ヒップホップという音楽の面白い点は、地域によって異なるスタイル、価値観、文化などが宿ることだ。
かつて東京一点集中だった日本語ラップシーンの様相は、時間の経過と共に大きく変化した。現在では神奈川や大阪、京都、和歌山、名古屋、沖縄、札幌など、各地に土地特有のサウンドやカルチャーが根付き、それぞれが独自のコミュニティを形成。さらに、同じ地域の中でも文化が細分化されている。
日本のヒップホップシーンはいわば、“シーンのカンブリア爆発”を迎えている最中にある。
では、各地域間の距離感は現在どのような状態にあるのか。少なくとも表面上を見る限りでは、比較的友好的な関係性が築かれているようにも映る。様々な地域のラッパーがクロスオーバーし、共同で制作を行うことも珍しい光景ではなくなった。
一方で、水面下では各地域ごとの美学やスタイル、コミュニティ意識を巡る静かな緊張感も確かに存在している。露骨なディスや対立として表出せずとも、シーンの深部では密かなスタイルウォーズが繰り広げられているのだ。
だが、地域性を巡る細かな境界線など、Kenayeboiにとっては些末なことである。
彼は東から西まで縦横無尽に「横乗り」で駆け抜け、出会ったラッパーたちを次々と戦友に変えることが可能だからだ。
神戸で生まれ育ったスケーターボーイの彼は、2019年に1st EP『Trap Spot』をリリース。本格的に活動を始動させた。同EPにはJin DoggやYoung CocoをはじめとするOMG(旧名HYBRID ENTERTAINMENT)のメンバーが参加しており、当時の関西シーンとの強い結びつきを感じさせる作品となっていた。
さらに2020年、彼はElle Teresaと共にコラボアルバム『Slime Island』を発表。東京のトラップクイーンと手を組み、その活動範囲をさらに拡張していく。
2021年、2022年と立て続けにリリースされた『Trap Spot』シリーズには、東京のJNKMNや横浜のSANTAWORLDVIEW、秋田のLunv Loyal、愛知のPlaysson(旧名Pedro The Godson)らが参加。
その後も彼は地域を問わず様々なラッパーたちとリンクアップを重ね、多くの作品を世に送り出してきた。
不思議なほどに顔が広く、ふとした瞬間に彼の姿を目にする。気づけばシーンの様々な場所に存在している。Kenayeboi、実に興味深いラッパーなのだ。
そんな彼の魅力とは一体どこにあるのか。「横ノリ」とは何を意味するのか。そして、彼が現在進行形で動かしている新たなプロジェクトの詳細とは。
今回はYTG Sam同席のもと、Kenayeboiに話を伺った。
東と西の境界線を颯爽と乗り越えるスケーターボーイ、Kenayeboiとは?
Lucie:では、度々お名前はお伺いしているし、姿も目にしているんですが、まずKenayeboiさんの自己紹介からよろしくお願い致します。
Kenayeboi:えーと、Kenayeboiです。神戸出身で、今は大阪とかで活動しています。スケートクルーやってます。
Lucie:スケートクルー!「Freshdude skateboards(旧名Fresh Dude Crew)」ですね。かなり長く続けられていますよね。
ただ、Kenayeboiさんがインタビューに答えていたのは2019年が最後になっていて、「Freshdude skateboards」の現在が全然把握できていなくて…。皆さん今はどのように活動をされてるんでしょうか?
Kenayeboi:今はこんな感じでスケートショップやってます!最終、スケートショップを開きました。
Lucie:うお!すげぇめっちゃかっこいい!なるほど、皆さん結局スケボーに落ち着いていたんですね。何だか嬉しいし、安心しました。
そうだ、Kenayeboiさんの名前の由来って何ですか?
Kenayeboi:本名から来てるんですよね。そこに“boi”をつけただけなんですけど。それを考えてくれたのも友達のラッパーで。それがきっかけです。
「横乗り」が意味するものとは
Lucie:なるほど。ご友人につけてもらったということですね。
そして、先ほどお話にも出たスケートボード。やっぱりKenayeboiさんはスケーターのイメージが強いのですが、一方でヒップホップと出会ったきっかけはどんな感じだったんでしょうか。
Kenayeboi:完全におとんっすね、俺は。
おとんが横乗り系で、横乗り元祖から生まれた横乗りキッズみたいな感じなんですけど。そっからですね。おとんがやっぱりこういうストリートカルチャー好きやったんで、自動的に音楽もついてきたって感じで。
Lucie:なるほど!お父様の影響で!
