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「ブレイクダンスに救われた」COMIC主催・JURAが語る、B-Boyの未来と次世代への想い【独占インタビュー】

インタビュー24 min read

聞き手・取材:Sam/執筆・構成:Rei Kamiya(レイ)

JUICE BAR ROCKETの店内で、笑顔で話す人々。壁には黄色いイラストが飾られている。
JUICE BAR ROCKETでの取材風景。提供写真。

「僕は、ブレイクダンスに救われた気持ちがあるんです」

東京・北千住のブレイキンイベント「COMIC」を主催するJURAは、COMICを続ける理由をそう話した。テレビで見たダンスに憧れ、仲間と練習し、大会の本戦に立つ。そこで得た自信や出会いが、今度は誰かの挑戦を支える場所になっている。

COMICには、まだ東京で知られていない地方のB-Boyも、技を覚えたばかりの参加者もやってくる。音楽に乗って自分を出し、誰かの目に留まる。勝敗の先にも続く、そのきっかけをJURAは作ろうとしている。

ヒップホップの四大要素とされるDJing、MCing(Rap)、Breaking、Graffiti Writing。DJが音をつなぎ、MCが言葉を乗せ、B-Boy/B-Girlが踊り、ライターが自分のスタイルを描く。COMICの話は、その一つであるブレイキンから、ヒップホップ全体へと広がっていく。1

2026年11月8日、北千住のJUICE BAR ROCKETで、新シーズンの初戦「COMIC EP6 vol.1 for U22」が開かれる。その幕開けを前に、HIPHOPCsのSamがJURAにインタビュー。ラッパーであり、同店を手がけるVIKN(ヴァイケン)も交え、ダンスとの出会い、COMICが生まれた背景、音楽と人柄を大切にするB-Boyの美学を聞いた。26

JUICE BAR ROCKETの店内で話を聞くCOMIC主催・JURA。
踊ること、場を作ること。JURAに、その両方への想いを聞いた。提供写真。
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野球少年が出会った、もう一つの夢

Sam: まず、簡単に自己紹介をお願いします。

JURA: ジュラです。1999年2月9日生まれで、地元は東京都足立区の綾瀬です。

EDGW CYPHERという江戸川区の仲間達と一緒にいます。

Sam: 音楽、特にヒップホップに出会ったきっかけを教えてください。

JURA: 僕の場合は、ブレイクダンス、B-Boyingを始めたことがきっかけですね。そこからヒップホップをはじめ、いろんなジャンルの音楽を聴くようになりました。

Sam: ということは、ヒップホップの音楽を聴くよりも、ダンスのほうが先だったんですね。

JURA: そうですね。15歳のときに始めました。それまではヒップホップに触れる機会もほとんどなかったです。

小学生から中学生までは、ずっと野球をやっていました。結構厳しい環境で、本格的に取り組んでいたんですけど、怪我をしてしまって。それで、次に何をしようかと考えたときに、ブレイクダンスに出会いました。

Sam: ブレイクダンスに興味を持った直接のきっかけは?

JURA: 岡村隆史さんですね。『めちゃ×2イケてるッ!』で、岡村さんとゴリさんがダンスをやっているのを再放送で見たんです。

それがすごくかっこよくて。地元のダンススタジオにも行ってみたんですけど、そこにはブレイクダンスのレッスンがなくて。

ヒップホップとハウスというジャンルをやってました。その後、師匠にあたるB-Boyと出会って、高校一年生の時に本格的に習い始めました。

Sam: つまり、すべての始まりが『めちゃイケ』だったと。

JURA: そうです。出会いはマジで『めちゃイケ』です(笑)。

入口は、テレビの中の「かっこいい」だった。音楽や歴史を知るのは、その後のこと。野球を続けられなくなった少年は、身体を使って自分を表現する、別の楽しさを見つけた。

ダンスから音楽へ。元をたどれば、同じヒップホップ

Sam: ダンスから入って、どうやってヒップホップというカルチャー全体に興味が広がったんですか?

