via @badbunnypr @leftygunplay instagram
2026年グラミー賞 受賞結果速報
第67回グラミー賞が2026年2月に開催されました。今年は特に、ヒップホップとラテン音楽の存在感が際立つ結果となっています。
主要4部門の結果をお伝えします。Record of the YearはBad Bunnyの「DtMF」が受賞しました。Album of the Yearも同じくBad Bunnyの「DeBÍ TiRAR MáS FOToS」。
Song of the YearはBillie Eilishの「WILDFLOWER」、そしてBest New ArtistはOlivia Deanが獲得しています。
今年のキーポイントは明確です。Bad BunnyがRecordとAlbumの両部門を制覇した一方、Song of the YearはBillie Eilishが獲得しました。英語・スペイン語という言語の違いを超え、作品そのものが評価軸になったことを象徴する結果となっています。
Lefty Gunplayの衝撃 — 知られざるグラミー受賞者
2026年2月1日のグラミー賞を見ていた方なら、ある名前が気になったはずです。Lefty Gunplay(レフティ・ガンプレイ)。
Kendrick Lamarの「tv off」でBest Rap Songを受賞したこの楽曲、実はフィーチャリングに名を連ねていたのがこのLeftyなんですよね。「Crazy, scary, spooky, hilarious」というあのアウトロ、聴いたことありませんか?TikTokでバズまくったあれです!
Lefty Gunplayって誰?
まず基本情報から押さえておきましょう。
カリフォルニア州Baldwin Park(サンガブリエルバレー)の29歳のラッパーです。
ルーツはグアテマラ人の母、ミシシッピ出身の白人の父、そして注目したいのが、彼の経歴です。
18歳のときにパーティーでの発砲事件により9年間収監されています。刑務所にいる間に、同じく収監されていたラッパーのJap5と出会い、本格的にラップを始めたそうです。2023年後半に出所してからラップを始めてわずか数年で、Kendrick Lamarの楽曲にフィーチャリングされ、グラミーを獲得。
この復帰から数年でグラミーというスピード感、ちょっと異常ですよね。
彼のスタイルはこちらの記事をテェック!↓
なぜKendrickはLeftyを起用したのか?
僕なりに3つの理由を考えてみました。
まずWest Coastの地図を広げたかったという点があ流と思います。L.A.のヒップホップといえばComptonやLong Beach、Inglewoodが定番です。でもLeftyはサンガブリエルバレーのBaldwin Park出身なんです。メインストリームからは見えにくい場所ですが、そこにもリアルな声がある。Kendrickはその地図を広げたかったんじゃないでしょうか。
次にヒップホップの原点に戻りたかったという意図です。悪い雰囲気、服役からの復活、出所後に精力的にプロジェクトをリリースしていく姿勢。このストリートからの脱出という物語は、ヒップホップの原点ですよね。
そしてラティーノの時代を加速させたかったという狙いもあると思いました。Bad Bunnyがスペイン語でAlbum of the Yearを獲った同じ夜に、ラテン系のルーツを持つラッパーがグラミーにクレジットされている。2026年はラテンがアメリカ音楽の中心に完全に組み込まれた年でした。
スーパーボウルには出なかった
ここでもうひとつ触れておきたいのが、スーパーボウルLIXのハーフタイムショーです。
2026年2月9日、Kendrick Lamarがヘッドライナーを務めたこのショー。「tv off」もセットリストに入っていましたが、Lefty Gunplayの出演はありませんでした。
SNSでは「どこにLeftyは?」という声が上がりましたが、本人はあまり気にしていない様子。むしろ、あの「Crazy, scary, spooky, hilarious」のフレーズを使ったマーチャンダイズを販売して、しっかり稼いでいます。
このあたりのしたたかさもまた、ストリート出身らしいと言えるかも。
日本のヒップホップシーンとの接点
では、Lefty Gunplayの存在が日本のシーンとどう繋がるのか?
