シーンを見てきた男、YTG/Sam:HIPHOPCs新ディレクターが語るカルチャーへの想い【インタビュー】
2024年末、DJ RYOWのライブが行われた東京・王子。あの千葉雄喜も飛び入りで参加した数々の名ラッパーが集う会場で、出演者ではないにもかかわらず、ひときわ視線を集める男がいた。
彼こそがHIPHOPCsでディレクターを務めるYTG/Samだ。
彼は「チーム友達」をはじめとする数々のミュージックビデオに出演し、特有の存在感を放っている。リスナーたちもハシバミ色の瞳と幾度となく目があったことだろうと思う。
古くから日本のシーンに身を置いていた彼は、日本語ヒップホップの転換点を眼前で捉えながら多くの人脈を手繰り寄せてきた。そして、彼が人と人とを繋げると、静かに水面が揺らぎ始め波となる。その波は身の回りを浸食しながら徐々に大きさを増す。
いわば、Samはトリガーの一端を担う人物となってきた。
ラッパーNoah Ezraも「No one like him(彼みたいな人はいない)」と言い切った、唯一無二の存在だ。
そして現在、SamはHIPHOPCsのディレクターとして、新たな挑戦を始めている。
ラッパーであり、インタビュアー。そのすべてを横断しながら、日本のヒップホップシーンを「リアル」という視点から見つめ続ける男は、いま何を考え、どこへ向かおうとしているのか。
HIPHOPCsと共に人生の新章を綴り始めた、YTG/Samという男のルーツと哲学に迫る。
HIPHOPCs Director YTG/Samが作り上げるメディアの姿とは
Sei:この度はインタビューを受けていただきありがとうございます。今回HIPHOPCsディレクター、アーティストとしてだけではなく、1人の人間としてのSamさんにフォーカスしたいと思っています。
ご年齢的にも中間層というか、上も下も含め長年日本のヒップホップシーンを見てきたと思うので、Samさんだからこその視点や哲学を語っていただきたいと思っているのですが…。
まずは、現在のサムさんについて教えてください。最近はどんな活動をしてらっしゃるんですか?
Sam:活動…5月終わりぐらいからHIPHOPCsのディレクターをしています。今はそれがメインです。
Sei:早速CSの話が出て来たので、その話をしようと思うんですけど。
ディレクター就任、おめでとうございます。Samさんに来ていただいたことでコンテンツが活発になって、ライター含めみんなもやる気に満ち溢れています。
率直な気持ちを教えてほしいのですが、ディレクターとして今後やりたい企画とか、目指してることとかありますか?
Sam:Csにとって良いのかわかんないですけど、ぶっちゃけ俺の知ってるアーティストを応援するツールの1つとして関われたらいいかなって思ったのが、ディレクターになった動機なんすよ。
Csで何かやりたい…よりも、周りのアーティストをフックアップできんじゃねえかっていう。Cs側からしたら「は?」って思うかもしれないんすけど。多分、Win-Winな関係になれると思ったんで。最初の頃はそんな感じ。
今はやってみたいことはあるけど…まだ言いたくないから秘密です(笑)。読者や閲覧者の皆さんは楽しみにしてて欲しいです。でもね、“それ“をやるには俺が一番適役なんですよ。多分…日本で一番難しい企画だと思うんですよね。
Sei:気になるぅ(笑)。
Sam:やれるとしたら俺しかいない。 それをやったら俺の中で一区切りになると思うし、「よし!じゃあ次何やろう」って思えるかなぁ。
Sei:そのヒントはこのインタビューでも出てきそうなんで、Cs読者さんもわかるかもしれないですね!
では、ディレクターとして一番大切にしていることとかありますか?
Sam:ウチと関わることで「アーティストにとって何がプラスになるか」っていうのは考えてますね。
Sei:なるほど。どんなメディアにしていきたいですか?
Sam:「リアル」。
Sei:読者に一番届けたいことも、やっぱり「リアル」ですか?
Sam:そうっすね。今まで記事作ったことないんで…。
で、やってて思ったのがその微妙な言い方の違い?例えば、記事として作っている過程で語尾の使い方とか、表現の仕方みたいなのが微妙にズレるところがあるなぁと思って。
その人特有の言い回しとか話し方を残して記事を作る。その方が人間味がある。だからこそ、そういう(リアルな)部分にズレのない記事とかコンテンツを作れたらいいなと思いました。
Sei:なるほど、人間味ですよね。昨今はAIによる記事等もよく見受けられますし、すぐバレますからね。
「?」が浮かんだ幼少期、抱いていた夢
Sei:もうSamさんはCsのマスコットみたいに顔出しして活躍されていますが、恐らく皆さん「何者なんだ?」って不思議だと思うんですよね。なので、Samさんのルーツについてお聞かせください。
ご家庭とか育った環境とか、話せる範囲でお願いします。あの…「日本語お上手ですね」ってよく言われません?(笑)
Sam:言われます(笑)。日本とイギリスのハーフです。
Sei:へええイギリスなんですね。どんな子供だったんですか?
Sam:うーん…活発でしたね、ただ、小学生時代はいろんな事について「何でぇ?」って考えてました。
Sei:ええ、どういうことですか?(笑)
Sam:もう…いっぱいエピソードはあるんですけど、挙げるとすれば小学校の頃の話ですね。 友達たち5~6人で地元のゲーセン行って、ゲーセンのトイレにみんなで連れション行くじゃないですか。その時にデッカい鏡がトイレにあって、5人で並んだ時に「俺だけ肌の色違うのは何でだ?」って思ったのはよく覚えてます。
Sei:なるほど。容姿の話になったんですけど、ご自身の容姿やバックグラウンドで苦労したこと、逆に得したことはありますか?