JURA: ブレイクダンスをやっていると、ブレイクビーツという音楽に触れるんです。そこから、ブレイクビーツ以外の音楽も聴くようになって、「何だこれ、面白いな」って。

それと、僕は師匠やVIKNさんからヒップホップの歴史を教えてもらいました。

Sam: ブレイクビーツというのは、具体的にどういうものなんですか?

JURA: もともとニューヨークで、ソウルやファンクの曲にあるブレイクの部分を、DJが2台のターンテーブルを使ってつないで、そこにいる人々は踊っていたんです。

その音楽に合わせて踊っていた者がB-Boyと呼ばれるようになり、そこにMCが入ってきた。僕はそういう歴史を教わりました。

VIKN: 当時は、まずDJがいて、ダンサーがいて、そこにMCがいる。今とは立ち位置が違ったんだよね。

Sam: 今のヒップホップのイメージとは、かなり違いますね。

JURA: そうなんですよ。だからこそ、僕はブレイクダンサーだけの世界に閉じこもりたくないんです。

B-Boyのシーンって、ラップの市場と比べたらまだ小さいと思っていて。でも、元をたどれば同じヒップホップじゃないですか。

せっかくだったら、ブレイクダンス専門の媒体だけじゃなくて、HIPHOPCsさんみたいなヒップホップメディアにもB-Boyとして出たいと思っていました。

Sam: なるほど。ダンスだけじゃなく、ヒップホップ全体と交わっていきたいんですね。

JURA: そうです。もっと交わって、みんなで盛り上げていきたいんです。

JURAはニューヨークにも足を運んでいる。踊ることから音を掘り、歴史を知り、その土地へ行く。好きになったものをたどるうちに、関心はダンスの外へも広がっていった。

COMICでも、DJが音を選び、MCが場をつなぎ、その中でダンサーが自分を出す。11月8日の告知には、DJのGABAWASHとLARGE RICE、MCのCRUDEとGET HIGHが名を連ねている。B-Boyの舞台は、踊る人だけで出来上がるわけではない。2

ターンテーブルとPCが並ぶDJブース、その向こうに広がるフロア。
音を選ぶDJと、その音に応えるフロア。提供写真。

300人の中から16人へ。勝てなかった大会が残したもの

Sam: ダンサーとして活動を始めてから、どんな目標を持っていたんですか?

JURA: 当時は、みんなB-BOY PARKを目指していました。

予選には300人ぐらいのB-Boyが集まるんですけど、本戦のトーナメントに上がれるのは16人だけだったんです。

全国からB-Boyが集まる機会も、今ほど多くなかったので、みんな1年間そこを目指して頑張っていました。

江戸川の仲間と練習を重ね、JURAもその本戦に進むことができたという。

JURA: 当時は江戸川区から1人上がれたら神みたいな感じだったんですけど、その年は3人ぐらい上がっちゃって(笑)。

Sam: 神が3人いたんですね(笑)。本戦ではどうでした?

JURA: 負けちゃったんですけど、ものすごい爽快感があったんですよ。

それまで頑張ってきたことが、初めて結果として形になったというか。「頑張ってきたら、こうなるんだ」って実感できたんです。

そこで、結果だけじゃなくて、そこに至る過程も大切なんだって学びました。

優勝という結果には届かなかった。それでも、仲間と目指し続けた場所に自分の力で立てたことは、その後も残った。JURAがCOMICについて話すとき、勝敗と同じくらい、そこへ向かう時間や、その先で生まれるつながりを大切にする理由が見えてくる。

「こういう若者を待ってた」VIKNが見たCOMICの始まり

JURAはやがて、挑戦する場所を自ら作る側にも回る。そのイベントがCOMICだ。

Sam: 最初は大変だったんじゃないですか?

