POP YOURS 2026が、明後日に迫った。
4月3日(金)・4日(土)・5日(日)。幕張メッセ国際展示場1〜6ホール。3日間で71組。ヘッドライナーはLANA、千葉雄喜、KEIJU。2022年の初開催から5周年を迎える国内最大級のヒップホップフェスティバルが、過去最大規模で幕を開ける。
先に結論を置く。初参加ならDAY 2、女性ラッパー軸ならDAY 1、POP YOURSの歴史を味わうならDAY 3。配信で見られないTerminal 6 STAGEに足を運べるかどうかが、現地組にとって最も大きな判断ポイントになる。 そして2026年のPOP YOURSを読み解く鍵は、規模の拡大よりも「選抜と昇格の可視化」にある。NEW COMER SHOT LIVEからメインアクト、SPECIAL ACT、ヘッドライナーへ──POP YOURSがこの5年間で作り上げたキャリアパスが、今年のラインナップで初めてはっきりと見える形になった。
本稿では、タイムテーブル・注目カード・新ステージ「Terminal 6 STAGE」の構造的意味・オリジナル楽曲・YouTube生配信情報・現地での回遊設計まで、当日までに知っておくべきすべてを整理する。HIPHOPCsが3月に公開した構造分析記事「POP YOURS 2026はフェスを超えたのか?」の続編として読んでほしい。
POP YOURSの5年間──16,000人から3DAYS・71組へ
POP YOURSは「2020年代のポップカルチャーとしてのヒップホップ」をテーマに、スペースシャワーネットワークが2022年に立ち上げたフェスティバルである。5年間で動員は約2.2倍、YouTube視聴は約7倍に伸びた。ヒップホップ特化型フェスとしては、少なくとも国内で類似の成長曲線を描いた例は筆者の知る限りない。
2022年(初開催)──幕張メッセ9〜11ホール、2日間。ヘッドライナーはPUNPEEとBAD HOP。37組出演、約16,000人動員、YouTube約26万視聴。BAD HOPがこのステージで解散を発表し、POP YOURSは「シーンの転換点が生まれる場所」としての性格を帯びた。
2023年──同会場、2日間。ヘッドライナーは¥ellow BucksとAwich。フェスオリジナル楽曲「Makuhari」「Bad B*tch 美学」をリリースし、「フェスが楽曲を生む場」へと変質した年。
2024年──同会場、2日間。ヘッドライナーはLEXとTohji。44組出演、約35,000人動員、YouTube約56万視聴。全日程完売。千葉雄喜がシークレット出演、YENTOWNも登場。オリジナル楽曲は「明るい部屋」(LEX & LANA)、「Champions」(Kaneee、Kohjiya、Yvng Patra)、「YW」(JJJ、BLASÉ、Bonbero)の3曲。
2025年──同会場、2日間。ヘッドライナーは¥ellow BucksとJJJ。約35,000人動員、YouTube合計約180万回視聴。JJJは2025年4月13日に35歳で急逝しており、生前にスタッフと構想した演出をそのまま再現する追悼公演となった。同年秋にはPOP YOURS OSAKAも初開催。
2026年──そして今年。会場は9〜11ホール(総面積18,000㎡)から1〜6ホール(総面積40,500㎡)へ移動し、面積は約2.25倍に拡大。初の3日間開催で、出演は71組。新ステージ「Terminal 6 STAGE」を新設。
チケットはBlackEyePatchコラボの限定Tシャツ付きチケット(全券種)と3日通しゴールドチケットが完売している。BlackEyePatchとのコラボは2024年から3年連続で、POP YOURSが「音楽フェス」と「ストリートファッション」の接点を意識的に作っていることがうかがえる。
この5年間で、POP YOURSは「16,000人・26万視聴」から「35,000人・180万視聴」へと成長した。そして2026年、3DAYS化によって延べ動員数はさらに伸びる可能性が高い。
開催概要
- 名称:POP YOURS 2026
- 日程:2026年4月3日(金)・4日(土)・5日(日)
- 開場/開演:9:30 / 11:00
- 会場:幕張メッセ 国際展示場 展示ホール1-6(千葉県千葉市美浜区中瀬2-1)──総面積40,500㎡。従来の9〜11ホール(18,000㎡)から約2.25倍に拡大
