2026年7月、Dexfilmz Founderでもあるラッパー・CzTIGERは、日本アルバムをリリースする予定だ。CzTIGERが本気で「好きだ」「リスペクトしている」と言える相手だけが、このアルバムに集まっている。
なぜJose Guapo、Skooly、Shad Da God ( T.I. のいとこ )、T.I.、Young Dro、Young thug、2Chainz、BunBは彼に信頼を置いているのか。
同じ年、彼はもう一枚のアルバムを並行して仕上げようとしている。アトランタ、ヒューストン、南部ヒップホップの歴史と現在に深く刻まれた名前が並ぶ。しかもこの陣容は、マネージャー経由で大金を支払って買った客演ではない。
Bun Bは、奥さんの手術日に自らハンドルを握ってCzTIGERとの食事の店に現れた。会計はすべて済ませてくれていた。Jose Guapoはアトランタ到着初日に「ホテルの前に今、今、今集合な?」とCz TIGERを呼び出した。T.I.とは、差しで二時間ヒップホップの未来を語った。2 Chainzとはスタジオで肩を並べ、すでにプロジェクトが動いている。
日本と海外。それぞれの土地で、CzTIGERが十年以上かけて積み上げてきたものが、2026年に二枚のアルバムとして同時に着地する予定である。これは、日本のヒップホップでも前例のほぼない景色だ。
音楽の方法論も独自だ。CzTIGERはサウスカロライナ出身で2014年に19歳で亡くなったSpeaker Knockerzを「現在主流になっているヒップホップのスタイルを、世界で初めてやった人」と位置付け、その手法を研究し、自身の制作に落とし込んでいる。宅録、セルフ撮影、インディペンデントで直接作品を出し、メジャーに頼らず一人で回す方法論の原点である。大学を辞め、奨学金を払い続けながら図書館で英語を勉強してきた本人の十年そのものが、この方法論の裏打ちになっている。「食うためにいんねん」と、周りが遊んでいる時間を英語に注いできた男が、いま南部ヒップホップの中心にいる。
これらのすべてが、一人の日本人アーティストを取り巻く現実として、2026年4月の取材時点で同時並行で進んでいる。海外進出した日本人ラッパーの成功物語として消費してしまえば、見落とすものが多すぎる。これは一人の日本人が、南部ヒップホップのレジェンドと現在進行形のキーパーソンたちに、十年以上をかけて、人間として認められていった記録である。そしてその時間の中で築いたものを、2026年6月の日本アルバムを通して日本のシーンに返そうとしている軌跡でもある。
本稿はその現在地を、本人の声だけで記録する独占インタビュー前編である。インタビュアーはCook。2025年6月公開のHIPHOPCs独占第一弾「サウスにコネクションを築いた唯一の日本人ラッパー──Cz TIGERとレジェンドBun B(UGK)”Let’s Get To It”制作秘話」に続く第二弾となる。編集部は一切介在せず、二人のやり取りのみをそのまま載せる。
早速インタビューへ
Cook:今回は本当にありがとうございます。いつもお世話になっております。
Cz TIGER:こんにちは、はじめまして。今回はありがとうございます。
Cook:はじめまして…..ではないですね(笑)。いつもCookが担当させていただいています。ありがとうございます。もう、Cz TIGERさん、まず僕、大ファンで。
Cz TIGER:嬉しい、そうなんですか。ありがとうございます。
Cook:「Dojo」もめちゃくちゃ聴いてましたし、かなり本気で聴いてます。
Cz TIGER:その曲を言うってことは、かなり聴いてくれてますね。
Cook:「Dojo」も「Cups」も好きですし。
Cz TIGER:ありがとうございます。嬉しいです。そういう、なんて言うか、あんまりプッシュしてない曲も僕は大事にしてるんで嬉しいし、個人的に好きな曲なんで。
Cook:もう、リリックが本当にかっこよくて。
Cz TIGER:見た目とかじゃなくて、リリックの方も聴いてくれるのはマジで嬉しいっすね。ありがとうございます。
アトランタ滞在トータル1〜2ヶ月、「思ったより仕事が進んでいる」
Cook:今回、アトランタ滞在はどれぐらいしてらっしゃったんですか?