JURA: もちろんいろいろあったんですけど、仲間やスタッフ、キャストの皆さん、それこそVIKNさんにも助けてもらったんです。

アドバイスをもらったらすぐ修正して、また進んでいく。そうやってきたので、振り返ってみると、大変だったというより、助けられてきたという感覚が強いです。

Sam: VIKNさんは最初のCOMICについて、どんな印象がありますか?

VIKN: やっぱり彼は足立区が地元だから、地元の人たちと一つのコンテンツを作るっていうのは、ずっとやりたかったことだったんです。

だから、こういう若者を待ってたよ、って感じでしたね。

それで、1回目から全国から100人ぐらいエントリーが来るようなバトルをやっていて。「え、こんなに人が入るの?」って驚いたんですよ。

徐々に出来上がっていったというより、最初からある程度仕上がっていた印象があります。

Sam: それはすごいですね。

VIKN: みんなが燃えるようなコンテンツというか、勝ちに行きたくなるようなバトルを作る感覚があるんだと思います。

それをちゃんと形にして、イメージしたとおりに実現しているんでしょうね。

JURAが繰り返すのは、周囲に助けられてきたという実感。VIKNが見ているのは、人を奮い立たせる場を思い描き、それを形にする力だ。主催者一人の名前の後ろに、地元の仲間や先輩、スタッフとの関係がある。

COMICという名前に込めたもの

2026年5月のENTER THE STAGEのインタビューで、JURAはイベント名について、自分の人生を漫画に見立て、参加者それぞれが主人公になるイメージだと説明している。3

COMIC EP6 U22 vol.1のアートワーク。青い背景と、漫画のコマを思わせるキャラクターのイラスト。
COMIC EP6 U22 vol.1のアートワーク。画像:提供素材。
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尼崎から現れたphilip。ひとりの挑戦が、次の挑戦を呼ぶ

Sam: COMICから名前が広まったダンサーもいるんですか?

JURA: めちゃめちゃいます。

自分ではそこまで意識していなかったんですけど、COMICに来て優勝したり、そこで名前が知られるようになったりして、その後オープンのシーンで活躍するやつもいます。世界に出ていくようなやつもいますね。

地方にいて、まだ東京では知られていなかったけど、本当はめちゃくちゃかっこいい。そういうやつがCOMICに出てきて、そこで気づかれて、どんどん広がっていく。

そういう場所になってきたのは、ありがたいです。

Sam: まさに登竜門ですね。

JURA: そう言ってもらえるのは、めちゃめちゃうれしいです。

VIKN: 外でB-Boyに会って「COMIC知ってる?」って聞くと、みんな知ってるんですよ。「友達が出てます」とか「俺も出ました」とか。

B-Boyの間で、すごく認知されていると思います。

Sam: 特に印象に残っている参加者を一人挙げるとしたら、誰ですか?

JURA: philipですね。

COMICの2周年の頃に、尼崎から突然来たんですよ。僕らも知らないし、東京の22歳以下のB-Boyたちも知らない。

「こいつ誰だ?」ってなったんですけど、いきなり決勝まで行ったんです。

Sam: それはインパクトがありますね。

JURA: 結局そのときは優勝できなかったんですけど、とにかくフレッシュで、見たことのない感じだったんですよ。

話してみたら、人としてもめちゃめちゃかっこよくて。

それで、まだ自分たちが気づいていない才能って、全国にいっぱいいるんだなと思ったんです。

Sam: その後もCOMICに関わっているんですか?

