2026年7月第1週:今週のヒップホップニュースまとめ|BET・Keefe D・BMSG・CHEHON・ちゃんみなで読む今週

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By Rei Kamiya / HIPHOPCs Intelligence Unit

対象期間:2026年6月27日(土)〜7月4日(土)/公開日:2026年7月4日


今週の結論(3行)
BETは「誰を歴史に残すか」を決める夜になった。
ラスベガスでは、Keefe Dが自分で書き残した言葉が、そのまま裁判の証拠になった。
日本ではBMSG、BAD HOPの双子、CHEHONが、それぞれの形で「どう残すか」を選んだ。


先週、この欄では「価値の重心が数字から場所へ動いている」という話をした。

Pharrellはランウェイを発表台に変え、BETは誰を称えるかの場を整えた。場所を持つ者が、文化の次の行き先を決める。そういう話だった。

今週は、その場所が答えを返してきた。

BETの授賞式は開かれ、勝者の名が読み上げられた。チャートは席替えを済ませ、ラスベガスの法廷は「何を証拠として認めるか」を決めた。メンフィスでは、ひとつの葬儀が営まれた。

そして答えを運んできたのは、どれも言葉だ。

自分の書いた本が、自分を裁く証拠になった人がいる(Keefe D)。

28年前に残した一枚のアルバムが、いま「生きる伝説」の根拠になった人がいる(Lauryn Hill)。

「上場の予定はございません」と、自らの未来を文書に書き込んだ会社がある(BMSG)。ほぼ完成していた作品を、あえて止めた人たちもいる(T-Pablow、YZERR)。

言葉は、残る。味方としても、証拠としても。

今週のニュースは、ばらばらに見えて、その一点に集まっていく。ひとつずつ見ていきたい。


目次


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今週のニュースランキング(HSI TOP10)

HSIは、その週のニュースを「話題の大きさ」「音楽ビジネスへの影響」「文化として残る重さ」の3つでHIPHOPCs編集部が採点した独自指標である。

各軸を100点満点で見て、話題とビジネスをやや重め(話題0.35・ビジネス0.35・文化0.30)に合算している。

スマホの方は、表を横にスクロールできます。詳しい中身は、このあとの本文で。

# ニュース
1 BET Awards 2026:Teyanaが4栄誉・Clipse競争部門3冠 88
2 BMSG、Akatsuki Ventures等と資本提携 81
3 Keefe D回顧録が証拠採用、2Pac公判は8/10へ 78
4 Rodrigo、2週連続首位。『ICEMAN』は2位に 76
5 Tay Keith、メンフィスで葬儀 75
6 YZERRツアー3公演中止+T-Pablowアルバム延期 73
7 Future『THE REAL ME』7/10リリース前夜 71
8 CHEHON、豊洲PITワンマン「KING OF STAGE」 69
9 ちゃんみな東京ドーム、映画館生中継&チケット1時間完売 66
10 Eminem、「Swim Shady」商標争いで敗訴 63

先週この欄で「BETは開催前、結果は来週追う」と書いた。結果が出たので、首位はBET(88)。開催前の85から3点上げた。答え合わせで終わらない瞬間が、当日いくつも生まれたからだ。Janet Jacksonの登壇と、Lauryn Hillへの20分である。

2位のBMSG(81)は、国内ニュースとしては今年有数のビジネス案件。HSIは話題の熱(0.35)だけでなく、ビジネス上の意味(0.35)を同じ重みで見る。

「上場しない」と書いて拡張するという資本設計は、この後者を強く押し上げた。短期で上回る話題があっても、総合ではこの位置になる。

3位のKeefe D(78)には注釈がいる。文化的な重さ(CULT)だけなら今週最高値をつけた。ただ市場への影響は小さく、合算ではこの位置になる。

順位は3位でも、今週の背骨はこの一件だと考えている。本文では②に置いた。構成の順番と点数の順番は、別ものだ。

4位のRodrigo(76)はポップの話題だが、Drakeの持っていた「2026年最大初動」の看板を書き換えた以上、この欄で扱わない理由がない。

切ったものも書いておく。Lil Wayneの公演すっぽかしとBriscoe Bandsの訃報は短信へ。Michael RubinのWhite Party周辺はSNS欄へ回した。ランキングは「シーンの座標がどれだけ動いたか」で見ている。

上から順に、中身を見ていく。


今週の主なニュース

① BET Awards 2026:賞より「歴史の書き方」が主役だった(アメリカ)

