日】Kee Rooz「懺悔」──『RAPSTAR』辞退の理由を10分で58
19【日】RAPSTAR 2026、ビート一般公募の受付が始まる58
20【米】Chris Brownへの表彰、テキサス州議が謝罪56📍
21【日】田我流、2027年2〜3月に3都市ワンマン56
22【日】Itaq『TYGTA -退下駄-』──宗教2世が書いた「対立と統合」55

HSIは本誌の編集指数で、作品や人物の評価ではない。採点の内訳は付録に。📍は、本誌が今週その件の個別記事を出していることを示す。


1位|Macklemore──ステージを降ろしたのは、共演者ではなかった

HSI 84

事実関係から順に置く。

現地9月4日と5日、ニュージャージーのMetLife Stadium。Ed Sheeranの『Loop Tour』北米公演で前座を務めたMacklemoreが、ステージ上で「Free Palestine」と述べ、ガザでの戦争を主題にした自作曲「Hind’s Hall」を演奏した。

9月14日月曜、Macklemoreはツアーから外されたと自ら発表した。同じ投稿で、SheeranからNew England Patriotsのオーナーであり Gillette Stadium を運営する Robert Kraft(ロバート・クラフト)の名前を聞かされたと書いている。Kraftは他のスタジアム所有者にも働きかけ、Macklemoreが残るならSheeranの公演を認めないという条件を示した──というのがMacklemore側の主張である。

同じ14日、北米公演のプロモーターMessina Touring Groupは、Rolling Stoneへの声明で降板を認めた。

翌15日火曜、SheeranがInstagramに6枚のスライドを投稿する。要旨は三つだった。Macklemoreの契約相手はプロモーターであって自分ではないこと。今後の会場から、彼が残るなら公演を引き上げると伝えられたこと。そして、その判断は自分のものではないこと。Sheeranは会場側と一週間かけて話したとも書き、そのうちの一人としてKraftの名前を挙げている。双方の活動家とも直接話したが、会場とプロモーターの判断は最終的なものだった、とも書いた。

Kraftは、Gillette StadiumでMacklemoreを出演させない判断を認める声明を出した。理由として挙げたのは、Macklemoreの近時の言動と、ユダヤ人社会を傷つけてきたと同氏が考える表現の蓄積である。他の会場所有者と連携したというMacklemore側の主張については、公には確認していない。KraftはFoundation to Combat Antisemitismを設立し、ヘイトスピーチ対策を活動の中心に据えてきた人物でもある。

Sheeranの公演は9月25日・26日にGillette Stadiumで予定されている。降板を受けて、ツアーから離脱した出演者が複数出たとBoston Globeは伝えている。

当事者の説明を並べると、動いたのは会場で、契約を切ったのはプロモーターだった。Sheeranはその間にいた。ラッパーをステージから降ろす力は、音楽の側ではなく、スタジアムを持つ側にあった。

Kraftの説明は、発言の中身より「伝え方」と「積み重ね」に触れている。Sheeranも、会場の判断は発言の一部の伝え方に基づくと聞かされた、と書いた。ここは読み方が分かれるところなので、各者の言い分をそのまま置いておく。

パレスチナとイスラエルをめぐる主張そのものについて、本誌は立場を取らない。この項目が記録しているのは、誰が降板を決めたか、である。

出典:Deadline:Sheeranの声明全文と経緯Detroit News:9月14日のプロモーター声明と9月15日のSheeran投稿Boston Globe:Kraftの確認、離脱した出演者、9月25日・26日の日程Billboard:『Loop Tour』北米日程


2位|『GTA VI: The Album』──34曲が、ゲームと同じ日に出る

HSI 80

現地9月17日、Rockstar Gamesが『Grand Theft Auto VI: The Album』を発表した。公式告知によれば、Atlantic Recordsとの提携で制作された公式サウンドトラックで、ゲーム本体と同じ11月19日に出る。全34曲が新録。Rockstarの説明では、Vice CityとLeonidaの世界の空気を捉えるための編成だという。

同日、先行して6曲が主要配信サービスに出た。

  • Yung Lean「That’s It」(feat. Future & Metro Boomin)
  • Travis Scott「RHYNO」(prod. Guy-Manuel de Homem-Christo/Daft Punk)
  • CA7RIEL & Paco Amoroso, PinkPantheress, Fred again.., Etienne de Crécy「Sexy Magic」
  • Morgan Wallen「Last Thing You Need」
  • Rauw Alejandro「Macacoa 2000」
  • Keith Richards「Bright Lights, Big City」(Jimmy Reedのカバー)

残る28曲は未発表である。非公式の「流出トラックリスト」が出回っているが、Rockstarは確認していない。

フィジカルは、同時に予約が始まった。公式ストアの表記では、CDが19.98ドル、通常盤アナログが49.98ドル、青い液体を封入した2枚組の限定盤が124.98ドル。いずれも発送は11月20日で、配信の11月19日とは一日ずれる。限定盤は発表後まもなく完売したと複数媒体が伝えている。Blood Records、Best Buy、Walmart、Amazon、Barnes & Noble、Target、Urban Outfittersなどでは、盤面の色を変えた店舗別仕様も出る。

ゲーム本体は、ディスクでは売られない。パッケージ版に入るのはダウンロードコードだけだ。円盤になるのは、ゲームではなくサウンドトラックのほうである。

これは、ゲーム内で流れる曲を集めた盤ではない。ゲームのラジオ局は、これとは別に大量のライセンス曲を積む。本作は、そのために書き下ろされた独立した作品集である。

ヒップホップの側から見ると、Travis Scottの新曲にDaft Punkの片割れが付き、Yung Leanの曲にFutureとMetro Boominが乗る。この組み合わせが、ラップの通常の流通経路ではなく、ゲーム会社の発売日に合わせて出てくる。11月19日という日付を、レーベルではなくRockstarが決めている。

出典:Rockstar Games Newswire:公式告知(Atlantic Recordsとの提携、11月19日、事前保存)公式ストア:CD(19.98ドル、発送11月20日)公式ストア:限定盤アナログ(124.98ドル、発送11月20日)Consequence:34曲、先行6曲の内訳、予約開始TechRadar:Rockstarの説明文と限定盤の完売Esquire India:未確認トラックリストへの注意Apple Music:作品ページ(34曲)


3位|「JAŸ-Z in 8」──配信が始まり、Biggieの一節を外した話が出てきた

HSI 77|📍本誌が9月17日に個別記事

現地9月18日金曜、HBO Maxで「JAŸ-Z in 8」の配信が始まった。Hot 97によれば、配信開始は米東部・太平洋時間の午後8時。監督はRick Rubin(リック・ルービン)。初回は第1話と第2話を同時に出し、以降は毎週金曜に2話ずつ、10月9日の第7話・第8話で全8話が出そろう。

その5日前、9月13日日曜の夜には、ニューヨークのメトロポリタン歌劇場で世界初上映が行われた。Hot 97によれば、JAY-ZとRubinが揃って登場し、Leonardo DiCaprio、SZA、制作総指揮のDaniel Kaluuya、DJ Khaled、Fat Joe、Gunna、Yo Gotti、Questloveらが集まった。上映のあと、リンカーン・センター・プラザでアフターパーティーが開かれている。

番組は、JAY-Zが自作から選んだ曲をRubinと掘り下げる構成である。Rubinが手がけたJAY-Zの楽曲は『The Black Album』の「99 Problems」1曲だが、今回は監督と聞き手を兼ねる。Rubinにとって初のドキュメンタリー監督作でもある。

配信が始まって、中身の一部が見えてきた。Vibeによれば、第1話は「Can’t Knock the Hustle」、『The Dynasty: Roc La Familia』の「Intro」、「Meet the Parents」、「What More Can I Say」を扱い、第2話ではBiggieとの共演曲「Brooklyn’s Finest」などが加わる。