JURA: philipが来てから、彼の周りの仲間や後輩たちも来るようになったんですよ。

大阪や尼崎、九州など、地方から東京のCOMICに挑戦しに来るような流れができて。

そういう雰囲気を作ってくれたのがphilipだと思います。

最初の挑戦は、その後の優勝にもつながった。FINEPLAYの大会レポートによると、philipは予選vol.2の準優勝を経て、2023年のファイナルにワイルドカードで出場。8人による「7 TO SMOKE」を制している。4

philipがつかんだ、ファイナルの優勝

COMIC公式Instagramの投稿を見る

COMIC THE FINALの「7 TO SMOKE」優勝を伝える投稿。出典:COMIC公式Instagram @comic_for_bboy。
Instagramで投稿を見る ↗

そして2026年のファイナルでは、philipがジャッジとして名を連ねた。挑戦しに来たダンサーが、次の挑戦者を見届ける側になる。JURAの語る「広がり」は、こうして大会の歴史にも残っている。3

円形に集まった観客の前で、ダンサーがステップを踏む。
一人のダンスに、周囲の視線が集まる。提供写真。

音楽ありきで、自分を出す。COMICのフロアで問われるもの

Sam: JURAさんにとって、ブレイクダンスとは何ですか?

JURA: 自己表現です。

自分を体で証明するためにブレイクダンスをしている、という感覚ですね。

Sam: ブレイクダンスには、いろいろな技がありますよね。

JURA: あります。技を自分の好きなように組み立てていくイメージです。

ただ、トップロックやアップロックみたいに、単なる技ではなく、動き自体に意味があるものもあるんです。

例えばアップロックには、相手を挑発するような表現があります。

ラップバトルが言葉で勝負するように、B-Boyはダンスでバトルする。手は出さないけど、動きで相手に意思表示をするんです。

Sam: そう考えると、MCバトルとの共通点もありますね。

JURA: そうですね。そういうところも、ブレイクダンスの面白さだと思います。

COMICのバトルを映像でも。以下は、公式YouTubeで公開されている2025年ファイナルの「7TO SMOKE」。9

COMIC THE FINAL 2025 — 7TO SMOKE — バトルを映像で見る

映像:COMIC FOR BBOY 公式YouTube。2025年ファイナルの映像です。YouTubeで見る ↗

Sam: COMICに出場する人に向けて、ジャッジに評価されるポイントを教えてもらえますか?

JURA: 自分がかっこいいと思っていることを、伝えるのがうまい人ですね。

僕はブレイクダンスって音楽ありきだと思っているんですよ。

音楽と全然合っていないのに、自分が用意してきた技だけをやる。それって披露会になっちゃうじゃないですか。

Sam: 技がすごいだけでは足りないと。

JURA: そうですね。

今DJが流している曲のBPMだったり、カウントだったり、ファンクの雰囲気だったり。

ちゃんと音楽に乗りながら、そのうえで「俺はこれだ」っていう自分のダンスを見せる。

そういう人は、やっぱりかっこいいと思います。

Sam: ただ、審査員によっても評価は違いますよね。

JURA: もちろんです。ジャッジそれぞれの見方があるので、絶対こうすれば勝てるとは言えないです。

でも、COMICでは自分を100%、150%ぐらい出せないと、なかなか難しいと思います。

それぐらい参加者のレベルも上がっています。

ちゃんと音楽に乗りながら、そのうえで
「俺はこれだ」っていう自分のダンスを見せる。

JURA
観客が囲むフロアの中央で、ダンサーが両手を床につき、足を上げて踊る。
音楽の中で、今の自分を見せる。提供写真。

Sam: 初心者でもエントリーできるんですか?

JURA: 全然できます。実際に、まだ技がほとんどできないような人も出ています。

チェアとか、ジョーダンだけできます、みたいな感じで、踊って帰る人もいるんですよ。

Sam: そのとき、会場はどんな反応なんですか?

JURA: めちゃめちゃ盛り上がります。

そういう純粋さが、COMICの空間にはあるんですよ。

レベルの高いバトルと、初めて挑戦する人を歓迎する空気。その両方を、JURAは同じフロアの話として語る。技を増やしてからでなければ立てない場所ではない。今の自分が持っているものを、音楽の中でどう見せるか。初めの一歩にも、COMICの観客は反応してくれるという。

中央で両手を上げるダンサーに、周囲の観客が笑顔で応えている。
フロアから返ってくる、声とリアクション。提供写真。

踊りの外にも表れる、B-Boyのかっこよさ

Sam: イベントを続けてきて、一番難しかったことは何ですか?