6月28日(米時間)、ロサンゼルスのPeacock Theater。「BET Awards 2026」が開かれた。ホストは先週伝えたとおり、コメディアンのDruski。

まず結果を、駆け足で。

Teyana Taylorが4つの栄誉を手にした。競争部門3冠(最優秀女優、ビデオ・ディレクター・オブ・ザ・イヤー、新設Fashion Vanguard)に、特別栄誉のIcon of the Yearが加わる(Billboard/Rolling Stone)。

Clipseは競争部門で3冠。『Let God Sort ‘Em Out』でアルバム・オブ・ザ・イヤー、最優秀グループ、Kendrick Lamarとの「Chains & Whips」で最優秀コラボレーション。

この『Let God Sort ‘Em Out』、2月のグラミーでは年間アルバムと最優秀ラップアルバムにノミネートされ、どちらも獲れなかった作品だ(Billboard)。

グラミーが見送った一枚を、BETは「今年のアルバム」と書き直した。同じ作品でも、どの場で読まれるかで、歴史の記され方が変わる。先週の「場所」の話の、そのままの続きである。

Kendrick自身は最優秀男性ヒップホップで9度目、史上最多だ。Cardi Bが最優秀女性。KehlaniはSZAの3連覇を止めた。

ただ、今年のBETの本体は、受賞リストの外にあったと思う。

Varietyによれば、3時間半の生放送で手渡された競争部門の賞は、わずか5つ。残りはほぼ、パフォーマンスと特別栄誉に充てられた。

その中心が、Ms. ローリン・ヒルだった。

新設のLiving Legend Icon Awardのために、約20分のトリビュートが組まれた。SZA、Doechii、Lizzo、Queen Latifah、Common、Nas、そして彼女の子どもたち。

本人も「Ex-Factor」「Everything Is Everything」を披露した(Yahoo!/Hollywood Reporter)。

『The Miseducation of Lauryn Hill』は1998年の一枚。ソロのスタジオアルバムは、実質それだけだ。

それでも、あの記録が28年後のいま、「生きる伝説」の根拠になった。作品は、本人の沈黙より雄弁だった。

もうひとつ、忘れがたい瞬間がある。

Teyana TaylorへのIcon of the Year授与に、Janet Jacksonがサプライズで現れた。Teyanaは涙が止まらず、「Janetが来るなんて聞いていなかった。あなたがいなければ、私はいない」と語った(Yahoo!)。

このときJanetが着ていたのは、2PacのTシャツだったと報じられている(Variety)。

Janetと2Pacは、1993年の映画『Poetic Justice』で共演した仲だ。その2Pacの名が、今週もう一度、まったく別の場所から聞こえてくる。ラスベガスの法廷である。次の項で扱う。

最後に、二つの追悼を。

音楽業界の重鎮Sylvia RhoneがUltimate Iconを受けた。スピーチで創作に迫るテクノロジーの影に触れ、「黒人の創造性は、世界で最も強力な力のひとつ」と述べた(Variety/Daily Gazette)。

AIをめぐる先週までの議論と、地続きの言葉だ。

そして、昨年10月に51歳で世を去ったD’Angelo。盟友バンドThe Vanguardに、Ari Lennox、Raye、George Clinton、BJ the Chicago Kidらが加わった。

彼の子どもたちが、ステージへと導いた(Essence/HuffPost)。

本人はもういない。それでも「Really Love」も「Devil’s Pie」も、他人の声を借りてその夜また鳴った。

賞を配る夜というより、誰を正史に書き込むかを決める夜。BET Awards 2026は、そういう放送だった。


② 自分の本に裁かれる男:Keefe D回顧録、証拠採用(アメリカ)

6月30日、ラスベガスの法廷。1996年9月の2Pac射殺事件で起訴されているDuane “Keefe D” Davis被告(63)の公判前審理で、Carli Kierny判事がひとつの決定を下した。

被告が2019年に出版した回顧録『Compton Street Legend』を、証拠として採用する(Las Vegas Review-Journal/FOX5)。

この本でDavisは、銃撃時に白いキャデラックの助手席にいたこと、後部座席に銃を「放った」ことを自ら書いている。弁護側は「エンターテインメントとして書いたもの」として排除を求めたが、判事は「本を除外する法的根拠はない」と退けた。