その第2話で、JAY-Zは「Brooklyn’s Finest」のBiggieのヴァースから一節を外させたと明かしている。Billboardによれば、それは「Who shot ya」の一節で、2Pacと西海岸との緊張をこれ以上煽らないための判断だった。そういうことの一部になりたくなかった、という趣旨の言葉をVibeが伝えている。theGrioは、番組のなかでJAY-Zが、友人だったBiggieと2Pacの関係がどう壊れていったかを振り返ったと書いた。

日本からの視聴条件は、本誌が9月15日にMUBIの作品ページを確認した時点でも確定していない。

📍 放送・配信の細部、日本での視聴条件、予習に向く4曲は個別記事にまとめた。国内でどう観られるかを追いたい読者は、こちらから。

📍 2Pac殺害事件をめぐっては、9月1日にキーフ・Dへの有罪評決が出ている。番組でJAY-Zが振り返った1990年代半ばの緊張が、30年後の法廷で何を確定させ、何を確定させなかったのかを確かめたい読者へ。

1996年6月25日のデビューから30年。今週、その30年が本人の言葉で8つに分けられ始めた。

出典:Hot 97:9月13日の世界初上映、出席者、配信時刻PIX11:HBO Maxでの配信開始Vibe:第1話・第2話の扱う曲と「Brooklyn’s Finest」の一節Billboard:第1〜3話から分かった11のことtheGrio:Biggieと2Pacの関係をめぐる回想Billboard:全8話の構成と10月9日完結本誌:配信スケジュールと日本からの見方


4位|Super Bowl LXI──まだ名前が出ない 🔴[観測]

HSI 76

確定している事実は短い。Super Bowl LXIは2027年2月14日、イングルウッドのSoFi Stadiumで行われる。ハーフタイムショーの出演者は、本号の編集時点(9月21日10時・日本時間)でも、NFLからもRoc Nationからも発表されていない。過去には2022年のRihannaのように、9月下旬の日曜に発表された年もある。Roc Nationは2019年からこのショーの人選と制作に関わってきた。直近の出演者はBad Bunny、その前がKendrick Lamar、Usherである。

ここから先は、匿名の情報源に基づく報道である。複数の媒体が、出演者の確保が難航していると伝えた。情報源の説明としては、直近2年の出演者が強い批判にさらされたこと、ハーフタイムショーには通常の出演料が支払われないこと、政治的な論争に巻き込まれたくないことが挙げられている。Jay-Z自身が共演者を連れて出る案が浮上している、という報道もある。別の報道は、候補として名前が挙がった歌手が承諾に消極的だとも伝える。9月末までに発表したいが、まとまらなければ11月までずれ込む可能性がある、という情報源の説明もある。

🔴[観測]:上記のうち、「難航している」「Jay-Zが出る可能性がある」「特定の歌手が候補である」「発表時期」は、いずれも匿名の情報源に基づく報道であり、本誌が当事者に確認したものではない。NFLとRoc Nationは、この件について公式の説明を出していない。

1位のMacklemoreの件と同じく、NFLのスタジアムに誰が立つかが、音楽の外側で決まろうとしている。ハーフタイムショーは2019年以降、ラップがアメリカ最大の舞台に届いた象徴として語られてきた。その舞台が、いま引き受け手を探している。

出典:IBTimes UK:日程・会場、未発表の状況、匿名情報源の説明CBS Sports:2022年のRihanna発表(9月25日)inkl(The Mirror US配信):Roc Nationの関与と報道の内容


5位|Drake『FOMO』と「Quebec」──出て、消えて、戻って、また消えた

HSI 75|📍本誌が9月17日に個別記事

前号12位の続き。Drakeが「a not so short film」と予告していた『FOMO』は、米東部時間9月15日(火)の夜に出た。予定の午後9時からは少し遅れている。

1時間弱の映像で、Drakeは自己資金で作ったと説明している。トロントの自宅、スピードボート、ピックルボール。Don Toliver、Yeat、PARTYNEXTDOOR、Sexyy Red、Kevin Durant、Winnie Harlowらが登場する。Ella Langley「Choosin’ Texas」をDon Toliverと作り直した版も流れた。Yeatとの「Miss My Dawgs」は、9月18日に出たYeatのEP『COCOON』(9位)に入るとみられている。

プレミアのパーティーでは、2027年のワールドツアーにも触れた。新作アルバムの日付は出ていない。

公開から数時間で、本編は非公開になった。本誌が9月16日17時台(日本時間)に確認した時点で、Complexの記事に埋め込まれた動画は見られなかった。rolling outとCBCは、下ろしたのはDrake本人だと報じている。理由についての本人の説明は確認できていない。

現地17日(木)、本編はDrakeのYouTubeチャンネルに戻った。Billboardは本人が再アップロードしたと伝え、The Sourceは、一度消すこと自体がロールアウトの一部だという見方を示した。『ICEMAN』第4話でも同じ手順が使われていたという。

報道によれば、出したのも、下ろしたのも、戻したのも本人だった。今週の他の項目では、会場やプロモーターや裁判所が決めていた。『FOMO』で決めていたのは、自分のチャンネルを持っている側だった。

19日(土)の午後には、『FOMO』の各曲のビデオが個別に上がった。「Road Trips」「Princess」「True Bestie」、拡張版の「Classic」、Sexyy Redとの「Cheetah Print」などに加えて、新曲「Quebec」のビデオも出ている。

その「Quebec」も、数時間で非公開になった。誰の判断だったのか、理由は何だったのかは確認できていない。HotNewHipHopによれば、本人の説明もない。SpotifyやApple Musicでの配信もまだない。

📍 映像の内容と配信の遅れは個別記事に。ただし同記事は9月17日時点の情報で、再公開を反映していない。公開後に追記する。

出典:Billboard:9月17日の再アップロードと出演者The Source:9月15日の公開と非公開、『ICEMAN』第4話と同じ手順という見方rolling out:公開数時間後に本人が下ろしたとする報道(9月16日)CBC:一時的に非公開になった経緯Complex:9月19日の「Quebec」と各曲のビデオ公開HotNewHipHop:同日公開のビデオ一覧HotNewHipHop:「Quebec」の非公開化(9月20日)XXL:2027年ツアーへの言及本誌:『FOMO』の内容前号12位:撮影の目撃と9月15日の予告


6位|Billboard 200──Rod Waveは7位へ、Jhené Aikoがキャリア初の1位

HSI 74

2週分のチャートをまとめて置く。

9月19日付。Rod Wave『Don’t Look Down』は7位だった。前週1位からの下落で、チャート在籍2週目にあたる。1位はElla Langley『Dandelion』。ラップ/ヒップホップ名義でトップ10に残ったのは、7位のRod Waveと9位のDrake『ICEMAN』の2枚だった。前号2位で書いた通り、『Don’t Look Down』の初週は99,000ユニット。2週目は順位を下げたがトップ10は維持し、8作連続トップ10という一貫性も変わっていない。順位の変動だけでは、再生数や販売数の減り方までは判断できない。

9月26日付(米国時間9月20日、日本時間21日早朝に発表)。Jhené Aiko『Westside Whimsy』が初登場1位になった。Luminateによる9月17日までの1週間の集計で74,000ユニット。本人にとって初めての1位で、2013年の『Sail Out』でチャートに初めて入ってから12年10か月かかっている。

Billboardによれば、女性アーティストのR&Bアルバムが1位になるのは2026年で初めてで、SZA『SOS』が13週目、最後の1位を記録した2025年5月以来になる。R&Bアルバム全体で見ると、今年はBruno Mars『The Romantic』に続く2作目の1位である。この週のトップ10に初登場したのはこの1作だけで、Ella Langley『Dandelion』は2位に下がった。Top Streaming Albumsでも1位である。