- アクセス:JR京葉線・海浜幕張駅から徒歩約5分
- チケット:1日券 一般 ¥14,500(税込)/ゴールドチケット ¥25,000(税込・数量限定)/2日通し券 一般 ¥27,000(税込)/3日通し券 一般 ¥39,500(税込)。限定Tシャツ付き・3日通しゴールドチケットは完売。ローソンチケットで一般発売中(ゴールドチケット特典:ステージ付近専用エリア、専用トイレ、専用ドリンクレーン)
- 主催:株式会社スペースシャワーネットワーク
- 制作:SMASH / HOT STUFF PROMOTION / WWW
- オフィシャルアプリ:iOS / Android対応。タイムテーブル確認・マップ表示が可能
DAY 1(4月3日・金)──LANAが証明する「女性ラッパーのヘッドライナー」という新しい基準
ヘッドライナー:LANA
2025年のアリーナツアーを成功させ、2026年8月には国立代々木競技場第一体育館でのワンマンも決定しているLANA。POP YOURSのヘッドライナーに女性ラッパーが立つのは、2023年のAwich以来2人目である。
だがLANAの場合、Awichとは異なる文脈がある。POP YOURS第1回から出演し続けてきた「生え抜き」であり、2024年のオリジナル楽曲「明るい部屋」ではLEXとの共演、今年はElle Teresaとのオリジナル楽曲「こんな日は」(Prod. by STUTS on the WAVE)をリリースしている。
2022年メインアクト → 2023年メインアクト → 2024年メインアクト+オリジナル楽曲 → 2025年メインアクト → 2026年ヘッドライナー。冒頭で触れた「昇格システム」の最も完全な実例が、LANAである。POP YOURSと共に成長し、POP YOURSのヘッドライナーにたどり着いた最初のアーティストだ。
2ndヘッドライナー:Elle Teresa
Elle Teresaは等身大のキャラクターから生まれる大胆かつ繊細なリリックで、シーンに独自の地位を確立してきた。LANAとElle Teresaがヘッドライナーと2ndヘッドライナーとして同日に並び、STUTS on the WAVEプロデュースのオリジナル楽曲「こんな日は」をフェスで初披露する──DAY 1はこの2人の共演を軸に設計された日である。
メインアクト注目組
- SEEDA──日本語ラップ史の重要人物が、DAY 2のTerminal 6 STAGEでは「SEEDA × DJ ISSO × she’s rough presents CONCRETE GREEN」としても出演する。2日間にわたってSEEDAを見届けられるのは今年のPOP YOURSならではの設計である
- ISSUGI──アンダーグラウンドの美学を体現するラッパー。大規模フェスでの存在感に注目
- kZm──YENTOWNの中核メンバー。2024年もPOP YOURSに出演しており、常連としての安定感がある
- Pxrge Trxxxper──RAPSTAR 2025優勝者。メイン枠での初出演
- VaVa、WILYWNKA、Bonbero──いずれもPOP YOURS常連。安定のパフォーマンスが期待できる
SPECIAL LIVE:STUTS Orchestra
STUTSがオーケストラ編成で登場する。POP YOURSのオリジナル楽曲プロデューサーでもあるSTUTS on the WAVEの延長線上にあるこのステージは、事実上の裏ヘッドライナーと言っていい重みがある。
NEW COMER SHOT LIVE
AOTO、Siero、X 1ark。AOTOとSieroはオリジナル楽曲「STARLIGHT」の参加者でもある。
TERMINAL 6 STAGE
DJ U-LEE / GRADIS NICE & DJ SCRATCH NICE / I♡WAKA
OPENING DJ:nasthug
DAY 2(4月4日・土)──千葉雄喜の「帰還」と、最も層の厚い1日
ヘッドライナー:千葉雄喜
2024年にシークレットの「チーム友達Shot Live」として登場した千葉雄喜が、今年は正式なヘッドライナーとして幕張に戻ってくる。「チーム友達」の爆発的ヒットからの道のりを考えれば、これは単なるフェス出演ではなく「千葉雄喜がヘッドライナーに相応しいアーティストになった」という証明の場である。
メインアクト注目組
DAY 2は最も出演者の層が厚い。