Cz TIGER:えっと、2週間と、あと期間を空けて、T.I.のところに1週間。また明日からまた1週間っていう感じで、トータルで1ヶ月から2ヶ月ぐらいになるのかな。
Cook:結構長い時間、滞在する感じなんですね。
Cz TIGER:そうですね。思ったよりなんか、仕事が進んでて、っていう感じで。
Cook:インスタで見かけたんですけど、Bun Bさんと一緒にTrill Burgersのお店に入っていくシーンを見て、本当に仲が良いんだなっていうのは伝わってきました。
Cz TIGER:僕もホンマに信じられないぐらい嬉しいことですし、本当に今でも多分、かけたら瞬時に電話出てくれるし。24時間いつ電話しても出てくれるんですよね。親戚の叔父さんみたいな感じで話してくれてて。彼はホンマに時間を僕に惜しむことなくくれて、実はその日、奥さんが手術を受けた日だったんですけど、それでも「Taigaと会う約束したから」って言って来てくれたんですよ。自分で運転して、ちゃんとオンタイムで来てくれて。お店の人にも全部「Cz TIGERが来る」ってことが伝わってて。
Cook:すごい。
Cz TIGER:
僕も今回BANNINGS ( Code6、ELGIN、Kenzo )連れて5人ぐらいで行ってたんですけど、現地でもいつもと対応一緒で「brother」って僕のこと呼んでくれたり。お店で注文を頼んだ後、スタッフさんに「全部Bun Bさんがお会計済みです」と言われて、全部お会計を済ませてくれていて。
Cook:うわ、すごい。
Cz TIGER:だから、ほんとにファミリーとして見てくれてるなって感じました。
Cook:本当にすごいですね(笑)
Cz TIGER:ホンマに偉大すぎて。でも本当に彼の存在って、自然とラップと関わっている人はみんな実は絶対に影響を受けている人であって。LEANとか、車とか、グリルズとか、そのラップのもとの歴史を辿れば実は彼に行き着くわけで。Pimp Cもそうですしね。だからPimp Cが元々使ってた家に行って、そこで僕もポッドキャストに出させてもらえたりとか。Bun Bは、自分だけを推してほしいとかじゃなくて、やっぱりテキサス全員のことをいつも考えてて。やっぱりスターになっても、お客さんと接したり、僕と会う時間を作ってくれたりしてて。彼が自分から運んでくれるみたいな映像も出したりするじゃないですか、あの振る舞いが考えられないというか、びっくりして僕も。
Cook:それぐらい、客演でお金を払ってフィーチャリングするだけの仲じゃなくて、しっかり絆ができてるんだなって本気で伝わって。
Cz TIGER:なかなか拾ってくれる人って、いるんですけど多くはないので。Cookさんのように、そういう人に届いて嬉しいです、本当に。
Cook:いや、本当ですか。Bun Bは本当にファミリーって感じでやってますよね。
2 Chainzとのプロジェクトも進んでいる一「彼の◯◯◯◯にも、僕の◯◯◯◯にも参加してもらう予定
Cook:以前、インタビューさせてもらった時に、2 Chainzさんとの話は、ちょっと流れちゃった感じですか?
Cz TIGER:Street Execs Studiosで直接会って、話し進めてるところです。
Cook:本当ですか!
Cz TIGER:なんか止まんないっすけど、もう結構全部うまいこと行ってるっていう感じです。
Cook:いや、すごいですね。ってことは次のアルバムに入る可能性も?
