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大門弥生とは何者か──踊り、書き、仲間を探し、ステージまで組む人

アーティスト情報17 min read

大門弥生は、踊れるシンガーであり、ラッパーであり、DJであり、作詞・作曲と振付も担う。だが、肩書きを足していくだけでは、この人の仕事は見えてこない。

大阪で先に身体を覚え、rhythmicで歌って踊り、ソロになって自分の言葉を書いた。女性だけが出演するGIRL’S POWERを少なくとも2015年から続け、LAでは知り合いのいない状態からダンサーを探し、4SHOOTERS ONLYの一本を組んだ。大門弥生は踊る、書く、現地で仲間を探す、そしてステージまで組む。作品と場づくりを切り離さないことが、そのキャリアの中心である。

30秒でわかる大門弥生プロフィール

項目 内容
名義 大門弥生(YAYOI DAIMON / Yayoi Daimon)
出身 大阪府
現在の拠点 ロサンゼルス。本人は2024年から在住と説明している
表現領域 歌、ラップ、DJ、作詞・作曲、ダンス、振付、ステージ制作
キャリアの起点 大阪のヒップホップ・ダンス現場、rhythmicでのメジャーデビュー
場づくり GIRL’S POWER(少なくとも2015年〜)、SISTERHOOD(2023年発表)
主要作 『WorkHard LoveHard』、「Choose Me」「メロンソーダ」「ヒールで仁王立ち」「NO BRA!」「KETSUFURE」「Back It Up」「Circulation」
2026年8月18日時点の最新確認作 「Rock Ya Body」(2026年6月12日)
公式 公式サイト / YouTube / Instagram / X

Apple Musicには1991年4月11日と表示されるが、本人公式サイト・本人取材で照合できないため、本稿の基礎プロフィールには採用しない。大阪府内の市区町村も固定しない。活動年や作品の評価は、本人公式の自己紹介だけでなく、配信クレジット、同時代の告知、結果資料を照合した。

先に結論──大門弥生は「曲」だけでなく、曲が立つ場所を作る

大門のキャリアには、三つの仕事が繰り返し現れる。第一は、ダンスを基礎に曲の身体を作ること。第二は、強がりも迷いも自分の言葉へ変えること。第三は、その曲が必要とする人と場所を自分で集めることである。

2018年の「ヒールで仁王立ち」はSHINGO★西成の添削を受けたからこそ強くなり、その完成度が次の作詞を難しくした。「NO BRA!」はその苦しさの中で書き上げた。2025年の「Back It Up」は、LAでダンサーの知り合いがいないため、レッスンへ通い、声をかけるところから始まった。成功談だけでなく、書けない時期と仲間がいない時期まで制作工程に含めると、一本の方法が見える。

踊る──大阪のダンス現場が、すべての文法になった

HIPHOPCsの本人取材で、大門は10代半ばに大阪のクラブで大人に混じってヒップホップダンサーとして活動したと振り返る。2010年にはテレビ番組のオーディションを経て、ダンスボーカルユニットrhythmicでメジャーデビュー。本人の説明では、当時も担当の中心はダンスだった。

この順番が重要だ。歌手が後から踊りを足したのではない。先にリズムを身体で理解し、その後に歌とラップと作詞が重なった。本人も同取材で、歌、ラップ、ダンスを自分の中で明確に分けていないと説明している。ダンスホール、R&B、ヒップホップを横断しても、曲が散らばって聞こえにくい理由はここにある。

HIPHOPCsの大阪Rap Atlasが示すように、大阪のラップは一つの音ではない。ジャパレゲ、クラブ、ダンス、地域語の回路が隣接する。大門はその交差を、関西弁の言葉と踊れるステージへ持ち込んだ。

書く──「強い女性像」は、最初から完成していたわけではない

rhythmicからソロへ、自分の言葉を引き受ける

rhythmic解散後、大門はソロへ移った。2014年5月21日、エイベックスとの契約終了を公式サイトで公表し、同年9月から活動拠点を東京へ移す一方、関西でも活動を続けると記した。2016年11月9日の1stアルバム『WorkHard LoveHard』は、歌、作詞、作曲、振付を一つの名義へ集め直した記録である。

