2Pac殺害事件裁判、8月10日に開廷へ:キーフ・Dの「自白」と回顧録が証拠採用
さてさて。HiphopCsもずっと追い続けている2Pacこと2Pac殺害事件。唯一起訴されているDuane “Keefe D” Davis(デュアン・“キーフ・D”・デイビス)の裁判が、8月10日にラスベガスで開廷する。
事件から約30年を経て迎える歴史的な裁判を前に、裁判所は7月28日の公判前審理で、キーフ・Dが2008年に警察へ行った事情聴取の内容を証拠として採用する判断を下した。
この供述では、キーフ・Dは1996年9月7日にラスベガスで発生した銃撃事件について、実行犯とされるOrlando Anderson(オーランド・アンダーソン)が「popped them(奴らを撃った)」と証言。これは、2Pacと当時のDeath Row Records(デス・ロウ・レコーズ)CEOのSuge Knight(シュグ・ナイト)を銃撃したことを意味するとされている。
弁護側は、この事情聴取は当局との合意のもとで行われたものであり、「本人に不利益な証拠として使用されることはない」と説明を受けていたと主張し、証拠から除外するよう求めていた。
しかし検察は、キーフ・D自身が2019年に出版した回顧録『Compton Street Legend』や、その後の数々のインタビューで事件当夜について公然と語ってきたことから、供述の秘匿性はすでに失われていると反論。Judge Carli Kierny(カーリ・キアニー判事)は検察側の主張を認め、事情聴取の映像・供述を証拠として採用する決定を下した。
さらに裁判所は、『Compton Street Legend』も証拠として認めた。同書の中でキーフ・Dは、事件当夜にオーランド・アンダーソンへ銃を手渡したとされる内容を記している。これに対し弁護側は、「利益を得るために脚色された創作であり、事実ではない」と反論。「たとえ内容が品の良いものではなかったとしても、憲法修正第1条で保障された言論の自由を行使しただけだ」と主張している。
事件は20年以上にわたり未解決のコールドケースとなっていたが、2023年、キーフ・Dが著書やインタビューで現場に居合わせ、銃を提供したことを認める発言を繰り返したことなどを受け、ラスベガス警察は彼を逮捕。検察は、事件直前にMGMグランドで2Pacらデス・ロウ関係者とオーランド・アンダーソンとの間で起きた乱闘への報復として銃撃が行われたとみている。
なお、銃撃車両に乗っていたとされる他の3人(オーランド・アンダーソンを含む)はすでに全員死亡しており、起訴されることはなかった。キーフ・Dは現在、殺人を首謀した罪に問われており、有罪となれば終身刑が科される可能性がある。
また今年4月には、2Pacの義兄弟であるモプリーム・シャクールが、キーフ・Dを相手取り、不法死亡(Wrongful Death)を理由とする民事訴訟も提起している。
HiphopCsは8月10日以降も、この裁判関連のニュースを追っていく予定である。Justice For 2Pac!
アイキャッチ画像:Чигот「Tupac graffiti, Vlasotince, Serbia」/Wikimedia Commons/CC BY-SA 4.0。HIPHOPCsが16:9に拡張・編集した派生画像(同ライセンスで提供)