Quavo「Backwards」feat. T.I. アトランタの夜を歌う『Qrömelife』の先行曲
Quavoの「Backwards」は、イントロでアトランタの名を繰り返す。歌詞の出だしは「These dollars ain’t gon’ throw themself」で、そのあとに綴りを一字ずつ読む形のA-T-L-A-N-T-A, Atlantaが二度置かれる。Rolling Stoneもこの呼びかけをイントロから引き、曲を最初から最後まで二人の地元を呼び続ける曲だと書いている。客演のT.I.も同じ街の人間である。配信は2026年9月11日。10月2日に出る3枚目のソロ・アルバム『Qrömelife』の先行曲である。
音源はSpotifyとApple Musicで配信中。配信と同じ9月11日に、QuavoVEVOがオフィシャル・ビデオを公開している。配信先の一覧は公式スマートリンクquavo.lnk.to/backwardsにある。
| 要点 | 内容 |
|---|---|
| 配信日 | 2026年9月11日 |
| 名義 | Quavo feat. T.I. |
| 収録 | 3rdソロ・アルバム『Qrömelife』(2026年10月2日、全14曲)の先行曲/3分11秒 |
| プロデュース | Pharrell Williams(作詞はQuavo、T.I.、Pharrell Williams) |
| 追加ヴォーカル | Jermaine Dupri |
| ビデオ | 2026年9月11日、QuavoVEVOで公開(監督Supo Supreme) |
「Welcome to Atlanta」から入るプリコーラス
プリコーラスは、街へようこそという言葉で始まる。Welcome to Atlanta。Jermaine DupriがLudacrisを迎えて2001年10月30日に出した曲と、同じ並びの言葉である。そしてこのトラックのクレジットには、追加ヴォーカルとしてJermaine Dupriの名前がある。コーラスでQuavoの一行ごとに合いの手を返しているのが、その本人だ。イントロの合いの手にも、同じ言葉が一度入っている。
プリコーラスが描いているのは、ダンサーのいる店の一晩である。客は札束を崩し、トラップの人間と詐欺師がPhantomで乗りつける。女は同じ動きを何度も巻き戻すように繰り返す。Phantomはイントロにも登場する。
イントロには、ポールの本数をMagicと比べる一行もある。Rap Atlas USのアトランタ編で扱ったとおり、Magic Cityはこの街のストリップクラブで、新曲の試験場として機能してきた場所だ。Quavo自身、ここがなければMigosは存在しなかったと語っている。
踊り、駐車、金の話に現れる「backwards」
コーラスでは、Quavoの「backwards」という呼びかけにJermaine Dupriが見せてみろと応じる。繰り返される「backwards」の多くは店の中の踊りの動きを指し、1ドル札を持ち帰らず、その場で使うよう促す言葉も入る。
コーラスには、バック駐車を指す一節もある。「Turnin’ in the lot, I had to pull in backwards」(歌詞より。作詞はQuavo、T.I.、Pharrell Williams)。駐車場に入って、バックで停めた、という車の話である。この一節は三度のコーラスに繰り返し現れる。
Quavoのヴァース1では、金を数えて使うくだりにも同じ語が置かれる。踊りや駐車の場面を離れ、金の話にも曲名が入り込む。
アウトロはJermaine Dupriの声で終わる。
T.I.が重ねる札束の誇示とダンサーへの呼びかけ
T.I.は札束や大金を誇示しながら、ダンサーへの呼びかけを重ねる。金額の大きさだけでなく、相手の身体や踊り方にも言葉を向けている。スカートからはみ出す腰つきに触れ、この曲をかけてやれ、と言う。
その途中に、この街に来たばかりだと言う相手が出てくる。T.I.は来たばかりの側ではない。彼はBankheadの出身を自認してきた(Rap Atlas US:アトランタ)。この曲で繰り返されるのは、地区名ではなくアトランタという街の名だ。
Pharrellが求めた曲作り
Geniusのクレジットでは、この曲のプロデュースはPharrell Williamsで、作詞はQuavo、T.I.、Pharrellの3人。ミックスにもPharrellの名前が入っている。