アルバムは20曲。発表から3日後の9月11日に出た。客演はKendrick Lamar(「So Good」)、Ab-Soul(「Love Bomb」)、Tyga、Larry June、OHMA。R&Bの作品だが、ロサンゼルスのラップの名前が並ぶ。Kendrick Lamarの名前は、9位で扱うAZ Chikeの件と合わせて、今週二度出てくる。片方はクレジットのない関与、片方は客演である。

1位の見出しは一週ごとに入れ替わる。9月12日付のRod Wave、19日付のElla Langley、26日付のJhené Aiko。2週分のチャートで、それが二度起きた。

出典:Billboard 200(2026年9月19日付)Creative Disc:9月19日付の順位一覧(チャート集計値)Billboard:Jhené Aiko初の1位、74,000ユニット、女性R&B作品としての記録Variety:今年のR&Bの1位はBruno Marsに続く2作目、トップ10初登場は1作のみComplex:20曲の客演、発表から3日後の発売、Top Streaming Albums前号2位:初週99,000ユニットの内訳


7位|Tay Keith──3か月後に、空欄が埋まった

HSI 72|📍本誌が9月19日に個別記事

現地9月17日木曜、ナッシュビルの検視局(Office of the Medical Examiner)が、Tay Keithの死因に関する判断を公表した。ABC Newsが同日に報じ、Rolling StoneとTMZが内容を伝えている。

死因は、ミトラギニン、7-ヒドロキシミトラギニン、ミトラギニン・シュードインドキシル、ケタミンの複合中毒。死亡の態様(manner of death)は事故と分類された。ミトラギニンは、クラトムとして知られる植物に含まれる成分である。報道によれば、体内からはニコチンとエタノールも検出され、軽度の冠動脈疾患の所見もあった。TMZは、本人がクラトムを摂取していたのか、別の経路で体内に入ったのかは判然としないとも伝えている。案件は終結した。

Tay Keith(本名Brytavious Lakeith Chambers)は2026年6月18日、ナッシュビルの自宅で亡くなっているのが見つかった。29歳。警察は当初から事件性を認めていない。Travis Scott「Sicko Mode」、BlocBoy JB「Look Alive」、Drake「Nonstop」「Rich Flex」──2010年代後半以降のラップの音を、この人のドラムがかなりの部分で決めていた。メンフィス出身で、中部テネシー州立大学の卒業生であり、後に同大の名誉教授にも名を連ねている。

今週出たのは、死因と死亡の態様についての行政の認定である。それ以上のことを、この認定は決めていない。

Tay Keithのキックとスネアは、曲の輪郭を最初の2小節で決める種類の音だった。その音がどこから来たのかは、これからも聴き返される。死因の公表は、その聴き返しの入口を一つ閉じただけで、他は何も閉じていない。

📍 検視局の発表と報道各社の表記の差まで追いたい読者は個別記事へ。

出典:Rolling Stone:検視局関係者の説明と複合中毒の内訳theGrio:TMZ報道の要約、ニコチン・エタノール・冠動脈疾患の所見FOX 17(WZTV):態様は事故、案件終結24Hip-Hop:出身と大学との関係本誌:死因公表の個別記事


8位|Lil Durk──無罪の翌週に、次の日付だけが残った

HSI 69|📍本誌が9月15日に全経緯まとめ

先週1位で扱った無罪評決の、その後である。

9月11日の評決から一週間、Lil Durkの拘置は続いている。7月14日にFitzgerald判事が今回の公判から分離したVICAR(ラケッティアリング活動を助けるための暴力犯罪)と銃器の訴因をめぐる第2の公判が、連邦検察の説明では10月5日に予定されている。

9月17日、NPRのRodney Carmichaelが「今週のヒップホップ」でこの件を扱った。論点は評決そのものではなく、その先にある。DurkもYoung Thugも刑事事件では勝った。では、歌詞や未公開の映像が証拠として法廷に持ち込まれる時代に、ストリートを主題にするアーティストはどう振る舞うのか──記事はそこを問うている。Carmichaelは、2024年11月に研究者のErik Nielsonとポッドキャスターのwallo267へ行った取材を引きながら、真正性の演出が実生活の証拠に転用される構造を書いた。

検察が公判前の追起訴で、DurkがQuando Rondoとの対立を「ラップにして商品化した」と主張していたことも、この文脈に置かれている。

同じ論点は、15位のYella Beezyの公判にも出てくる。あちらでは、歌詞を証拠として使えるかどうかを判事がすでに一部認めている。

📍 本誌は9月15日、逮捕から評決までの全経緯をまとめ記事に整理した。5つの罪状の内訳、共同被告2人の有罪部分、そして拘置が続く理由まで、一本で追える。開廷前の論点整理は8月18日の記事にある。

無罪評決が決めたのは、この起訴についての判断だけである。10月5日は、その外側にある。

出典:NPR:歌詞と法廷をめぐる論考(Rodney Carmichael、9月17日)NPR(WUSF配信):評決後の拘置と来月の公判本誌:事件の全経緯まとめ前号1位:評決当日の記録


9位|9月18日のリリース群──世代が二重に並んだ金曜

HSI 68

9月18日の一覧は、今年でも指折りの幅があった。

HotNewHipHopが同日に挙げた主な作品は、Yeat『COCOON』(EP)、AZ Chike『No Rest for the Wicked』(Warner)、Hunxho『I Quit Rap』、Offset「Something I Need」、FERG『CYCLE』、BLP KOSHER『Tony Glock』、NASAAN『Rule #1 (Oops)』、Fetty P Franklin & BandPlay『The Frank Play』、Skepta, Suggs & Chase & Status「Innocent Smile」、Traffic, Ab-Soul & Saint Pat Beatz「LIFE」(feat. Jay Worthy)。そしてRakim、Kurupt、Masta Killaの3人による『THE GODBODY』

Vibeがまとめた50本の一覧には、Ghostface Killah、Scarface、Kool G Rap、Anderson .Paak & Cordae、Shaboozey & Gunna、Nipsey Hussleの名前も並ぶ。NoCap『Heaven on Mars』(Atlantic)も同日である。

Rakim、Kurupt、Masta Killa。ロングアイランド、フィラデルフィア/ロサンゼルス、スタテン島。1980年代後半から1990年代前半に別々の場所で始まった3人が、2026年に一枚を共有した。同じ日に、Yeatの新作とBLP KOSHERが出ている。

この日でいちばん語られたのは、AZ Chikeの客演表だった。全14曲で、Tyler, The Creatorが2曲、JMSNが1曲。プロデューサーにPharrell WilliamsとHit-Boy。だが9月14日にトラックリストが出た時点で話題になったのは、そこにKendrick Lamarの名前がなかったことである。AZ ChikeはKendrickとスタジオにいる写真を事前に出しており、『GNX』の「peekaboo」で客演した間柄でもあった。

答えは発売日に出た。Bootleg Kevのポッドキャストが9月18日に公開した部分で、AZ ChikeはKendrickとSounwaveがアルバム全体の構成とキュレーションに関わったと語っている。Kendrickは曲順に口を出し、後半に置かれていた「God’s Favorite」を3曲目へ動かしたという。自分のアルバムから「Money Trees」や「Cartoons & Cereal」を何曲外したと思う、という趣旨の言葉も引かれている。

客演はなかったが、曲順にはいた。名前がクレジットに出ないかたちの関与が、今週いちばん具体的に説明された。

Anderson .PaakとCordaeの共作アルバム『Heavy Is the Crown』は10月23日発売予定で、この週に先行曲「A Good Day」が出た。

