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田中雄士「GAME CHANGER feat. Zeebra」──名義曲では約4年ぶり、「戦う」から「変える」へ


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2017年、田中雄士は「これから咲く」という思いを込めた「遅咲きのヒーロー」で音楽活動を始めた。2022年にはZeebraと「Life is a Battle」を発表。そして2026年7月31日、同じZeebraを迎えた新曲のタイトルは「GAME CHANGER」だった。

咲く。戦う。変える。

田中雄士は、活動9年目の今も自分を「OLD ROOKIE」と表している。長く活動してきても、完成したとは考えていない。ただし、目線は変わった。自分が結果を出すだけでなく、自分たちを取り巻く状況まで変えようとしている。

「GAME CHANGER (feat. Zeebra)」は、1曲入り、2分53秒のシングル。公式ミュージックビデオのクレジットでは、Noahが田中雄士、Zeebraとともに作詞へ名を連ね、音楽プロデュース、ミックス、マスタリングまで担当している。

この記事では歌詞を一行ずつ読むのではなく、公式説明や公開クレジット、過去作の流れから、田中雄士が約9年の間にどう変わったのかを考える。

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本稿は公開されている情報をもとにした考察であり、歌詞全文や本人たちの制作意図を断定するものではない。

同じZeebraだから、変化が見える

公開資料で確認できる田中雄士とZeebraの関わりは、少なくとも3作ある。

2022年9月14日──「Life is a Battle (feat. Zeebra)」

田中雄士名義での直接共演。TuneCoreのクレジットでは、作詞が田中雄士とZeebra、作曲がMr. BEATS。作品紹介では、闘い続ける二人による「漢達のアンセム」と説明された。

2024年5月5日──「No Bully」

いじめをなくすために作られたチャリティー曲。2つあるバージョンのうち一方に、JESSE、ANARCHY、BOO、田中雄士、般若、DJ WATARAI、Zeebraが参加した。二人だけの曲ではないが、2022年と2026年の間にも同じ作品へ参加している。

2026年7月31日──「GAME CHANGER (feat. Zeebra)」

田中雄士名義では、公開されている作品の中で少なくとも2作目の直接共演になる。

そのため、単純に「約4年ぶりの再共演」と書くと、間にある「No Bully」が抜けてしまう。一方で「3度目の共演」と言い切ると、公開されていないライブや制作中の関わりまで数えたことになりかねない。

公開情報から確実に言えるのは、田中雄士名義の直接共演曲が少なくとも2作あり、その間に集合曲でも一緒になっているということだ。

ただ、大切なのは共演回数ではない。同じZeebraが再び隣に立ったからこそ、2022年と2026年の違いがはっきり見える。

「Life is a Battle」から「GAME CHANGER」へ。変わったのは曲名だけではなく、田中雄士が自分をどんな人物として示すのかだ。

「遅咲き」は「OLD ROOKIE」へ

田中雄士の音楽活動は、2017年の「遅咲きのヒーロー」から始まった。

BARKSの本人インタビューによると、音楽を始めたきっかけはラップのオーディションでも、レーベルからの声でもなかった。雑誌『411』の編集長から音楽を勧められ、キックボクシングジムの練習生で友人でもあったCIMBAへ相談。自分の思いをノートに書き、曲にしていった。

田中は同じ取材で、「遅咲きのヒーロー」は「すでに咲いた」という意味ではなく、「これから咲く」という意味だったと話している。

その約5年後。デビュー作から8年8か月余りが経った2026年の公式説明でも、田中雄士は自分を「OLD ROOKIE」と表した。

普通なら、活動が長くなるほど「新人」という言葉から離れていく。田中雄士は逆に、「遅咲き」という考えを「OLD ROOKIE」という言葉に変えて残した。

これまでの実績を消して、新人に戻ったわけではない。実績が増えても、まだ途中だと考えている。

「OLD ROOKIE」は、過去を否定する言葉ではない。完成したと思わないための言葉だ。

Noahが、言葉と音をまとめた

公式MVに記載された音楽クレジットは、次の通りだ。

  • 作詞:田中雄士、Zeebra、Noah
  • 音楽プロデュース/ミックス/マスタリング:Noah

Noahはビートを作っただけではない。3人目の作詞者として言葉作りにも加わり、音源の仕上げまで担当した。ただし、誰がどの部分を書いたのかは公開されていない。

約4年前の「Life is a Battle」では、Mr. BEATSが作曲を担当していた。同じZeebraを迎えた曲でも、今回の制作陣は同じではない。Zeebraとの関係は続いているが、曲の作り方まで繰り返したわけではない。

映像はdasManが制作。Taichi Yamashiroがプロデュースと監督、Shintaro Tsuhaが撮影、SENCH1が編集を担当している。

「咲く」「戦う」「変える」

ここからは、公式説明や過去作の流れをもとにした本誌の考察だ。

2017年の「遅咲きのヒーロー」には、これから咲こうとする思いがあった。

2022年の「Life is a Battle」では、厳しい状況の中でも戦い続ける姿を示した。

そして2026年の「GAME CHANGER」では、与えられた場所で戦うだけでなく、その場所のルールや価値まで変えようとしている。

公式説明でも、仲間へ恩を返すこと、他人が決めた評価に縛られないこと、自分たちのやり方で周囲を変えていくことが語られている。

つまり、変わったのは「OLD ROOKIE」という呼び名ではない。まだ途中だという気持ちは残したまま、次にしようとしていることが変わった。

田中雄士は「これから咲く」と歌い、「人生は戦いだ」と掲げ、今は「ゲームを変える」と名乗っている。

同じZeebraを迎えた意味も、ここにある。

Zeebraは1990年代から日本語ラップの可能性を広げてきた一人だ。2026年には、本誌が報じた「THE SUCCESSOR」で、高木完、YZERRとともに、日本語ラップ40年の歩みと次の世代への受け渡しを掲げた。

もちろん、それだけで今作の狙いを断定することはできない。それでも、「変える側」を名乗る曲にZeebraが再び参加したことには重みがある。同じ相手との再共演だからこそ、田中雄士が約4年の間にどう変わったのかが見えやすくなった。

「GAME CHANGER」は、成功したことを報告する曲ではない。「OLD ROOKIE」のまま、次に何を変えようとしているのかを示した曲だ。

「咲く」ことを目指し、「戦う」ことを続け、今度は「変える」側へ。「GAME CHANGER」は、田中雄士の約9年を3つの言葉でつなぐ一曲だ。

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