出所後の復活
日本語ラップでも、NORIKIYOやANARCHYなど、一度落ちたところからの復活というナラティブを持つラッパーが評価されてきました。Leftyの9年という期間は、日本の感覚からすると相当長いですが、経験を削らずに表現するという点では共通していますよね。
フッドを背負う姿勢
Leftyは一貫してBaldwin Parkを代表する存在として動いています。彼のMVのコメント欄には「BPを背負ってくれてありがとう」という地元ファンのコメントが並んでいました。
これは、Watsonが徳島をBAD HOPが川崎を、舐達麻が熊谷を背負ってるって感じですよね。「フッドレプ」の重要性は、国境を越えて共有されているんだと思います。
「Crazy, scary, spooky, hilarious」の意味
「tv off」のアウトロでLeftyが繰り返すこのフレーズ。狂ってる、怖い、不気味、笑える。これってストリートの現実そのものですよね。毎日が狂ってる。怖いことが起きる。不気味な空気が漂う。でも、どこか笑えてしまう。そういう感覚が、この4つの形容詞に凝縮されている気がします。
主要4部門の詳細
Record of the Year:Kendrick Lamar & SZA「luther」
Kendrick LamarとSZAの「luther」がRecord of the Yearを受賞しました。内省的でエモーショナルな楽曲が、最高峰のレコーディングとして評価された結果ではないでしょうか。
Album of the Year:Bad Bunny「DeBÍ TiRAR MáS FOToS」
Bad Bunnyの「DeBÍ TiRAR MáS FOToS」がAlbum of the Yearを受賞しました。スペイン語アルバムが主要部門を制覇するのは、グラミー史においても画期的な出来事だと思います。
この結果は、グラミーが英語圏だけでなくグローバル市場の現実を認めたことを示しているのかもしれません。ストリーミング時代において、再生数とカルチャー影響力の両方が評価基準になってきているように見えます。
Song of the Year:Billie Eilish「WILDFLOWER」
Billie Eilishの「WILDFLOWER」がSong of the Yearを受賞しました。彼女の内省的でパーソナルな表現が、ソングライティングとして高く評価された結果ではないでしょうか。
Best New Artist:Olivia Dean
新人賞を獲得したOlivia Deanは、ソウルフルなボーカルと現代的なプロダクションを融合させたアーティストです。
ヒップホップ部門:2026年グラミー確定結果
2026年のグラミーにおいて、ヒップホップは主要ジャンルの一角としてしっかりと存在感を示していました。
| 部門 | 受賞者・楽曲 |
|---|---|
| Best Rap Performance | Clipse feat. Kendrick Lamar & Pharrell Williams「Chains & Whips」 |
| Best Rap Song | Kendrick Lamar「tv off」 |
| Best Melodic Rap Performance | Kendrick Lamar & SZA「Luther」 |
| Best Rap Album | Kendrick Lamar「GNX」 |
この結果が示しているのは、瞬間的なバズではなく、作品単位・アルバム単位での評価が重視されているということではないでしょうか。
Best Rap Album:Kendrick Lamar「GNX」
Kendrick Lamarの「GNX」がBest Rap Albumを受賞しました。この受賞により、Kendrick LamarはJay-Zを抜いてグラミー史上最多受賞ラッパーとなっています。
「GNX」が評価された理由としては、単発のヒットではなくアルバム全体としての完成度が挙げられると思います。Kendrickは商業的成功を収めながらも、社会への視点を保ち続けているアーティストだと感じます。
Best Rap Performance:Clipse feat. Kendrick Lamar & Pharrell Williams「Chains & Whips」
Clipseの「Chains & Whips」がBest Rap Performanceを受賞しました。Kendrick LamarとPharrell Williamsをフィーチャリングしたこの楽曲は、世代を超えたコラボレーションとして注目されていました。
Clipseの受賞が意味するのは、ヒップホップが若さとトレンドだけでなく、歴史と一貫性でも評価される時代に入ったということかもしれません。
Best Melodic Rap Performance:Kendrick Lamar & SZA「Luther」
Kendrick LamarとSZAの「Luther」がBest Melodic Rap Performanceを受賞しました。怒りや告発ではなく、内省と共感を重視した楽曲だと感じます。
日本のJJJやSTUTS、BIMが示す「余白のあるラップ」と、どこか共通するものがあるように思えます。
R&B部門:伝統と革新の融合
R&Bは、クラシックな歌唱法と現代的プロダクションの両方を評価する、懐の深いジャンルとして進化しているように見えます。
| 部門 | 受賞者・楽曲 |
|---|---|
| Best R&B Performance | Kehlani「Folded」 |
| Best Traditional R&B Performance | SZA「Crybaby」 |
| Best R&B Song | Kehlani「Folded」 |
| Best Progressive R&B Album | Durand Bernarr「Bloom」 |
| Best R&B Album | Leon Thomas「MUTT」 |
Best R&B Album:Leon Thomas「MUTT」
Leon Thomasの「MUTT」がBest R&B Albumを受賞しました。R&Bとヒップホップの境界線を意識的に曖昧にするアーティストという印象があります。
日本のSIRUPやVingoと、立ち位置として近いものを感じます。
ポップ・ダンス・エレクトロニック部門
Lady Gagaが複数部門を制し、ポップとアートの両立を再び証明した年だったと思います。
| 部門 | 受賞者・楽曲 |
|---|---|
| Best Pop Solo Performance | Sabrina Carpenter「Manchild」 |
| Best Pop Duo/Group Performance | Cynthia Erivo & Ariana Grande「Defying Gravity」 |
| Best Pop Vocal Album | Lady Gaga「Mayhem」 |