あと、ずっと気になっていたことがあって。過去のインタビューでも「横乗り」っていう単語が頻出してたじゃないですか(笑)。「横乗り」と「縦乗り」の違いって一体何なんだろうなって思ってて。
Kenayeboi:それはね、横に向いて進むでしょ。スケボーって。だから横乗りって言うんすよね。
Sam、Lucie:なるほどね!(笑)
Kenayeboi:スキーとかインラインスケートは縦に進むんで、多分「縦乗り」なんですよ。
Lucie:そういうことだったのかぁ。めっちゃ腑に落ちたっす。
スケボーもヒップホップも同時に入っていったみたいな感じなんですね。
自分は全然やったことないからわからないんですけど、スケボーの魅力ってどんなところにあるんでしょうか。
Kenayeboi:んー、何だろうな。スケボーって技がいっぱいあるんですけど。「この技やったらどうなるんかな。コケたら骨折れたりするんかな」とか、やっぱいろんな悪い想像があるんですよ。
Lucie:そう!「よくあんな怖いことできるな」なんて、こっちもビビッて見てますよ。
Kenayeboi:そう、めちゃくちゃ怖いんですよ。毎日必ず1個は怪我するんで。
でも、そのリスクを超えて初めて技が出来た時は、ホンマに何にも例えようがないというか。生活の中で「よっしゃ、この怖さを超えてこれ出来た!」みたいな喜びって多分あんまないじゃないですか。
多分そういう部分に取り憑かれたんだろうなとは思ってます。
Lucie:ほうほう。リスキーなことをあえて取らなきゃいけない危険な所に惹かれる、みたいなことなんですかね。
そのスケボーでの経験がラップに影響したりとかもするんですか?
Kenayeboi:あー、ちょっとはあるんじゃないですかね。
Lucie:ラッパーになるっていうのも、かなりリスキーな選択ではありますからね。恐怖に対する耐性とかめっちゃ付きそうです。
Kenayeboiの音楽を構築する「Dirty Kansai」の片鱗、これまでのスタイルの変遷
Lucie:では、ここから音楽についてのお話をお伺いしたいと思います。
先程、お父様がきっかけとなってヒップホップ聴き始めたという仰っていましたが、中でも好きなアーティストとか「この人から影響を受けたな」みたいなアーティストとかいたら教えてください。
Kenayeboi:「この人のこの曲好き」とか言い出したらキリが無いんですけど…。
やっぱ一番近くの人の影響が大きいかな。それこそJin DoggであったりYoung Cocoであったり。2PACとかBiggyとか伝説的な人たちもいっぱい聴いてるけど、結局近くにいる人たちが一番影響を与えてくれてますかね。
Lucie:そうですね、あんな方たちがいたら刺激しかないだろうなっていうのは容易に想像ができますわ…。
そんな環境下で2019年頃から本格的に動き始め、最初にリリースしたEPが『Trap Spot』でしたね。Very Rare感があるというか、トラップミュージックの全盛期を思い出させるような楽曲が多くて、自分はかなり好きですね。
そして、このEPにはJin Doggさん、Young Cocoさんも参加されていると。
Kenayeboi:そうそう、入ってますね。
Lucie:ただ、最近はバトン・ルージュやジャクソンビルを感じさせるようなhoodな質感が強くなってきたというか。初期から現在に至るまでに、スタイルはどのように変遷していったのでしょうか。
Kenayeboi:どうなんやろう。でも変わってないっすね。トラップやり続けてるだけなんで。
Lucie:なるほど。やりたいことをやってるだけで自然に変化があるように見えるということなんでしょうね。
Kenayeboi:多分そうかもしれないですねぇ。
“Trap”の定義、新旧混合的なヒップホップ
Lucie:Kenayeboiさんのプロジェクトを聴いていると、「トラップ」という言葉が頻出していますよね。個人的には音楽ジャンルの名前として捉えちゃってるんですけど。
ただ、音楽的だけではなくて文化的な意味もあるじゃないですか。Kenayeboiさん自身の「トラップ」の定義を聞いてみたくて。
Kenayeboi:うーん…。いやもう、ハードな文化っていうことですよね。
金、女、酒でしょう。いや、わかんないですけど(笑)。でも、ちゃんとしたトラップのイメージには則りながらやってますね。その要素は絶対にあるから。しっかりトラップしてます。
Lucie:なるほどですね。
そして、Kenayeboiさんはスケボーというカルチャーに触れているということもあって、古典的なB-boyの側面も色濃く持っている印象があるんですよね。
個人的なイメージというか偏見なんですけど、スケボーって90年代を思わせるというか…。今ってB-boy的なアーティストって珍しい気もしていて。
Kenayeboi:それはほんまにそうかもしれないっすね。確かにスケボーって昔の“The Hiphop”みたいなカルチャーのイメージでした。
だけど、俺が好きになり始めた頃くらいから、Supremeのスケーターたちが上がってきたりして。そいつらがトラップミュージックを使って滑るようになったんすよ。それぐらいから少しずつ変わり始めた感じはあります。
Lucie:その変化って、いつ頃に訪れたとかって覚えていたりしますか?
