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Number_iはなぜヒップホップチャート1〜4位を「独占」できたのか

──Apple Music上位占拠が投げかける7つの問いと、シーンが報われるための論点整理 via @neverdesign96・@number_i.official・@yzerr_breath はじめに:批判ではなく「ジャンル設計」の話 ここ最近話題のトップになっているこの問題 発端は2026年1月、Number_iがApple Musicのヒップホップ/ラップ部門で1位から4位を独占した──という情報が拡散した。この出来事に、どこか引っかかりを覚えた人もいるだろう。 そしてこの出来事にYzerr,T-Pablow,Watsonが武道館で未公開楽曲Dassaiで言及。 本稿は、Number_iやファンを頭ごなしに否定するための文章ではない。むしろ論点は逆である。“ヒップホップ”という棚(ジャンル枠)で起きたことだからこそ、いま一度、装置の仕組みと責任の所在を整理したい。 核心はシンプルだ。 「なぜ、J-POPではなくヒップホップだったのか」 この問いに輪郭が出れば、議論は好き嫌いやアイドル叩きから離れ、業界設計の議論に上がる。そしてそれは、何よりラッパーが報われる構造を考えることにつながる。 第1章:何が起きたのか──「上位独占」が持つ性格 Apple Music ヒップホップ部門 1〜4位独占(とされる状況) 今回Number_iで埋まったことで、起きることは明快だ。 Apple Musicで“ヒップホップ”を探しに来た新規リスナーが、まずNumber_iに触れる アルゴリズムが上位曲を“その棚の代表例”として学習し、推薦が寄る その結果、同じ棚で10年・20年活動してきたアーティストの可視性が相対的に落ちる これは負けた側が努力不足という話ではない。ジャンル別チャートは、ただの人気投票ではなく、“入門口”を握る装置だからである。 「競争の結果」だけで片付けていいのか もちろん、ファンが支えること自体は自然だ。応援は正当で、熱量は文化の一部である。ただし、ここでズレが生まれる。 ファンダムの動員力 ヒップホップとしての評価(シーン内の批評・文脈・共鳴) この2つは一致する場合もあるが、常に同じではない。そして問題の火種は、「動員力」が“ヒップホップ棚”の中で継続して発揮され、結果として入口が塗り替わる点にある。 今回はあえてこの問題に踏み込もう。 第2章:Number_iとは誰か──議論を誤らせないための前提 メンバー 平野紫耀 神宮寺勇太 岸優太 3人は元King &...

YNW Melly裁判に衝撃の展開──証人妨害4罪状が開廷前日に消える!?