検察側の言い分が、そのまま今週の核心だった。

「被告は自分の告白を商品として売っておきながら、法廷ではそれを秘密扱いにしろとは言えない」。別の場面ではこうも述べている。「彼が口を開かず、本を書かなければ、おそらく起訴されることはなかった」(FOX5/Review-Journal)。

つまりこの裁判は、30年前の銃弾と同じくらい、本人が残した言葉の上に建っている。

公判は8月10日に始まる。7月14日には最終ステータスヒアリングが予定され、陪審の完全隔離は認められず、部分的な措置にとどまることも決まった(FOX5)。

そして、日付を並べてみてほしい。

2Pacが撃たれたのは1996年9月7日、亡くなったのは9月13日。今年はそこから30年。その節目の年に、事件の公判が始まる。①で触れたJanet Jacksonの2PacのTシャツは、偶然にしては出来すぎたタイミングだった。

本誌が年始から引いてきた補助線「2026=1996」は、『Reasonable Doubt』やさんピンCAMPのような祝祭の30年だけを指していない。あの年に開いたままの傷が、30年かけて法廷に届く。その意味でも、2026年は1996年の続きである。

9月13日に向けて、本誌はIntelligence Seriesの次号でこの30年を掘る準備を進めている。


③ チャートの席替えと、作り手の見送り:Rodrigo・『ICEMAN』・Tay Keith(アメリカ)

数字の土俵でも、今週は席替えがあった。

7月4日付のBillboard 200で、Olivia Rodrigoの『You Seem Pretty Sad for a Girl So in Love』が2週連続の1位に立った。

和訳付き

2週目も18万ユニットで首位を守り、Drake『ICEMAN』は9万ユニットで2位に控えている(Billboard)。

『ICEMAN』の4週連続1位は、すでに止まった。それだけなら王座の交代劇として珍しくない。効いているのは初動の数字のほうだ。

Rodrigoの初週は48万5000ユニット。『ICEMAN』が5月に作った46万3000を上回り、「2026年、ソロアーティスト最大の週」の看板が書き換えられた(Gold Derby)。

先週この欄で「Drakeは数字の土俵でまだ真ん中にいる」と書いた。ラップの中では、いまもそうだ。先週報じられた「2026年で最も売れたラップアルバム」の座も、ラップの土俵では動いていない。

ただ、音楽全体の帳簿では、最大の一週間はもうDrakeのものではなくなった。チャートという記録は、上書きされる。それが今週あらためて確認された、ということだと思う。

なおBillboardによれば、複数週1位のアルバムはこれで6作連続だという。『ICEMAN』の4週も、その連なりの一部として、もう歴史の側に入っている。

▶ Drakeの「勝ち」の中身については:Drakeは本当に勝ったのか──『ICEMAN』Billboard史上初Top 3独占と”勝利の三分裂”

数字の話の同じ週に、数字を作ってきた人の見送りがあった。

6月30日、メンフィス。6月18日に29歳で急逝したプロデューサー、Tay Keithの葬儀が営まれた。Sexyy Red、BlocBoy JB、プロデューサーのTurboらが参列している(XXL/HotNewHipHop)。

FutureはXに「Forever Legendary」とだけ記した。

最初期からの相棒BlocBoy JBは、「昨日、俺の最初の一人を土に還した。お前が先に棺に入るなんて思ってもみなかった」と長い追悼をInstagramに残している(HotNewHipHop)。

DJ Akademiksの配信では、Drakeが亡くなる直前のTay Keithからの電話に出られず、「罪悪感を抱えている」と語ったとも報じられた。この点は本人発信ではないので、報道として書き添えるにとどめる。

本誌は先月、彼の死をプロデューサーの取り分問題として掘った

6月の月間まとめでは「6月はTay Keithの月だった」と書いた。その締めくくりが、この葬儀になった。

人は土に還る。残るのはクレジットだ。「SICKO MODE」「Look Alive」「Nonstop」——彼の名前は、これからも再生のたびに読み上げられる。

その隣で、Futureが動いている。

10枚目のソロアルバム『THE REAL ME』は来週金曜、7月10日に出る。先行曲「Radio」を6月26日に投下し、「このアルバムにAIは使わない」と明言済みだ(Billboard/The Hype Magazine)。

盟友の葬儀の週に、「本物の自分」と題した作品の仕上げに入る。そして作り方まで先に言葉で残しておく。AIで何でも「それっぽく」作れる時代の、これはひとつの遺言状の書き方なのかもしれない。