- Daichi Yamamoto──オリジナル楽曲「違う」(with MIKADO、NENE)の参加者。京都拠点のバイリンガルラッパーとして独自のポジションを築いている
- Kvi Baba──エモーショナルなフロウで若年層からの支持が厚い
- BIM──PUNPEE人脈のベテラン。毎年安定したパフォーマンスでフェスを支える
- SALU──初期の日本語ラップブームを牽引した1人。POP YOURSでは「歴史の縦軸」を担う存在
- Worldwide Skippa──2025年にデビューし急成長。今回がNEW COMER SHOT LIVEではなくメイン枠での初出演。音楽ナタリーの座談会でも「運営の意思が出るところ」と評された人選である
- Manaka──同じくメイン枠初出演の若手。注目の集まる枠
- Jin Dogg──大阪のストリートを代表するラッパー
- SPARTA──独自の世界観を持つアーティスト
- Masato Hayashi──3月20日に渋谷STREAMでゲリラライブを敢行し、SNS告知のみで大量の観客を集めた話題の新鋭
SPECIAL ACT:Tohji
2024年のヘッドライナーからSPECIAL ACTへ。Tohjiは「u-ha neo stage」としてTerminal 6 STAGEにも登場するため、DAY 2で2つの異なるTohjiが見られる。
SEEDAからTohji、千葉雄喜までが同じステージに立つ意味については、HIPHOPCsの「世代地図」記事で詳しく論じている。
NEW COMER SHOT LIVE
Rama Pantera、Sad Kid Yaz、YELLASOMA。Sad Kid Yazは「ラップスタア」出演後にサラリーマン生活に終止符を打ったことでも話題になった。
TERMINAL 6 STAGE
MARZY / SEEDA × DJ ISSO × she’s rough presents CONCRETE GREEN / Tohji Presents u-ha neo stage(Lineup curated by kegøn and Saren)
CONCRETE GREENは日本のアンダーグラウンドヒップホップの伝説的コンピレーションシリーズ。SEEDAがDJ ISSOとshe’s roughと共にこれを復活させる。
一方、Tohjiのu-ha neo stageはkegønとSarenがラインナップをキュレーション。メインステージとは異なるカルチャーの提示になるだろう。
MC:SAKURA / Isaac Y. Takeu
OPENING DJ:eijin
DAY 3(4月5日・日)──KEIJUの「格」と、JJJの不在を超える日
ヘッドライナー:KEIJU
KANDYTOWN出身、2024年のPOP YOURSにも出演したKEIJU。彼がヘッドライナーを務めるDAY 3は、POP YOURSの「初年度からの系譜」を意識した人選である。KANDYTOWNはPOP YOURS 2022にも出演しており、その中核メンバーがヘッドライナーに立つことで、フェスの5年間の円環が閉じる。
メインアクト注目組
- PUNPEE──SPECIAL LIVEとして出演。POP YOURS初年度のヘッドライナーが、5周年に再びステージに立つ。このフェスの歴史を体現する存在である
- ANARCHY──日本のストリートラップの象徴。2025年にも出演しており、POP YOURSでは「重し」の役割を担う
- C.O.S.A.──安定した実力派。フェスの空気を締める存在
- Watson──2026年3月に武道館公演を成功させたラッパー。POP YOURSでは複数年にわたって出演しており、その成長をフェスが見届けてきた
- NENE──オリジナル楽曲「違う」の参加者。女性ラッパーとしてDAY 1のLANA/Elle Teresa軸とは異なるポジションでDAY 3に配置されている
- Kohjiya──2024年のNEW COMER SHOT LIVEからメイン枠に昇格
- Jellyyabashi──音楽ナタリーの座談会で特に注目された存在。横須賀のYOKOSQUAD系譜のアンダーグラウンドからメイン枠への抜擢は、POP YOURSの「コアなものをメインに引き上げる」という意思の表れである
- OZworld──沖縄のトリリンガルラッパー。独自の世界観でフェスに彩りを加える