出典:HotNewHipHop:9月18日のリリース一覧HotNewHipHop:AZ ChikeがKendrick Lamarの役割を説明(9月18日)HotNewHipHop:トラックリスト公開時の反応(9月14日)Vibe:同日のリリース50本Wikipedia「2026 in hip-hop」:9月18日のアルバム一覧


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10位|Diddyの民事代理人──1億ドル訴訟の原告席から、降りる申請

HSI 67|📍本誌が9月17日に個別記事(ECF原本を取得)

現地9月14日、ニューヨーク南部地区連邦地裁に3通の書面が提出された。ECF 124(辞任許可を求める申立書、1ページ)、ECF 125(Michael Tremonte弁護士の宣誓供述書、4ページ・全15項)、ECF 126(送達証明書、1ページ)。本誌はCourtListener/RECAP経由でこの3点のPDFを取得している。

Sean「Diddy」Combsが提起した1億ドルの名誉毀損訴訟(Combs v. Burgess, No. 1:25-cv-00650 (JPC)、John P. Cronan判事)で、原告代理人を務めてきたSher Tremonte LLPが、代理人から降りる許可を裁判所に求めた書面である。

事務所が挙げた理由は二つ。報酬・費用の相当額が未払いで、6か月以上まったく入金がないこと。そして4か月以上、案件についての直接の実質的なやり取りに応じていないこと。延滞残高の相当部分は90日を超えて未回収だという。未払い額そのものは書面に記載がなく、事務所は詳細を非公開(イン・カメラ)で提出すると申し出ている。あわせて、報酬が支払われるまで依頼人ファイルを留め置くリテイニング・リーエンも請求した。後任の弁護士がファイルを受け取れるかに直結する請求である。

9月16日、Combs側は広報担当のJuda Engelmayerを通じて反論した。弁護士を替えると決めたのは自分であり、過大請求と承認していない費用に食い物にされるつもりはない、という趣旨である。Tremonte弁護士はメールで、過大請求をしたという示唆は誤りだと否定した。

なお、1億ドルはCombsが被告に求めている損害賠償の額で、未払い報酬の額ではない。未払い額は、今週の書面には書かれていない。

また、ローカル民事規則1.4(b)により、訴訟代理人が代理人から外れるには裁判所の命令が必要である。今週確認できたのは申立ての提出までで、許可が出たかどうかは未確認である。

📍 宣誓供述書の全15項が何を述べているか、9月4日の却下判断(前号の短報で扱った)との関係、未確認事項の一覧は個別記事に。書面の中身まで読みたい読者へ。

出典:本誌:ECF 124・125・126の内容と当事者双方の主張NBC News:Tremonte弁護士の反論と刑事裁判との区別Complex:Combs側の声明


11位|ちゃんみな「History」──映画のエンディングに置かれた新曲

HSI 67|📍本誌が9月17日に個別記事

9月13日、ちゃんみなの新曲「History」が、綾瀬はるか主演の映画『ファーストボイス』の主題歌に決まったと発表された。公式サイトのニュースは同日付で、映画は10月2日(金)に全国公開される。本編映像に楽曲を合わせた「主題歌スペシャルムービー」も同時に公開された。監督は前田哲、脚本は橋本裕志。ファーストサマーウイカ、松本穂香も出演する。

「History」は、制作中のアルバム『LEGEND』に収録が予定されている。ただし、9月13日の告知は楽曲配信とアルバムの詳細を「続報」としており、配信日も発売日も記載がない。本誌が9月15日に確認した時点でも、そこは変わっていない。レーベル表記はNO LABEL MUSIC/Sony Music Labels。

ちゃんみなはコメントで、いま当たり前とされているものの手前には、枠組みに抗ってきた人たちの歴史があると述べ、主人公たちの闘いの余韻に「History」が流れた瞬間に報われた気がした、という趣旨を語っている。

📍 配信日とアルバム情報の現在地は個別記事にまとめた。「いつ聴けるのか」だけを知りたい読者は、こちらが早い。

映画の公開日は10月2日で確定している。曲の配信日は、9月13日の告知にも、本誌が9月15日に確認した時点でも示されていない。決まっていないのか、まだ出していないだけなのかは、公表された情報からは判別できない。

出典:THE FIRST TIMES:主題歌決定とスペシャルムービー公開USEN:公式告知の内容、本人コメント、『LEGEND』収録予定、レーベル表記本誌:配信日とアルバム情報の確認状況


12位|GADORO──大阪城ホールを、ABEMAが丸ごと流す

HSI 66|📍本誌が9月17日に個別記事

GADOROの単独公演「GADORO ONEMAN LIVE “独り言”」を、ABEMAが独占生中継する。9月21日(月・祝)、大阪城ホール。開場17:00、開演18:00。放送はABEMAプレミアムで17時30分開始、見逃し配信は11月20日まで。

日本のラッパーの単独公演が大阪城ホール規模で行われ、それが配信プラットフォームの独占コンテンツとして丸ごと扱われる。この組み合わせ自体が、数年前には一般的ではなかった。

宮崎出身で、フリースタイルの舞台から名前を広げてきたラッパーが、関西のアリーナで一人でやる。そこに全国の視聴導線が付く。会場の規模と配信の規模が、同じ日に一度に確定した発表である。

📍 放送時刻、見逃し配信の期限、チケット情報は個別記事に。当日の視聴段取りを決めたい読者へ。

出典:本誌:ABEMA番組ページの内容と公演情報


13位|Eminem未発表曲流出事件──10月22日、デトロイトの連邦地裁で

HSI 62|📍本誌が9月18日に個別記事

元エンジニアのJoseph Strangeが、10月22日にデトロイトの連邦地裁で著作権侵害の罪について有罪答弁を行う予定であることが、9月15日前後に報じられた。検察は、より重い州際間の盗品輸送の訴因を取り下げる。著作権侵害の訴因で想定される上限は5年である。立件から約18か月の案件が、予定どおりに進めばここで一区切りになる。

2025年1月、1990年代後半から2018年にかけて録音されたEminemの未発表曲25曲以上がインターネット上に現れた。スタジオの従業員がFBIに通報し、同月末にStrangeの自宅が捜索された。StrangeはミシガンFerndaleのEffigy Studiosで2007年から2021年まで働き、マスター音源のハードディスクを収めた金庫にアクセスできる4人のうちの一人だった。システムは公衆インターネットから切り離して運用されていたという。捜査によれば、彼はオンラインで知り合った購入者に音源を売っており、一人からはビットコインで約5万ドルを受け取っている。

Eminem側のスポークスマンDennis Dennehyは、この件による損害は小さく見積もれないとし、信頼して任せた人物が責任を問われるのは納得できるが、法の許す限りの処罰を望む、という趣旨のコメントを出した。

📍 2025年1月の発覚から司法取引までの経緯は個別記事に時系列で整理してある。捜査の進み方を細かく追いたい読者へ。

作った音が、誰の管理下で、いつ世に出るか。2位のGTA VIでは、その日付をゲーム会社が決めていた。ここでは、決める前に外へ出てしまった音源をめぐって、刑事の日付が入った。

出典:Complex:有罪答弁の日程と訴因の取り下げ105.1 The Bounce:デトロイト連邦地裁の日程、量刑の上限、金庫へのアクセス権NBC News:2025年1月の立件時の事実関係とEminem側のコメント本誌:発覚から司法取引までの経緯