Cz TIGER:そうですね、大いにありますね。楽しみにしてて下さい。曲がもうできてPVも撮っているのが、SkoolyとJose Guapo、Mookですね。あとMike Jonesともできてて。あとはKirko Bangzっていうテキサスの人がいて、その人とも。
あと今進めてるのは、T.I.、あとKing (T.I.の息子)とZonnique (T.l.の娘)。彼女は、R&Bシンガーです。
Cook:すっごいメンツですね。ちょっとびっくりして。。
Cz TIGER:あとそれに、Snootie Wildの息子のLil Snootieってやつも。そいつもアルバムに入るか、検討中です。
2015年の前から入っていた──「ファッションで見ていない」と伝わっている
Cook:もうこれって、そもそもアトランタに行くのってすごい勇気がいるというか。でも行ったからこそ、こういう本当の繋がりもできてるんだと思います。
Cz TIGER:偶然にも、2015年ぐらいかな。みんながファッションとかトラップとか言い始める一発目の前あたりから僕アトランタに行っていたんで。それがかなり大きかったかなっていう。ファッションとして見てないんだってことが、向こうに理解してもらえてる。そこが、今の他のラッパーの人達と違うかなって自分でも自覚してて。
Cz TIGER:アトランタの人たちは今、かなりアトランタで団結してまとまってやっていこうっていう感じなんです。文化も取られすぎてるし、ストリートでも激化してビーフも凄いことになって、結局警察が入る形になってる。ファッションで文化を世界中に取られてるっていうのを向こうも凄い意識してるっぽくて。そこがめちゃくちゃ今回ちゃんと滞在して、そこが大分変わってきたなっていう感じですね。
T.I.と差しで2時間、「全く緊張をしなかった」
Cook:Cz TIGERさん、行動力の人ですよね、間違いなく。
Cz TIGER:マジで俺は音楽が好きなんです(笑)。音楽が好きってなったら、やっぱり全部、歴史とか知りたいじゃないですか。だからめちゃくちゃそこはオタクで。プラス行動。勇気とかは、自分ではあんま意識はしてないんですけど。T.I.と2時間ぐらいサシで喋った時に、全く緊張しなくて。そこはやっぱり自分のなかに自負があるっていうか、向こうのカルチャーに対しても絶対的なリスペクトを込めてやってきてるので。だからお互いに対等に話せて、「こいつホンマに、才能あるのかもしれん」っていうのを、あのT.I.に言わせることができました。
Cz TIGER:ヒップホップはあくまでアメリカのものなんで。日本人じゃないアジア人がサムライをやってるのを見たり、日本の文化を間違った形で表現されるハリウッドで違和感を感じるようなことって絶対あるじゃないですか。やっぱり、できたら本物にしてもらいたいっていう心は僕も一緒で。そこも見てて感じて、この立ち位置も向こうも分かっててくれて。
Cz TIGER:昔はとりあえず売れたら良いやってみんな思ってたんですけど、アーティストら自身も最近は、ここまでヒップホップが巨大化した中で「これからどうしていく?」っていうのを裏でもめちゃ喋ってて。Jose Guapoとかもみんな、そこは真剣に喋ってた感覚があります。
1日目──ラスベガスからの12歳来の家族、そしてGuapoの「今、今、今」
Cook:T.I.さんとの話し合い、2時間も。
Cz TIGER:1日目に空港に着いて、色んな荷物とか友達も合流して。向こうでのファミリーがアトランタに住んでて、そいつは黒人なんですけど、名前がPunchoって言って、Fulton出身で、僕が21歳ぐらいで、そいつが12歳の時から長いこと一緒に住んでて、飯代や学費とかも全部僕が出して、めちゃ弟みたいな感じで、そいつが家族に加わってて。それでみんなを集合させたり、日本の仲間とアトランタを一緒に集合させたりっていうのがあって。1日目はそういうので終わるやろなーって思って、ちょっと時間を空けようとしてたんすけど──
