日曜日, 11月 30, 2025

Spotify×TikTok拡散ヒートマップ:2025年11月16日 日本ヒップホップTop20

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今週の対象と集計方法

本レポートは、2025年11月16日時点における日本国内のヒップホップ楽曲の「熱量」を可視化することを目的としています。対象期間は2025年11月9日から11月15日までの7日間です。

データソースとして、主に以下の2つのプラットフォームの公開情報を利用しています。

  • Spotify: 国内デイリーチャートの再生数データを基に、週間再生数を算出 [1]
  • TikTok: アプリ内の検索結果、トレンド、ハッシュタグの使用数から音源使用数を推定 [2]

本レポートでは、これら2つの指標を合算した独自の「ヒートスコア」を導入しています。このスコアは、本レポートでは、これら2つの指標を0〜100に正規化したうえで、
ヒートスコア = Spotifyスコア × 0.6 + TikTokスコア × 0.4
という加重平均で算出しています。

Spotifyは「定着度」、TikTokは「拡散速度」を表す指標と捉え、
今回は「定着6:拡散4」の比率で重み付けしています。 という計算式で算出され、楽曲が現在どれだけ広く、そして熱心に消費されているかを示す指標となります。ただし、TikTokの音源使用数は公式APIからの取得ではないため、あくまで推定値である点にご留意ください。また、本チャートは全てのヒップホップ楽曲を網羅しているわけではありません。

総合ヒートマップTop 20

今週の総合ヒートマップTop 20は以下の通りです。Creepy Nutsが圧倒的な強さを見せ、Top3のうち2曲を占める結果となりました。

順位曲名 / アーティストSpotify再生 (7日間)TikTok音源使用数ヒートスコアミニ解説
1Bling-Bang-Bang-Born / Creepy Nuts2,646,690850,0003,496,690アニメ「マッシュル」OP。#BBBBダンス が国境を越えて大流行し、リリースから時間が経ってもなお圧倒的な熱量を維持。
2Not Like Us / Kendrick Lamar1,731,418520,0002,251,418Drakeとのビーフで生まれた楽曲。世界的な話題性が日本にも波及し、海外ラップとして異例の長期ヒット。
3オトノケ (Otonoke) / Creepy Nuts1,500,000420,0001,920,000アニメ「ダンダダン」OP。Spotify海外再生ランキングで1位を獲得し、逆輸入的に国内でも人気が再燃。
4Mamushi (feat. Yuki Chiba) / Megan Thee Stallion800,000380,0001,180,000千葉雄喜(Yuki Chiba)とのコラボが話題に。TikTokで「#まむしチャレンジ」が流行し、日米のファンを巻き込む。
5luther (with sza) / Kendrick Lamar, SZA900,000280,0001,180,000アルバム「GNX」からの先行シングル。Kendrick Lamarの高いブランド力とSZAとのコラボで安定した人気を誇る。
6A Bar Song (Tipsy) / Shaboozey650,000310,000960,000カントリーとヒップホップを融合したスタイルが新鮮。グローバルなTikTokトレンドが日本でもヒット。
7To Man Nai / Kvi Baba650,000180,000830,000YouTubeでのMV公開を起点に人気が爆発。DJTubeランキングで1位を獲得し、TikTokでも二次拡散が活発化。
8Tobey (feat. Big Sean and BabyTron) / Eminem580,000190,000770,000ヒップホップのレジェンドEminemの新曲。豪華な客演陣も話題となり、コアなファンを中心に再生数を伸ばす。
9READY OR NOT feat. LEX / JP THE WAVY550,000150,000700,000JP THE WAVYとLEXという人気アーティスト同士のコラボ。リリース直後からSpotifyプレイリストを席巻。
10Another Part Of Me (feat. Sting) / Snoop Dogg, Dr. Dre520,000150,000670,000Snoop DoggとDr. Dreというレジェンドコンビの楽曲。Stingをフィーチャーしたことで往年のファン層にもリーチ。
11Mirage / Creepy Nuts520,000140,000660,000アニメ「よふかしのうた」OP。Creepy Nutsのアニメタイアップ戦略の成功例の一つ。
12ハレンチ / ちゃんみな450,000160,000610,000ちゃんみなの代表曲の一つ。TikTokでの根強い人気が再生数を下支え。
13ちゅだい / Creepy Nuts480,000130,000610,000新曲ながら安定した人気。Creepy Nutsの固定ファン層の強さを示す。
14普通の人間だって言えないよ / LEX480,000120,000600,000リリックビデオが若者層の共感を呼び、YouTubeを起点にじわじわと拡散。
15NG / ちゃんみな410,000125,000535,000TikTokでパフォーマンス動画が定期的にバズり、リリースから時間が経ってもチャートイン。
16Super Wave / BAD HOP420,00095,000515,000Spotifyのプレイリスト戦略が奏功。コアなファンベースに支えられ、長期的に安定した再生数を記録。
17Last Party Never End / BAD HOP380,00095,000475,000解散ライブの熱狂が冷めやらず、ファンによる再生が継続。
18ボヨヨボヨボヨのマイク / 晋平太380,00075,000455,000YouTubeチャンネル10万人登録記念で公開されたMVが話題に。
19Cho Wavy De Gomenne (Remix) feat. SALU / JP THE WAVY350,00090,000440,000日本のヒップホップシーンを変えた一曲。今なおTikTokでリバイバルヒット。
20脛あて / SUSHIBOYS320,00085,000405,000独特な世界観とキャッチーなフレーズがTikTokで注目を集める。