JURA: 人へのがっかり感みたいなものは、すごく学びましたね。

ダンスや外見を見て「かっこいい」と思ってブッキングした人と、実際に人として関わってみたら、「あ、ダンスだけじゃん」って思うことがあったんですよ。

Sam: 人柄の部分で、ということですか?

JURA: そうですね。そういう人と人との関わりで、当時は結構ネガティブな気持ちになりました。

でも、それ以外のことは周りに助けてもらってきたので。

Sam: JURAさん自身は、どういうB-Boyでありたいと思っていますか?

JURA: 僕は、ヒップホップを体現するB-Boyになりたいんです。

それって、ただブレイクダンスを踊っている人というだけじゃなくて、人物としてB-Boyじゃないですか。

もちろんブレイクダンスを踊っているからB-Boyなんですけど、僕はそういうB-Boyを名乗りたいんです。

Sam: 踊りだけじゃなくて、その人自身がヒップホップであるかどうか、ということですね。

JURA: そうですね。

Sam: 逆に、昔ながらのB-Boyらしい格好をしていない若いダンサーについては、どう思いますか?

JURA: めちゃめちゃいいと思います。見た目はあんまり関係ないと思うタイプなので。

ヒップホップを体現することは、服装をそろえることではない。踊りと、その人の振る舞いがどうつながっているか。人との関わりを重ねてきた経験も、JURAの考える「かっこよさ」を形づくっている。

夜の水辺を背景に、黒いキャップとTシャツを着て立つ人物のポートレート。
踊りだけでなく、その人自身のスタイルへ。提供写真。

Sam: COMICのジャッジは、どのように選んでいるんですか?

JURA: 毎回3人で、僕が全部選んでいます。

まずは、かっこいいかどうか。ダンスだけじゃなくて、全部です。

あとは、3人とも考え方が違うことを意識しています。

Sam: 3人が違う価値観を持っている、ということですか?

JURA: はい。ダンスに対しても、物事に対しても、みんな違う。

でも、それぞれ違うかっこよさを持っている。そういう3人を選ぶようにしています。

11月8日のジャッジは、T-LONE、KILL JOE、YoutheKnock。異なる視点を持つ3人が、目の前のダンスをどう受け取るのか。それもCOMICを見る面白さの一つになりそうだ。2

室内に大きな輪を作り、中央のダンスを見守る人々。
踊る人と見守る人が、同じ音を共有する。提供写真。

優勝の、その先へ。ダンサーの地元を訪ねてきた「MEDIA COMIC」

COMICではこれまで、バトルの優勝者の地元や普段の居場所を訪ね、映像で紹介する「MEDIA COMIC」にも取り組んできた。

VIKN: 外から見ていてすごくいいなと思ったのは、優勝した人を追いかけて、ドキュメンタリーを撮りに行っていたことなんです。

ラッパーだったら、自分の育ちとかバックボーンがリリックに出たりするじゃないですか。

でもダンサーって、そういう部分がなかなか見えないんですよね。

Sam: 確かに、踊りだけではその人の人生までは分からないですね。

VIKN: そうなんです。

だから、その人がどこで育って、どんな場所で踊っていて、どんな生活をしているのか。

それが分かると、もっと感情移入して応援できると思うんですよ。

彼は優勝者の地元に行って、そういうところまで撮ってきた。それは本当にいい取り組みだと思います。

公式YouTubeには、EP5 vol.3を制したYoutheKnockの地元や居場所を訪ねる映像もある。そのYoutheKnockは、EP6初戦でジャッジを務める。勝った瞬間だけでなく、そこへ至る日々を知ることが、次のバトルを見る楽しさにつながっていく。5