Cz TIGER:Jose Guapoからも「今どこなん?」って連絡がきて(笑)。とりあえずホテルにチェックインして、って流れを説明してたら、そいつが「いや、そんなことする前にとりあえず今、今、今集合な?」って。ほんまに地元に帰った時みたいなノリで(笑)。「車とかホテルとか大丈夫?俺それ心配やって」みたいな(笑)。
Cook:wwwww
Cz TIGER:「とりあえず今きて」って(笑)。行ったらもう普通にほんま久しぶりやし、いつも通り、仲良くずっと喋って、家に行って。で、他の仲間はまだ会ったことがないんで、僕に付いてたBANNINGSのクルーのやつとか、そこはみんな初対面やなっていうので、みんな家には入れず、外で待っとけって言うので。
Cook:怖い(笑)
Cz TIGER:そう、それで現状報告して。予定どうしていくかって話をして、MVを撮影するのか、Skoolyに会うのか、っていう話をしてて。あとはそれこそ、一応、僕の入ってるXVL(アトランタのレーベル)っていうのが、僕の中で一番の家族、コアなんで。Guapoには常に相談してるんです。例えばBun Bと曲する時も、やっていい?とか、他でする時は絶対に報告するようにしてて。
Cook:なるほど。
Cz TIGER:そこをかけ違えると、僕も「ディックライダー(相手の権威に乗っかる、媚びるといった意味合いのスラング)じゃないけど、ただの黒人好きのやつに見られてしまうので」「僕はそういうことじゃないよ」って分かってもらわないと、向こうに会ってもらうことすらできないし。
Cook:うん、本当に。かっこいいなって思います。確かに、有名な方でもそういう動きは最近多いんですよね。
「SNSには99%出してない、出してるのは1%」
Cz TIGER:かなりそうですよね。僕が出してるのって99%出してなくて、本当1%ぐらいで。向こうもそうで、インスタとかそういうのはほんの一部って感じで。一緒に過ごす時間、国がどこでもそこは大事だなって。僕の場合、好きな色を表現すると、紛らわしくないように言うと、赤色で、向こうもそういう人で。色ってなった時にやっぱり責任も伴って。
Cook:間違いないですね。うんうんうん。
Cz TIGER:やっぱりそこはめちゃくちゃ厳しくて。僕ももっと会いたい人はいるんですけど、向こうに住んでたらルールも分かるから。僕から2 Chainzに声をかけるのは筋が違うし。向こうからお願いされて、直接会う、って流れじゃないと。それは言われてます。常に、Bun Bの時も、向こうからお願いしてもらうような関係性を構築してないと、Guapoにも報告できないんで。
Cook:なるほど。
Cz TIGER:なんで僕はまず、そういう深い関係を築けるようにして、入れるように、そのために説明できるようにちゃんと勉強して。で、逆に向こうも日本のことをめっちゃ知りたいから、日本の歴史とか。僕も日本めっちゃ好きなんです。だから日本の歴史もめちゃくちゃ勉強してきましたし、今も続けています。
「裏の外交官」──先祖があってこその、日本人として
Cz TIGER:そういう外交官じゃないけど、マジの裏の外交官っていうのを勝手に自分で思ってて。そのぐらいの責任感を持って海外の現地で人と接しないと、日本人はかっこいい!と思ってくれてる人に、ガッカリされたり勘違いされると思うし。でもやっぱここまで来て、僕が「日本かっこいい」って言われるのも、先祖のおかげであったりするわけで。
Cz TIGER:日本人もかっこいいことしてきて、最初にやってる人がいて、J-POPでも何でもそう。やっぱそれが伝わってきて今の日本かっこいいなと思われてるわけで。車を作ってる人だとか、電車、テクノロジー、医療、色んな科学者たちもそう。だから海外では日本人を代表してきているのを常に意識して振る舞っています。
Cook:なるほど。