HIPHOPCsの本人取材によれば、大門が本格的に歌詞を書き始めたのはグループ活動後で、作詞は独学だった。ダンスで身につけたリズムを、自分の言葉へ変換する試行錯誤がソロ活動の中心になった。

「ヒールで仁王立ち」から「NO BRA!」へ

2018年の「ヒールで仁王立ち」は、SHINGO★西成がプロデュースし、大門の歌詞を添削した。本人はHIPHOPCsの取材で、その完成度がプレッシャーとなり、次の言葉を書きにくくなったと話している。

続く「NO BRA! feat. あっこゴリラ」は、書けない時間の中で、プロデューサーXLIIの肯定を受けて形になった。二曲は「強い女性」という同じ見出しでまとめられがちだが、制作過程は違う。前者は先輩との推敲、後者は自分の言葉を信じ直す作業だった。

「Circulation」──鎧を脱いでも中心は消えない

2026年の「Circulation」は、強いアンセムの反対側にある。本誌の独占取材で、本人は直感的に書けたこと、目立つ曲ではなくても「作ってない自分が100%出せてる」と感じたことを明かした。

これは過去の強さの否定ではない。「ヒールで仁王立ち」で描いた人物像へ、生活と内面が時間をかけて追いつき、強さと迷いを同じ名義で歌えるようになった変化である。大門の歌詞はペルソナを切り替えるより、その時点の本人を更新していく。

なお、Apple Musicの公式配信表示では、2026年6月12日の「Rock Ya Body」が8月18日時点の最新確認作である。「Circulation」を最新作とは表記せず、内省へ開いた重要作として位置づける。

場を作る──GIRL’S POWERは2015年から続く実務だった

大門のフェミニズムは、歌詞の主題だけではない。TuneCore Japanの2020年の公式アーティスト紹介は、女性アーティストのポジション向上を目的に、出演者を女性だけで構成する「GIRL’S POWER」を2015年からプロデュースしていると記録する。

開始年は後年のプロフィールだけに頼らない。2015年7月21日には、出演者Yup’inによる「翌日、渋谷Gladで#ガルパワに出演する」という同時代の告知記録が残る。少なくとも2015年夏には、名称と出演の実体が確認できる。

2017年のGIRL’S POWER TOKYOでは、大門とSHIOR!が女性限定のバックダンサー・オーディションとワークショップを実施した。本人の当時告知には、出演日、会場、リハーサル日程、参加条件まで残っている。女性だけのイベントを掲げただけではなく、次に舞台へ立つダンサーを探し、練習し、出演まで接続した。

2020年3月には、GIRLS POWERという主題を『GIRLS –STRONG–』『GIRLS –LOVE–』『GIRLS –DIAMONDS–』の3作へ分けた。公式配信ページ同時代報道で、3月8日、18日、28日の連続リリースと収録曲を確認できる。強さ、恋愛、仲間を一枚に押し込めず、違う女性像として並べた。

SISTERHOOD──イベントから、継続する制作チームへ

公式プロフィールは、2023年に女性オンリーのクルーSISTERHOODを発表したと記す。GIRL’S POWERが出演機会を作るイベントだったのに対し、SISTERHOODは歌手、ダンサー、メイクアップ/デザイン、DJが継続的に制作する体制である。

FabCafe Tokyoの公式イベントページでは、大門、BROWNFISH ERI、MARIN KADOWAKI、XUNAをメンバーとして掲載し、Vol.0の大阪、Vol.1のソウル、Vol.2のVR LIVE、Vol.3の東京という「Sis Sis」の展開を記録している。「音に国境はない」という理念を、都市を移動するパーティーへ変えた。

ここで見えるのは、「女性を応援する」という抽象論ではない。歌う人、踊る人、装う人、音をつなぐ人が一緒に働ける編成を作ることだ。2015年のイベント、2020年の作品集、2023年のクルーは別企画ではなく、出演枠から制作体制へ少しずつ範囲を広げた線上にある。