- ピーナッツくん──VTuber/ラッパーとしてPOP YOURSの「ポップカルチャー」の部分を体現する存在
- lilbesh ramko──2024年のNEW COMER SHOT LIVEからメイン枠に昇格
TERMINAL 6 STAGE
AMAPINIGHT / MASATO & Minnesotah / YeYan
MC:SAKURA / Isaac Y. Takeu
OPENING DJ:uin
Terminal 6 STAGEという実験──「来なければ見られない」を作った日
今年最大の構造的変化は、新ステージ「Terminal 6 STAGE」の新設である。幕張メッセ6番ホール内に設置されるこのステージは、YouTube生配信の対象外とされている。
POP YOURSはこれまで毎年YouTube配信を行い、2025年には180万回視聴を記録してきた。その中であえて配信しないステージを作ったということは、「来なければ見られない」体験を意図的に設計していることになる。
Terminal 6のコンテンツはDJセット、CONCRETE GREEN、Tohjiのu-ha neo stage、AMAPINIGHT。いずれもクラブカルチャーやパーティーカルチャーに根ざしている。
音楽ナタリーの座談会でも「ヒップホップのクラブカルチャーを提示する場」として設計されたと明言されている。POP YOURSは5年目にして、「ヒップホップフェスティバル」の定義をライブの外側──DJカルチャー、コレクティブの文化──にまで広げようとしている。
オリジナル楽曲3曲──POP YOURSは「レーベル」になりつつある
POP YOURSは2023年からフェスオリジナル楽曲のリリースを続けている。2026年は以下の3曲がリリース済みである。
「STARLIGHT」──Kianna, HARKA, AOTO, Siero NEW COMER SHOT LIVEに出演する若手4人によるオリジナル楽曲。フェスオリジナル曲が「次世代の顔見せ」として機能している。
「違う」──Daichi Yamamoto, MIKADO, NENE 3アーティストの個性が交差するトラック。Daichi YamamotoとNENEはメインアクト、MIKADOもDAY 3に出演する。
「こんな日は」──LANA, Elle Teresa(Prod. by STUTS on the WAVE) DAY 1のヘッドライナーと2ndヘッドライナーによるコラボレーション。プロデュースは2024年の「明るい部屋」も手がけたSTUTS on the WAVE。SHIBUYA109での限定イベントも開催済み。フェスでの初披露が期待される。
注目すべきは、オリジナル楽曲が年を追うごとに「フェスの付随コンテンツ」から「独立した作品」へと格を上げていることである。STUTS on the WAVEが継続的にプロデュースを担い、リリース前にはSHIBUYA109でのプロモーションイベントまで行う。もはやフェスの枠を超えた、レーベル的な機能と呼べる段階に入っている。
YouTube生配信
3日間ともに11:00から、POP YOURS公式YouTubeチャンネルで生配信。Terminal 6 STAGEは対象外。配信リンクとリマインダー設定は記事末尾の「当日の実用情報」にまとめた。
回り方ガイド──現地で迷わないための判断基準
まず決めること:「1日しか行けない」場合の選び方
「今の日本語ラップの最前線を見たい」→ DAY 2(土) 千葉雄喜のヘッドライナー、Tohjiのダブル出演(メイン+Terminal 6)、Worldwide SkippaやManakaの「メイン枠初出演」組、CONCRETE GREENの復活。最も情報密度が高い1日である。
「女性ラッパーの勢いを体感したい」→ DAY 1(金) LANAとElle Teresa。DAY 1出演の2人によるオリジナル楽曲「こんな日は」の初披露も見込まれ、STUTS Orchestraまで含めて、この日は女性ラッパー軸の熱量が最も濃い。
「POP YOURSの歴史を味わいたい」→ DAY 3(日) 初年度ヘッドライナーPUNPEEのSPECIAL LIVE、ANARCHY、KEIJUというベテラン勢に加え、Jellyyabashiやlilbesh ramkoといった「NEW COMERからメインへの昇格組」も集中している。
「配信で見る」か「現地でしか見られない」か