④ BMSG、「上場しない」と書いて拡張する(日本)

今週の日本でいちばん大きく動いたのは、ステージの上ではなく、資本の話だった。

SKY-HI率いるBMSGが、Akatsuki Venturesおよびインキュベイトファンドとの資本提携を発表した。

起点は6月29日のカンファレンス「Greeting & Gathering ’26」での表明。翌30日には、BMSGとAkatsuki Ventures双方から同時にリリースが出ている。

目を引くのは、出資の条件だ。今回の提携は上場を前提としない。BMSG自身が「今後も上場の予定はございません」と明記した(6月30日の公式リリース)。

普通、ベンチャーキャピタルの出資は、上場か売却で資金を回収する前提で組まれる。その前提を外したまま外部資本を入れる。音楽事務所の成長モデルとして、かなり珍しい設計である。

なぜそれが可能で、なぜいま選ばれたのか。2025年12月の出来事を受けた経営体制の見直しとの関係や、Master PからJAY-Zへと続くヒップホップの「所有」の系譜まで、論点は多い。

本誌はこの一件を、今週の単独記事で正面から掘った。ニュースの3行では届かない部分は、そちらで読んでほしい。

▶ くわしくは:BMSGがAkatsuki Ventures・インキュベイトファンドと資本提携──SKY-HIはなぜ「上場なき拡張」を選んだのか

ここでは今週のテーマに引きつけて、一点だけ。

「上場しない」は、口約束ではなく文書になった。企業が自分の未来に自分で線を引き、それを公に書き残す。①のBETが誰かを正史に書き込む話だとすれば、こちらは自分で自分を書き込む話だ。

書かれた言葉は、これから先のBMSGを縛りもするし、守りもする。その両方を引き受けた発表だったと思う。


⑤ 止まった双子と、立った男:T-Pablow・YZERR・CHEHON(日本)

同じ週の日本語ラップでは、対照的なふたつの選択があった。止まる、と、立つ、である。

まず、止まったほう。

7月3日、YZERRがツアー「RICH OR DIE III」(ROD Ⅲ)の残り3公演(3日広島、4日高松、9日東京・豊洲PIT)の中止を、Instagramのストーリーズで発表した。

「身体的な都合で会場へ向かうことができなくなってしまい」と本人は説明し、払い戻しに加えて「誠意が伝わるような対応」を約束している(音楽ナタリー)。

ほぼ同じタイミングで、T-Pablowがほぼ完成していたというアルバムの延期を明かした。BAD HOP解散後の物語を先頭で引っ張ってきた双子が、同じ一週間に、そろって立ち止まった。

理由として語られていること、まだ分かっていないこと。憶測で埋めたくなる部分こそ、事実と区別して書く必要がある。本誌は確認できた一次発信と、不明な点の線引きを明示した記事を出している。

▶ くわしくは:YZERRがツアー3公演を中止、T-Pablowはアルバム延期──BAD HOPの双子が同じ週に”止まった”意味

ひとつだけ、今週の文脈に置いておきたい。

ほぼ出来ている作品を止めるのは、出すより難しい。配信ボタンを押せば数字は動き、話題にもなる。それでも止めたのは、「どう残すか」を数字より優先したからだろう。作品は一度世に出れば、もう引き返せない記録になる。その重さを知っている人の判断に見える。

いっぽう、立ったほうの男がいる。

7月3日、豊洲PIT。YZERRが6日後に立つはずだった、その同じ会場である。

レゲエDeeJayのCHEHONが、ワンマン「KING OF STAGE」の当日を迎えた。中止が告げられたのと同じ日の夜の話だ。会場・主催からの中止や変更の告知はない(7月4日時点)。

本誌は開催直前、1時間超の独占インタビューを公開している。そこで本人が語ったのは、執行猶予の過去を理由に大きな会場がなかなか借りられなかった、という生々しい事情だった。

過去の記録が扉を閉ざし、25年間ライブで積んできた記録が、別の扉を開けた。年間100本を続けてきた男が、自分の名前でPITを開ける。AIの時代に「生身の人間が一番強い」と言い切る。その言葉が、今週はいつもより重く聞こえる。