Cz TIGER:僕自身も今まで色々あったんすけど、相方失ったっていうのが結構大きかったです。
Bun B、Mook、Guapo──「みんな一番近い人が突然亡くなってる人」
Cz TIGER:だからBun Bとかの気持ちもわかるし、Mookとかの気持ちもわかるし、Guapoもそうだし。みんな俺の関わってる人って絶対、1番近い人が亡くなってる人なんすよね。たまたまって言うか。でやっぱり、そういう人の音楽に助けられてきたし。
Cz TIGER:例えば、Guapoだったら”Dub(danceの動き)”や”Let’s get it”とかみんなが当たり前に使ってる言葉を作った人なんです。だから僕は直接会いに行って挨拶して、正式に使っていいですか?って。マジでちゃんと僕は全部許可を取りたくて。Screw使いたい時も、ScrewやUGKのところとかきちんと行くし。
Cook:なるほど。
Cz TIGER:絶対自分、嫌なんですよ、勝手に使うのは。愛してるからこそ、適当にするのは。だから絶対そこは筋を通してて。昔から馬鹿真面目に全部そういうのしてて。だから相手からもすごい、ああ、こいつ気持ちいいなって。理解がないと言えない言葉ってあると思ってて。
Cook:はい、確かに。
Cz TIGER:それは僕、叩く形じゃなくて、自分の背中を見せて、そういうのをみんなに解ってもらえるように。海外行って海外のことをもっと日本に広めて、それが一番いいし。
Cook:間違いないですね。
Cz TIGER:だから自分のもんでもないから、俺はすぐにリスペクト込めて、「Shout out ◯◯」って言うし。ホンマにシャラウトはラッパーとして活動する上で大切なことだと思っていて。
Cook:はい。
Cz TIGER:Yellow Bucksは売れる前から普通にプライベートで俺のライブ観に来てくれて、「Taigaくんのスタイルかっこいいと思ってます」って言ってくれて、そっから曲やろうかっていう流れやったんで。
Cook:そうなんですね!結構、話それちゃいましたけど、Yellow BucksさんともMVに出されてましたよね。
Cz TIGER:そうですね。あいつも結局、真面目でホンマに音楽好きなんやと思います。
Cook:すごいですね。
Zone 3について──「行政が分けた1から6の地域、そのうちの3」
Cook:Zone 3について、ちょっとお伺いしたいんですけど。Zone 3を、しっかりと理解できてなくて。説明するとしたら、どんな感じなんですかね?
Cz TIGER:わかりました。アトランタって言われる、ジョージア州ってめっちゃ広くて、アトランタってその中でも一部の都市なんですけど、断トツでかくて多分そこしか知られてなくて。その中の中心が、行政が分けてる1から6のゾーンがあって。
Cz TIGER:僕がいない所で、BANNINGSのKenzoが現地で「Zone 3ってどんな感じ?力の関係ってどんな感じ?」って聞いたらしいんですよ。そしたら、上からPeewee Longway、Lucci、その下にGuapoとCz TIGERがトントンぐらいで、その下にSkoolyってやつ、その下にFuture、Young Thug、Lil Babyっていう順番の力の関係だよ、っていうのをアトランタの普通に〇〇〇〇のやつから聞いたらしくて、Kenzoも驚いてました。
Cook:なるほど。
Cz TIGER:で、僕の管轄っていうか、がZone 3で。Zone 3の中では自分はどこでも泊まれるし、誰のところに居てもいいし、1人でもいいしって感じなんですけど、それ以外のところは、安全が保障が取れないからっていうので、今、住み分けがされてるって感じで。だから別に、僕がZone 3っていうのは、そこにいるっていうのが、本当に自分テリトリー、家ゾーンって感じですかね。
Cook:なるほど。じゃあ、Zone 3に身を置いている時で、アトランタの見え方って変わってきましたか?