Sam:得したことは女の子関係(笑)。
一同:(大爆笑)
Sei:絶対モテるモテる。
Sam:あともう1つ、自分の中で大きかった出来事があって。
小学校5、6年の時に地域の小学校3校、4校ぐらい集まる運動会があったんですけど。自分の学校は結構後の方で入場したんですよ。
で、入場した瞬間に3方向から「外人だー!」って言われたんですよね。多分、他にフィリピンハーフの子とかもいたけど白人はいなくて、1人だけほんと白かったんで。
良い意味でも悪い意味でも、大きい出来事でしたね。
Sei:その時は子供ながらにショックでした?それとも「あれ?なんで?」って感じでしたか?
Sam:両方でした。でも、嬉しくはなかったです。
Sei:お母さんから違いについて話されたことは?
Sam:母ちゃんにも「You are English」って言われてきたし、日本で小さい時から「外人だ」って言われてきたんで日本人っていう感覚は1ミリもないです。思考、考え方は日本っぽいところがあるかもしれないけど。
100%イギリス人だと思ってます。イギリス行って「お前は外人だ」って言われたこと無いし、国籍聞かれた時は「イギリス人です」って言いますし。日本人が俺を外人として扱うなら、もう残るカードはイギリスしかないんで。
Sei:うーんなるほど。繊細な話題でしたが、正直且つ率直な言葉が聞けて嬉しいです。
ちなみに小さい頃は何になりたかったんですか?
Sam:えーっとね、小学校時代は3つぐらい夢があったんですよ。一番最初が考古学者。
Sei:かっこいい!『インディ・ジョーンズ』みたいじゃないですか。
Sam:うん、恐竜好きだったんです。今でも好きだから全部名前とか言えますし、化石とか集めるのが好きで。人生死ぬまでにヴェロキラプトルの爪の化石を買うのが夢なんですよ。
Sei:買えるんですか?
Sam:なんか50(万)ぐらいでいけるらしいんですよ。死ぬまでに買ってあの『ジェラシック・パーク』のオープニングのシーンを「お前の内臓が出て…」みたいなのを子供にやるのが夢。
Sei:あの切り裂くやつですね。なるほど、すごい夢だ(笑)。
Sam:2つ目はギタリスト。
Sei:え、ギターも弾けるんですか?
Sam:いや、全く(笑)。当時親父が弾けたことと、Carlos Santana(カルロス・サンタナ)が大きかったかも。
Santanaがめちゃくちゃ好きで、それでギタリストになりたいって思ってた時もあったんですけど…その後サッカーに出会っちゃって。
ヒップホップに至るまでの音楽遍歴
Sei:ヒップホップとの出会いについて聞きたいんですけど、初めてヒップホップに衝撃を受けた瞬間とかあります?
Sam:ヒップホップとの出会いっていうより、音楽との出会いなんですけど。
一番最初に好きになったアーティストは、Eric Clapton(エリック・クラプトン)なんです。一番最初に好きになった曲も彼の『Layla』。
その頃、毎週月曜日に母ちゃんがどっかの会社で英語を教えてて。俺と弟も一緒に連れて行かれてたんで、俺らは授業が終わるのを待たなきゃいけなかったんです。
俺はその間もCDウォークマンにEric ClaptonのCD入れて、聴きながら待ってましたね。だから、始まりは小5〜6の頃に知った彼ですね。
両親ともに音楽好きだから車の中では常に音楽が流れてましたし、親父は昔の海外のバンド大好きでレコードとかCDとかめっちゃ収集してました。多分、レコードは400枚だか500枚だか持ってて、CDは2000か3000枚とか持ってるんですよ。
Sei:ええ、かなりの収集家!
Sam:プラス、実家の全部屋にテレビがあって「FOXチャンネル(現 Dlife)」か「MTV」が常に流れてたんですよ。多分、育ちとしては良い方だと思います。
Sei:音楽を避けては通れない環境だったというわけですね。
Sam:そう。後でわかったことですけど、Eminem(エミネム)の『Lose Yourself』がMTVで流れた時があって。
で、「なんだこれ、めちゃくちゃかっこいい」ってなったんだけど、その時は楽曲名とアーティスト名を見逃しちゃって、それからずっと「誰だったんだろう」みたいに頭から離れなくなって。
だから、1か月間ずっと時間あればMTV見続けて、やっと流れてきて「Eminemの『Lose Yourself』って曲なのか!」って判明するみたいな。それからEminemを聴き始めましたね。
Sei:じゃあヒップホップの始まりっていうか、きっかけはEminem?
Sam:そうですね。で、多分14歳か15歳の時に50 Cent(50セント)の『Get Rich or Die Tryin’』。
Sei:なるほどなるほど。
じゃあ、尊敬してるアーティストとか人生に影響を与えてくれたアーティストを挙げるとしたら?
Sam:Pink Floyd(ピンク・フロイド)。彼らが一番デカいっすね。
Sei:え、Pink Floyd?意外でした。
そして、Samさんは聴くだけではなく、ご自身もラップされるんですよね?
Sam:元ラッパー。ラッパーに「元」って言葉があるのかわからないですけど、ちょっと前までやっていました。
Sei:始めたきっかけは?