▶ インタビュー全編:【HIPHOPCs独占インタビュー】CHEHON「生身の人間が一番強い」25年。豊洲PIT直前、執行猶予・みどり・ジャマイカ・AIを語る

止まった双子も、立った男も、選んだ基準は同じところにある。数字より、何がどう残るか。今週の日本語ラップは、その判断をふたつの形で見せた。


そのほかの短いニュース

アメリカ

  • Eminem、「Swim Shady」との商標争いで敗訴(7/1):豪州の商標登録官は、Eminemが2002年から持つ「Shady」等の商標が衣類・バッグ等で実際に使われてこなかったと判断。シドニー発のビーチブランドSwim Shadyは名前を使い続けられることになった。Eminem側は相手の法務費用も負担し、控訴期限は7月22日(Rolling Stone AU/NZ)。日本でも特許庁がEminem側の異議を審査中と報じられており、対岸の話でもない。名前という「記録」も、使った実績がなければ守れない。
  • Lil Wayne、メイン州バンゴー公演に現れず(6/30):数千人を残して不履行、7月28日の振替を発表。翌日にはMichael RubinのWhite Party出席が報じられ、批判が膨らんだ(AllHipHop/HotNewHipHop)。
  • ブルックリンのドリルラッパーBriscoe Bands、射殺される:コニーアイランド遊歩道付近で撃たれ死亡と報じられた。3歳の娘を残し、逮捕者は出ていない(AllHipHop、7/2時点)。ご冥福を祈る。
  • Pooh Shiesty、拘置所内映像の流出が波紋:Gucci Maneに契約解除を迫る様子とされる映像について、元弁護士が「悪質な仕事」とコメント(AllHipHop/HotNewHipHop)。先週の公判前勾留の件から状況は好転していない。
  • Megan Thee Stallion、フレグランス「Hot Girl Summer」を7月5日発売:Cotyと組み、Ulta Beautyで展開(AllHipHop)。
  • Lupe Fiasco、「しばらく姿を消す」:Kendrickをめぐる議論でファンと衝突した後の発言(HotNewHipHop)。
  • Rick Ross、マイアミ・ドルフィンズの株式取得に意欲(HotNewHipHop)。

日本

  • ちゃんみな、初の東京ドーム(7/11・12)へ:一般チケットは発売後1時間で完売。千秋楽7月12日はU-NEXT独占生配信に加え、全国約100館の映画館で生中継が決まり、劇場チケットは7月3日22時に販売開始(Billboard JAPAN/松竹)。復調からドームまで、10年目の集大成が来週に迫った。
  • さんピンCAMP30周年(7/7)が目前:音楽ナタリーの連載「『さんピンCAMP』とその時代」が関係者の証言を積み上げている。1996年7月7日、日比谷野音。日本語ラップの「始まりの場所」の30年目が、火曜日に来る。
  • LAMP EYE、30年ぶりに浮上。新曲「UP HILL BATTLE」を6/26配信:日本語ラップのクラシック「証言」(1995年アナログ/1996年CD)から30年。RINO LATINA IIは「深海に潜っていたLAMP EYEがゆっくりと浮上を始めます」と告げ、「あの頃から積み重ねてきた言葉と音は変わらずそこにあります」と記した(音楽ナタリー)。8月8日にはキングギドラ、RHYMESTERを迎えた「熱帯雨林」がクラブチッタ川崎で開かれる。さんピンと同じ週に、もう一本の1996年が水面へ上がってきた。
  • 有明でSOUL CAMPが戻る。Erykah Badu、The Pharcyde、Knxwledge(7/4):約10年ぶり来日のErykah Baduを看板に、約7年ぶり復活の同フェスが本日、SGCホール有明で開催。The Pharcydeはオリジナルの3人がそろい、2019年以来の日本となる(Real Sound/NiEW)。さんピンCAMP30周年の3日前、「CAMP」の名を持つ場所で、90年代の“昼のクラシック”が鳴る。

SNSで今週いちばん響いたこと

今週いちばん流れてきたのは、BETの夜の切り抜きだった。

Janet Jacksonの登場に泣き崩れるTeyana Taylor。2PacのTシャツ。そしてLauryn Hillのトリビュートで、SZAやDoechiiが彼女の曲を歌い継ぐ数分間。受賞結果より、この3つの瞬間が繰り返し共有されていた。

対照的に重かったのが、BlocBoy JBの追悼投稿だ。「お前が先に棺に入るなんて」という言葉に、引用や返信で自分の喪失を重ねる人が続いた。

軽いほうの話題では、Michael RubinのWhite PartyでのIce SpiceとTobey Maguireの「キス写真」が拡散。真偽や文脈の確認より速く広まっていく様子も含めて、いかにも7月4日週のタイムラインだった。