14位|C6ix『岡崎8番』──アクラから福生へ、バイラルの次

HSI 62

9月16日(水)、C6ixがニューアルバム『岡崎8番』をリリースした。

C6ixは2003年生まれ。ガーナのアクラ出身で、現在は東京・福生を拠点にしている。バイラルヒットを記録したタイトル曲「Okazaki8」に加え、先行シングル「Kyukyusha」にはJinmenusagi、「Japapiano」にはBIMとkZm、ほかにACE COOLとBonberoがそれぞれ客演として入る。「Japapiano」は、アマピアノを日本語ラップの側から読み替えたという位置づけで紹介されている。

日本語ラップの客演表は、ここ数年で出自の幅が目に見えて広がった。アクラで生まれ、福生に住み、店名に由来するタイトルを掲げる。その上にBIMとkZmが乗る。バイラルで名前が知られたあと、どの名前と並ぶかで次の位置が決まる。その意味で、この客演表そのものがニュースである。

出典:Spincoaster:リリース情報、客演、トラックリスト


15位|Yella Beezy──9月14日に始まるはずだった公判が、延期された

HSI 61

前号15位の続きである。

現地9月14日(月)、ダラス郡地裁でYella Beezy(本名Markies Conway)の陪審選任が始まる予定だった。Chika Anyiam判事は、弁護側の延期申立てを認めた。検察側も延期に同意している。

理由は二つ。今後2週間、複数の専門家証人が出廷できないこと。そして、先に有罪となったKewon Whiteの公判記録の写しを待っていることである。記録の作成には約30日かかると裁判所は見ており、弁護側はその後さらに2週間の検討時間を求めている。Whiteは、Yella Beezyの公判で証人となる可能性がある。

新しい期日については、裁判記録を引いて10月26日とする報道と、現時点では決まっていないとする報道が併存している。確認できたのは、9月14日の開始が取りやめになったところまでだ。

Whiteは9月4日にcapital murderの有罪評決を受け、仮釈放なしの終身刑を言い渡された。有罪後のインタビューで、Yella Beezyから金を受け取って殺害したわけではないと述べている。この発言は、Yella Beezyへの訴因を変えていない。本人は無罪を主張しており、有罪となれば終身刑に直面する。第三の被告Devin Brownの公判も残っている。

この事件では、今年すでに、Yella Beezyの歌詞の一部を証拠として使えるという判断が出ている。8位のLil Durkの項目でNPRが問うた論点が、ここではまだ現在進行形である。

出典:NBC 5 Dallas-Fort Worth:9月14日開始予定と延期申立ての理由MediaTakeOut:Anyiam判事の判断、記録作成に要する期間、検察の同意、新期日未定とする記述XXL:10月への延期AceShowbiz:裁判記録を根拠に10月26日とする記述前号15位:延期申立ての提出


16位|『LYRICADE』──10月25日、渋谷WWWの三面が埋まる

HSI 60

9月17日、10月25日(日)に渋谷WWW、WWW X、WWWβの3会場を使って開催される『LYRICADE(リリケイド)』の追加ラインナップが発表された。

加わったのは、ワンマンを即完させ『POP YOURS』にも出たSiero、Mall Boyzとしての活動やソロEP『G mode』を重ねるgummyboy、そして『RAPSTAR』の応募動画から注目を集めたJairoら。

10月25日は、川崎・東扇島東公園でFORCE FESTIVAL 2026が開かれる日と同じである。屋外の大型フェスと、渋谷の3会場を全館使う企画が、同じ日曜に並ぶ。国内のヒップホップの興行は、一日に大きな選択肢を二つ置ける規模になった。

出典:Spincoaster:追加ラインナップと会場構成本誌:FORCE FESTIVAL 2026完全ガイド


17位|Nicki Minaj──Fox Newsで語った支持と、ステージとの線引き

HSI 59

現地9月18日(金)、Nicki MinajがFox Newsの『The Ingraham Angle』に出演した。同席したのは中小企業庁(SBA)長官のKelly Loefflerで、話題は本人が審査員を務める「Million Dollar Pitch Competition」だった。SBAのFreedom 250構想の一環で、5人の起業家が総額100万ドルをめぐって競う企画である。

番組の後半、Laura Ingrahamが、現職大統領と組むことへの批判に何を言うかと尋ねた。Minajは「何も」と答えている。大統領と働けることを光栄に思うとし、彼は賢いだけでも大統領なだけでもなく、自分が共感できる相手だと述べた。地に足がついていて、話が通じやすく、自分の言うことを聞いてくれていると感じられる──そう説明したうえで、「I just love him(ただ好きなんです)」と言い、そのことで言い訳をするつもりはない、と続けた。

もう一つ、同じ番組で述べたことがある。自分のライブを政治の場にするつもりはない、という趣旨の発言である。コンサートは楽しむための場であって、政治的なメッセージをファンに届ける場ではない、と語った。

1位のMacklemoreの件とこの発言を結びつけたのは、本誌ではなく現地の複数媒体である。1053 RnBは、Minajが名前こそ出さなかったものの、この発言はMacklemoreをめぐる論争のただ中に置かれた、と書いている。

出典:TMZ:9月18日の出演、Loefflerの同席、ツアーを政治集会にしない旨Just Jared:発言の逐語とIngrahamの質問24Hip-Hop:Million Dollar Pitch Competitionとの関係、ライブを政治の場にしない旨1053 RnB:Macklemore論争との同時性という見方


18位|Kee Rooz「懺悔」──『RAPSTAR』辞退の理由を、10分で

HSI 58

9月19日(土)、千葉県四街道市出身のラッパー・Kee Roozがニューシングル「懺悔」を配信した。プロデュース、ミックス、マスタリングはRhymeTube。同日、一発録りのパフォーマンスビデオがYouTubeで公開されている。

Spincoasterはこの曲を、『RAPSTAR』を辞退した理由を約10分の楽曲で告白したもの、と紹介している。音楽ナタリーによれば、Kee Rooz自身が詐欺の被害に遭い、その後に加害の側へ回った経緯が歌われている。被害者から加害者になった、という構図を本人が曲の形で説明した。

一方で、Kee Roozは「RAPSTAR 2026」にも応募しており、応募動画はSNSで公開されている。

告白を作品にすること自体は、このジャンルの古い作法である。ただ、19位で書いた通り、同じ番組の応募が進行中でもある。自分の最も説明しづらい部分を、審査の対象になりうる場所へ先に出した。その順番を、今週の記録として残しておく。

出典:Spincoaster:『RAPSTAR』辞退の理由と約10分という尺(9月18日、9月19日更新)音楽ナタリー:詐欺の経緯と楽曲の内容(9月18日)音楽ナタリー:配信とパフォーマンスビデオ公開(9月19日)


19位|RAPSTAR 2026──9月18日、ビートの受付が始まった

HSI 58

前号9位で伝えた一般公募が、9月18日(金)に受付開始を迎えた。締切は9月27日(日)23時59分。

対象は「RAPSTAR CAMP」で使用するビートで、番組として初めての一般公募になる。条件は細かい。ボーカルを含まないWAVの2mix、長さは1分30秒程度、1名または1組につき1曲、応募者本人が単独で制作したもの、そしてサンプリングは一切禁止。

番組本体は10月10日(土)22時からABEMAで独占無料放送。優勝者の活動資金は1,000万円で、発表によればシリーズ史上最高額である。応募動画用のオリジナルビートは、Chaki Zulu、D3adStock、GRADIS NICE、krynX、Lion Melo、Neetz、rxlの7名が手がけた。

ラップする側だけでなく、トラックを作る側も番組の当事者になる。ただしその入口は、既存の音源を切り貼りしない作り方に限られている。受付が始まった今週、その条件が実際に応募者に適用され始めた。