今年のPOP YOURSには、初めて「配信では絶対に見られないコンテンツ」が存在する。Terminal 6 STAGEである。メインステージは3日間ともにYouTubeで11:00から生配信されるが、Terminal 6は完全に配信対象外。つまり、現地に行く最大の理由はTerminal 6にある。
配信で十分に楽しめるもの──ヘッドライナー3組(LANA、千葉雄喜、KEIJU)、SPECIAL LIVE/ACT(STUTS Orchestra、Tohjiメインステージ、PUNPEE)、メインアクト全組。これらは画質・音質ともに例年ハイクオリティで配信されてきた。
現地でしか体験できないもの── DAY 1:DJ U-LEE / GRADIS NICE & DJ SCRATCH NICE / I♡WAKA DAY 2:MARZY / SEEDA × DJ ISSO × she’s rough presents CONCRETE GREEN / Tohji Presents u-ha neo stage DAY 3:AMAPINIGHT / MASATO & Minnesotah / YeYan
この中で特に見逃せないのは、DAY 2のCONCRETE GREENである。SEEDAとDJ ISSOが伝説的コンピレーションシリーズをライブで再現する機会は、今後そう多くない。
もう一つはTohjiのu-ha neo stage。メインステージにも出るTohjiが、Terminal 6では自らキュレーションした別のステージを展開する。同じアーティストの2つの顔を1日で見られるのは、今年限りの設計である。
Terminal 6 STAGEの回遊ポイント
Terminal 6 STAGEは幕張メッセ6番ホール内に設置されており、メインステージ(1〜5ホール)とは物理的に分離されている。移動には時間がかかるため、「メインの誰かを捨ててTerminal 6に行く」判断が必要になる。
判断基準はシンプルである。メインの全アクトは配信で後追いできる。Terminal 6は後追いできない。迷ったらTerminal 6を優先する方が、後悔は少ないはずだ。
ただし、ヘッドライナーのステージだけは現地の空気込みで体験する価値がある。LANAの初ヘッドライナー(DAY 1)、千葉雄喜の正式帰還(DAY 2)、KEIJUの5周年大トリ(DAY 3)。この3つは配信では伝わりにくい瞬間が生まれうる。
まとめるとTerminal 6は積極的に足を運び、ヘッドライナーの時間帯だけメインに戻る。それ以外のメインアクトは、時間が被ったら配信で後追い。筆者ならそう回る。
昇格システムの可視化──競合メディアが書いていないこと
冒頭で述べた通り、2026年のPOP YOURSの本質は規模拡大ではなく「選抜と昇格の可視化」にある。ここまでの情報は、音楽ナタリー、Spincoaster、KAI-YOU、FNMNL、AVYSS magazine、Qetic、HYPEBEAST JAPAN、Festival Lifeなど各メディアが報じている内容をベースにしたが、この「昇格システム」に言及したメディアはない。
今年のラインナップを注意深く見ると、POP YOURSには明確な「キャリアパス」が存在することがわかる。
NEW COMER SHOT LIVE → メインアクト → SPECIAL ACT/SPECIAL LIVE → ヘッドライナー
- LANA:2022年メインアクト → 5年連続出演 → 2026年ヘッドライナー(DAY 1で詳述)
- 千葉雄喜:2024年シークレットShot Live → 2026年ヘッドライナー
- Kohjiya:2024年NEW COMER SHOT LIVE → 2025年メインアクト → 2026年メインアクト
- lilbesh ramko:2024年(前回NEW COMER SHOT LIVE出演) → 2026年メインアクト
- Tohji:2024年ヘッドライナー → 2026年SPECIAL ACT(+Terminal 6キュレーター)
この「昇格」は恣意的ではなく、各アーティストのシーンでの成長と連動している。POP YOURSは単にラインナップを組むのではなく、アーティストのキャリアを可視化するプラットフォームとして機能している。各出演者の2025年の活動についてはHIPHOPCsの年間レポートでも取り上げている。