MEDIA COMIC — YoutheKnockの地元と居場所を訪ねる

映像:COMIC FOR BBOY 公式YouTube。YouTubeで見る ↗

ラッパーの曲を聴き込むうちに、その人の生きてきた街にも興味が湧く。VIKNの話を聞くと、これまで撮られてきたダンサーの映像にも、似た楽しさがあるのだと気づかされる。会場へ向かう前に一本見ておけば、応援したい人が増えるかもしれない。

なお、今年、メディアとして優勝者の地元を訪ねる企画を実施するかどうかは未定だ。

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COMICを守りながら、大きくしたい

Sam: これからCOMICをどんなイベントにしていきたいですか?

JURA: まずは、今までと変わらず謙虚にやっていきたいです。

みんなが何を求めているのかをちゃんとキャッチして、それをどう自分らしく返していくか。

COMICとして何か大きなことを成し遂げたい、というよりは、今ある環境を守り続けたいんです。

みんなが好きだと言ってくれるCOMICを、そのままの良さを残しながら大きくしていきたい。

もっと見てもらえる人を増やしていけたらと思っています。

Sam: COMICを運営するうえで、特に意識していることは?

JURA: 参加者ありきだということですね。

参加してくれるB-Boyたちは、エントリー費を払って来てくれるじゃないですか。

だから、自分の表現だけで終わらせちゃいけないと思っています。

この子たちは何を求めているのか、どういう環境を作ったら喜んでくれるのか。

それをずっと考えています。

Sam: 主催者としての理想と、参加者が求めるもののバランスを取っているんですね。

JURA: そうですね。

自分のかっこいいと思うことをイベントで表現したい。でも、それだけじゃなく、参加者にちゃんと返したい。

そこはVIKNさんたちにも相談しながら変えてきました。

結局、COMICを盛り上げてくれているのは参加者のみんななので。

JURAによれば、過去のファイナルには出場者と観客を合わせて約350人が集まったという。それでも、参加してくれる一人ひとりに何を返せるかという問いは変わらない。

照明が広がる会場に人々が集まり、フロアを囲んでいる。
フロアを囲む、一人ひとりの存在。提供写真。

7 TO SMOKE、その顔ぶれ

COMIC公式Instagramの投稿を見る

「7 TO SMOKE」に出場するB-Boyたちの紹介。出典:COMIC公式Instagram @comic_for_bboy。
Instagramで投稿を見る ↗

そして主催者になった今も、自分が踊ることへの気持ちは残っている。

Sam: 自分もプレイヤーだったら、主催しているバトルに出たくならないですか?