Sam:サッカーのコーチの資格を取りに、イギリスに行ってた時期があったんですけど。20歳ぐらいで行ったのかな?
23か24歳くらいで日本に帰ってきて、別に何もすることなくて。帰国してから、ずっと千葉(雄喜)といたんですよ。イギリス行く前からずっと千葉(雄喜)とつるんでたし、 まぁ、必然というか。
その頃、千葉はスタジオに住んでて。俺、当時仕事してないし暇だから、ほんと毎日一緒にスタジオにいたんすよ。アイツはずっとレコーディングしてて「これどうかな?」とかって聞いてきて、俺は「いいじゃん」って返して、みたいな。俺の実家にあるパソコンでレコーディングしてることもあったすね。
で、彼といると色んな人が来て、ずっとラップしてるんすよ。俺も当然「音楽、ヒップホップ大好き」みたいな人間だったし、イギリス行く前は「トラックメーカーになりたいな」なんて少し思ってた時期もあったし。
きっかけはそんな感じでしたかね。
過去のシーンを懐古、ラッパーとしての活動について
Sei:当時の日本のヒップホップシーンってどんな雰囲気でしたか?
Sam:あー…なんかもっと怖い人がいたって感じです。体育会系って言った方がいいのかも。
やっぱり先輩付き合いっていうか、先輩の言う事は確実に「はい」みたいな感じだったし。当時、まだ俺はラッパーじゃなかったっすけど、千葉と一緒にいる時は年上のアーティストの言う事には絶対「はい、はい」みたいな感じでしたよね。
Sei:おおぉ時代。その頃はヒップホップに何を求めてました?
Sam:メンタル面では、勇気とか希望とかも求めている人もいると思うんですよ。俺もそういう時期あるんで。例えばだけど「今日は仕事めんどくせえな。よし、ちょっとかっこいい歌聴いてモチベーションにしよう」とかね。
だけど、自分は音楽が本当に好きだったから、その頃は純粋にそういう世界に入れるのが嬉しかった。
Sei:うんうん。35歳の今、音楽との向き合い方って若い頃と何か変わりましたか?
Sam:変わりました。なんだろうな…もっと広い心で音楽を楽しめるようになったかなと思います。
昔はもっと「これがカッコいい、これはカッコよくない」とか「このアーティストはこの人と揉めてるからこいつはカッコよくない」とか、色々固定概念があったと思うんですけど、今はそういうの無いですし。
最初はロックから聴き始めて、その後にヒップホップに夢中になってヒップホップばっか聴いてたんすけど、今はヒップホップっていうジャンルより”音楽”っていうジャンルを聴いてるイメージですね。
Sei:視野を広げるって大切な事ですもんね。
Sam:ラップだけじゃなくてロックも、とにかく色んなの聴いてます。ジャンルは関係なく、とにかく音楽が好きなんすよ。
俺がヤバいと思うのは「あ、この人音楽だな」って感じる人。そういう人たちは、俺の中で「天才だな」って捉えられる気がするな。
Sei:なるほどなるほど。
ご自身も音楽をやっていると先程話にも出てきたと思いますが、ご自身の代表曲を選ぶならどれですかね?
Sam:王子のY’S(ワイズ)君と俺と、あとYano(ヤノ)っているんすけど、その3人で一緒にYYYってグループ名義で1枚『YYY』ってEP出しました。
あとは千葉(雄喜)と一緒にやった『Dogs』。
Sei:これからのリリース予定とかはありますか?
Sam:なんかこう「いいね!」って思うことがあれば、ワンチャンありえそうです。
Sei:え!どなたと何をされるんですか?
Sam:まだわからないけど、名前はある人でしょうね。でも、友達なら普通に一緒にやるじゃないですか。
Sei:Samさんは音楽を作っている友達が多いですからね。じゃあ「〇〇 feat.YTG/SAM」みたいな感じですか?
Sam:逆もあり得るかもしれない。「YTG/SAM feat.〇〇」みたいに。最近いろんな人に「曲作りましょう」って言われるんで、全然アリですよ。
千葉雄喜との友情
Sei:もう既に千葉雄喜さんの名前が結構出てきてるんですけど…。
Sam:あいつは出てきちゃうんすよ…もう。
Sei:そうですよね。で、読者も知りたいと思うんですよね。でも、Samさんのお立場的に言えることと言えないことがたくさんあると思うので…出せること全部出してください、今日(笑)。
Sam:いや、出せないっすよ。出せないことが多すぎる(笑)。
Sei:そこを何とか…出せる範囲で出していただければと…(願)。
先程「千葉さんとは幼なじみ」っていうお話をされていましたが、最初の出会いとかって話せますか?
Sam:前にどっかのインタビューでも話したとは思うんすけど…。
俺ら同じ団地に住んでたんです。俺が15階、千葉が9階でイサム*が8階だった。その8階のイサムとは幼稚園から一緒の馴染みだったんですけど。(*2人の幼馴染)
小学生になった初日。ちょうど俺とイサムと、違うクラスで名前も知らなかった千葉が同じエレベーターに乗って。いや、登校前だったか登校後だったか覚えてないんですけど…。
その時にイサムが「今日この後遊ぶ人?」って聞いてきて、そしたら千葉が「はーい」って返事してきたんすよ。もう一度言うけど、知り合いじゃないのに(笑)。
Sei:おおおおおおお!ミニチュア千葉さん。
Sam:そう、多分それが初めて遊んだ日です。
Sei:おおおおおおお!(大興奮)え、当時は仲間たちとどんな毎日を過ごしてたんですか?