LA──移住とは、知名度を持ち込むことではなく、仲間を探し直すこと

LAとの関係には二つの時期がある。本人公式プロフィールとTuneCoreの紹介によれば、2019年には約1年間をLAで過ごし、「KETSUFURE」が米国のSNSを経由して広がり、HOT 97のThe Heavy Hittersでも紹介された。HOT 97側の一次アーカイブは確認できないため、これは本人側の説明として記録する。2024年には生活ごと移し、本人が本誌取材で「家探しから始めた」と説明する、本格的な移住へ進んだ。

「Back It Up」の4SHOOTERS ONLY出演は、その移住を成果だけでなく工程から見せる。大門はLAにダンサーの知人がいなかったため、レッスンへ通い、良いと思った人へ声をかけた。共演予定者の事情で構成が変わると、日本人ダンサーを中心に組み直し、衣装と演出を再設計した。

4SHOOTERS ONLYは所属クルーではなく、パフォーマンス映像を届ける米国のメディア・フォーマットである。Ice SpiceやSexyy Redも扱われた媒体へ出たことと、彼女たちと同じステージで共演したことは同義ではない。本稿では、到達先の名前より、現地でチームをゼロから組んだ事実を重く見る。

2026年4月のO.C. Japan Fair / Freedom L.A.では、Freak City L.A.と組んだ「Tokyo Gyal Party」を披露した。HIPHOPCsの現地ライブレポートを読むと、「Circulation」の内省と「Back It Up」の強度が、同じステージの中でどう並んだかを確認できる。

作品で見る「踊る・書く・組む」の変化

作品/活動 踊る 書く 組む
『WorkHard LoveHard』(2016) 振付を含むソロの身体 仕事と恋愛を自分の名義へ 客演を迎えた初アルバム
「Choose Me」「メロンソーダ」(2017) レゲエとヒップホップの軽さ 異なる女性像をRei©hiと並べる 大阪出身の二人とLA撮影
「ヒールで仁王立ち」(2018) 関西弁をステージの姿勢へ SHINGO★西成との推敲 先輩の編集を受け入れる
「NO BRA!」(2018) 主張をクラブで動く曲へ スランプの中で自分の言葉へ戻る あっこゴリラ、XLIIとの共同制作
『GIRLS』3部作(2020) ダンスホールからバラードまで 強さ、恋愛、仲間を分ける GIRLS POWERを作品構成へ
「Rich or Dead Asian Girls Remix」(2020) 複数言語の声を一曲へ コロナ禍の収入と連帯 日本、韓国、台湾の女性を接続
「Back It Up」(2025) 一曲を通したダンス 日本語・英語・スペイン語 LAでダンサー探しから撮影まで
「Circulation」(2026) 身体を前に出しすぎない余白 内省を全編英語で書く 強いアンセムとは別の入口を作る
「Rock Ya Body」(2026) 6月12日配信。最新確認作として記録し、制作背景は一次資料が揃うまで推測しない

最初に聴く10作──方法が広がる順番で

  1. 『WorkHard LoveHard』:歌、ダンス、作詞をソロ名義へ集めた原点を聴く。
  2. 「Choose Me feat. Rei©hi」:シンガーとラッパーの役割がどう交代するかを見る。
  3. 「メロンソーダ feat. Rei©hi」:同じ二人が別の温度を作る比較用の一曲。
  4. 「ヒールで仁王立ち」:関西弁、姿勢、先輩との推敲が一つになった代表作。
  5. 「NO BRA! feat. あっこゴリラ」:主張を踊れる共同制作へ変えた曲。
  6. 「KETSUFURE」:日本語の身体性が米国の視聴者へ届いた転機。
  7. 「Rich or Dead Asian Girls Remix」:女性連帯を国籍の違う声で作る。
  8. 「Back It Up」:音源だけでなく、現地チームを組む制作力まで見る。
  9. 「Circulation」:鎧を脱いだ後に残る声を聴き、現在地へ着地する。
  10. 「Rock Ya Body」:2026年8月18日時点の最新確認作まで追いつく。

