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Awich×ONE OK ROCK×Paledusk×CHICO CARLITOのYAOとは?7月7日「777」で、セッションは”バンド”になった

HIPHOP Cs編集部
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7月7日、Awich、CHICO CARLITO、ONE OK ROCK、Paleduskの4組による新プロジェクトYAO(ヤオ)が、デビュー曲「777」を配信する。

これは、よくある「豪華コラボ」ではない。ラッパーとロックバンドが一緒に曲を作るとき、ふつうは「Awich feat. ONE OK ROCK」のように、誰かの曲に誰かが客演する形をとる。だが今回はそうではない。4組は、それぞれの名前を並べる代わりに、YAOという一つの看板を共有した。

始まりは、Red Bullが6月末に公開した1本のセッション映像だった。そこでの一度きりに見えた共演が、わずか一週間あまりで音源リリースへと動いた。この記事では、なぜこの4組が「バンド」という形を選んだのか、そしてそれが日本の音楽シーンにとって何を意味するのかを考えていきたい。

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配信の概要

デビュー曲「777」は、7月7日0時に配信される。ミュージックビデオは同じ日の19時、YouTubeでプレミア公開される予定だ。MVの監督は、Awichの映像を数多く手がけてきた堀田英仁が務めるとされている。

グループ名の「YAO」は、日本に古くから伝わる「八百万(やおよろず)の神々」に由来するという。数え切れないほど多くの神が、それぞれの役割を持って共に在る。その考え方を、異なるジャンルの4組が集まったこのプロジェクトに重ねた名前である。

わかっていること、まだわからないこと

速報メディアの多くは、この話を「豪華コラボの発表」として伝えている。だが、いま公式に確定している事実と、まだ明かされていない事実を分けて並べると、このプロジェクトの輪郭がもう少しはっきり見えてくる。

いまわかっていること

  • メンバーはAwich、CHICO CARLITO、ONE OK ROCK、Paleduskの4組
  • デビュー曲「777」は7月7日0時に配信、MVは同日19時にYouTubeでプレミア公開
  • きっかけは、ONE OK ROCKとAwichがドーム公演で共演したこと。TakaがAwichのステージに感銘を受け、「いつか一緒に音楽を作れたら」という会話から構想が生まれ、そこにCHICO CARLITOとPaleduskが加わったと伝えられている
  • 6月29日、Red Bullのヒップホップ専門YouTubeチャンネル「レッドブルマイク」の新シリーズ「Red Bull IN-YO!」第1回で、YAOのセッション映像が公開された。公開から1日も経たないうちにRed Bull公式Xの投稿が約1.4万件の「いいね」を集めるなど、大きな反響を呼んだ

まだわからないこと

  • 「777」を誰が作詞・作曲・プロデュースしたのか
  • アルバムやライブなど、この先の具体的な活動があるのか
  • YAOがずっと続くバンドなのか、それとも今回限りのプロジェクトなのか

ひとつ、ヒントになりそうな動きがある。YAOはすでに、専用の公式YouTubeチャンネルと公式Instagramを開設している。今回限りの企画なら、それぞれのアーティスト名を並べた配信告知だけで足りるはずだ。わざわざ「YAO」という名義の受け皿を先に用意したことは、この先を見据えた準備だと読むこともできる。断言はできないが、少なくとも器のつくりは、一度きりの形をしていない。

この4組が交わるまでの流れ

今回の顔合わせは、突然のものではない。じつは前段がある。

ONE OK ROCKは、アルバム『DETOX』に収録された「C.U.R.I.O.S.I.T.Y.」(feat. Paledusk and CHICO CARLITO)を2025年に発表し、同年4月にMVを公開している。ロックバンドのONE OK ROCK、ラウド/ハードコアのPaledusk、そして日本語ラップのCHICO CARLITO。この3組の組み合わせは、この時点で一度できあがっていた。

そこにAwichが加わった。Awichはこの数年、海外の本流ヒップホップと深く接続してきた。Wu-Tang Clanの総帥RZAが全面プロデュースしたアルバム『Okinawan Wuman』はその象徴で、HIPHOPCsもリリース直後に、この作品を「日本のヒップホップが長年夢見てきた本流との接続を、もっとも明確な形にした一枚」として位置づけている。ロックとの接点を持つ3組に、越境を重ねてきたAwichが合流した。そうしてできたのがYAOだ。

その最初のお披露目が、Red Bullの「IN-YO!」だった。「IN-YO!」は「陰陽」をもじった名前で、ヒップホップの「韻」と、別のジャンルの「陽」がぶつかって新しい音が生まれる、という意味が込められている。まずは、その映像を見てほしい。

YAO (Awich x CHICO CARLITO x ONE OK ROCK x Paledusk)|Red Bull IN-YO! EP1(レッドブルマイク公式YouTube)