『Qrömelife』の制作について、Quavoはアトランタのラジオ局V-103で語っている。Rolling Stoneが引用した発言によれば、録音は洋上のヨットやLouis Vuittonの本社で行われた。PharrellはLouis Vuittonのメンズ・クリエイティブディレクターでもあり、2026年6月のランウェイで新曲を一斉に流した回にはQuavoの曲も含まれていた。「あの人は俺たちを海のど真ん中のヨットや、Louis Vuittonの本部でレコーディングさせるんだ」とQuavoは語っている。「刺激が多すぎる。マイクの前に立つまでに、何か言うことを持っていないといけない」
同じ発言で、QuavoはPharrellが守らせた形についても話している。フックやブリッジを重視する曲作りだった。「Pと組むと、向こうが挑んでくる」。そして、どの曲もちゃんと曲として成立しているかを確かめる、と続けている。
『Qrömelife』の発売とMigosの再始動計画
『Qrömelife』は2026年10月2日に出る。Quavoにとっては2023年の『Rocket Power』以来のソロ・アルバムで、Billboardは14曲入りでPharrellの全面プロデュースだと書いている。先に出ていたのは6月の「Haavin」と8月の「Trance (Walk It Down)」。Rolling Stoneによれば、Quavoは「Backwards」を配信前の週にWWE「Sunday Night Main Event」の放送で演奏している。
新作の発売を前に、QuavoはMigosの活動にも言及している。V-103のDJ Greg Streetによるインタビュー(YouTubeで9月4日公開)では「戻ってくる。もう一度だけやる」と語り、ツアーにも触れている。9月10日に公開されたHot 97のNessaとのインタビューでは、Takeoffに敬意を払い、本人がそこにいるような音楽に仕上げたいと語った。Takeoffは2022年11月1日にヒューストンで撃たれて亡くなっている。Billboardによれば、Migos名義の新作は2021年の『Culture III』以来で、Takeoffの声は死後音源として収録される見込みだという。7月には、Quavoが自身のライブでOffset参加の未発表曲を披露していた。
よくある質問
曲名の「backwards」は何を指すのか。歌詞では、多くの場面が店の中の踊りの動きを指す。ほかに、駐車場でバックして停めるという車の場面がコーラスに、金を数えて使うくだりがQuavoのヴァース1にある。
この曲のプロデューサーは誰か。Geniusのクレジットでは Pharrell Williams。作詞はQuavo、T.I.、Pharrellの3人で、Jermaine Dupriが追加ヴォーカルとして参加している。
ミュージックビデオは出ているのか。出ている。配信と同じ2026年9月11日に、QuavoVEVOが監督Supo Supremeによるオフィシャル・ビデオを公開した。
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出典
- Genius「Backwards」ページ(2026年9月18日取得):歌詞の全文。イントロ、コーラス、ヴァース1(Quavo)、プリコーラス、ヴァース2(T.I.)、アウトロのすべてと、パート区分およびパート担当の表記。あわせてクレジット(プロデュースPharrell Williams、作詞Quavo・T.I.・Pharrell Williams、追加ヴォーカルJermaine Dupri、ビデオ監督Supo Supreme、レーベルQuality Control/Motown Records)。9月17日時点ではイントロとヴァース1が未掲載だったが、9月18日の再取得では掲載されていた。同ページのセクション表記による構成は、イントロ、コーラス、ヴァース1、プリコーラス、コーラス、ヴァース2、プリコーラス、コーラス、アウトロの順。駐車を指す一節は3本あるコーラスすべてに入っている。歌詞の読みは本誌による
- Paroles2Chansons「Quavo – Backwards」(2026年9月18日取得):同じくイントロからアウトロまでの全文。パート名は付かず担当者表記のみだが、語句はGenius版と一致した。歌詞の照合に使用。Música360、AZLyrics、Lyrics.comは同日時点で当該曲のページに到達できず、照合には使っていない。いずれも公式歌詞ではない