関係者地図──誰と、何を一緒に作ったか

人物/チーム 関係 大門の方法に与えた役割
SHINGO★西成 「ヒールで仁王立ち」のプロデュース/歌詞添削 大阪の言葉を研ぎ、次の作詞課題まで作った
XLII 「NO BRA!」「まけんな」「Back It Up」など 書けない時期を支え、国境を越える音の床を作った
Rei©hi 「Choose Me」「メロンソーダ」など 異なる声と女性像を同じ曲へ置いた
あっこゴリラ 「NO BRA!」客演 自己決定の主題を二人のラップへ変えた
Pyra / Ramengvrl 「Yellow Fever」 アジアの女性三人を一曲へ接続した
Jenn Morel / Walshy Fire 「Back It Up」 日本語・スペイン語・英語のダンスホール作品を作った
BROWNFISH ERI / MARIN KADOWAKI / XUNA SISTERHOOD ダンス、衣装/デザイン、DJを継続するチームへした
Freak City L.A. O.C. Japan Fairの共同演出 東京のギャル像をLAの衣装とステージへ翻訳した

年表──作品と「場」を同じ線で見る

年/日付 確認できる出来事 本稿での意味
2010年 rhythmicのメンバーとしてメジャーデビュー 歌より先に培ったダンスを職業のステージへ持ち込む
2013年 rhythmic解散後、ソロ活動へ 自分の言葉と名義を引き受ける
2014年9月 東京へ活動拠点を移す メジャー契約後の制作体制を組み直す
2015年 出演者を女性で構成するGIRL’S POWERをプロデュース 女性の言葉を、実際の出演枠へ変える
2016年11月9日 1stアルバム『WorkHard LoveHard』 歌、作詞・作曲、振付をソロ作品へ統合
2017年 GIRL’S POWER TOKYOで女性限定ダンサー募集。「Choose Me」「メロンソーダ」を発表 ステージと音源の両方で次の女性表現者と組む
2018年 「ヒールで仁王立ち」「NO BRA! feat. あっこゴリラ」 強い女性像と作詞の葛藤が同時に生まれる
2019年 約1年間LAを拠点に活動。「KETSUFURE」が米国で拡散 日本語の身体性が国外の反応から広がる
2020年3月 『GIRLS』3部作を順次発表 GIRLS POWERを三つの作品像へ分ける
2022年 『My Own Boss』『I Need To Be Me, You Need To Be You』 独立後の仕事と自己決定を作品名からも明確にする
2023年 SISTERHOODを発表 イベントから継続的な制作クルーへ進む
2024年 ロサンゼルスへ本格移住 生活とチームを現地で一から作り直す
2025年8月15日 「Back It Up」を発表 多言語の音源とLAのダンスチームを接続
2026年3月20日 「Circulation」を発表 強いアンセムだけではない現在の声を提示
2026年4月3日 O.C. Japan Fair / Freedom L.A.に出演 「Tokyo Gyal Party」を現地の協働でステージ化
2026年6月12日 「Rock Ya Body」を発表 8月18日時点で確認できる最新リリース

調査で直したこと、断定しなかったこと

  • GIRL’S POWERの開始:TuneCore Japanの紹介が「2015年から」と明記し、2015年7月の出演者による同時代告知も確認できたため採用した。
  • NME Awards 2022:大門の公式プロフィールには「受賞」とあるが、NMEの結果では、Pyra feat. Ramengvrl & YAYOI DAIMON「Yellow Fever」は候補、受賞作はWarren Hue「Omomo Punk」。本稿では受賞と書かない。
  • 4SHOOTERS ONLY:大門がIce SpiceやSexyy Redと共演したとは書かない。同じ媒体で扱われたことと、同じ舞台に立つことを区別した。
  • 「KETSUFURE」の数字:SNS再生数は時点と表現に揺れがあるため、固定値を評価の中心に置かず、米国で拡散しHOT 97に紹介された範囲に留めた。
  • SISTERHOODの「日本初」:主催側の自己紹介としては存在するが、第三者が網羅的に検証した称号ではないため本文の断定には使わない。
  • 生年月日と出生市:Apple Musicには1991年4月11日と表示されるが、本人公式サイト・本人取材で照合できないため基礎プロフィールへ採用しない。出身は確認できる大阪府までとする。
  • 2026年の未発表作:本人が過去の取材で話した予定は、発売確認が取れるまでディスコグラフィーへ加えない。
  • 2026年の最新作:配信確認の取れた「Rock Ya Body」は追加したが、制作背景は信頼できる一次資料を確認できないため推測しない。

よくある質問

大門弥生は何者?