via @ynemelly instagram あのYNW Melly(本名:ジャメル・デーモンズ、26歳)に対する証人妨害など4つの罪状が、陪審員を選ぶ前日になって突然取り下げられたのです。 2026年1月20日、フロリダ州の法廷で異例の事態です。弁護団は「652日間も、成立しない罪で拘束されていた」と強く抗議しています。 でも、これで終わりではありません。2018年に起きた二重殺人事件の再審が、2027年1月に控えているからです。 何が終わって、何が続いているの まず整理。今回消えた罪状は、証人妨害、犯罪組織活動の指揮、殺人教唆、そして重大事件における証人妨害の共謀の4つです。これらはすべて、開廷前日に検察が自ら引っ込めました。 継続中の事件は、2018年10月26日に発生した二重殺人です。被害者はYNW Juvy(クリストファー・トーマス・Jr.、当時19歳)とYNW Sakchaser(アンソニー・ウィリアムズ、当時21歳)。2023年の裁判では陪審員の意見がまとまらず、評決不能で終わっています。 つまり、サイドストーリーがいったん幕を閉じ、本筋の殺人事件だけが舞台に残った状態です。 https://youtu.be/zz2-OH6zKN4?si=VM_MiQPXUKCUO5f5 検察が「前日撤退」を選んだ計算?? なぜこんな土壇場で取り下げたのでしょうか。検察が公開したメモに、答えのヒントがありました。「裁判官が核心証拠の採用をまだ決めていなかった」という一文です。 その核心証拠とは、拘置所内で録音された電話の内容でした。Mellyが重要証人に接触しようとした証拠だと検察は主張していましたが、マーティン・ファイン判事はその録音を法廷で使えるかどうか、判断を保留していたのです。 ここで検察は二つのシナリオを天秤にかけたそう。 一つ目は、陪審員を選んだ後で録音が却下されるリスクです。アメリカには「二重の危険」という原則があり、一度裁判が始まって無罪になると、同じ罪で再び起訴することはできません。弱い手札でゲームを始めれば、負けた瞬間にすべてを失います。 二つ目は、この録音を殺人事件の再審で使う選択肢を失うリスクです。証人妨害の法廷で却下されれば、本命の裁判でも同じ証拠を持ち出しにくくなります。 検察が選んだのは、証人妨害裁判を捨てて、殺人再審に証拠を温存する道でした。Melly側にとっては一つの勝利ですが、本丸の裁判で同じ証拠がより鋭い形で突きつけられる可能性が残っています。。 拘置所から飛び交った「暗号」 証人妨害事件には、ヒップホップ特有のコードが絡んでいましたそう。 検察の描いたストーリーはこうです。拘置所にいるMellyが、同じ施設の被収監者テレンス・マティスを仲介役として使い、保釈中だった共犯者YNW Bortlenに60回以上の電話をかけさせたというのです。 その通話で使われていたとされるのが、リアーナ、A$AP Rockyの子どもの母といったセレブの名前でした。実際にはMellyの元交際相手マライア・ハミルトンを指していたと検察は主張しています。マライアがメイバッハにいるか確認しろという指示も出ていたといいます。 検察の見立てでは、有名人の名前やブランド名を暗号にして、重要証人を黙らせる工作が行われていたということになります。 これに対し、弁護人のケアリー・ホーウォートは真っ向から反論。「録音があろうがなかろうが、最初から有罪にできる証拠などなかった」と。 2018年10月26日の夜に何が、、 証人妨害は、あくまで本筋の周辺で起きた騒動です。中心にあるのは、7年前のあの夜に何があったかという問いです。 2018年10月26日深夜、フロリダ州フォートローダーデール近郊でレコーディングを終えた4人がジープに乗り込みました。運転席にはYNW Bortlen、後部座席にはMelly、そしてJuvyとSakchaserが同乗していました。 その後、MellyとBortlenは病院に駆け込み、「走行中に銃撃された」と訴えました。しかしJuvyとSakchaserはすでに息絶えていました。 検察が提示したストーリーは、外部からの襲撃ではなく、車内での犯行でした。弾道分析によれば、銃弾は車外からではなく車内から発射されたとされています。スタジオを出るときの防犯カメラには、Mellyが運転席の後ろに座っている姿が映っていました。 検察の主張は明快です。Mellyが後部座席から2人を撃ち、Bortlenと共謀して「ドライブバイに遭った」ように偽装したというものです。 2023年の裁判では、陪審員は9対3で有罪寄りでしたが、全員一致には至りませんでした。少なくとも1人が「証拠不十分」を主張し、他の2人もその立場に回ったと報じられています。 共犯者Bortlen 事件のもう一人の被告、YNW...

A$AP RockyがDrakeにディスの応酬「だからお前の女を奪った」深掘り

幾度の延期を経て、A$AP Rockyがついに新アルバム『Don‘t Be Dumb』をリリースした。前作から実に8年ぶりとなる本作は、半ばリリース自体を諦めていたリスナーも多かっただけに、想定より早く手元に届いたことへの歓喜の声が広がっている。 https://twitter.com/kurrco/status/2011810889922421094?s=61 Tim Burtonが携わったカバーアート、豪華な客演陣、そして“ついに公開された“という事実だけでも話題性は十分なのだが、それだけで終わらないのがRockyという男だ。 今回、彼はアルバム内でDrakeに対し、触れれば切れてしまいそうな程鋭いディスを放ったのである。 「だからお前の女を奪った」Drake涙目のディス連発 問題の楽曲は4曲目「STOLE YA FLOW」だ。同楽曲において、RockyはDrakeについて以下のように言及した。 「まずお前が俺のフローを盗んだんだ、だからお前の女を奪った」 この一節は、DrakeがRockyのスタイルを模倣してきたという長年の疑惑、そしてDrakeの元カノであり、現在Rockyの妻であるRihannaの存在を強く示唆している。 極めて鋭利。自分が言われたら恥ずかしくて爆発すると思う。 続けて、Drakeに浮上していた整形疑惑のある腹筋に絡めたラインを披露。この疑惑については、すでに昨年のKendrick Lamarによる「Euphoria」、そしてMetro Boominの「BBL...

Kendrick LamarとPlayboi Cartiが、2025年Spotifyで最もストリーミング再生されたラップアルバム?