つまりYAOは、その場の思いつきで集まった豪華コラボではない。ドームでの共演があり、楽曲での客演があり、セッション映像があり、そこからバンドとしての音源配信へと進んだ。一段ずつ順番を踏んで、越境が形になっていった。この流れは、日本の音楽シーンでロックとヒップホップが交わるときの、新しいやり方の見本になるかもしれない。

なぜ「バンド」という形を選んだのか

一度きりのコラボなら、「Awich feat. ONE OK ROCK」と名前を並べれば済む。それでも4組は、個々の名前を横に並べるのではなく、「YAO」という一つの名前を共有する道を選んだ。ここに、このプロジェクトの意志が表れている。

「八百万の神々」という名前の由来が示しているのは、たくさんの存在が上下ではなく横並びで共に在る、という世界観だ。ロックとヒップホップ、広く知られたメインストリームと、その外側のアンダーグラウンド。本来なら「メイン」と「ゲスト」に分かれてしまいがちな組み合わせを、あえて対等なメンバーとして同じ器に入れる。名前を一つにするというのは、その対等さを形で保証するための工夫でもある。

もう一点。AwichとCHICO CARLITOは、ともに沖縄を拠点に活動するラッパーだ。Paleduskは福岡から出てきたバンドで、世界のフェスにも立っている。地方から出た表現者たちが、海外を回ってきたONE OK ROCKと同じ名前を分け合う。地方から出て、ジャンルを越えて、その先に海外を見ている。この並びそのものが、YAOがどこまでを狙っているかを物語っている。

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4組それぞれにとって、YAOは何を変えるのか

YAOが面白いのは、誰か一人が主役で残りは脇役、という形になっていないところだ。4組それぞれに、このプロジェクトで動くものがある。

Awichはこれまでも、ロックの舞台にゲストとして招かれることがあった。だが今回は、招かれる側ではなく、同じ名前を分け合う共作者になった。沖縄のCHICO CARLITOにとっては、ONE OK ROCKの楽曲でつくったロックとの接点を、さらに大きな場所へ広げる機会になる。福岡のラウドバンドPaleduskは、自分たちの激しい音を、ヒップホップとメインストリームが交わる場所へ持ち込むことになる。そして世界を回ってきたONE OK ROCKにとっては、いまの日本語ラップと正面から向き合う試みになる。

だからYAOは、ただ有名なアーティストが集まっただけのプロジェクトではない。それぞれが、自分ひとりの活動では届きにくかった場所へ、互いを通じて踏み込んでいく。そのための共同名義なのだ。

HIPHOPCsの視点:このニュースの本質

このプロジェクトで一番立場が強くなるのは、おそらくAwichだ。ドームでONE OK ROCKと並んだときは、あくまで「ゲスト」だった。それがYAOでは、対等なメンバーになっている。日本のヒップホップが、ロックの側から「客演」ではなく「一緒に作る相手」として迎えられた。Kアリーナ横浜でWu-Tang Clanと同じ夜のステージに立ったことも含め、Awichがこの10年積み重ねてきた越境が、また一段上の形にたどり着いた。

ただ、もっと注目したいのはアーティストよりもRed Bullの動きのほうだ。かつてRed Bull RASENが、日本語ラップのサイファー(複数のラッパーが即興でつなぐセッション)を映像で可視化する場になった。それと同じように、「IN-YO!」はジャンルを越えたセッションの受け皿になろうとしている。ここで見逃せないのは、Red Bullが完成した曲をただ紹介しているのではなく、出会いの場をつくり、制作し、映像にして、リリースまで届ける、その一連の流れ全体を用意している点だ。セッション企画から音源配信までを一気に通したこの動きは、飲料ブランドが、レコード会社やA&R(アーティストの発掘・育成を担う役割)の仕事を部分的に肩代わりし始めていることを示している。YAOがうまくいけば、この型はきっと繰り返される。日本のシーンにとって「777」は、1曲のリリースであると同時に、新しい作り方・届け方の実験でもある。

そもそも日本語ラップは、もう国内の再生数だけで測れるものではなくなっている。世界での評価、ライブの現場、批評という複数の物差しで見られる段階に入っている。YAOは、その広がりがロックとの越境という形で表に出てきた一例でもある。

7月7日に「777」。スロットの当たり目を思わせるこの日付と曲名の重なりも、たぶん偶然ではない。八百万という壮大な名前を掲げながら、数字で縁起も担ぐ。この幅の広さが、YAOというプロジェクトらしいところだ。

これから注目したい点

  • 7月7日0時の「777」配信と、同日19時のMV公開の初速(再生数やSNSの反応)
  • 「777」の作詞・作曲・プロデュースのクレジット
  • YAOが今回限りで終わるのか、アルバムやライブへ広がっていくのか
  • 「Red Bull IN-YO!」第2回以降に、どんな顔ぶれが登場するのか
  • Awichのソロ、ONE OK ROCKのワールドツアーなど、各メンバー本来の活動とどうつながっていくのか

参照リンク

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