Sam:その俺らが住んでた団地の公園に、よく来る近所では有名なおじさんがいたんですけど。
皆でチャリンコ乗りながら「ミスタールンペン!」ってあだ名付けて、ちょっかいかけて追いかけられたりとか。ポッケに手突っ込みながら追いかけてくるんですけど、めっちゃ速いんですよ。
Sei:スポーツとかもしていたり?
Sam:俺は小5、小6はひたすらサッカーしてて、アイツは野球だったんで、たまーに一緒に。どっちにしろ千葉とは同じ団地だったんで、ちょいちょい遊ぶメンバーの中にはいました。
Sei:なるほど。Samさんから見た千葉さんってどんな人物ですか?
Sam:千葉を説明するのは難しいんすよ。
でも、あいつは意図的にじゃないと思うけど、俺にチャンスをくれた人じゃないですかね。一緒に動いてなかったら、色々な人との関係性はもちろんなかっただろうし…ムカつくこともあるけど(大爆笑)!でも、感謝してます。
Sei:素晴らしいですね。
あの…個人的に気になっていることを聞いてもよいでしょうか?私は勝手に「千葉さんは天才肌で掴みどころが無く、おっとりしてるんだろうな…」なんて思っていたんですけど、実際はどうなんですか?
Sam:シュールレアリスムが好きな人です。俺も好きで、過去に投稿したNoteも俺なりのシュールレアリスムだし。
Sei:あ!面白いのでCsヘッズの皆さん、Note見てみてください。
なるほど、シュールレアリズムですか!意外。じゃあ、そのシュールレアリスム的な部分で(性格が)合うんですか?
Sam:まあ似てる…近いっちゃ近いですけど、若干違うかも。アイツはギャグをすごい大事にしてると思います。
”いつでもギャグであること”っていうか。アイツは多分、初めて会う人はとりあえずボケかツッコミで分けると思うんですよね。「あの人ボケだよね」みたいな感じで。
Sei:面白い。今と昔で変わった部分、逆に変わらない部分とかありますか?
Sam:もちろんありますよ。あるけど、そういう部分も含めて「千葉っぽいな」みたいな。変化があるのは大前提みたいな感じなんで。
Sei:音楽的な部分も気になります。最初に彼のラップを聴いて、どう思いましたか?
Sam:羨ましかったです。その頃は何も音楽やってなかったけど、やっぱ俺音楽好きだったし、ラップ好きだったし。
俺、寝る時にめっちゃ妄想するんすよ、ベッドの中で「もしプロサッカー選手だったら」とか、ラップスターである自分を想像して寝たこともやっぱあるし。
結構そんな感じで夢を見てたから、音楽やってる彼に対して「良い音楽作れて羨ましいな」みたいな感情を抱くことはありました。
Sei:なるほどですね…。
では、千葉さんと印象に残っている思い出とか、話せる小話があればぜひ教えてください。というか…Samさんは千葉さんのMVにしょっちゅう出てますよね。
Sam:一時期、俺自分のこと「MV男優」って呼んでた(笑)。
Sei:あははははは!やば(大爆笑)。AVじゃなくてMVなんですね。
Sam:そう(笑)、MV男優って呼んでて。まあ多分使いやすいじゃないですか、この顔。
後は、アイツのサイドMCやってました。多分、千葉のサイドMCを担当した回数は一番俺が多いんじゃないかな。一緒にやってる曲もあるし。
Sei:結構サポートしてらっしゃったんですね。お互い刺激を受けた出来事とかありますか?
Sam:アイツが俺から受けてるかはわかんないけど…でも、一緒に居やすかったんじゃないすかね。
Sei:幼馴染ですしね。
シーンについての考え、注目してほしいアーティスト
Sei:では、今の日本のヒップホップシーンについてお話というか、ご意見みたいなのをね、お聞きしたいのですけど。
ぶっちゃけ、現在の日本のヒップホップシーンについて、どう見えていますか?
Sam:自分は「イケてるか、イケてないか」っていうのを、なんか感じてて。
でも、俺が「コイツイケてねーな」って思う人も他の人から見たらイケてんだろうし。それはもうしょうがないと思うんですけど。今は分母が増えたし、昔に比べたら「いいな」って思えるアーティストも増えたと思いますね。
Sei:私もそう思いますね。色々若いラッパーさんもご存知だと思いますが、彼らの魅力って何だと思いますか?
Sam:結局、”良い音楽作れてるか作れてないか”なんですよね。多分、ヒップホップのセンスを底上げした千葉とかを見て育ってきた子たちじゃないですか。
Sei:そうかー。一方で…なんかこう、失われつつあるモノとかあると思いますか?
Sam:多分、最初に言った「体育会系らしさ」じゃないですか。ある子はあるし、無い子は無いなって感じです。
自分は特に気にしないですけど、礼儀的なところの話に関して言う人は言いますね。でも、今の方が色々やりやすいはず。自由でいいなって思います。
Sei:やりやすさはありますよね。自分でビート作って、ストリーミング出してとかね。敷居が低くなって、全てがセルフで完結しますもんね。
Sam:良いと思います。実際、金にならないと続けられないじゃない。で、やっぱ千葉見てて思ったのは「かけるところにかけないと、やっぱり良いモノはできない」んだなって。
Sei:ほう、例えば?
