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ケンドリック・ラマーとタイラー・ザ・クリエイターが語る:心の仮面を外す

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タイラーザクリエイターとケンドリック・ラマーの共通点は何であろうか?

ケンドリック・ラマーのアルバム『Mr. Morale & The Big Steppers』は、発売から2年以上経ってもなお評価が割れている作品である。ファンの中にはこのアルバムをケンドリックの最高傑作とする者もいれば、『DAMN.』や『good kid, m.A.A.d city』といった過去の作品に惹かれる者も少なくない。しかし、タイラー・ザ・クリエイターは前者を支持している一人であり、その理由を語る発言が注目を集めている。

Lunchbox LP, CC BY 2.0 https://creativecommons.org/licenses/by/2.0, via Wikimedia Commons

タイラーが語る「真実の価値」

2022年にパリで行われたコンバースのイベントで、タイラーはケンドリックの新作について次のように語っている。「正直さって素晴らしい。多くの男性はお互いを抱きしめたりする方法を知らないが、いずれそんな風習も変わると信じている。今の若い世代はもっと素直に『元気か?』と声をかけ合っている。ケンドリックは彼のアルバムで、そんなオープンさを存分に表現している」と述べている。

タイラーはまた「ケンドリックの新しいアルバムは、聴く者が真実に目をそらせないほどの力がある。真実を直視できない人々は、彼が語っている現実から逃れるために別の軽い音楽を求めているんだろう」

とも語り、ケンドリックがリスナーに向けて真実を突きつけるメッセージを評価している。タイラー自身も、最新アルバム『Chromakopia』で同様のテーマに取り組み、リスナーに「仮面を外す」ことを求めている。

ヒップホップの対極にあった2人の道が交差する瞬間

これまで、ケンドリック・ラマーとタイラー・ザ・クリエイターは西海岸ヒップホップの中で異なる立場にあった。ケンドリックはラップスキルの高さや地元LAへの深い愛から、ピューリッツァー賞に選ばれるなど、その実力が認められている。一方で、タイラーはヒップホップの伝統から外れた「変わり者」や「異端児」と見られ、特に主流の音楽シーンにおいてはその独自性がしばしば異質視されてきた。しかし、『Mr. Morale & The Big Steppers』と『Chromakopia』の登場を機に、2人のアーティストが同じテーマを通じて共鳴し合う瞬間が訪れている。

ケンドリック・ラマーの自己開示『Mr. Morale & The Big Steppers』

『Mr. Morale & The Big Steppers』は、ケンドリックがこれまで以上に心の奥底にある感情や経験を曝け出したアルバムである。

「Father Time」では、厳格な父親の教育が自身の人格に与えた影響について語り、「Auntie Diaries」ではトランスジェンダーの親族との関係を描き、家族や自らのセラピーセッションを覗き見るような内容となっている。

特に注目すべきは「Mother I Sober」という楽曲で、ここでは彼の家族が抱えるトラウマが語られている。ケンドリックは、母が幼少期に受けた虐待の目撃体験、またセックス依存症による自らの過ちを告白している。この曲を通して彼が抱える後悔や苦悩が、聴く者の心に深く響く。タイラーはこの率直な表現に感銘を受けており、彼の作品にもその影響が色濃く表れている。

タイラー・ザ・クリエイターが示す新たな自己表現『Chromakopia』

タイラーの最新アルバム『Chromakopia』も、自己開示のテーマを深く掘り下げている。「Hey Jane」では、年上の女性との一時的な関係で妊娠の可能性があった際の心情を描き、予期せぬ妊娠への不安や相手女性の母親になりたいという意志との対立を描写している。また「Like Him」では、過去の作品「Inglorious」や「Answer」で父親の不在について罵っていたが、今作では父親に似ていることへの戸惑いや複雑な感情が描かれている。

これらの楽曲を通じて、タイラーは自己の内面をより深く見つめ、心の奥底を素直に表現している。ケンドリックの影響を受けつつも、独自のスタイルでリスナーに問いかける内容となっている。

まとめ: 自己の仮面を脱ぎ捨てる新たなヒップホップの時代

ケンドリック・ラマーとタイラー・ザ・クリエイターは、自己を曝け出し真実を語ることで、ヒップホップの新たな時代を切り開いている。彼らが共に歩み始めたこの「心の仮面を外す」メッセージは、聴く者に自己を見つめ直す機会を提供し、ヒップホップに新たな深みと意義をもたらしている。

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