出典:ABEMA TIMES:9月18日受付開始の告知PR TIMES:AbemaTVの発表(賞金・ビートメイカー・公募要項)前号9位:公募の発表


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20位|Chris Brown──表彰した側が、謝った

HSI 56|📍本誌が9月17日に個別記事

9月15日(火)、テキサス州下院議員のVenton Jones(ベントン・ジョーンズ)が謝罪した。Don Lemonの番組と自身のInstagramで、Chris Brownを表彰したことについて述べている。表彰は議事録上の儀礼的な項目であり、採決や立法ではない。

同じ15日の夜、Brown本人が反発する投稿を出した。自分は頼んでいない、という趣旨である。

表彰する側が謝り、された側が「求めていない」と言う。どちらの立場からも、表彰が撤回されるべきだったという結論には直接つながらない、ねじれた形になった。

📍 誰が何を出し、本人がどう答えたのか、9月14日のJasmine Crockett宛て投稿との関係までは個別記事にまとめてある。

出典:本誌:表彰と謝罪、本人の反応、議事録上の性格


21位|田我流──2027年2月と3月に、3都市

HSI 56

9月17日、田我流が『田我流 ONE MAN LIVE TOUR 2027』を発表した。日程は2027年2月11日(木・祝)東京・Zepp DiverCity、2月13日(土)大阪・BIGCAT、3月13日(土)沖縄・桜坂セントラル。東京と大阪はバンドセット、沖縄はDJセットで臨む。チケットの1次先行受付は発表と同時に始まった。

若い世代に生のライブを体感してほしい、という本人の意向で、各公演に中高生割が用意されている。東京公演では指定席に小中高生割が設けられ、スタンディングフロアは大人チケット1枚につき小学生2名まで無料で入場できる。

山梨県笛吹市一宮町出身。これまでのツアー「縁 ~en~」「流 ~ながれ」を経て、今年8月には台湾で初の海外ワンマンを行っている。11月11日の「田我流ノ日」at WWWは即完売した。

料金表に学割の行を足すという判断が、ツアーの設計としていちばん目を引く。

出典:ABEMA TIMES:ツアー発表と日程CDJournal:会場、料金、先行受付の詳細音楽ナタリー(Yahoo!ニュース配信):セット形態、学割の内容、本人コメント


22位|Itaq『TYGTA -退下駄-』──宗教2世が書いた「対立と統合」

HSI 55

9月18日(金)、ラッパーのItaqがソロ名義4作目となるコンセプトアルバム『TYGTA -退下駄-』をリリースした。

テーマは「対立と統合」。宗教2世として育った本人の独白を軸に、ジョージ・オーウェル『1984年』やイスラム教の聖典などを参照しながら、信仰とヒップホップの境界を描いたという構成である。

18位のKee Roozと同じ週に出た。片方は自分の事件を、片方は自分の育ちを、それぞれ長さのある形で作品にしている。告白の作法が、今週の日本語ラップには二つ並んだ。

出典:ABEMA TIMES:作品のテーマと構成


国内ウォッチ──本誌の今週と、次の日付

ここからは順位表を離れて、9月20日までに届いた国内の知らせへ。

Kiii × SHEEF THE 3RD──「為替レートはない」

9月19日、本誌はKiiiの独占インタビューを公開した。SHEEF THE 3RDとの「Wire Transfer / 電信送金」をめぐる話で、ブラックカルチャーの重みをどう受け取るかという主題に踏み込んでいる。10月30日には江ノ島オッパーラで「出吉舞ってる WITH SIDE QUEST TOUR」にSP LIVEとして出演する。

田中雄士──ゲームのように、全部やる

9月13日公開の独占インタビュー。実業家で元キック王者のラッパーが、音楽も仕事も遊びも同じ設計で扱う、という話をしている。

FORCE FESTIVAL 2026──先行受付は9月30日まで

10月25日(日)の川崎・東扇島東公園は、チケットの先行受付が9月30日(水)23時59分まで続いている。判明している出演者は15組で、フライヤーには「AND MORE…」の表記が残ったままである。会場、券種、これまでの発表の経緯は完全ガイドに集約してある。同じ10月25日には、16位の『LYRICADE』が渋谷で開かれる。

週末の予定

本日9月21日(月・祝)は大阪城ホールでGADORO(12位)。同じ連休には、前号で触れた京都KBSホールの「SHOW MUST GO ON 2026」(9月21日・22日)、Masato Hayashiのワンマン『暴走東京』(9月23日・Zepp Shinjuku)も控える。9月26日(土)には『Urban Jam』にTiji Jojoが入る。


短報──この週に出た曲、届いた知らせ

国内

  • Worldwide Skippa『skippin tape vol.5』。名古屋拠点のアーティストによる5作目のミックステープを9月14日(月)に配信(Spincoaster)。
  • someshiit × Jeremy Quartus、スプリット7インチ。台湾のsomeshiit(山姆)と東京拠点のJeremy Quartus(Nulbarich)による『STILLNESS / 那些勸我別抽菸的人都死了』を9月18日に発表。9月27日、下北沢ADRIFTの『SIMCITY』で先行販売(Spincoaster)。
  • AVY & Cee Scotch「ANTICA」。金沢を拠点とする2人が、9月16日(水)にシングルを配信。10年の活動を「ANTICA」というギャラリーになぞらえ、クローゼットで録っていた頃やクラブでデモを配っていた日々を歌う(OTOTOY)。
  • 徳利、ラッパーと芸人が集まるイベント。9月17日に告知(音楽ナタリー)。
  • JASS「Shake feat. KOH, JNK / 雲煙飛動」が7インチ化。大阪アメ村のクルーTha JointzのJASSが2017年11月に出した1stアルバム『雲煙飛動』から、2曲をアナログ化する。A面が「Shake feat. KOH, JNK」、B面が「雲煙飛動」。2027年1月13日(水)発売、45回転・4Pジャケット、OTS-423、2,420円(税込)。予約は9月18日(金)に始まった。発売元はアルバムからの経過を「10年」と表記している(CDJournalindiegrab)。
  • Rich The Kid & Gunna「Too Bad」。9月11日配信の1曲入りシングルを、本誌が9月17日に配信データから読み解いた。

海外

  • Rock The Bells Festival 2026が出演者を追加。9月16日発表。11月29日(日)、ニュージャージー州ニューアークのPrudential Centerで行う感謝祭週末の公演に、Raekwon & Ghostface Killah、Shyne、Papoose、Kool G Rap、Onyx、Treach、Roxanne Shanté、Kwamé、Sugarhill Gang and The Furious Fiveが加わった。RapsodyはD-Niceのキュレーション・セットに入る。既発表はLL COOL J、Lil’ Kim、Method Man & Redman、SWVら。9位で触れたKool G Rapは、同じ週に新曲を出してこの名簿にも載っている(Pollstar)。
  • Ed Sheeranのツアーから複数の出演者が離脱。Macklemoreの降板を受けた動き。人数と名前は本誌では確認できていない(Boston Globe)。
  • Rap Atlas US、先々週に6都市を公開ニューヨークロサンゼルスシカゴダラスほか。

追悼|Tone Capone

Tone Capone(本名Anthony Douglas Gilmour)が亡くなった。59歳。KQEDが遺族の話として最初に伝え、複数の媒体が続いた。死去は9月12日(土)で、遺族が知らせたのは翌13日(日)。死因は公表されていない。2021年以降はラスベガス地域で暮らしていた。

バークレーで生まれ、ノース・オークランドで育った。バークレー高校在学中にDJを始め、1990年代にベイエリアの音を作る側に回る。1995年、Club Nouveau「Why You Treat Me So Bad」を土台に組み、Michael Marshallがフックを整えたトラックで、Luniz「I Got 5 On It」が生まれた。Billboard Hot 100で8位まで上がり、2019年にはJordan Peele監督『Us』でリミックスが使われて、また新しい耳に届いた。