Sam:数千円のマイク使ってるのと、20万のマイク使ってるのじゃ絶対音質が違うじゃないですか。調整するって言っても、多分根本的なところは変えられないから。
Sei:なるほど、今ラップやってる方には参考にしてもらいたい意見ですね。
では、今後、日本のヒップホップに期待していることとかありますか?Samさんは業界に深く関わってるし、色々なアーティストさんを見てらっしゃるので「こうなればいいな」みたいな希望があってもおかしくないと思うのですが…。
Sam:えっとね、ヒップホップに期待してることはないですけど、期待してるヒップホップアーティストはいます。
Sei:良いですね!では、これからブレイクするアーティスト、もっと評価されるべきと思うアーティストがいれば教えてください。推しでもいいんですけど。
Sam:個人的に好きだし、もう普通に有名だけどKenayeboi(ケネエボーイ)。ついこの間、Csでもインタビュー記事出しましたね。
でも基本、やっぱり期待しちゃうのは周りにいる子たちになっちゃいますよね。 Nyture(ネイチャー)とかTOKYOTRILL(トーキョートリル)…Young Coco(ヤング・ココ)とかJake(Jin Dogg/ジン・ドッグ)もそうだし。Cocoとかは絶対もっと評価されていいはずなんで。
Sei:私もJin Doggさん好きですねー。だから、Cookさん(Cook Oliver記者)が執筆してくださったJin Doggさんの記事を英訳したりとか、地味で地道な活動してるんですけど。なんかひとつ世界的にバズる曲が生まれて欲しいですよね、絶対うけると思うので。
Sam:一方で「もったいねえな」と思う子もいます。だから、俺のアドバイスで変わるかはわかんないですけど…。
この(ディレクターの)仕事始めてから、一応いろんなデータとか数字みたいなのを結構気にしてみてるんですよ。やっぱり「こうやるとやっぱ数字いいんだよな」みたいな流れとかあるから。だから少しアドバイスすることもあります。
Sei:若い子からすれば心強いでしょうね。
今はSNSが主流となった時代ですけども、この時代に表現者として必要なものって何だと思います?
Sam:ラッパーのみならず、「裏付け」じゃないかな。
アーティストが音源を出したとして、そのアーティストに興味を持ってくれた人たちはディグるじゃないですか。その時に「そのビジュアルで見えていたものが本当にあるっていう裏付け」がないと、リスナーは更にディグってはくれないって思うんですよ。
Sei:なるほどね。それはさっき言っていた「リアル」であるかってことですよね。
Sam:表面上で見えてたものに興味持って、実際に中を開いて見た時に空っぽだったら「なんだ」ってなっちゃうじゃないですか。だから、結局言葉を武器にしてる音楽の人たちは、そこで歌詞の内容とかが求められてくるじゃないですか。
歌ってるんだったら、本当にそういう人なんだよねっ?て。
Sei:ですよね。私もそこをすごく見ますね。わかります。
Sam:だからギャングっぽいこと歌ってるのはいいけど、そうじゃない子もいるし。もしかしたらそういうスタイルなのかもしれないけど、真実じゃないなら結果的にメッキは剥がれますよね。
Sei:確かに。今言ってることと通ずる話にはなりますが、「バズること」と「リアルであること」についてSamさんはどう考えますか?
Sam:バズっててもいいけど、大事なところで嘘ついてないっていうのがリアルなんじゃないですかね。
人を傷つけない嘘もあるし、それが必要な時もあって、一種の愛だから。可愛くない子に可愛いっていうこともあるじゃないですか(笑)。だから、それはしょうがないと思うんすけど。
でも「人に判断されるようなことに嘘つかない」っていうのが、リアルなんじゃないですかね。
アイデンティティの確立、『チーム友達』、そして再び音楽の世界へ
Sei:再びSamさんの人生観というか、哲学的な話を聞かせていただきたいんですけど。
人生最大の転機とか…差し支えなければ教えてください。
Sam:多分…何個かあると思うんすよ。まず20歳ぐらいの時に行ったイギリスも転機だったと思います。
自分はやっぱ「イギリス人なんだ」と思ったし、人に対して礼儀を重んじすぎて堅すぎたりする部分…自分の中の”変な日本人らしさ”を捨てられたかなと思います。もっと人に対してラフになれたかなって感じすね。
Sei:あぁそれ多分、私からするとSamさんの魅力というか。スタイルだなってすごい思います。インタビュアーとして卓越したコミュニケーション能力発揮してますよね。そのフレンドリーさと話しやすさ。
アーティストがリラックスして話してる感じなんですよね。Samさんて見た目が正直ちょっと怖い感じなんで(すみません!)、Samさんのこと知らない相手はちょっとびっくりするかもしれないですけど、でも二言三言と話し出したら「あ、めっちゃ話しやすい」ってなると思うんですよね。
Sam:案外、誰にも物怖じしないというか…この間マツコ(デラックス)さんとも普通に喋れたし。
Sei:え!?マツコさんとも喋ったんですか?