Kenayeboi:10年ぐらい前ですかね。それこそトラップ全盛期の曲を使って滑り出したやつがおったんで、俺らはそれに感化されてスケータークルーを作ったし。
ってことは、俺らは結構世代が変わり始めた時代の比較的新しいスケートボーイズなのかもしれないですね。
若い子らに関しては堀米雄斗くんの影響とかもあるのか、「ヒップホップが好きで」とか、「トラップが好きで」みたいな感じでスケボーする子も増えてきてるみたいです。
もちろん、昔ながらのクラシックなカルチャーを愛してる方もいますけどね。
Lucie:そういう歴史があるんですねぇ、面白い!
「延期になって良かった」次回作はまさかのリスケ?次なるKenayeboiの動き
Lucie:そういえば、風の噂で耳にしたんですけど、何やら新しいプロジェクトを出そうとしてるとか…?その辺りについてお伺いしてもよろしいでしょうか?
Kenayeboi:それがね…、出そうと思ってたんですよ。インスタグラムのストーリーでも「5月16日に出します」って告知したんですけど。
ただ、もっと面白い出し方が見つかってしまって…、結果的に、もう少し大きい動きになりそうです。なので、期待してて欲しいですね。延期になって良かったまであります(笑)。
Lucie:延期になってよかった!余計どんなプロジェクトになっているのか気になっちゃいますよねぇ。ニュアンスだけでもいいので知りたいのですが…。
Kenayeboi:僕、「Board Breaker」っていう名前のブランドをやっていて。実は初めて出したEPにもその名前を付けてたんですよね。Yen Yen Beatsっていうビートメイカーとタッグ組んで出したんですけど。
Lucie:え?もうそのEPって今は無いですよね?見た記憶がないです(汗)。
Kenayeboi:そう、今無いんですよ。だからもう一回『Board Breaker』を出そうかなと思ってて。
な・ん・で・す・け・ど、今回のプロジェクトもYen Yen Beatsに聴いてもらったところ、「もっと面白い出し方があるんだけど、これどう?」っていうプランをもらっちゃったんすよね!
なので、ちょっとそのプランに乗っかっちゃおうかなって思って。
YTG Sam:横乗りだけにね(笑)。
Kenayeboi:そう、横乗りだけに乗ってっちゃおうかなっつってね(笑)。
Lucie:もっと気になる(笑)。普通に生殺しですよ。
特に気になってるのは、誰が参加するのかってことですよね。ただ、具体的にはまだ言えないと思うんですけど、東と西のメンツはどんな感じですか?どちらかに焦点を置いてる?もしかしてミックスされてたり?それだけは知りたいぃ!
Kenayeboi:それもちょっと内緒で(笑)。
Lucie:ダメかぁ(笑)。待つしかないですねぇ。
では、今このタイミングで出そうと決めたきっかけとかはあったりするのでしょうか?
Kenayeboi:そりゃもう、ずっと出してなかったし、「Board Breaker」っていう名前をもう一度広げたい気持ちがあるってのもそうなんすけど。
何より、ちょっと良い曲が溜まりすぎた!(笑)発散しないとね。
Lucie:良い曲溜まりすぎちゃったかー!聴きてぇっす早く。
広がっていくDirty Kansai、当事者であり観測者でもある視点
Lucie:Kenayeboiさんは2019年頃からOMG、いわゆる「Dirty Kansai」を掲げていた方々と活動していらっしゃいましたよね。
もう7年近く経ちましたが、この数年間で日本のヒップホップの規模は当時とは比べ物にならない程に大きくなっています。
そんな中、OMGの方々やKenayeboiさんが関わってきたアーティストの方々って、今はどんな存在になっているのかなっていうのはめちゃめちゃ気になってて。
Kenayeboi:はいはいはい。いやもう本当に、Jake君とかCocoとかは始祖みたいになってますよ。
Lucie:始祖!?確かに、もうレジェンド級の存在ではありますよね。
Kenayeboi:そんな感じしますね。俺の周りの人間は手本になってる人が多い気がするっす。
それぞれのスタイルを貫いてるカッコいい子が多いのは間違いないんですけど、「この子もJake君のエッセンスを受けてるのかな」とか「この子はCocoのこと好きそうやな」って思ったりとか。そういうことを感じれるような音楽が最近は多いと思いますね。
Lucie:もう源流だ。とても偉大な存在になっているんですね…。
自分が高校生の時に皆さんの曲を聴いていた時代って、まだ日本にベクトルが向いてた感じというか、内々の音楽みたいな印象があったんですよね。
でも徐々に影響が広がっていって、今となっては「チーム友達」から始まり、一気に視点が世界に向いちゃったじゃないですか。
Kenayeboi:本当に間違いないですよね。世界に行けるようになりましたね。
Lucie:どうですか、世界への視点とかって変わりました?
