2025年10月3日、元シティ・ガールズのJTが、長らく噂されていたカーディ・Bへのディストラックを満を持して公開し、その容赦ない内容が大きな波紋を広げているようだ。
発端はカーディ・Bのニューアルバム
このビーフ(確執)の発端は、9月にリリースされたカーディ・Bの待望のセカンドアルバム『Am I The Drama?』に収録されている楽曲「Magnet」である。この曲の中でカーディは、JTとそのパートナーであるリル・ウージー・ヴァートを痛烈に批判した。
「あれだけ媚びを売っても、フィーチャリングもしてもらえないのね。彼女はバッグを共有するような男と付き合っていて、ただ怒っているだけ。私の男は浮気するけど、彼の尻にディルドを突っ込んだりはしない。あなたは見るに堪えない、簡単な女。元々おしゃれでも何でもなかったくせに。知ってるファッションブランドはリッキー・オー(リック・オウエンス)だけ。私に頼めば、ショーに連れて行ってあげたのに」
この挑発的なリリックに対し、JTは即座にX(旧Twitter)で反撃。そしてその怒りをスタジオに持ち込み、今回のディストラック「No Hook」が誕生した。
JTのアンサー:「No Hook」の衝撃
DJ Akademiksのストリーミング配信で初公開されたJTの「No Hook」は、その名の通りフック(サビ)のない、攻撃的なヴァースが続く構成となっている。JTはカーディのキャリア、人間関係、容姿に至るまで、あらゆる側面を徹底的に攻撃している。
“Hoes mad, botched up, ugly and pathetic / I’m throwing shots at hoes gon’ stay up to catch it,” she spits. “Bodega Baddie, my ass, you chopped cheese / That ass looking crazy Cardi in that diaper B.”
「女どもは嫉妬して、整形も失敗して、ブスで哀れ。私はディスを投げつけるわ――その女たちは夜通し起きて、反応するしかない。“ボデガのバディ(街角のイケ女)”だって?笑わせんな、あんたは“チョップドチーズ”(安っぽいサンドイッチ)みたいなもんよ。その尻、見た目やばいって。まるでオムツ履いたカーディ・Bね。」
この痛烈なディスに対し、カーディ・BはXで「簡単すぎるわ(笑)…アレクサ、カーディ・Bの『MAGNET』を再生して」と投稿し、意に介さない様子を見せている。
JTとヘネシー(カーディ・Bの妹)のX投稿
「MS.DANGEROUS(Cardi Bの妹のHennessyを指している)をいじめるなんてありえない!今トレッドミルで走ってるから、後で戻るわ!」
Hennessy:「はぁ?2年間もウチの姉のこといじってきたくせに、今さら何言ってんの?笑。お前、ずっと姉のこと見張ってたんだろ、気持ち悪っ。」
Hennessy(続けて):「また人種の話?あんたいつもそれね。黒人女性を『肌が黒すぎる』とか『カリカリしてる』って言ってたの誰?今度は人種をネタに同じ黒人女性たちを味方につけようとしてるだけでしょ。もしかしてあんたの彼氏がドミニカ人のアーティストと浮気してるとか?私関係ないから。」
JT:「黒人の女が嫉妬してるって言うあたり、さすがスペイン系の女ね(笑)あんたの姉は妊娠隠すために夏でもダボダボのジャンパー着てるし、ジョーダン履いてごまかしてるわよ。」
JT(さらに反撃):「お前の姉に聞けっての。なんで私のこと“ラップ犬(lap dog)”なんて呼んだのか。人の成功を祝福しただけで嫉妬扱いとか、笑わせんな。」
JT:「これが始まりよ。みんな忘れないで、“Chlamydia B(クラミ◯アB)”に被害者ぶらせちゃダメ!」
(Cardi Bの昔のツイート“Lapdog”を引用して)
Hennessy:「みんな知ってるよ。あんたがWAPのMVから外された時に姉を陰でディスってたの。あの時、電話で“ムカつく”って自分で言ってたよね。表では仲直りしたふりしてたけど、裏ではずっとコソコソ悪口言ってた。今さら書き換えようとしても無理。」
Hennessy(さらに追撃):「なんでいつも人の見た目のことばっか言うの?注射でちょっと顔変えただけで調子に乗らないで。フィルターもメイクも落としたらどうなるか分かってる?Asian Dollに『ブス』って言われた時、泣いてたの覚えてるわよ。姉の名前出すのやめなさい。」
最終的なやり取り
JT:「爆笑。あの子(Cardi B)が出てきたときのあの格好、台風でも来るかのように腰振ってたの思い出してウケる🤣🤣🤣🤣」
Hennessy:「急に“良い友達”ぶっても無理よ。Caresha(City Girlsのもう一人)と曲に乗れなかったのは自分の実力不足でしょ。姉を“Fraudi B(詐欺師B)”とか言ってるけど、7回も詐欺で捕まったのはあんたじゃん。自覚なさすぎ。笑」
JT:「彼女以外誰もその嘘を信じてない!ウォルマートからのチャート破りドローン配達のライブ映像があるときに私に連絡してね #fraudiB」
ニッキー・ミナージュも参戦か?
この騒動には、カーディ・Bと長年の確執があるニッキー・ミナージュも反応。「なんで彼女はバーニー(紫色の恐竜のキャラクター、カーディを揶揄する際に使われることがある)にあんなことするの?」とXに投稿し、JTを支持する姿勢を暗に示した。
アーティスト | 主な動き | 発言・リリック(抜粋) |
カーディ・B | アルバム『Am I The Drama?』でJTをディス | 「バッグを共有するような男と付き合っている」 |
JT | ディストラック「No Hook」をリリース | 「整形失敗、醜くて哀れ」「おむつを履いたカーディ」 |
ニッキー・ミナージュ | XでJTを支持するような投稿 | 「なんで彼女はバーニーにあんなことするの?」 |
ヒップホップ文化におけるビーフの意義と日本への影響
ヒップホップ文化において、「ビーフ」は単なる個人的な争いではなく、ラッパー同士がリリックの技術や創造性を競い合う重要な側面を持つ。今回の騒動も、SNS時代における新たなビーフの形態として、シーンの活性化に繋がる可能性があるのも事実だ。