Mac Dre「Fire」「Not My Job」、E-40「Ring It」、3XKrazy「Keep It on the Real」。Celly Cel、Dru Down、Andre Nickatina、Devin the Dude、The Jacka。SWVやCapital Taxといった、ベイエリアの外の仕事もある。Scarfaceは、好きなプロデューサーとしてDr. Dre、Timbalandと並べてこの人の名前を挙げたことがある。昨年はYukmouthとMarshallとともに、SPINの「I Got 5 On It」オーラルヒストリーに登場していた。

30年前に組まれた8小節は、いまも鳴り続けている。

📍 経歴と代表作は個別記事に。ベイエリアの音の系譜から入りたい読者へ。

出典:Yahoo(Los Angeles Times配信):死去とベイエリアでの仕事、SWV・Capital Taxrolling out:9月12日死去、遺族がKQEDへ、ラスベガス在住HotNewHipHop:「I Got 5 On It」の成り立ち、Scarfaceの言及、SPINのオーラルヒストリー本誌:追悼記事


今後の注目日程

公演や配信の予定は変更される場合がある。日時は表記したタイムゾーンで確認する。

日付内容
9月21日(月・祝)GADORO「独り言」大阪城ホール。ABEMAプレミアムで17:30から独占生中継。
9月21日・22日SHOW MUST GO ON 2026、京都KBSホール。
9月23日(水・祝)Masato Hayashi『暴走東京』、Zepp Shinjuku。
9月25日EVISBEATS × Nagipan『Beauty』配信予定。
9月25日・26日(米国現地)Ed Sheeran、Gillette Stadium公演。
9月26日『Urban Jam』(Tiji Jojo出演)。
9月27日RAPSTAR 2026ビート公募締切(23:59)。『SIMCITY』(下北沢ADRIFT)でsomeshiit × Jeremy Quartusの7インチ先行販売。
9月27日(米国現地)MTV VMAs、Peacock Theater。司会Snoop Dogg。
9月30日FORCE FESTIVAL 2026、先行受付終了(23:59)。
10月2日映画『ファーストボイス』公開(主題歌:ちゃんみな「History」)。Quavo『QRÖMELIFE』。
10月4日Daichi Yamamoto『Hakka』福岡(折坂悠太)。
10月5日(米国現地)Lil Durk、VICAR・銃器の訴因をめぐる第2の公判(連邦検察が言及した予定日)。
10月9日(米国現地)「JAŸ-Z in 8」第7話・第8話でHBO Maxの配信が完結。
10月10日 22:00『RAPSTAR 2026』ABEMAで放送開始。
10月13日(米国現地)キーフ・Dの量刑予定。
10月22日(米国現地)Joseph Strange、有罪答弁の予定(デトロイト連邦地裁)。
10月23日(米国現地)Anderson .Paak & Cordae『Heavy Is the Crown』。
10月23日・24日(米国現地)JAŸ-Z30、SoFi Stadium(ツアー最終)。
10月25日FORCE FESTIVAL 2026(川崎・東扇島東公園)と『LYRICADE』(渋谷WWW/WWW X/WWWβ)が同日開催。
期日未確認(米国現地)Yella Beezyの公判。10月26日とする報道と、期日未定とする報道が併存。
10月30日Kiii × SHEEF THE 3RD、江ノ島オッパーラ。
11月11日「田我流ノ日」at WWW(完売)。DJ ONEWAY「BOBSON」7インチ発売。
11月13日AKLO × ZORN『A2Z 2026』、東京ガーデンシアター。DJ KRUSH『TOKYØHUM』ツアー初日(仙台SHAFT)。
11月17日Tohji Last Live “TOKYO MALL”、東京ドーム。
11月19日『GTA VI: The Album』(34曲)配信開始。ゲーム本体と同日。
11月20日『GTA VI: The Album』フィジカル(CD・アナログ)発送開始。GADORO「独り言」見逃し配信終了。
11月29日tofubeats、Kanadevia Hall。Daichi Yamamoto『Hakka』広島(中村佳穂)。
2027年1月13日JASS「Shake feat. KOH, JNK / 雲煙飛動」7インチ発売。
2027年2月11日・13日、3月13日田我流 ONE MAN LIVE TOUR 2027(東京・大阪・沖縄)。
2027年2月14日(米国現地)Super Bowl LXI、SoFi Stadium。ハーフタイム出演者は未発表。

本誌で、もう一歩読む

今週(9月13日〜20日)に出した記事

前号と、過去の関連記事から


結び|動いた日付と、空いたままの枠

今週のニュースを、日付で並べ直してみる。

後ろへ動いた日付がある。Yella Beezyの陪審選任は、9月14日に始まらなかった。Lil Durkは、残る訴因をめぐる第2の公判を10月5日に控えている。Diddyの訴訟では、代理人が降りる許可を待っている。Macklemoreの出番は、9月25日と26日のGillette Stadiumから消えた。

新たに示された予定もある。11月19日の『GTA VI: The Album』。10月9日の「JAŸ-Z in 8」最終話。10月22日のデトロイトの連邦地裁。10月2日、ちゃんみなの曲が流れる映画の封切り。9月21日の大阪城ホール。2027年の2月と3月には、田我流が3つの街を回る。10月25日には、川崎の海沿いと渋谷の3会場が同じ日に埋まる。

日付を動かしたのは、スタジアムの所有者、ツアーのプロモーター、連邦検察、ダラスの判事、そしてゲーム会社だった。どれも、音楽の中身を判断する立場にはない。

そのなかで、自分の日付を自分で動かした人が一人いた。Drakeである。『FOMO』は9月15日に出て、数時間で消え、17日に戻った。報道によれば、下ろしたのも戻したのも本人だった。19日に出た新曲「Quebec」も数時間で非公開になったが、こちらは経緯が分かっていない。

9月18日の金曜には、日付ではなく作品の名前が並んだ。Yeat、Offset、FERG、AZ Chike。そしてRakimとKuruptとMasta Killaの一枚。

Tone Caponeが1995年に組んだトラックは、いまも鳴っている。

日付には、それを決める誰かがいる。今週の22本を閉じたあと、どの一曲に戻るか。それを決めるのは、順位でも、その誰かでもない。


付録:HSIの採点と編集メモ

前号からの訂正

  • 前号(第36号)16位で、DJ ONEWAY「BOBSON feat. NIPPS, VIKN, BENKEI」の配信日を「9月9日」と記載した。実際の配信は2026年9月16日(水)である。本誌は9月17日の個別記事で訂正済みだが、週次まとめの記録としてここに再掲する。同曲は11月11日に完全限定生産の7インチが出る。
HSIの採点内訳(22項目)と補足

HSI-W v2.0は、注目度(ATT)×0.35、市場インパクト(MKT)×0.35、文化的意義(CULT)×0.30で算出するHIPHOPCsの編集指数である。作品の優劣や人物の価値を採点するものではない。表示は四捨五入した整数、順位は丸め前の値で決める。

本号の採点対象は順位表の22項目。国内ウォッチ、短報、追悼は順位外。法的責任の有無、事実確認の確度、編集指数は、それぞれ別のものとして扱う。本誌が個別記事を出しているかどうかは、採点に一切反映していない。