Kenayeboi:それはめちゃくちゃ大きく変わりましたね。
それこそ東京行った時はSam君も一緒に遊ぶし、千葉さんも最近スタジオによく呼んでくれて、スタジオに何日か泊まったりしてんすけど…。やっぱりすごいっすよね、あの方は。
世界レベルの高さというか、「こんなレベルにいるんか…」みたいな。やっぱり、マジでパンパナイっすよ。
Lucie:やっぱりそうなんだ。千葉さんといる事でKenayeboiさん自身のベクトルも外側に向きつつあるみたいな感じなんですかね?
Kenayeboi:もちろん!それはそうですね。
でも、俺は「日本でもっと出来ることがあるな」とも思ってますね。
千葉雄貴やOMGやPSGなど、各地に広がるコミュニティ
Lucie:Kenayeboiさんって本当に顔が広いというか、コミュニティがいろんな所にあるじゃないですか。
千葉さんやOMGの方々とはどのような関係性なのでしょうか?
Kenayeboi:実は、僕はOMGの人間じゃないんすよね。
ずっと別のクルーとして一緒におったんすけど。OMGがまだHYBRIDだった時も、みんなは僕をHYBRIDの人間のように扱ってくれてたし。OMGになった今でもOMGのファミリーとして扱ってくれて、関係性は今も変わってないですね。
ただ、群れてる訳じゃなくて、みんなそれぞれがインディペンデントでやり続けて来たって感じです。
Lucie:なるほどぉ。素敵な関係ですね。
また最近だと、一緒にEP『罠』をリリースしていたYvngboi Pさんですよね。PGSとの繋がりも深くなっているという印象なんですけど。
Kenayeboi:マジでただ単に仲良いんですよね(笑)。やっぱり大阪以外でどこが一番仲良いって言われたら福岡って言うくらいには仲良いっす。
そう、何年か前にPが大阪に朝方おって、「お金も下されへんくてヤバい」みたいなインスタライブしてた時があったんすよね。その時たまたまインスタライブ見てて、「家来いよ」って声掛けて。
当時、僕は絵に描いたようなトラップハウスに住んでたんで。んで、Pが家に来て「Trap House」ができたんすよ(笑)。「In the trap house、隣にKenayeboi」って。
Lucie:なるほど!そんな制作秘話があったんですね(笑)。
Kenayeboi:そっから仲良くなったって感じですかね。で、PGSのみんなとも仲良くなったし。地方だったら福岡でのライブが1番多いんじゃないかな。
Lucie:でも、本当にKenayeboiさんの顔の広さがとんでもないですよね!
McGuffinのYOU THUGさんのインタビューの時にもいらっしゃいましたし。
客演のアーティストを見てみると、JNKMNさんとかLeonさんとかSantaさん、Lunv Loyalさんとか、もう数え切れないくらい(笑)。
今ってインターネットが発達したとはいえ、最近ラップを始めたとか、曲を作り始めた人たちにとって、やっぱりラッパー同士のコネクションを作るのって難しいと思うんですよね。
なので、そのコネクションを作るための方法とか、その辺りのコツとかあったらご教授願いたいです(笑)。
Kenayeboi:それに関してはホンマに、マジでわからんくて。何でなのか自分でもわかってないです(笑)。
Lucie:マジかぁ。
YTG Sam:これ、俺が答えても良いですか?
Kenayeboi、Lucie:どうぞどうぞ。
YTG Sam:まず、曲がカッコいいことは大前提ですよ。カッコいい音楽作るからっていうのはもちろんのことなんですけど。
それに加えて、Kenayeがマジで良いヤツだから、みんな好きになっちゃうんすよね(笑)。
Lucie:うわぁぁ薄々わかってはいたけどぉ(笑)。そうですよね、マジでそんな感じする。
YTG Sam:いや、もうマジで。これに関しては戦略もクソも何もない。ただみんな好きなだけ。ほんとそれだけっす(笑)。
Kenayeboi:いやぁ、そう言って頂けてありがたいっすね(笑)。
Lucie:もう…、どうすればそうなれるんですか!?どういう生活したらいいんですか?