JURA: 出たくなります(笑)。

でも、出たくなるぐらいいいイベントを作れているってことなのかなと思うんですよ。

「救われた」その言葉が、続けていく理由になる

Sam: 最後に、COMICを続けている一番の理由を教えてください。

JURA: 僕自身、ダンスでスポットライトが当たっていたタイプじゃなかったんですよ。

でも、B-BOY PARKだったり、何かのきっかけで急にスポットライトが当たって。

それが楽しくて、地方に行って、友達ができたりして。

僕は、ブレイクダンスに救われた気持ちがあるんです。

Sam: 救われた、という感覚なんですね。

JURA: そうです。

ブレイクダンスって、競技みたいに見え始めてますけど、僕にとってはそれ以上にカルチャーなんです。

自分が好きなまま続けてきたことで、人生が変わった。

だから、全国にも昔の僕みたいな人が絶対いると思うんですよ。

COMICに来たことで何かが変わったとか、COMICを目指して頑張る時間があったとか。

それがその人の人生にとって大事なものになったら、めちゃめちゃうれしいです。

人助けをしているという感覚ではないんですけど、そういう人がいたらいいなって。

実際に「救われた」っていう言葉をもらえることが、今までで一番うれしいんです。

だから、ずっと続けているんだと思います。

COMICに来たことで何かが変わったとか、
COMICを目指して頑張る時間があったとか。

JURA

JURAが最後に話したのは、ブレイキンの枠を越えた未来だった。

JURA: ブレイクダンスのシーンだけじゃなくて、ヒップホップ全体を盛り上げたいんです。

僕はラップもすごく好きで、ラッパーのリリックに救われたこともあるんですよ。

だから、ラップもブレイクダンスもスケートも、ファッションも、一緒になって何かを発信できたら面白いと思うんです。

B-Boyもちゃんとかっこいいし、もっと知られていい存在だと思っているので。

ラップのシーンが広がっていくように、ブレイクダンスももっと広がってほしい。

それで、みんながちゃんと活動を続けていけるように、お金も回っていったらいいじゃないですか。

でも、お金だけを目的にして、かっこ悪くなりたくはない。

そこはバランスを取りながら、みんなで盛り上げていきたいですね。

JUICE BAR ROCKETの入口で、手を上げて立つ人物。
北千住・JUICE BAR ROCKET。次のCOMICも、この場所から始まる。提供写真。

次にスポットライトを浴びる、誰かのために

JURAの話には、「かっこいい」という言葉が何度も出てきた。ダンスの技術を語るときにも、ジャッジを選ぶときにも、人との関わりを振り返るときにも。踊りと生き方を別々にしないところに、彼が名乗りたいB-Boyの姿がある。

テレビで見たダンスがかっこよかった。地元の仲間と目指す大会があった。初めて会う地方のB-Boyに驚かされた。そうして受け取ってきたものが、今はCOMICという場所になっている。

ヒップホップを知る入口は、一つでなくていい。ラップが好きな人が、DJのかける音に反応するB-Boyを見て好きになる。ダンスを始めた人が、そこから音楽や歴史を掘っていく。JURA自身が歩いてきた道は、そんな行き来の面白さを教えてくれる。

11月8日、北千住。誰が勝つのかは、まだ分からない。それでも、その日に見たダンスや出会った誰かが、次に練習へ向かう理由になることはあるだろう。

「出たくなるぐらいいいイベントを作れている」。主催するバトルに自分も出たくなるというJURAの言葉が、この取材の後も残った。自分が夢中になれる場所を、次の誰かにも渡したい。COMICは、その想いを一回ずつフロアで形にしている。

COMIC EP6 vol.1 for U22 開催情報

新シーズンの初戦は、2026年11月8日(日)、北千住・JUICE BAR ROCKETで開催。エントリーはENTER THE STAGEで受け付けている。2

日時2026年11月8日(日)
14:00〜20:00
会場JUICE BAR ROCKET
東京都足立区千住1-1-10
カテゴリーBREAKIN SOLO BATTLE
U22 OR STUDENTS/100エントリー限定
参加費3,500円(1ドリンク付き)
観戦料主催者の最新案内をご確認ください
エントリー締切2026年11月7日(土)21:00
JUDGET-LONE / KILL JOE / YoutheKnock
DJGABAWASH / LARGE RICE
MCCRUDE / GET HIGH
主催JURA

大会の詳細・エントリーを確認する ↗

開催情報確認日:2026年11月2日。ENTER THE STAGEの主催者掲載情報を参照。

告知されているバトル形式は、予選から16人を選出し、TOP16は1ムーブ、TOP8とTOP4は2ムーブ、決勝は3ポイント制。賞金は20,000円で、優勝特典にはEP6の「7 TO SMOKE」出場権、オリジナルのウッド製ウィナーボード、EDGE LINK PRIZEが挙げられている。

JURAがインタビューで語ったシーズン構想では、U22大会を年間3回開催し、各回2人とワイルドカード2人の計8人がファイナルに進む。年齢無制限の大会も並行して行い、その優勝者がパートナーを選んでファイナルの2対2バトルへ参加する仕組みを考えているという。ファイナルの会場として挙げたのは、表参道のWALL&WALLだ。