Sam:うん、一緒にNetflixに出てます。その時も普通にタメ語っすよ。
Sei:へえええ、イギリスに行ったことが結構プラスに働いているんですね。
Sam:あとはなんだろう…なんか、転機というか勉強になったのは2年ぐらい前の『チーム友達』。
Sei:『チーム友達』ね!全世界で超バズりましたよね。
Sam:「チー友」のツアーで千葉と一緒に地方ほぼ回って。
で、いろんな場所見たりライブ行ったりとか、裏方として色々見ていく中でどうしても「音楽の世界にいたい」っていう思いがすごく強くなったんですよ。
ツアー回る前は「なんかつまらない、俺の人生このままでいいの?」くらいの、ほとんど音楽のない人生になってて。そんなことを千葉と話してた時に「一緒に行こうよ、地方」みたいに誘ってくれたんすよ。
本当はどうかわかんないけど、彼のマネージャーも「(千葉は)俺がいた方がリラックスしてライブできてるように見える」って言ってくれて。
Sei:幼馴染だからこその効果というかね。
Sam:うん、多分。
ツアー中は裏方さんの動きに注目してたんです。彼らがどういう人たちで、どんな仕事している人たちがいて、どういうことをしてて……みたいなことを観察してた。「マネージャーはリハ中にどこで音響を確認してるんだろう」とか「どんな部分を注意を払ってるんだろう」とか。
そういう細かい部分を勉強できたので、あの時期は音楽について一番勉強できたかもしれないですね。
Sei:ほうほう。
Sam:あと、今年は結構転機かもしれない。去年、人生で一番悪い年だったんですよ。
めちゃくちゃ色々あって。丁度その時に、Seiさんから知り合いのアーティストのインタビュー依頼とかが来て。
Sei:だいぶ厚かましく相談しましたよね、Samさんに(笑)。
Sam:(笑)。で、「今年は頼むぞ」って思ってたら良い方向にめちゃめちゃ変わりました。
Sei:おお!それは良かった!
Sam:今のところ、めちゃくちゃいい年になってる。多分過去最高かもっていうぐらい楽しんでる…楽しい。
休みは無いし仕事ばっかりだし、忙しくて死にそうっすけど。なんか…自由に仕事してるし、こうやって色んなアーティストさんとお話しするっていう仕事してるんで、最高です。
Sei:うん、Samさんの長所を存分に活かせてますよね。人脈とか、人柄も合ってると思います。
ディレクターさんとして入っていただいたことで記事の統一感とか、質とかも指摘してくださって、改善されましたし。刺激になってるし、凄くやりやすくなった。
Sam:ちょっと変わりましたよね。
多分、ライターさんが今まで重点的に見てた部分って、恐らく記事の内容だったりだと思うんですよ、やっぱり。
だけど、俺は内容を理解するまでに時間がかかるから、一目見た時の第一印象が全てなんですよね。その印象が良いか悪いかで判断するというか、そこから内容に引き込めるかどうかなんですよ。
そういう細かいところから変えられたら、媒体としてもっといいものにできるんじゃないのかなって。
Sei:確かに。今まで全体的なビジュアルとか構成を客観的に指示する方がいなかったし、上手くフォローしてくださっているなって思います。Samさんが入ったことで伸び悩んでいた閲覧数もすごい上がっていますし…本当にありがとうございます。
YTG/Samの構成要素 ~後悔、祖父母、タトゥー~
Sei:ではでは打って変わって、逆に遠回りだったけど必要だった経験ってありましたか?
Sam:うーん…それこそ去年がそうなのかな?
どん底だったし、無かったら無かったに越したことはないけど…。まぁ…必要だったんすかね。去年に色々経験したことで、本当に大事なものや不必要なモノの”線引き”ができるようになった。
Sei:線引きですか…重要ですよね。
じゃあ、人生で後悔してることは?
Sam:全然あります。例えば、俺が音楽始めたのが23とかなんすけど、もっと早く18歳ぐらいから動いておけば良かった名とか思うし。
Sei:ご両親はSamさんがラップしてることをご存じなんですか?
Sam:知ってます。(イギリス人の)母ちゃん英語の先生なんですけど、どこかのタイミングで生徒さんが俺のことを知ったらしく、「先生、この人のお母さん?」って聞かれたこともあったみたいで。
Sei:お母さまと顔似てるんですか?
Sam:わかんない。でもなんかバレたらしく、その時は嬉しかったみたいですよ。
Sei:なるほど。Samさんが人生で一番感謝している人って誰ですか?
Sam:イギリスのおばあちゃんです。俺の人生というか、俺の中で大事なものランキングみたいなのがあるんですよ。まあ、誰もがあるとは思うんですけど。で、その”No.0”がおばあちゃんなんですよ。もうデフォで。
おばあちゃんとは3~4年くらい一緒に住んでたんですけど、もう愛しかないような人です。彼女以上に生き物に対して…例えば草とか空気に対しても優しい人はいないです。あとは、ちょっと天然で面白い。
俺はイギリスのおじいちゃんにめちゃくちゃ似てるかな、顔も性格も。
その本当のおじいちゃんは……ちょっと前に死んじゃったおじいちゃんは血繋がってなくて。親父が三歳の時に本当のおじいちゃんは死んでるんですよ。だから本当の人はわかんなくて。でも俺はイギリスのおじいちゃんに激似です。
Sei:あ、そうなんですか? Samさんに似てたとしたら、めっちゃ元気な方だったんですね。
Sam:めちゃくちゃ。けど、彼は天才っぽい感じだったんすよ。
例えば、イギリスとか海外って名前に医者だったら“Dr.“とかつくじゃないですか。 あれが2つとか3つ付いてるんですよ。
Sei:やば!PHDとかDRとか?