Kenayeboi:いやぁ、でもこのマインドを保つためにだいぶ自分の機嫌とってますよ!?
遊ぶだけ遊んで、「出ようかぁ」つって気分よく出て、みたいな。本当に好きなことしかしないっていう生活をするしかないんじゃないのかな(笑)。あとは、横乗りすれば良いんじゃないですかね。
Kenayeboiのイチ押しアーティスト
Lucie:今は日本のヒップホップシーンがめちゃめちゃ盛り上がってると思うんですけど。
そんな中で、Kenayeboiさんが「コイツイケてんな」みたいなラッパーとか、アーティストがいれば教えていただきたいですね!
Kenayeboi:ちょっとベタかもしれないけど、自分周りかなぁ。Jake君とかCoco、P、YOU THUG。
あ、でも最近だとね、BABYWOODROSEとか良いですよね。ちょくちょく遊んだりしてますよ。
Lucie:BABYWOODROSE!最近アツいですねぇ。やっぱりそこにも繋がりあるんですね。
見据える未来、トラップミュージックの入り口へ
Lucie:では、Kenayeboiさんは日本のヒップホップシーンの現状についてどうお考えでしょうか。
Kenayeboi:カッコいい子がめちゃくちゃ増えましたよね。めっちゃカッコいい子が多いと思います。
Lucie:ですよね!
僕個人の勝手な視点ですけど、最近のシーンって結構アングラとメインで2つのシーンができてるみたいな感覚があって、その2つのシーンが少し乖離してると思うんですよ。
この部分をプレイヤー側の視点から見た時にどう捉えてらっしゃるかなと思って。
Kenayeboi:んー、どうなんやろ。合ってるか分かんないですけど、やっぱり僕らがやってるようなハードなトラップって全体で見たらまだまだ聴いてる人は少ないのかなって思ってて。
でも、そういう現状がありつつも、千葉さんとかJake君とかCoco、YOU THUG、Pとか僕の周りの人間はトラップを日本で確実に広げてるじゃないですか。
だから、自分もそういう存在になって、一緒に流行らせていかなアカンなって思ってますね。
Lucie:なるほどです。
では最後に。これから音楽を通して向かいたい先、目標などがあれば教えて頂きたいです!
Kenayeboi:そうですね。まだまだ俺のことを知らない人は多いんで。
日本でもっとカマして、みんながヒップホップを好きになるきっかけとか、トラップミュージックを好きになる入口みたいな存在になりたいですね!架け橋というか。
次のアルバムで、その架け橋になれるんちゃうかなって思ってるんで、期待してて欲しいですね!
Lucie:果たしてどんなアルバムになっているのか…。めっっちゃ気になります。
楽しみにしております!本日はありがとうございました!
インタビューを終えて 〜言語化できない求心力〜
「何故、彼の周囲には人が集まるのか。」
その疑問に対する答えは、前述したYTG Samの言葉に集約されていた。実際にその場に居合わせれば、恐らく誰もが納得してしまうはずだ。本音を言えば、インタビューの様子を動画として読者の皆様に見せたいくらいである。
Kenayeboiと話したことがある人ならわかるだろう。彼が纏う空気感と言語化しきれない魅力は、知らぬ間に周囲を惹きつけてしまう。過言ではなく、得も言われぬ求心力を彼は有しているのだ。
数年前から日本のシーンに身を置き、その変遷を間近で目にしてきた彼は、それぞれの時代に漂う空気や熱量を極めて自然に楽曲へ落とし込んでいく。
また、彼自身が各地のアーティストたちとコネクトすることで、エリア間に暗黙的に存在していた境界線すら曖昧なモノへと変えてしまうのだ。。
これから先、Kenayeboiはトラップミュージックを、延いては日本のヒップホップシーンを“横乗り”で更新していくアーティストであり続けるのだろう。
謎に満ちたアルバム。延期の一因となった「もっと面白いプラン」の存在。
Kenayeboiが満を辞して動き出した時、恐らく私たちは口々に呟くのだ。
「延期してくれてありがとう」と。
次に彼がどこへ滑り出していくのか、まだ誰にも分からない。
Kenayeboi各種SNS Instagram/X/YouTube
資料提供 Kenayeboi
インタビュー協力 YTG Sam
