USヒップホップの最先端と、日本独自のおもてなし。この二つが交わる夜の社交場として語られてきたのが、渋谷・道玄坂のジェントルマンズクラブ「MADAM WOO TOKYO(マダムウー)」である。
2018年11月、ラッパー/プロデューサーのRYUZO(R-RATED RECORDS)のプロデュースで開業。架空の烏婦人(MADAM WOO)が、ニューヨークのチャイナタウンと東京の境界が消えた未来都市・NEO TOKYOで営むクラブ——という世界観のもと、音楽・ファッション・アートが官能と交差する空間を築き、国内外のアーティストが集う場となってきた。
今回話を訊いたのは、同店のマネージャーであり、東京のHIPHOPナイトシーンを牽引するパーティー〈NEVER BROKE〉〈BLUE MAGIC〉のCEOとしても知られるCEO KAZU。コンセプトの起点から、30人を超えるダンサーをまとめる現場、海外アーティストとの距離感、そしてこの先に見据える“最終形態”までを訊いた。
Interview:YTG Sam(Director)
Q. まずはCEO KAZUさんご自身について教えてください。
KAZU:
2018年11月にスタートしたニューヨークスタイルのジェントルマンズクラブ「MADAM WOO TOKYO」で働いています。
僕は創業期から関わっていて、RYUZOさんからお声がけいただいたのがきっかけです。MADAM WOOができる前からRYUZOさんの活動は知っていましたし、最終的にはストリップクラブをやりたいという願望がありました。
当時の日本ではまだ珍しい業態でしたが、ちょうどタイミングよく声をかけていただき、「やろう」と決めました。現在は全体のマネージャーとして、店舗運営全般を担当しています。
Q. MADAM WOOのコンセプトである「近未来ネオ東京」とはどのような世界観なのでしょうか?
KAZU:
MADAM WOOのコンセプトは、「ニューヨークのチャイナタウンと東京が融合した近未来ネオ東京」です。
僕自身、長年エンターテインメント業界に携わってきましたが、日本でヒップホップカルチャーを広めたいという思いがありました。
「ネオ東京」という言葉にはさまざまな解釈があります。新しい東京と考える人もいれば、進化した東京と考える人もいる。
僕たちは日本になかったものを創造するだけでなく、単なるアメリカのコピーではないものを作りたいと考えました。
そこに日本独自の文化やおもてなしの精神、そしてMADAM WOOらしいネオンの世界観を融合させることで、日本なりの新しいカルチャーとして発信していきたいと思ったんです。
ニューヨークらしさと東京らしさ、その両方をミックスした世界観ですね。
ジェントルマンズクラブという業態上、アメリカからのお客様も多く来店されます。本場と同等の空気感を楽しんでいただくことを前提にしながら、日本ならではの魅力も感じてもらえるよう心掛けています。
Q. 店内デザインで特にこだわった部分はありますか?
KAZU:
店内はYOSHIROTTEN(ヨシロッテン)というデザイナーに、全身全霊で作ってもらいました。
今ではMADAM WOO以外でもさまざまなプロジェクトを手掛けている、素晴らしいデザイナーです。
僕たちはYOSHIROTTENの世界観を、とても大切にしています。
Q. MADAM WOOにしかない魅力とは何でしょうか?
KAZU:
音楽とエロス、そしてカルチャーが交わっているところですね。
こんな空間は、他にないと思っています。
初めて来られる方には、ぜひ音楽とエロスの融合を体感してほしいです。
単なるエロスではなく、そこにヒップホップカルチャーが加わることで、それ以上の何かが生まれていると感じています。
ありがたいことにMADAM WOOも多くのお客様に支持していただいていて、数年かけて作ってきたものが形になっていることを実感しています。
Q. 店内で流れる音楽はどのように決めているのでしょうか?
KAZU:
基本的には、DJが選曲しています。
ただ、「この時間帯はこういう曲がいい」「今このお客様が来ているならこの曲が合う」といった空気感のプロデュースには、僕も関わっています。
長年クラブに通ってきた経験も、生かされていますね。
ジェントルマンズクラブのDJは、単に音楽を流すだけでは務まりません。クラブDJとも役割が違っていて、フロアの空気を作りながら、売上にもつながる選曲が求められます。
お客様の状況や店内の空気を見ながら、DJと密にコミュニケーションを取り、「今は何を流すべきか」を一緒に考えています。
DJ任せにするのではなく、常に連携しながら空間を作っています。
Q. 創業当初、一番苦労したことは何でしたか?
KAZU:
やはり、30人以上のダンサーたちをまとめることですね。
以前も10人規模のマネジメント経験はありましたが、それが30人規模になり、さらに大阪や地方にも広がっていく中で、本当に大変でした。
彼女たちのマネジメントをしながら店舗を運営するのは、まさに学校のようなものでした。
人生そのものが勉強だなと感じています。
今はダンサーだけでなく、DJやスタッフも含めて全員が一丸となって、お店を動かしています。
最近は「ファミリー」という言葉がとても似合う組織になってきたと思います。
もちろん、MADAM WOOで活躍して豊かになってほしいですし、幸せになってほしい。
でもそれだけではなく、その先にある夢も見つけてほしいと思っています。
MADAM WOOを一つのステップとして、それぞれの夢につなげていってほしいですね。
Q. 普通のクラブではなく、ジェントルマンズクラブを選んだ理由を教えてください。
KAZU:
最終的な夢として、今でもビッグストリップクラブを作りたいという思いがあります。
ただ、日本ではまだ前例も少なかったので、まずは今のようなコンパクトな規模からスタートしました。
現在のサイズ感だからこそ生まれる一体感もあります。
将来的には、さらに大きなビッグストリップクラブへ発展させていきたいと考えています。
Q. 海外のお客様からはどのような反応がありますか?
KAZU:
本当に楽しんでくださいますね。
僕たちが音楽やお酒、ダンサーなどに対してリスペクトを持って接すると、そのリスペクトをしっかり返してくれます。
それが僕は大好きなんです。
また、口コミの力も大きいですね。
海外から来てくださったお客様が「MADAM WOOは楽しかった」と本国へ持ち帰って、広めてくれている。
実際にニューヨークやロサンゼルスへ行った時に、「MADAM WOO知ってるよ」と言われることもあります。
「ロサンゼルスでもやってほしい」「ニューヨークでもやってほしい」と言ってもらえることもあります。
本場にはない、日本特有のおもてなし文化が、一つの新しいジャンルとして評価されているのだと思います。
Q. 海外アーティストで印象に残っている方はいますか?
KAZU:
A$AP Rockyは立ち振る舞いも含め、すべてがクールでしたね。
T.I.は「キング」というオーラがすごく、言動や姿勢からもその存在感を感じました。
彼らからも勇気をもらいました。同じ時代を生きる仲間として、刺激を受けます。
Q. 朝4時のMADAM WOOはどんな雰囲気ですか?
KAZU:
朝4時になると、倒れているダンサーがいたり、まだまだ飲もうと止まらないダンサーもいたり、とにかくカオスです。
僕たちはプロのパーティー集団なので、武道館のアフターのときも、明け方まで一緒に飲んでいたこともあります。
でもやはり、アーティストあってこそです。本当にアーティストには、リスペクトを置いています。
Q. 日本のアーティストは来ているのでしょうか?
KAZU:
ほとんどの方が、一度は来てくださっていると思います。
僕もいろいろな場に顔を出していますが、現時点ではMADAM WOOが一番の場所だと思っています。
Q. スタッフしか知らないエピソードはありますか?
KAZU:
本国の第一線で活躍するアーティストが、営業時間外に貸し切りでMV撮影をしてくれたこともあります。
名前は伏せますが、海外トップクラスのアーティストとダンサーの間に交流が生まれた、というような話も実際にあります。
最先端のアーティストがここで活動してくれるのは、僕としてもすごく光栄です。
Q. MADAM WOOはUSヒップホップと近い文化圏にいる感じでしょうか?
KAZU:
はい、日本語・英語関係なく、USヒップホップの最先端に近い場所だと思います。
日本のアーティストも多く訪れるので、その融合がこれからさらに面白くなっていくと思います。
Q. 初めて来るお客様におすすめの遊び方は?
KAZU:
日本人の方は恥ずかしがって、チップ遊びをすぐにできない方も多いです。でも、最低でもワンスタック(チップ用の札束ひと束)くらいは試してほしいですね。
チップ遊びを楽しむことで、絶対に盛り上がります。
あとはVIPルームで「Make It Rain(メイク・イット・レイン)」を体験するのもおすすめです。
これは一種のステータスでもあります。
初めて来た方にこそ、ぜひ体験してほしい遊び方ですね。
Q. 将来的に目指していることは?
KAZU:
最終形態としては、音楽と融合したビッグストリップクラブを作りたいです。
ライブをしながらストリップを楽しめる、今のMADAM WOO以上の空間を目指しています。
日本でもクラブ文化は人気ですし、簡単には作れませんが、挑戦していきたいですね。
Q. 今後のイベント予定はありますか?
KAZU:
MADAM WOOのチームで、独自のイベントを継続的に行っています。
MADAM WOO発信のストリップソングも制作中です。
日本語楽曲も含め、店から発信するイベントやコンテンツを、どんどん作っていく予定です。
Q. 最後に、まだ来たことがない方にメッセージはありますか?
KAZU:
普段では味わえない別世界を体験していただける自信があります。
ぜひ一度、MADAM WOOに足を運んでみてください。
——本日はありがとうございました。
単なる「アメリカの輸入」ではなく、そこに日本のおもてなしを接ぎ木し、ヒップホップカルチャーごと一つのジャンルとして提示し返す——。CEO KAZUの言葉の端々からは、MADAM WOOが数年かけて確立してきた立ち位置がにじむ。
音楽とエロス、そしてカルチャー。その交点で育ってきた“ネオ東京”の夜は、ライブとストリップが融合するビッグストリップクラブという次の形へと向かっている。渋谷・道玄坂のこの空間が、これからどんな夜を更新していくのか。一度、その別世界に足を運んで確かめてみてほしい。
MADAM WOO TOKYO 店舗情報
- 店舗名:MADAM WOO TOKYO
- 住所:〒150-0043 東京都渋谷区道玄坂1丁目22-12 長島第一ビル 9F
- 営業時間:火曜〜土曜 22:00〜4:00
- TEL:03-6416-0577
- 公式サイト:https://madamwoo.tokyo/
- Instagram:MADAM WOO TOKYO / KAZU WOO