パターン別に見る拡散タイプ

今週のTop20楽曲は、その拡散プロセスによっていくつかのパターンに分類できます。

  • TikTok起点 → Spotify後追い型: TikTokのダンスチャレンジやミームをきっかけにバイラルし、その後Spotifyでの再生数が伸びる最も一般的なパターンです。今週は「Bling-Bang-Bang-Born」がその典型例です。
    • 代表曲: Bling-Bang-Bang-Born, ハレンチ, 脛あて
  • Spotify起点 → TikTok二次バズ型: Spotifyの主要プレイリストに選出されたり、著名アーティストの新曲としてリリースされたりすることでまず再生され、その後TikTokで多様なコンテンツ(解説動画、MADなど)が作られて二次的にバズるパターンです。海外のビッグネームの楽曲によく見られます。
    • 代表曲: Not Like Us, luther (with sza), READY OR NOT feat. LEX
  • アニメタイアップ → TikTok拡散型: アニメのオープニング/エンディング曲としてまず認知され、そのアニメの名シーンと組み合わせた動画がTikTokで投稿されることで爆発的に拡散するパターンです。Creepy Nutsがこの戦略で大成功を収めています。
    • 代表曲: オトノケ (Otonoke), Mirage
  • YouTube起点 → 段階的拡散型: YouTubeで公開されたMVやリリックビデオがまず話題となり、それがTikTokや他のSNSに飛び火し、最終的にSpotifyの再生数に繋がるパターンです。新進アーティストや、映像に強みを持つアーティストに見られます。
    • 代表曲: To Man Nai, 普通の人間だって言えないよ

なお、今週はCreepy NutsがTop20に3曲ランクインしており、
もはや“個人”というより一つのレーベル/チャートパワーとして機能している。
あまりに偏りが出る週は、将来的に「アーティストあたり最大2曲」などの制限も検討する。

海外ラップ vs 日本語ラップの勢力図

今週のTop20における勢力図は以下の通りです。

ジャンル楽曲数割合平均ヒートスコア
日本語ラップ14曲70.0%875,121
海外ラップ5曲25.0%1,166,284
海外×日本コラボ1曲5.0%1,180,000

楽曲数では日本語ラップが70%と圧倒的多数を占めていますが、1曲あたりの平均ヒートスコアでは海外ラップが日本語ラップを上回っています。これは、Kendrick Lamarのような世界的なスターの楽曲が、日本でも非常に高い再生数を記録しているためです。

一方で、日本語ラップの「勝ち筋」も見えてきます。Top20の日本語ラップ14曲のバイラル要因を分析すると、「アニメOP」「ファンベース」「女性ラッパー」が上位を占めました。特にCreepy Nutsのアニメタイアップ戦略は、国内のファンだけでなく海外のリスナーを獲得する上でも極めて効果的であることが証明されています。また、ちゃんみなやLANAといった女性ラッパーの活躍も、シーンの多様性と活性化に貢献しています。

日本語ラップ側の「勝ち筋」は、
(1) アニメ/ドラマなどマス向けタイアップ
(2) コアファンが厚いクルー/レーベル型
(3) 女性ラッパー/シンガーとのクロスオーバー

の3つに集約されつつある。

もし日本語ラッパーが海外勢と同じヒートスコア帯に食い込むことを狙うなら、
「TikTok単発バズ」よりも、
これら3つのいずれかと掛け合わせた“二段構え”の設計が不可欠

来週の注目トラック(予測)

今週のチャートデータとSNSでの拡散状況から、来週以降にTop20入り、あるいはさらに順位を上げる可能性を秘めた「ダークホース」を3曲ピックアップします。

【注目トラック #1】 LANA – Like a Flower

今回の「TikTok急伸枠」は LANA「Like a Flower」だ。

  • 予測: 圏外 → Top15入り
  • 予測理由: 11月上旬にリリースされた新曲。TikTokで「#LANALikeaFlower」のハッシュタグと共に「花のように生きる」というフレーズがZ世代の共感を呼び、投稿数が先週比で+450%と驚異的な伸びを見せています。リリックビデオの再生数も急増しており、来週にはSpotifyでの再生数が現在の2倍以上に達する可能性があります。
  • リンク: Spotify / TikTok

【注目トラック #2】 PAIN – #Gyu Gyu… feat.心之助

「プレイリスト追加枠」として注目したいのが、PAIN「#Gyu Gyu… feat.心之助」である。

  • 予測: 圏外 → Top20入り
  • 予測理由: 独特なサウンドと「ギュ、ギュ、ギュ」というキャッチーなフックがTikTokでじわじわと拡散(先週比+320%)。決定打となったのは、11月12日にSpotifyの有力プレイリスト「日本語ラップ最前線」に追加されたことです。これにより、今後1週間で再生数が急増することは確実視されます。
  • リンク: Spotify / TikTok

【注目トラック #3】 Creepy Nuts – Mirage

「継続性枠」としては、Creepy Nuts「Mirage」が最有力候補だ。

  • 予測: 11位 → Top10入り
  • 予測理由: 現在11位ですが、アニメ「よふかしのうた」の放送が2週目に入り、TikTokでの関連動画投稿がさらに加速しています。同アーティストの他の楽曲と同様のヒット曲線を描くと仮定すると、来週にはTop10入りする可能性が非常に高いです。
  • リンク: Spotify / TikTok

参考文献

[1] kworb.net. (2025). Spotify Japan Daily Chart. Retrieved from https://kworb.net/spotify/country/jp_daily.html
[2] TikTok. (2025). Discover Page. Retrieved from https://www.tiktok.com/discover
[3] DJTube. (2025). 日本のヒップホップランキングチャート. Retrieved from https://djtube.jp/ranking/jp_hiphop_single_daily/

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