日本側では、ちゃんみなの「1時間完売」への驚きと、BMSGの資本提携をどう読むかの応酬。難しいニュースを自分の言葉で解釈しようとする投稿が目立った週でもあった。

派手さより、誰かの残した言葉や姿を確かめ合う。今週のSNSは、そんな静かな熱の集まり方をしていた気がする。


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来週の注目

  • さんピンCAMP30周年(7月7日):1996年の日比谷野音から30年。当日どんな発信が出るか。『Reasonable Doubt』30周年、LAMP EYE「証言」30年と並ぶ、「2026=1996」の日本側の本丸。
  • Future『THE REAL ME』(7月10日):「AIは使わない」を掲げた通算10枚目。Tay Keithを見送った直後のアトランタから、どんな「本物」が届くか。
  • ちゃんみな「AREA OF DIAMOND FINAL」(7月11・12日、東京ドーム):デビュー10周年の集大成。12日はU-NEXT生配信+全国映画館で生中継。
  • Keefe D公判、最終ステータスヒアリング(7月14日):8月10日の公判開始前、最後の関門。残る争点の整理へ。
  • CZ TIGER、2ndアルバム『FOR WHATEVER』(7月15日):本誌が独占インタビューで追ってきた一枚。リリース週にあらためて。
  • Eminem、控訴するか(期限7月22日):「Swim Shady」裁定への対応。日本の特許庁の審査も並走する。
  • LAMP EYE「熱帯雨林」(8月8日、クラブチッタ川崎):「証言」30周年、キングギドラ・RHYMESTERとの再集結へ。
  • FORCE Festival 2026(10月24日、川崎):続報待ち。完全ガイドは情報が出しだい更新する。

まとめ

先週は「どこで鳴らすか」の話だった。今週は、その場所が答えを返し、答えを運んできたのは言葉だった。

Keefe Dは自分の書いた本に裁かれようとしている。Lauryn Hillは28年前の一枚に称えられた。Clipseは、グラミーが見送った作品をBETに書き直された。Drakeの「2026年最大」の看板は、チャートという帳簿の上で更新された。

Tay Keithは土に還り、クレジットが残った。Futureは作り方まで先に言葉にした。

日本では、BMSGが「上場しない」と自分の未来を文書に刻み、T-PablowとYZERRは完成間近の記録をあえて止め、CHEHONは過去の記録に閉ざされた扉を、25年の記録でこじ開けた。

言葉は、残る。残した本人より長く生きて、いつか味方にも証拠にもなる。

だとすれば、いま何をどう書き残すかは、アーティストだけの問題ではない。30年前のさんピンCAMPが伝説になったのは、当日の数千人の記憶だけでなく、残された映像と盤があったからだ。

記録する側の責任も、同じ重さで問われている。誰が、何を、どんな言葉で残したのか。それを正確に書きとめること。ヒップホップメディアの仕事は、来週も、30年後も、たぶんそこにある。

HIPHOPCs|2026年7月4日


今週のテーマをもっと深く知りたい人へ。HIPHOPCsの関連記事。


参照ソース

本稿は一次情報を確認したうえで、読者が事実関係を追えるよう、主要な裏づけ記事を以下に整理した。

主要なソース(裏づけ)

▶ そのほかのソース(くわしく)


アイキャッチ画像クレジット

本稿のアイキャッチは、今週取り上げた各アーティストの公式アカウントを参考に構成したHIPHOPCsオリジナルビジュアルである。参照した各アカウントは以下のとおり。

(5アカウントとも2026年7月4日にHIPHOPCs編集部が実在・本人性を照合済み)


この記事は、各アーティスト・団体の公式発表や本人の投稿を一次情報としてHIPHOPCs編集部が確認し、主要メディアの報道で裏づけたうえで構成したものです(対象期間:6月27日〜7月4日、7月4日公開/情報確認日:2026年7月4日)。チャート順位や再生回数などの数字は変わることがあります。Keefe D被告の公判に関する記述は公判前審理の段階のものであり、被告は有罪が確定するまで推定無罪です。Tay Keithさんの死因は執筆時点で公表されていません。CHEHON「KING OF STAGE」は7月3日開催として告知され、7月4日時点で会場・主催から中止・変更の告知は確認されていません。当日の模様は追って本誌でお伝えします。確認できた事実だけを書いています。

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