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Waka Flocka Flame × Southside「Felons」レビュー|原点回帰のトラップアンセム

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Waka Flocka Flame × Southside「Felons」レビュー|原点回帰のトラップアンセム
「Felons」- Waka Flocka Flame × Southside
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Text by HIPHOPCs編集部|2026-02-13

Waka Flocka FlameとSouthsideが2026年2月13日にリリースした「Felons」は、両者の持ち味が交差する攻撃的なトラップアンセムだ。ミックステープ『LeBron Flocka James 2K26』の収録曲として、Wakaの生々しいエナジーとSouthsideの重厚なプロダクションが融合している。

Southsideが構築する音の暴力性

「Felons」のビートは、Southsideが得意とする808の低音が基調となっている。キックとベースラインが一体化したような重低音は、スピーカーの限界を試すかのような圧力で迫ってくる。ハイハットのロールは控えめに配置され、むしろスネアの打点で空間を切り裂くような構成が特徴的だ。

プロデューサーとしてのSouthsideは、808 Mafiaの共同創設者としてTM88やLex Lugerとともに数々のヒット曲を手がけてきた。Futureの『DS2』や『56 Nights』で見せた、シンプルながら破壊力のあるビートメイクは健在だ。Young Thug「Danny Glover」やTravis Scott「Nightcrawler」など、USヒップホップの代表曲を支えてきた手腕が今作にも活きている。過去作品よりもさらにミニマルな要素に絞り込み、音数を減らすことで一音一音の存在感を際立たせている。

Waka Flocka Flameが描く路上のリアリティ

リリックの内容は、タイトルが示唆する通り、犯罪者としての過去と現在を赤裸々に語るものとなっている。Wakaは自身の経験を基に、ストリートでの生き残り方、仲間との絆、そして成功への執念を力強く表現している。彼特有のアグレッシブなデリバリーは、言葉の重みをさらに増幅させる。

2010年代前半のトラップシーンを牽引したWakaだが、近年は音楽活動をセーブしていた。しかしMetro Boomin『A Futuristic Summa』への複数フィーチャー参加を経て、本格的な復帰の機運が高まっていた。「Felons」では、かつての「Hard in da Paint」や「No Hands」で見せた生のエネルギーが復活。ただし、当時の若さゆえの無鉄砲さではなく、経験を積んだベテランとしての凄みが加わっている。

トラップシーンにおける世代間の架け橋

Waka Flocka Flameは2010年代初頭のトラップ黎明期を代表するアーティストであり、Southsideは現在進行形でシーンを牽引するプロデューサーだ。両者はBrick Squad Monopoly時代からの盟友であり、WakaがSouthsideを発掘し、808 Mafia結成のきっかけを作った歴史がある。この組み合わせは、単なるコラボレーションを超えた意味を持つ。

現在のトラップシーンは、メロディアスなオートチューンラップが主流となっているが、「Felons」はあえて原点回帰的なアプローチを取っている。これは懐古主義ではなく、トラップの本質的な魅力である生々しさと攻撃性を、現代の音響技術で再構築する試みと言える。USヒップホップシーン全体で見ても、こうした世代を超えたコラボレーションは、ジャンルの歴史性と革新性を同時に示す重要な動きだ。

HIPHOPCs編集部の評価

「Felons」の最大の魅力は、妥協のない硬派なサウンドにある。Southsideのビートは無駄を削ぎ落とし、必要最小限の要素で最大限のインパクトを生み出している。Wakaのラップも全盛期を彷彿とさせる勢いがあり、ベテランとしての貫禄も感じさせる。

一方で課題もある。現在のトラップシーンの多様性を考えると、このストレートなアプローチがどこまで新規リスナーに響くかは未知数だ。また、メロディ要素の欠如は、プレイリスト時代においては不利に働く可能性もある。この楽曲は、トラップの原点を知るリスナーや、激しいサウンドを求めるジム通いのリスナーには最適だが、メロディアスなトラップに慣れた若い世代には刺激が強すぎるかもしれない。

よくある質問

「Felons」のプロデューサーSouthsideとは?

Southside(本名:Joshua Howard Luellen)は808 Mafiaの共同創設者で、Future、21 Savage、Travis Scottなど多数のトップアーティストにビートを提供してきたプロデューサーです。Futureの『DS2』『56 Nights』を手がけ、重低音を効かせたダークなトラップビートで2010年代のトラップサウンドを定義した人物の一人です。Waka Flocka Flameとは『Flockaveli』(2010年)以来の長い関係を持ちます。

ミックステープ『LeBron Flocka James 2K26』について教えてください

2026年2月13日にリリースされたWaka Flocka Flameのミックステープです。Trap-A-HolicsとDJ Whoo Kidがホストを務め、全15曲を収録。タイトルはNBAスターのレブロン・ジェームズとゲーム「NBA 2K」シリーズを掛け合わせたもので、Wakaが2010年代に展開した人気ミックステープシリーズの最新作です。Southside、TM88、Travis Porter、Roscoe Dashらがフィーチャー参加しています。

Waka Flocka Flameの最近の活動は?

長らく音楽活動は控えめでしたが、Metro Boomin『A Futuristic Summa』への複数フィーチャー参加をきっかけに本格復帰の流れが生まれました。『LeBron Flocka James 2K26』はその勢いを受けた15曲入りミックステープで、Brick Squad Monopoly全盛期の仲間たちと再結集した意欲作です。彼の影響力は依然として大きく、新世代のアーティストからもリスペクトを集めています。

「Felons」をSpotifyで聴く

本記事の楽曲解釈は編集部の印象に基づくものであり、アーティストの公式見解を代表するものではありません。