順位ニュースATTMKTCULT算出値表示HSI
1Macklemore、ツアー降板90729284.3084
2『GTA VI: The Album』34曲を発表84886680.0080
3「JAŸ-Z in 8」配信開始78708477.0077
4Super Bowl LXIハーフタイム未発表 🔴[観測]80787076.3076
5Drake『FOMO』と「Quebec」90706274.6075
6Billboard 200の2週分74826473.8074
7Tay Keith、死因公表85508472.4572
8Lil Durk、10月5日の第2公判へ80468268.7069
99月18日のリリース群66706868.0068
10Diddyの民事代理人、辞任申請78547067.2067
11ちゃんみな「History」主題歌72666266.9067
12GADORO、大阪城ホール/ABEMA中継64627466.3066
13Eminem流出事件、10月22日の答弁予定72486661.8062
14C6ix『岡崎8番』56587261.5062
15Yella Beezyの公判、9月14日開始が延期66407860.5061
16『LYRICADE』追加ラインナップ58566659.7060
17Nicki Minaj、Fox Newsでの発言76406058.6059
18Kee Rooz「懺悔」62447058.1058
19RAPSTAR 2026、公募受付開始58526457.7058
20Chris Brownへの表彰と謝罪68406256.4056
21田我流、2027年3都市ワンマン52506856.1056
22Itaq『TYGTA -退下駄-』50467255.2055

採点と読解の補足

  • 表示HSIが同じで順位が分かれた組は、10位・11位(67.20/66.90)、13位・14位(61.80/61.50)、18位・19位(58.10/57.70)、20位・21位(56.40/56.10)の4組である。
  • 1位は、注目度と文化的意義を高く見た。市場点を72に留めたのは、降板そのものが売上や動員の数字として今週のうちに現れていないためである。指数を、発言内容への評価として読まない。
  • 2位の市場点88は、34曲・11月19日・Atlantic Records・フィジカル完売という発売側の情報が今週の時点で揃っていることによる。文化点を66に抑えたのは、作品が未発表で、先行6曲のうちラップ名義が2曲にとどまるためである。評価が変わる余地は、残り28曲の側にある。
  • 3位は、配信開始後に中身が明らかになった点を文化点に反映した(84)。「Brooklyn’s Finest」の一節をめぐる証言は、2Pac事件を扱ってきた本誌の文脈とも接続する。
  • 4位は🔴[観測]として扱い、確定事実(開催日、会場、未発表であること、Roc Nationの関与)と、匿名情報源に基づく報道(難航、Jay-Zの出演可能性、候補者、発表時期)を本文で分けた。採点は「確定していない」ことがニュースである、という判断に基づく。
  • 5位のDrakeは、『FOMO』の公開・非公開・再公開、2027年ツアーへの言及、9月19日の「Quebec」の公開と非公開を一つの項目として扱った。本人の判断とする記述は、報道がある『FOMO』に限り、「Quebec」には広げていない。本編と各ビデオの視聴数は本誌が確認できていない。
  • 6位は、9月19日付と9月26日付の2週分のBillboard 200を一つの項目として採点した。市場点82はLuminateの集計値に基づく。
  • 7位は訃報ではなく、行政機関による死因・態様の認定として採点した。本誌は訃報を順位化しない方針をとっており、今週のTone Capone死去は追悼欄に置いた。6月18日のTay Keithの訃報も当時は順位化していない。
  • 9位は、同じ日の一覧に何が並んだかを捉える一項目として採点した。AZ ChikeとKendrick Lamarの件は、この項目の内側で扱っている。
  • 10位は、辞任の申立てが提出された事実を採点対象とした。裁判所の許可の有無は未確認であり、採点にも本文にも「辞任が成立した」という読みを入れていない。
  • 15位は、9月14日の開始が取りやめになったという手続上の事実を採点対象とした。新期日については報道が割れており、本文でも日程表でも確定として扱っていない。
  • 17位は発言の存在を採点対象とし、内容の当否は採点に含めない。
  • 14位・22位は、作品そのものではなく、客演表とテーマ設定という「その作品が置かれた位置」を採点対象とした。作品の出来を点数にしていない。
  • 順位の外に国内ウォッチ、短報、追悼を置いた。そこへ便宜的な点数は付けない。
選定と出典の扱い・更新ログ

対象は日本時間2026年9月13日00:00から9月20日23:59までの発表・発売・公演・司法上の動き。実際の発生時刻と記事の掲載日を混同せず、時間を特定できないものはその限界を残す。訃報は順位化しない。本号は9月21日10時時点の情報で編集した。

チャートの扱い。6位で扱った9月26日付Billboard 200は、発表が日本時間9月21日4時で、対象期間の終わりを4時間過ぎている。一方で、集計の対象となった1週間(9月11日〜17日)は対象期間と重なり、発行前に公式の数字が出ている。そのため本号に含めた。次号では同じチャートを重ねて扱わない。

本号は、本誌が今週(9月13日〜20日)に公開した記事と、それ以前の関連記事を起点に構成し、そのうえで国内外の一次情報・報道を追加して22項目とした。順位表の「本誌」欄は、その項目に本誌の個別記事があるかどうかを示すもので、HSIの採点には反映していない。本誌が個別記事を出していない項目(1・2・4・6・9・14・15・16・17・18・19・21・22位)は、外部の発表と報道を出典として本号で初めて扱う。1位については、派生記事を別途予定している。4位は発表があった時点で改めて扱う。国内ウォッチの公演情報は予定であり、当日の実施や内容を本誌が取材したものではない。

Tone Caponeの死去(現地9月12日)は前号(第36号、9月7日〜12日)の対象期間内にあたるが、遺族からの伝達とKQEDの報道が9月13日以降であったため、本号で扱った。Macklemoreの降板の発端となったMetLife Stadiumでの発言(現地9月4日・5日)は、第35号(8月31日〜9月6日)の対象期間にあたる出来事だが、降板の発表と各者の声明が9月14日・15日であるため、本号の対象とした。

6位の9月19日付の順位はBillboardの公式チャートページで確認し、順位一覧の照合には二次集計を用いた。9月26日付の数値は、Billboardの記事が示すLuminateの集計値である。15位の新期日については、裁判記録を根拠に10月26日とする報道と、期日未定とする報道が併存する。本文と日程表では、その両方を併記した。2位のフィジカルの発送日(11月20日)と価格は、公式ストアの各商品ページで確認し、配信日(11月19日)と分けて記載した。5位のDrakeについては、『FOMO』の非公開と再公開をそれぞれ別の媒体で確認し、非公開の正確な時刻と本人の説明は未確認として本文に明記した。「Quebec」の非公開は、誰の判断かを示す報道がないため、判断主体を書いていない。

事実の説明には公式発表、個別報道、配信ページ、本誌の関連記事をつなぐ。本文中の比較や結びは編集部の解釈であり、当事者が述べた意図に置き換えない。1位および17位が扱う政治的主張について、本誌は賛否いずれの立場も取らない。出典確認・編集日:2026年9月21日。

算出方法の基本はHSI|HIPHOPCs Scene Indexとはを参照。誤りの訂正は訂正方針に従い、本稿の更新ログに記録する。

更新ログ

  • 2026-09-21:初版作成。
  • 2026-09-21:公開前の独立監査の所見を反映。21位の公演までの期間の誤記を実日程に差し替え、MetLife公演の対象期間を第35号に訂正、HSIの同点表示の組数を訂正した。結びと日程表を本文と同じ確度に揃えた(Lil Durkの第2公判、Yella Beezyの新期日、ちゃんみな「History」の配信日)。5位で取り下げをPitchforkに帰属させていた記述を、裏付けが取れなかったため撤回し、取材し直して再公開までを書いた。2位にフィジカルの発送日を、短報にAVY & Cee Scotch「ANTICA」の配信日の訂正(9月16日)とJASS 7インチの発売日を、それぞれ個別の出典とともに加えた。予測値の参照先を示せなかった短報を1件削除した。6位で女性R&B作品の記録とR&B全体の記録が混ざっていたため、両者を分けて書き直した。5位で「Quebec」の非公開まで本人の判断としていた総括を、報道がある『FOMO』の範囲に戻した。参照先の個別記事を示せなかった短報1件(『The Blueprint』のApple Musicチャート)を削除した。

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