HIPHOPCs Global Hip-Hop, JP.

SALUがSKY-HIに向けたピースサイン|BMSG FESと7年前の共作曲

ホーム » uncategorized » SALUがSKY-HIに向けたピースサイン|BMSG FESと7年前の共作曲

10月10日から12日まで東京・お台場で開かれた「BMSG FES’26」。SALUがSKY-HIとの関係を語ったMCを、複数の観客がXに書き残している。

10月13日の観客の投稿によれば、SKY-HIのまわりにはすでに優秀な人たちがいるから、自分は「右腕にはなれないかもしれないけど」、中指と人差し指としてそばにいたい。SALUはそんな趣旨の言葉とともに、ピースサインを作ったという。

この身ぶりに重なるのが、2019年の共作曲「Things To Do」だ。中指と人差し指で作るピースは、7年前の歌詞にもある。今回のMCと、2人が残してきた曲を並べて読むと、その言葉の響き方が変わってくる。

スポンサーリンク

ピースサインの前に語られた空白

10月12日の別の投稿は、SALUがSKY-HIと連絡を取らなくなったことや、音楽から離れていたことをMCで話したと記録している。そのあとに「In My Yours」を歌ったという流れは、もう一つの投稿にも残る。

指のたとえは、初日の配信を見た記録、2日目についての記録、最終日の配信を見た記録に登場する。ただし、言葉の細部には違いがある。本稿では、観客による書き起こしとして扱う。

曲順を記録した非公式セットリストでは、「In My Yours」のあとにSKY-HIとの「Run Ya」「Things To Do」が続く。新曲から7年前の共作へ進む並びは、最終日のLiveFansの記録でも確認できる。

「Things To Do」と「In My Yours」にあるピース

「Things To Do」は、2019年9月発売の『Say Hello to My Minions 2』を締めくくる曲で、プロデュースはChaki Zulu(SKY-HI公式ディスコグラフィー)。歌詞には、敵意を示す中指の身ぶりを、もう1本の指でピースに変える場面がある。相手の敵意をそのまま返さず、自分たちの歩みを続けるという姿勢だ。

今年7月10日に出た「In My Yours」にも、ピースを選ぶという趣旨の一節がある。曲には、連絡から目を背けていた日々や、先へ進んでいく相手を見つめる気持ちが描かれている(AWAの歌詞ページ)。MCのあとにこの曲を聴いて、SKY-HIとの関係を思い浮かべた観客もいる。ただし、歌詞に相手の名前は出てこない。

BMSGのリリースによると、「In My Yours」はPOP YOURS 2026で初披露され、2012年のデビュー作『IN MY SHOES』から続く「In My」シリーズの一曲として発表された。今回のフェスより前から、SALU自身の歩みの中にあった曲である。

2枚の共作アルバムから、Bullmoose Recordsへ

2人の共作アルバムは、2016年10月の『Say Hello to My Minions』に始まる。当時のSALU公式サイトによれば、ラジオ番組で意気投合し、一緒にスタジオへ入ったことが制作のきっかけだった。2019年9月には、第2弾『Say Hello to My Minions 2』が続いた。

2025年4月には、SKY-HIが率いるBMSGの自社レーベルBullmoose Recordsが、SALUとの契約を発表した。アーティストごとに契約内容を組み立てる「FlexDeal」の導入とともに告知されたものだ(BMSG公式発表)。

そして今年、SALUはBMSG FESのメインステージに初参加した。主催者の閉幕リリースによれば、フェス全体の来場者は3日間で延べ10万人超。共作アルバムから10年を迎える2人が、BMSGが主催するフェスで並ぶまでには、こうした経緯がある。

BMSGの組織と事業の背景は、資本提携と「第二創業期」を解説した記事で整理している。

スポンサーリンク

日替わりの3曲が映すSALUのつながり

観客のセットリスト記録では、SALUの「In My Life」と「In My Yours」の間に、日替わりで次の3曲が置かれている。

  • 10月10日(DAY1):「PICTURE PERFECT」。Novel Coreが客演した、2024年9月発表のSALUの曲(Billboard JAPAN)。
  • 10月11日(DAY2):「Airplane Mode feat. AKLO」。2026年3月4日発表のSALUの曲(OTOTOY)。
  • 10月12日(DAY3):「247」。2024年7月発表のKohjiya「247 (feat. SALU)」で、SALUが客演した側の曲だ(Apple Music)。

2日目に選ばれた曲の客演相手、AKLOとの関係も長い。2人は2011年のJAY’ED「Brave Heart (feat. AKLO & SALU)」にそろって参加している(Apple Music)。その翌年、北海道生まれのSALUは1stアルバム『In My Shoes』をONE YEAR WAR MUSICから発表した。背景は北海道・札幌のRap Atlasでもたどれる。

SKY-HIとの共作に加え、長く組んできたAKLO、BMSGのNovel Core、若い世代のKohjiya。日替わりの選曲からは、SALUが重ねてきた共演の広がりも見える。

HIPHOPCsの見立て

「Things To Do」のピースは、敵意を向けてくる相手への返し方として描かれていた。今回、観客が記録したMCでは、同じ2本の指がSKY-HIのそばにいるためのたとえになる。ヒップホップで使い慣れた身ぶりに、2人の関係を語る意味が加わった、と読める。

MCが特定の歌詞を意図したものかは、本人の説明として確認できていない。それでも、空白を語ったという言葉のあとに新曲があり、その先に2人の共作がある。7年前の曲を今の関係から聴き直せることが、この場面の面白さだ。

公演はPrime VideoのPPVで見逃し配信中。BMSG公式の案内では、視聴期限は10月26日23時59分となっている。

出典と確認範囲

MCの記述は、以下のX投稿7件(6アカウント)による。中指と人差し指を記したものは5件、中指と薬指を記したものは1件、ピースを作る指の組み合わせを明記しないものは1件だった。直接引用は10月13日の投稿にある文言の一部を用いた。公演音声との照合は未実施で、セットリストも観客の記録にもとづく。楽曲とMCのつながりは編集部の解釈であり、歌詞は引用せず内容を言い換えている。

アイキャッチ:BMSG FES’26に出演したSKY-HI。撮影:田中聖太郎。出典:BMSG公式プレスリリース(PR TIMES)。