Cz TIGER:そうっすね。ヒップホップ以外、ほんとに仕事もないし。結構テックカンパニーとかそういう企業も入ってるけど、ほんまにバイトする所もないし。本当に仕事がそれしかないよなっていうのがあって。だから、全員のアトランタを僕がレペゼンするのはおこがましいし、無理なことだと思う。日本人なのに、アトランタ全部を背負うってなった時に、ちゃんと正しくレペゼンできて、世界に広げて恥ずかしくないようなことをするってなったら、どっかに身を置く必要はあると思ってて。
Jose Guapoと同じ誕生日→「Twin From Another Country」
Cz TIGER:そこでやっぱり、Guapoと僕は自然と言わずともお互い同じ某大手レコード会社からの契約オファーを断ったっていう流れがあるので、経緯も一緒だし、誕生日も一緒で。
Cook:誕生日一緒なんですね。
Cz TIGER:そうなんですよ。それでTwinっていうので、サインしたって感じで。
Cook:だから「Twin From Another Country」って書かれてたんですか?
Cz TIGER:そうっすね。そうなんすよ。
Cook:「Same Birthday」って書いてましたもんね。
Cz TIGER:「Same Birthday」そうそう、歳も一緒で。「マジTwinやな」みたいな感じで。そこはほんとに近いところがあるかなって感じで。でもほんとに、Zone 3家族、今回「第二の故郷」とかって言ってるのも。あえて写真にしてないところとかも。みんなも実家帰るとき、いちいち危ないから、家族の集合写真ってオンタイムでいちいち載せないじゃないですか?帰って親戚で集まる時とかも。そこまで一緒に家族として生きてるって感じですかね、僕の価値観と向こうの価値観も。
前編を終えて──「好きで、リスペクトしている」という条件で揃った11名
前編はここまでで一度区切る。ここまで読み進めて見えてきたCz TIGERの現在地を、あらためて整理しておきたい。
まず、2026年にリリースされる日本アルバムを楽しみにしたい。
そしてその傍らで、T.I.、Mike Jones, Kirko Bangz, Skooly, Jose Guapo. Mook,King,Zonnique、Lil Snootieらが集う可能性のある海外アルバムが、Atlantaを拠点に着々と組み上がっている。BunBは奥さんの手術日に運転して食事の店に現れ、会計まで済ませた。 Jose Guapoは到着初日に「今、今、今集合な」と呼び出した。T.I.とは差しで2時間語った。2 Chainzとの◯◯◯◯は進んでいる。
これらすべてが、買えるものではない。十年以上、宅録と図書館の英語学習で積み上げた時間と、Pimp Cの家、ScrewとUGKの場所、Guapoへの一報、Bun Bへの筋──筋を通すという馬鹿真面目さの蓄積でしか生まれない景色だ。「自分のもんでもないから、すぐにリスペクト込めて『Shout out ◯◯』って言う」と本人が語る通り、Cz TIGERは自分が踏んでいる土地と、土地に名前を残してきた人間たちに、一度ずつ頭を下げて回ってきた男である。
後編では、T.I.と差しで語った二時間の中身、海外アルバムが形になっていく過程、そして2026年7月の日本アルバムにCz TIGERが何を込めているのかを掘り下げる。アトランタで得た信用を、日本のシーンにどう返していくのか。引き続き、編集部は介在せず、二人のやり取りのみをそのまま載せる。
なお、Bun Bとの初接続および「Let’s Get To It」制作プロセスについては、HIPHOPCs独占第一弾「サウスにコネクションを築いた唯一の日本人ラッパー──Cz TIGERとレジェンドBun B(UGK)”Let’s Get To It”制作秘話」を併せて読んでほしい。本稿はその十ヶ月後を記録した続編である。
後編ではさらに深いところまで踏み込んで彼の軌跡についてインタビューさせていただく予定だ。お楽しみに。
文責:Cook / HIPHOPCs
取材日:2026年4月
取材協力:Cz TIGER(Dexfilmz CEO/Founder)
記事内容は2026年4月取材時点の情報に基づきます。