そしてこの構造を最も象徴するのが、NEW COMER SHOT LIVEを飛ばしていきなりメイン枠に入ったJellyyabashi、Worldwide Skippa、Manaka、Littyの4人である。ナタリーの座談会でUSBは「運営側のキュレーション的にも『ここは絶対にメインで出したい』という意思が出るところ」と指摘しており、つやちゃんもJellyyabashiの抜擢に「めちゃくちゃ強い意思を感じる」と述べている。通常の昇格ルートを飛び越えたこの4人の配置は、2026年のPOP YOURSが「次の5年」に向けて仕掛けた布石のひとつだろう。
当日の実用情報
アクセス JR京葉線・海浜幕張駅から徒歩約5分。東京駅から約30分、蘇我駅から約12分。JR総武線・京成線の幕張本郷駅からは「幕張メッセ中央」行きバスで約17分。会場内に駐車場はないため、公共交通機関を利用すること。
会場の構造と注意事項 展示ホール1〜6がメインステージエリア。各ホール6,750㎡、合計40,500㎡。天井高は15〜30m。全エリアオールスタンディング。Terminal 6 STAGEは6番ホール内に設置されており、メインステージからの移動には数分かかる。未就学児童は入場不可。トイレ・コインロッカーは各ホール共用部に設置。問い合わせ:HOT STUFF PROMOTION 050-5211-6077(平日12:00〜18:00)。
BlackEyePatchコラボグッズ 2024年から3年連続で実現しているPOP YOURS × BlackEyePatchのコラボレーション。限定Tシャツは「限定Tシャツ付きチケット」購入者のみが入手でき、全券種で完売済み。グッズの当日販売についてはオフィシャルストア(store.popyours.jp)および公式SNSを確認のこと。
オフィシャルアプリ iOS / Android対応。タイムテーブルの確認、会場マップの表示が可能。Terminal 6 STAGEとメインステージの時間を見比べるためにも、事前にダウンロードしておくことを推奨する。
YouTube生配信のリマインダー設定 DAY 1:https://youtube.com/live/uwGjwkxRI7M DAY 2:https://youtube.com/live/rdPeXxqiD4A DAY 3:https://youtube.com/live/NwoXtLo1iMI 各日11:00から配信開始。Terminal 6 STAGEは配信対象外。
まとめ──「5周年」の意味
POP YOURSが5年間で証明したのは、「日本のヒップホップフェスティバルは毎年成長し続けられる」ということだった。16,000人から35,000人へ。9〜11ホールから1〜6ホールへ。2日間から3日間へ。26万視聴から180万視聴へ。
だが2026年のPOP YOURSが試みているのは、規模の拡大だけではない。冒頭で述べた通り、今年の核心は3つある。Terminal 6 STAGEの新設による「ヒップホップフェスの定義の拡張」。オリジナル楽曲の成熟による「フェスのレーベル化」。そしてLANAのヘッドライナー到達に象徴される「昇格システムの可視化」──アーティストのキャリアを5年がかりで育て、見届けるプラットフォームとしての機能である。
初参加ならDAY 2。女性ラッパー軸ならDAY 1。歴史を味わうならDAY 3。そして現地に行くなら、Terminal 6 STAGEを回遊の中心に据える。
明後日から3日間、幕張メッセで起きることは、2026年の日本のヒップホップシーンを規定する。
POP YOURS 2026 日程:2026年4月3日(金)・4日(土)・5日(日) 開場9:30 / 開演11:00 会場:幕張メッセ 国際展示場 展示ホール1-6 チケット:ローソンチケットにて一般発売中 YouTube生配信:各日11:00〜(Terminal 6 STAGEを除く) オフィシャルサイト:https://popyours.jp/ オフィシャルアプリ:iOS / Android対応
本稿は、POP YOURS公式サイト、スペースシャワーネットワーク、音楽ナタリー、Spincoaster、KAI-YOU、FNMNL、AVYSS magazine、Qetic、HYPEBEAST JAPAN、Festival Lifeの報道を参照し、HIPHOPCsの独自分析を加えて構成した。