参加資格の細則、観戦料、シーズン全体の選出条件・日程は、主催者の最新案内を確認してほしい。 過去シーズンとは予選回数や選出方式が異なる場合がある。

COMIC EP6 vol.1 for U22の全体フライヤー。11月8日、JUICE BAR ROCKET。ジャッジ、DJ、MCの名前を掲載。
COMIC EP6 vol.1 for U22 全体フライヤー。画像:提供素材。
COMIC EP6 ジャッジ T-LONE。赤いジャケットを着た人物の告知画像。
T-LONE TPWZ / DS。画像:提供素材。
COMIC EP6 ジャッジ KILL JOEの告知画像。
KILL JOE Feel Good Inc / DROPZ。画像:提供素材。
COMIC EP6 ジャッジ YoutheKnockの告知画像。
YoutheKnock Rock It Down。画像:提供素材。

ジャッジ紹介画像:提供素材。

COMIC EP6のDJとMCの告知画像。CRUDE、GABAWASH、LARGE RICE、GET HIGH。
11月8日のフロアを支えるDJ/MC。告知画像:提供素材。

12月26日は、JUICE BAR ROCKETでパーティー

2026年12月26日、JUICE BAR ROCKETでパーティーを開催する。 今回はバトルを行わず、パーティーのみ。

JURAは、B-Boyには特に、そして近隣に住む人たちにも、ぜひ遊びに来てほしいと呼びかけている。

取材・執筆について

聞き手・取材:Sam(HIPHOPCs)
執筆・構成:Rei Kamiya(レイ)
取材協力:JURA(COMIC主催)、VIKN
編集:HIPHOPCs編集部

写真・告知画像:提供素材。

本記事はHIPHOPCsによる独自インタビューと、取材後に寄せられた補足・修正をもとに構成。発言の趣旨を維持しながら、読みやすさのために一部の言い回しや順序を整理しています。大会記録など、外部資料による補足は地の文で出典を示しています。

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MAIKI BOOGIEインタビュー|サウスのグルーヴを日本へ、音楽とダンスが一体になるまで

HIPHOPCsの独自インタビュー一覧

取材を補足する資料

対話部分の出典は今回の独自インタビュー。以下は、歴史・大会情報・過去の実績を補足した資料です。

  1. Smithsonian National Postal Museum — Stamp Stories: Hip Hop — ヒップホップの四大要素。
  2. ENTER THE STAGE — COMIC EP6 vol.1 for U22 — 主催者掲載の日時、会場、出演者、参加条件、ルール、賞品、受付締切。
  3. ENTER THE STAGE — FACE OF THE SCENE #005 JURA Interview — 2026年5月15日。COMICの名前の由来、2026年ファイナルのジャッジ。
  4. FINEPLAY — COMIC THE FINAL 2023 大会レポート — 2023年5月3日。philipの予選準優勝、ワイルドカード出場、7 TO SMOKE優勝を確認。
  5. COMIC FOR BBOY — MEDIA COMIC YoutheKnock Edition — 公式ドキュメンタリー。EP5 vol.3優勝者の地元や居場所を訪ねる映像。
  6. VIKN — TuneCore Japan 公式アーティストプロフィール — アーティスト名の正式表記・読み方、JUICE BAR ROCKETとの関わり。
  7. COMIC公式Instagram — philipの7 TO SMOKE優勝報告 — COMIC THE FINALでの優勝を伝える投稿。本文内に埋め込み。
  8. COMIC公式Instagram — 7 TO SMOKE出場者紹介 — 出場する8人のB-Boyを紹介する投稿。本文内に埋め込み。
  9. COMIC FOR BBOY — COMIC THE FINAL 2025 7TO SMOKE — 2025年ファイナルの公式映像。本文の埋め込み動画またはYouTubeで視聴できます。

COMIC公式Instagram @comic_for_bboy ↗