大阪出身、ロサンゼルス拠点のシンガーソングライター/ラッパー/DJ/プロデューサー。ダンスを起点に作詞・振付・ステージ制作まで担い、GIRL’S POWERとSISTERHOODを通して女性表現者の場も作ってきた。

大門弥生の代表曲は?

最初の入口は「ヒールで仁王立ち」「NO BRA! feat. あっこゴリラ」「KETSUFURE」。幅を見るなら「Choose Me」「メロンソーダ」「Back It Up」「Circulation」まで続けて聴きたい。

GIRL’S POWERはいつ始まった?

TuneCore Japanの公式アーティスト紹介は2015年からと記載する。同年7月には出演者による「#ガルパワ」の会場告知も残っている。

SISTERHOODとは?

大門が2023年に発表した女性オンリーの制作クルー。大門、BROWNFISH ERI、MARIN KADOWAKI、XUNAが、歌、ダンス、デザイン、DJを持ち寄り、「Sis Sis」を大阪、ソウル、VR、東京へ展開した。

なぜLAへ移った?

本人は米国での活動基盤を作るため2024年からLAに住むと説明している。日本で得た知名度をそのまま使うのではなく、住居、制作、人間関係を現地で作り直している。

大門弥生は4SHOOTERS ONLYのメンバー?

所属メンバーではない。「Back It Up」のために自ら集めたチームで、同メディアのパフォーマンス映像へ出演した。

「Circulation」はそれまでの強い曲と違う?

全編英語で内省的な曲だが、本人は作っていない自分を出せたと話す。強い女性像を捨てたのではなく、鎧の内側まで同じ名義で表現できるようになった作品と読める。

HIPHOPCsで次に読む──人物、地域、現場へ回る

資料と線引き

  • 最終事実確認:2026年8月18日。
  • 本人発言:HIPHOPCsの独占取材2本を要約した。短い言葉以外は長く転載していない。
  • 経歴:本人公式サイト、当時の公式告知、配信ストアのクレジットを優先した。
  • 場づくり:GIRL’S POWERはTuneCore Japanと2015年の出演告知、SISTERHOODは公式プロフィールとFabCafeの主催ページで照合した。
  • 受賞・評価:自己紹介と主催者の結果が食い違う場合は、賞の公式結果を優先した。
  • 編集部の解釈:「踊る・書く・現地で仲間を探し、ステージまで組む」は、作品、イベント、本人取材を横断したHIPHOPCsの評価であり、本人の肩書きではない。

主要参照

大門弥生をどう評価するか

大門弥生の強みは、ジャンルをいくつ横断したかではない。大阪のダンス現場で覚えた身体を、歌とラップへ移し、自分だけでは書けない時に先輩とプロデューサーの手を借り、女性の出演枠が足りなければイベントを作り、継続する仲間が必要になればクルーを組んだ。LAで知人がいなければ、レッスンへ通ってダンサーを探した。

つまり、独立とは一人で全部やることではない。自分の曲に必要な人を見つけ、その人が立てる場所まで設計することだ。「ヒールで仁王立ち」の強さと「Circulation」の内省が同じ人物から出るのも、その間にGIRL’S POWER、SISTERHOOD、移住、出産、現地制作という実務が積み重なったからである。

踊る。書く。仲間を探す。ステージまで組む。大門弥生が作ってきたのは、強い女性像だけではない。その像を一人で背負わず、別の女性たちも実際に立てる構造だった。

アイキャッチ:JapaneseMusicNews撮影「YAYOI DAIMON PHOTO23」/Wikimedia Commons、CC BY-SA 4.0。16:9トリミング・WebP変換。本改変版もCC BY-SA 4.0で利用。

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