Sam:そうそうそう。おじいちゃんのクセにパソコン系とかテクノロジー関係にやけに詳しくて、理系なんでしょうね。噂によるとイギリス陸軍関係のセキュリティの製作に関わってるらしいんすよね。
でも、やっぱイカれてる部分はあって。渋滞に嵌ったりすると、イライラしてきてハンドルに頭ぶつけだしたり。
家のパソコンでデータのバックアップも4つくらいしちゃうし。電車の模型を大量に作って屋根裏でブワーッて走らせたり…それに関しては未だに調整しながら走らせてますね。
Sei:うわぁ面白い方だったんですね。
そして、このインタビューでSamさんの姿を初めて目にした読者さんは気になっていると思うんですが、結構タトゥー入ってらっしゃいますけど、お好きなんですか?
Sam:まあ好きっすね。
Sei:額の「Why?」は何故?
Sam:いや、最初「High Hopes」って入れようと思ったんですよ。希望? Pink Floydの一番好きな歌が『High Hopes』で。
で、「Hope」って入れようと思ってたんですけど…何を入れようが「なんで?なんで顔に入れるの?」って人から言われるじゃないですか。だから、もう逆に自分が聞き返しました。
Sei:右側の「友達」は最近入れたんですか?
Sam:ですね。千葉が韓国語で同じ場所に「友達」って入れてるから、俺もそれでいいやみたいな感じで、適当。
Sei:韓国語に対抗して、英語の「Friends」にしなかったんですか?
Sam:いや、なんか「Friends」はダセェなと思って「友達」にしたけど、あんま変わんなかった(笑)。
Sei:そういうことですね(笑)。首の詩みたいなメッセージは何ですか?
Sam:これこそPink Floydの『High Hopes』の最後の4小節。
The dawn mist glowing(夜明けの光が霧を輝かせる)
The water flowing(水が流れてゆく)
The endless river(終わりの無い川を)
Forever and ever(何時までもずっと)
Sei:身体にもいっぱい入ってますけど、ご家族ですか(笑)?
Sam:いや、全部サッカー選手です。
あと、これ(右のこめかみを指差しながら)はPink Floydなんすよ。これは俺の中でデカいっすね。いつでも彼らみたいなマインドを持ち続けるのは難しいけど「常に持っていたい」って…願掛けみたいな感じですかね。
Noah Ezra、ヒカル氏と共に語る今後の展望
Sei:では、インタビューもそろそろ終盤ということで…。読者の皆さんに聴いて欲しいアーティストやアルバムを教えてください。
Sam:Pink Floydの『High Hopes』絶対聴いてください。俺、人生変わりましたから。
Sei:では、これから一緒に仕事してみたいアーティストは?
Sam:Jake(Jin Dogg)とか千葉とか、あとKダブシャインさんやりたいっすね。
1回千葉の武道館の時にキングギドラさんたちが「チーム友達」歌うパートがあって。 だから、同じステージに立ってたんですけど…たまたま目が合った時に「What’s Up」しに来てくださって。
やっぱ中学生の時とかに影響受けたアーティストの人だし、 俺もう無意識に拝んでました(笑)。
Sei:Kダブさん、これ読んでたらお願いします。連絡ください!是非実現したいですね!
さて、ヒップホップを全く知らない若者に1つだけ伝えられることがあるとしたら、何を伝えますか?
Sam:まずはヒップホップを聴いてくださいっていうのが1つですよね。とりあえずEminemを聴いてもらって…。
データで見ても…売上とかライブのセールスとか総括的に見ても彼は偉大なので。あと、彼が白人だったところで救われてることもあるし。
それから色んなアーティストをディグって欲しいなって思います。
Sei:確かに、Eminemはブラックアーティストが占めていた業界に新しい風を吹かせましたね。そして、黒人からもプロップスを得てリスペクトされてますし。
では最後に、HIPHOPCsヘッズや読者さんへメッセージをお願いします。
Sam:皆が楽しめるような記事頑張って作りまーす!…みたいなところなんだろうけど(笑)。
それよりも俺が楽しめる記事をいっぱい作ります。その過程を俺が楽しめたら皆も楽しめると思うので…とりあえず俺が楽しめるような記事をこれからもいっぱい作ります。
Sei:はい!記者の私も頑張ります。
ここで急遽、Noah Ezra(ノア・エズラ)氏とSamさんの友人の実業家ヒカル氏がインタビュー会場に登場。彼の人間性について聞いてみた。
Sei:Noahさん、起こしいただきありがとうございます。
Samさんとはどうやって出会ったんですか?ちょっとアーティスト視点でSamさんを語ってくれたらと思いまして…。
Noah:「チーム友達」のMVだね。多分、その時に初めてSamを見たんだと思う。
ちょっと話が長くなるんだけど、きっかけはYoshi(24k)だったかな。確か…アイツがSamと同じクラブに居た時に少しトラブルというか、口論に巻き込まれたことがあったらしくて…。
Sei:あら、トラブルとは?
Noah:うん。少し揉め事というか…あまり良い出来事ではなかったんだよね。その日にYoshiから電話がかかってきて「こんなことがあった」って聞かされたんだけど。
それから何年か経って…その日の出来事をSamたちが覚えててくれたみたいなんだよね。で、SamがYoshiを王子に誘ってくれたんだ。そんな経緯も良く知らなかったんだけど。
それで繋がりができて、MVの話も知ることができたんだ。もちろん、Yoshiが教えてくれたからね。
Sei:なるほど。そういうことだったんですね。Samさんの第一印象は?