- Rolling Stone「Quavo Previews New Album ‘Qrömelife’ With T.I.-Assisted Single ‘Backwards’」(Larisha Paul、2026年9月11日):イントロの歌詞2節(アトランタの呼びかけを含む1節と、ポールの本数をMagicと比べる1節)、曲が二人の地元を呼び続けるという評、アルバム名と10月2日という発売日、『Rocket Power』(2023) 以来のソロLPであること、先行曲「Haavin」(6月)と「Trance (Walk It Down)」(8月)、WWE「Sunday Night Main Event」での演奏が配信の前週だったこと、V-103でのQuavo発言(ヨット、Louis Vuitton本社、フックやブリッジを重視する曲作り、どの曲も曲として成立しているかを確かめるという発言)
- Billboard「Quavo Confirms Final Migos Album & Tour With Offset in the Works」(Michael Saponara、2026年9月11日):『Qrömelife』が14曲入りでPharrellの全面プロデュースであること、「Backwards」が9月11日に出たこと、Migos新作が『Culture III』(2021) 以来でTakeoff不在の初作となること、Takeoffの死後音源が入る見込み、Takeoffが2022年11月1日にヒューストンで撃たれて亡くなったこと。同記事は「戻ってくる。もう一度だけやる」という再始動の発言をV-103のDJ Greg Streetとのインタビューに、道具を揃えてTakeoffに敬意を払いたいという発言を9月10日公開のHot 97・Nessaとの別インタビューに帰属させている。本文もその区別に従った
- XXL「Migos Returning With New Music and Tour」(2026年9月10日):V-103のDJ Greg Streetによるインタビューが2026年9月4日にYouTubeで公開されたこと、Takeoffの愛称がRocketであること
- YouTube:QuavoVEVO「Backwards (Official Video)」(2026年9月11日公開、3分17秒):ビデオが配信と同日に公式チャンネルで公開されていること
- Genius「Welcome To Atlanta」ページ:Jermaine DupriがLudacrisを迎えた同名曲の発表日が2001年10月30日であること
- Apple「iTunes Lookup API」(trackId 6811152201/collectionId 6811152199)(2026年9月16日取得):「Backwards」の配信日2026年9月11日、収録1曲、3分11秒(191,505ミリ秒)、ジャンルHip-Hop(クリーン版の登録)
- Spotify「Backwards (feat. T.I.)」およびQuavo公式スマートリンク:トラックの実在確認、カバー画像、配信先の一覧とApple MusicのアルバムID
- 本誌「Rap Atlas US:アトランタ」:Magic CityがMichael「Mr. Magic」Barneyの設立したストリップクラブで新曲の試験場として機能してきたこと、Quavoの「ここなしにはMigosは存在しなかった」という発言、T.I.がBankheadを自認の土地としていること
歌詞の引用は英語2行までにとどめ、残りは日本語で要約した。歌詞はGeniusとParoles2Chansonsの掲載文を突き合わせた範囲のもので、公式歌詞ではない。音源は聴いておらず、ビート、ミックス、歌い方についての記述はしていない。「Backwards」単体のプロデューサーとしてPharrell Williamsを記したのはGeniusのクレジットに基づく。WWEでの演奏の正確な日付と内容、『Qrömelife』のトラックリストと客演、日本国内向けの展開、チャート成績は確認できていない。本誌を除く日本語媒体での個別紹介は、2026年9月18日にfnmnl.tv、block.fm、Spincoasterのサイト内検索を行った範囲では見つからなかった。網羅的な調査ではない。最終確認日は2026年9月18日。誤りがあった場合は、確認のうえ本文に訂正を明記する。
更新ログ
- 2026-09-16:記事を公開用に作成
- 2026-09-17:歌詞の内容を軸に本文を書き改め、配信時刻の記載を削除
- 2026-09-18:Geniusのクレジットと掲載歌詞、公式ビデオの公開日を追加
- 2026-09-18:歌詞全文を照合し、曲名の用法とT.I.のヴァースの説明、インタビューの帰属を訂正
- 2026-09-18:T.I.のヴァースの要約と曲名の用法の説明を改め、7月のOffset参加曲の記述を訂正