| 部門 | 受賞者・楽曲 |
|---|---|
| Best Dance/Electronic Recording | Disclosure & Anderson .Paak「No Cap」 |
| Best Dance Pop Recording | Lady Gaga「Abracadabra」 |
| Best Dance/Electronic Album | FKA twigs「EUSEXUA」 |
| Best Remixed Recording | Gesaffelstein「Abracadabra Remix」 |
Lady Gaga:2部門受賞
Lady GagaはBest Pop Vocal Album、Best Dance Pop Recordingの2部門で受賞しました。商業性と芸術性は対立しないということを、改めて示した結果ではないでしょうか。
FKA twigs「EUSEXUA」
FKA twigsの「EUSEXUA」がBest Dance/Electronic Albumを受賞しました。実験的な音楽がメインストリームに受け入れられてきているのかもしれません。
ロック・オルタナティブ部門
| 部門 | 受賞者・楽曲 |
|---|---|
| Best Rock Performance | Yungblud「Changes Live」 |
| Best Rock Song | Nine Inch Nails「As Alive as You Need Me to Be」 |
| Best Rock Album | Linkin Park「From Zero」 |
| Best Metal Performance | Dream Theater「Night Terror」 |
| 部門 | 受賞者・楽曲 |
|---|---|
| Best Alternative Music Performance | Bon Iver「Everything Is Peaceful Love」 |
| Best Alternative Music Album | Tyler, the Creator「Don’t Tap the Glass」 |
Tyler, the Creator:オルタナティブ部門での受賞
Tyler, the Creatorの「Don’t Tap the Glass」がBest Alternative Music Albumを受賞しました。Tyler, the Creatorがオルタナティブ部門で受賞したことは、ラッパーという枠組みが曖昧になってきていることを示しているのかもしれません。
その他の部門
プロデューサー・ソングライター
| 部門 | 受賞者 |
|---|---|
| Producer of the Year, Non-Classical | Cirkut |
| Songwriter of the Year, Non-Classical | Amy Allen |
ジャズ
| 部門 | 受賞者・アルバム |
|---|---|
| Best Jazz Performance | Lakecia Benjamin「Noble Rise」 |
| Best Jazz Vocal Album | Samara Joy「Portrait」 |
| Best Jazz Instrumental Album | Chick Corea Trio「Trilogy 3 Live」 |
アメリカンルーツ
| 部門 | 受賞者・アルバム |
|---|---|
| Best Americana Album | Jon Batiste「Big Money」 |
| Best Bluegrass Album | Billy Strings「Highway Prayers」 |
| Best Folk Album | Jason Isbell「Foxes in the Snow」 |
グローバル音楽
| 部門 | 受賞者・楽曲 |
|---|---|
| Best Global Music Album | Burna Boy「No Sign of Weakness」 |
| Best African Music Performance | Burna Boy「Love」 |
Burna Boyの2冠は、アフリカ音楽がグローバル音楽産業において重要な位置を占めるようになってきていることを示しているように思います。
カントリー
| 部門 | 受賞者・アルバム |
|---|---|
| Best Country Solo Performance | Tyler Childers「Nose on the Grindstone」 |
| Best Contemporary Country Album | Kelsea Ballerini「Patterns」 |
ゴスペル・クリスチャン
| 部門 | 受賞者・アルバム |
|---|---|
| Best Gospel Album | Yolanda Adams「Sunny Days」 |
| Best Contemporary Christian Music Album | Forrest Frank「Child of God II」 |
ラテン音楽
| 部門 | 受賞者・アルバム |
|---|---|
| Best Latin Pop Album | Rauw Alejandro「Cosa Nuestra」 |
| Best Música Urbana Album | Bad Bunny「DeBÍ TiRAR MáS FOToS」 |
終わりに
今年のグラミー賞を見ていて感じたのは、音楽業界の権威を誇示するイベントというよりも、現在の音楽カルチャーをそのまま映し出していたのではないかということです。
いくつかの変化を感じました。まずジャンルの上下関係が薄れてきているように見えます。ヒップホップ、ラテン、R&B、ポップ、ロックが横並びで評価されているような印象を受けました。
そして英語中心主義が変わりつつあるのかもしれません。スペイン語アルバムが主要部門を制覇したことは、その象徴的な出来事だったと思います。
いつか日本のアーティストが選ばれると嬉しいですよね!
また歴史と革新の両立も印象的でした。Clipseのようなベテランと、新しい世代のアーティストが同時に評価されていて、グラミーオワコン説は薄れてきているのかもしれません。
編集情報・参考資料
編集方針
本記事は、グラミー賞公式発表および海外主要音楽メディアの報道を参照しつつ、日本語オリジナルで再構成したものです。単なる翻訳記事ではなく、日本の音楽文脈との接続を意識した解説記事として制作しています。
参考資料
Recording Academyのグラミー賞公式、米国主要音楽メディア各種、日本語ヒップホップシーン動向を参照しています。
免責事項
本記事は情報提供を目的としており、特定の思想・価値観を押し付けるものではありません。筆者の主観的な考察が含まれている部分がありますので、ご了承ください。
最終更新日
2026年2月3日
