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Benjazzy × Bonbero『B2B』──3月の予告から156日、タッグが作品になるまで

Japanese Rap News6 min read

BenjazzyとBonberoが2026年8月28日に配信した『B2B』で、最も大きく変わったものは共演回数ではない。二人は以前から同じ曲とステージに立っていた。変わったのは、その関係を全8曲の主名義として引き受けたことだ。

その計画は大会より先に言葉になっていた。3月25日、BonberoはBenjazzyとアルバムを作る話をしていると明かした。8月7日には、作品が「現在進行中」であり、自身の直前作『HideAway』とはまったく違うラップ中心の内容になると説明した。配信まで156日。『B2B』は8月11日のBATTLE SUMMIT III敗戦後に急造された作品ではない。

本稿はアルバム全曲レビューではない。本人発言、公式クレジット、公開済みの音楽評を重ね、「タッグが作品になる」とは何が変わることだったのかを読む。

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まず押さえる6項目

項目確認できる内容
配信日2026年8月28日
曲数8曲
主名義Benjazzy & Bonbero
客演C.O.S.A.、C6ix、ACE COOL、Jinmenusagi
プロデューサーTREETIME、Chaki Zulu、Homunculu$、TAXON、ascii、Frogotten
録音・ミックス・マスタリングRyusei

配信日、曲順、作詞・作曲、プロデューサー、エンジニアは、各曲の情報を開示する公式配信ページを基準にした。アートワークをONIが担当したことは、Spincoasterのリリース記事でも確認できる。

3月25日の予告、8月7日の説明

3月25日公開のRed Bull RASENインタビューで、Bonberoは年内に出したい二枚のアルバムについて語った。一枚はソロ作。もう一枚については、「ベンさん(Benjazzy)といっしょにアルバム作ろうって話をしてて」と明言している。

8月7日のマイナビニュースのインタビューでは、計画がさらに具体的になった。BonberoはBenjazzyとの作品を「めちゃくちゃラップです」と説明し、普段以上にラップしている感覚、自信、歌詞の書き方の変化を語った。直前のソロ作『HideAway』とは「まったく違うノリ」になるとも述べている。

この二つの本人発言が、記事の時間軸を決める。8月の大会は作品の起点ではなく、すでに公言されていた共同制作が、バトルとリリースの両方で可視化された地点だった。

「R2R」と「Wagamama」が示す二つの入口

先行曲「R2R」は、アルバム発表と同じ8月12日に配信された。制作はascii。同日のTHE MAGAZINE記事は、ビートをUKガラージ/2ステップと説明し、その上で二人がスキルをぶつけ合う曲と評している。これが作品の最初の公開像になった。

一方、Chaki Zulu制作の「Wagamama」は、配信前日の8月27日にMVが出た。THE MAGAZINEは二人の高速スピットを特徴として挙げる。LiFTEDの楽曲評はさらに、Bonberoが疎なビートから入り、ビートが厚くなった後にBenjazzyの過活動的なラップへ移り、終盤は二人が小節を交換すると描写している。

二曲の役割は同じではない。「R2R」は2ステップの推進力でアルバムを予告し、「Wagamama」は声とビートの密度を変えながら二人の技量を前面へ出す。全曲の音を一つの形容詞で括るより、この差を入口にした方が『B2B』の複数性へ近づける。

8曲の配置──客演は4曲目と8曲目に集まる

#曲名客演プロデューサー
1NOIDTREETIME
2WagamamaChaki Zulu
3KINGINGHomunculu$
4素通りC.O.S.A.、C6ixTAXON
5SANZANascii
6Way BackFrogotten
7R2Rascii
84 WallsACE COOL、JinmenusagiChaki Zulu

冒頭3曲はBenjazzyとBonberoだけで進み、4曲目で最初の客演が入る。そこから再び二人だけの3曲へ戻り、最後は「4 Walls」で二人の客演を迎える。4組の客演を4曲へ散らさず、中間点と終点に集めた配置だ。

制作陣6名のうち、2曲を担うのはChaki Zuluとasciiだけである。Chaki Zuluはリリース時の中心曲「Wagamama」と、4人で終える「4 Walls」を担当。asciiは中盤の「SANZAN」と、先行曲「R2R」を担う。

これは曲順とクレジットから確認できる構造であり、本人たちが意図を説明したという意味ではない。それでも、多数の制作陣を迎えながら、客演と反復するプロデューサーを要所へ置いた事実は残る。

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3月25日から8月28日まで──確認できる時系列

日付出来事確認状態
3月25日BonberoがBenjazzyとのアルバム計画を公言本人発言確認済み
8月7日Bonberoが制作中の作品をラップ中心と説明本人発言確認済み
8月11日BATTLE SUMMIT IIIにBenjazzy & Bonberoとして出場。準々決勝でOZworld & CHICO CARLITOに敗退開催・結果確認済み
8月12日『B2B』の8月28日配信を発表。「R2R」を配信し、MVを公開発表・配信確認済み
8月24日「NOID」公式ビジュアライザー公開公開確認済み
8月27日「Wagamama」MV公開公開確認済み
8月28日全8曲配信配信確認済み

大会結果はHIPHOPCsの現地結果記事に記録している。翌日の発表で確認できるのは、8月28日のアルバム配信予定と「R2R」の先行配信である。全8曲の確定情報は、リリース後の公式配信クレジットを基準にした。

したがって、「大会の敗戦後に17日で作った」「敗戦への回答作」とする根拠はない。録音日や曲順の決定日も公表されていない。ただし、共同アルバムの計画が大会の139日前に公言され、4日前にも制作中と説明されていたことは確認できる。大会翌日の発表は、突然の起点ではなく、156日かけて外から追える計画の終盤だった。

共演から共同責任へ

『B2B』以前にも接点はあった。BAD HOP「B2B feat. Benjazzy & Bonbero」、Bonbero「For A Reason feat. Benjazzy」に加え、Benjazzyの2025年作『UNTIL』にはBonberoを迎えた「WWW」がある。「WWW」をChaki Zuluが制作したことは、『UNTIL』の公式クレジットで確認できる。

つまり、二人とChaki Zuluの組み合わせも『B2B』で突然始まったわけではない。単曲で存在していた接続が、主名義を共有するアルバムの2曲へ移った。

BenjazzyはBAD HOPを経た川崎のキャリアを持ち、Bonberoは千葉県八千代市から活動を広げた。二人の出自はSpace Shower Musicの公式紹介でも区別されている。地域と世代を安易な「先輩・後輩」に畳まず、Benjazzy側の経路は川崎・横浜Rap Atlasから辿れる。

共同名義の意味は、違いを消すことではない。客演だった関係を、曲順、発表、作品名まで含む共同責任へ広げることだ。BATTLE SUMMIT IIIの勝敗は一夜で確定したが、『B2B』が残したのは、その前から続いていたタッグを、結果の後にも聴ける形へ固定したことだった。

確認範囲

  • BATTLE SUMMIT IIIの結果と制作の因果は確認されていない。「回答」「巻き返し」とは断定しない。
  • Apple Musicなどの可変順位は評価材料にしていない。
  • 曲名と参加者は公式表記を優先し、歌詞は引用・転載していない。
  • 事実関係は2026年8月31日(日本時間)に再確認した。

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