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⚠︎まずはじめに近年のヒップホップシーンを分析するうえで、ランキングやデータの「出どころ」を理解しておくことは欠かせない。本記事では、前回取り上げたSpotify公式のエディトリアル・プレイリストRapCaviar と、SNS上で影響力を持つデータアグリゲーター Hip Hop All Day の情報を併用しているが、両者は性質の異なる指標である。

RapCaviarはSpotify内部のデータと編集方針に基づいて構成された、Spotify自身が示す評価軸であるのに対し、Hip Hop All Dayはストリーミング動向をもとに独自に数値を集計・可視化した指標だ。特にHip Hop All Dayの数値は公式統計ではなく推定データであるため、本記事ではその特性を踏まえ、RapCaviarの公式的な視点と対照しながら読むための参考情報として位置づけていただきたい。⚠︎

さて。怒涛の2025年が過ぎ2026年を迎えたわけだが、早速Hip Hop All DayがSpotifyでストリーミングされたラップアルバムランキングを発表したので紹介する。どうやらこれが「最終版」だそうだ。

社会現象にもなったKendrick Lamar(ケンドリック・ラマー)の『GNX』のストリーミング再生回数は、なんと29億8000万回。カルト的な人気を博したPlayboi Carti(プレイボーイ・カルティ)の『MUSIC』は21億6000万回のストリーミング再生回数を記録した。

3位はTyler, The Creator(タイラー・ザ・クリエイター)の『CHROMAKOPIA』で、続いてKanye West(カニエ・ウェスト)の『Graduation』、またまたKendrick Lamar(ケンドリック・ラマー)の『DAMN.』、Doechii(ドーチ)の『Alligator Bites Never Heal』、Travis Scott(トラヴィス・スコット)の『UTOPIA』となっている。

Drake(ドレイク)の『Views』は8位、またまたTravis Scott(トラヴィス・スコット)の『ASTROWORLD』は9位、Metro Boomin(メトロ・ブーミン)の『HEROES & VILLAINS』が10位でトップ10を締めくくっている。

その他、今年リリースされたアルバムでトップ50にランクインしている注目すべき作品には、Central Cee(セントラル・シー)の『Can’t Rush Greatness』、Lil Tecca(リル・テッカ)の『DOPAMINE』、Lil Baby(リル・ベイビー)の『WHAM』などがある。

  • #1: GNX — 2.98b
  • #2: Music — 2.16b
  • #3: CHROMAKOPIA — 1.66b
  • #4: Graduation — 1.50b
  • #5: DAMN. — 1.45b
  • #6: Alligator Bites Never Heal — 1.39b
  • #7: UTOPIA — 1.39b
  • #8: Views — 1.35b
  • #9: ASTROWORLD — 1.31b
  • #10: Heroes & Villains — 1.29b
  • #11: The Eminem Show — 1.29b
  • #12: Take Care — 1.23b
  • #13: Goodbye & Good Riddance — 1.13b
  • #14: Get Rich Or Die Tryin’ — 1.12b
  • #15: Black Panther OST — 1.10b
  • #16: good kid m.A.A.d city — 1.08b
  • #17: ? — 1.07b
  • #18: Certified Lover Boy — 1.04b
  • #19: For All The Dogs — 960m
  • #20: More Life — 948m
  • #21: Scorpion — 936m
  • #22: Flower Boy — 927m
  • #23: 17 — 912m
  • #24: HARDSTONE PSYCHO — 860m
  • #25: My Beautiful Dark Fantasy — 829m
  • #26: TAKE CARE — 827m
  • #27: Love Sick — 827m
  • #28: Can’t Rush Greatness — 825m
  • #29: We Don’t Trust You — 824m
  • #30: 2014 Forest Hills Drive — 792m
  • #31: 2001 — 782m
  • #32: Marshal Mathers LP — 754m
  • #33: Birds In The Trap — 730m
  • #34: The Heist — 725m
  • #35: Luv Is Rage 2 — 712m
  • #36: Shoot For The Stars… — 712m
  • #37: One Of Wun — 690m
  • #38: Legends Never Die — 679m
  • #39: Recovery — 676m
  • #40: Dopamine — 673m
  • #41: A Great Chaos — 642m
  • #42: Mr. Morale & The Big Steppers — 638m
  • #43: We Love You Tecca — 639m
  • #44: Death Race For Love — 623m
  • #45: Camp — 620m
  • #46: Whole Lotta Red — 615m
  • #47: WHAM — 608m
  • #48: Dark Lane Demo Tapes — 607m
  • #49: Encore — 603m
  • #50: All Eyez On Me — 603m

やはり気になるのは、2025年にリリースされたアルバムではなく、往年の名作たちがチラホラ散見される点である。それだけ根強い人気を誇っているのだろう。またこの結果は、新作ヒットの苦戦を反映しているともいえる。

今年の新作に期待したい!

なお、本ランキングはあくまでHip Hop All Dayによる推定データをもとにした参考指標であり、Spotify公式の評価軸ではない。一方で、RapCaviarのような編集的プレイリストでは捉えきれない「旧譜を含めた実際の聴取傾向」や「日常的に再生され続けている作品群」を可視化している点は、本データの大きな意義でもある。公式指標と推定データ、その両方を並べて読むことで、2025年のヒップホップがどの作品によって“語られ”、どの作品によって“支えられていたのか”が、より立体的に浮かび上がってくるだろう。

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