Noah:なんていうか…「こんな人、今まで見たことないな」って思った。
見た目もそうだし、人柄も含めて。まず“Samという人そのもの“がすでに他の人とは違うんです。見た目がどうこう以前に、彼の存在自体が特別というか…他にいないんですよ。
Sei:Samさんのどんなところを尊敬していますか? …尊敬してますよね?(笑)
Noah:もちろんですよ(笑)。彼は、その場の空気を作る人なんです。
例えば、ツアーバスでもそう。Captain Chiba(千葉雄喜)と一緒にいる時もSamがいると雰囲気が違うので。
Sei:ムードメーカーみたいな存在なんですね。プライベートでは良く遊んだりとか?
Noah:うん。特に去年は、一年中一緒にいたくらいだったね。ヒカルさんも一緒に。
Sei:Samさんに何か伝えたいメッセージってありますか?ポジティブなことでもネガティブなことでも。
Noah:彼はいつも俺に前向きな言葉をかけてくれるんだ。
Sei:へぇ、そうなんですね。じゃあ逆に不満とかは ……冗談です(笑)。
Noah:(笑)。最近は、本当に自分のやりたいことをやれていると思う。それも順調に進んでいるしね。
Sam:Noahが大きな存在になるのは時間の問題だよ。
Sei:ありがとうございます。今後Samさんと一緒に何かコラボしたり、プロジェクトをやる予定はありますか?
Noah:うん。俺が何かやる時は全部Samに話すし、Samも何かやる時は全部俺に話してくれる。だから、お互い何を考えているか全部わかってるんだよ。もし意見があれば、「こうした方がいいんじゃない?」って普通に伝えるしね。
Sei:良い関係ですね。ほとんどマネージャーみたいな?
Noah:それ以上、メンターみたいな感じ。彼はいろんな扉を開いてくれる人なんだよ。マネージャーでもそういうことができない人はいるけど、Samは最初からそれをやってくれた。
Sei:Csでも同じなんです。私たちには人脈がないけど、Samさんにはある。ライターの私みたいな人間にも、いろんな扉を開いてくれているんです。本当にありがたいですね。
次に、ヒカルさんから見てSamさんってどんな方ですか?
ヒカル:いやぁ…もう付き合いで言うと20年近く一緒にいるんで。王子の顔ですよ、目立つし。
Sei:なるほど…ビジネスで絡むこととかあるんですか?
ヒカル:自分が会社を立ち上げた時にも手伝ってくれた時期とかもあるし…。
本当に何もない時から自分のことを知ってるから、色々手伝ってくれます。レアな時代を一緒に過ごしてきました。
Sam:だいぶ良く言ってくれてます(笑)。
Sei:めっちゃ良い感じですね。
じゃあ、Samさんから見たヒカルさんはどんな方ですか?というか、そもそもヒカルさんは何者でしょうか?これ読んでいる読者さんも気になっているかと。
Sam:何者かな…ヒカル君は自分の話あんま好きじゃないですよ。仲良い人にしか曝け出さないんで。
けど、ビッグマン。B-I-G-M-A-N。ほんとは色々すごいのに出さない。ビジネスに関してすごい本気。リスペクトです。
Sei:つまり実業家さんなんですね。ありがとうございます。
ヒカルさん、Samさんに対して他にメッセージとかありますか?
ヒカル:前にも彼に伝えたことはあるんですけど、このディレクターって仕事は彼に合っていると思うし、いいスタートだと思うので。
この業界の、パイオニア的な感じになってほしいですね。始まったからには。
Sam:でも本当、この業界で俺が色々確立できたらいいなって思いますね。
なんかやっぱヒップホップのメディアも、あるっちゃあるんですけど、やっぱ長い目でちゃんとできるメディアが欲しいですし、Csにはそうなって欲しいし、俺がそうします。今までは別に表に出ようと思ったことなかったけど、もう別に隠れなくても良いかなって。
やっちゃいますよ、俺。やっちゃうって決めたから。
Closing Note
『チーム友達』や千葉雄喜のMVで初めて彼の存在を知った人も多いだろう。しかし、ディレクターYTG Samが人を惹きつける理由は、その強烈な存在感だけではない。
MVでは誰よりも目を奪い、ライブ会場では自然と人が集まる。アーティストやライターは彼に相談し、扉を開いてもらう。
時にはメンターとして、
時にはディレクターとして、
そして仲間として。
人を繋ぎ、才能を見抜き、新たな可能性を生み出していく。その姿勢こそが、多くの人々から信頼を集める理由なのだろう。
「俺が楽しめる記事を作る。俺が楽しめたら、みんなも楽しめる。」その言葉には、彼が何よりも大切にする「リアル」が詰まっている。
美しい英国英語を自在に操る、ストリート育ちのバイリンガル。そして、唯一無二の存在感を放ちながらも、自らが主役になることを求めない男。
HIPHOPCs新ディレクターとして、YTG Samがこのメディアにどんな「リアル」を刻み、どんな景色を生み出していくのか。
その答えは、これから彼が繋いでいく人々と、これから生まれる企画と記事が証明していくだろう。
【YTG/Sam関連リンク】
Instagram:https://www.instagram.com/ytg_sam/
Note: https://note.com/mymindisgreat/n/nceb321d0c079
【撮影】
Yohei Nagata: https://www.instagram.com/yoheinagata/?utm_source=ig_web_button_share_sheet