Baby KeemとKendrick Lamarが再びタッグを組んだ「Good Flirts」は、本日2026年2月20日にリリースされたBaby Keemのセカンドアルバム『Ca$ino』の収録曲だ。ニューヨークのソフトロックバンドInfinity Songのメンバー、Momo Boydをフィーチャリングに迎えた本作は、これまでの両者のコラボレーションとは異なるダウンテンポで落ち着いたサウンドが特徴となっている。
サウンドプロダクション
「Good Flirts」は、Baby Keem自身がプロデュースを手がけた楽曲だ。pgLang / Columbia Recordsからのリリースとなる。過去のKendrick Lamarとのコラボレーション「range brothers」のような激しいエネルギーとは対照的に、スムーズなダウンテンポビートの上に構築されたローキーなトラックとなっている。
Momo Boydの参加がこの楽曲の音楽的方向性を大きく特徴づけている。Infinity Songはデトロイト出身のBoyd兄妹(Abraham、Angel、Israel、Momo)で構成されるソフトロックバンドで、2016年にJay-ZのRoc Nationと契約。タイトなボーカルハーモニーとドリーミーなサウンドで知られる。Momo Boydのビューティフルなパフォーマンスが、Baby KeemとKendrick Lamarのヒップホップサウンドに新たな層を加えている。
リリックとテーマ
「Good Flirts」は、元カノへの未練を軸にした恋愛をテーマとする楽曲だ。Baby Keemは、離れられない相手への複雑な感情を遊び心のあるフローで表現している。
Kendrick Lamarのヴァースは、パーティーに足を踏み入れた際の疑念と本物の愛への問いかけから始まり、カリスマ的なデリバリーで存在感を示している。ヴァースの中ではYoung Thugの電話スキャンダルへの言及も含まれており、話題を呼んでいる。また、ソファに座ってライアン・クーグラーの映画『Sinners』を観ながらパートナーを眺め、「神は女性かもしれない」と思いを巡らせるなど、リラックスした情景描写も印象的だ。
Baby KeemとKendrick Lamarの関係性
Baby Keem(本名:Hykeem Carter)とKendrick Lamarは従兄弟(セカンドカズン)の関係にある。Keemの母親がKendrickのファーストカズンにあたり、Kendrickが13歳年上だ。両者は「The Hillbillies」というデュオ名でも活動しており、これは家族の歴史に由来する呼称だ。
これまでの共作には、2022年グラミー賞で最優秀ラップパフォーマンスを受賞した「family ties」をはじめ、「range brothers」「The Hillbillies」「Vent」などがある。Baby KeemはKendrickのアルバム『Mr. Morale & The Big Steppers』にも「Savior – Interlude」「Savior」で参加し、「N95」のプロデュースも手がけている。
Kendrick Lamarは『Ca$ino』リリースに先立つドキュメンタリー「Booman III」のインタビューで、Keemのビートメイカーからラッパーへの進化について語っている。
アルバム『Ca$ino』の全体像
『Ca$ino』はBaby Keemにとって、2021年9月リリースのデビューアルバム『The Melodic Blue』以来、約5年ぶりのスタジオアルバムとなる。『The Melodic Blue』はBillboard 200で最高5位を記録し、RIAAプラチナ認定を獲得している。
全12曲の収録で、トラックリストは以下の通り:
- No Security
- Ca$ino
- Birds & The Bees
- Good Flirts (feat. Kendrick Lamar & Momo Boyd)
- House Money
- I Am Not a Lyricist
- Sex Appeal (feat. Too $hort)
- Tubi (feat. Che Ecru)
- Highway 95 Pt. 2
- Circus Circus Free$tyle
- Dramatic Girl
- No Blame
ベイエリアのレジェンドToo $hortや、R&Bシンガー/プロデューサーのChe Ecruも客演として参加。アルバムタイトル『Ca$ino』は、ラスベガスで育ったKeemの生い立ちを反映している。Long Beach(カリフォルニア)で生まれ、幼少期に家族とともにラスベガスへ移住したKeemにとって、「Sin City」という環境で育った経験がアルバム全体のコンセプトに投影されている。
リリースに先立ち、Baby Keemは3本のミニドキュメンタリー「Booman I」「Booman II」「Booman III」をYouTubeで公開。幼少期のホームビデオや家族のインタビューを通じて、暴力や困難に満ちた成長環境を赤裸々に描いている。ドキュメンタリーでは叔母のConnieが、Keemの家族が経験した苦難やラスベガスへの移住の経緯を語っている。
Ca$ino Tour
アルバムのリリースに合わせ、Live Nationプロデュースによる「Ca$ino Tour」も発表された。北米レグは4月15日のノースカロライナ州ローリーを皮切りに、アトランタ、マイアミ、ヒューストン、ラスベガス、ロサンゼルス、デトロイト、フィラデルフィア、ニューヨークなどの主要都市を巡り、6月7日のボストンで締めくくられる。その後、8月31日のドイツ・ケルンからヨーロッパ/UKレグがスタートし、ベルリン、パリ、アムステルダム、ロンドン、グラスゴーなどを巡回。9月18日のロンドン公演でツアーが完結する。
FAQ
「Good Flirts」のプロデューサーは誰ですか?
Baby Keem自身がプロデュースを手がけています。
Momo Boydはどのようなアーティストですか?
Momo Boyd(本名:Thalia Mozia Boyd)は、ニューヨークを拠点とするソフトロックバンドInfinity Songのメンバーです。デトロイト出身のBoyd兄妹4人で構成されるInfinity Songは、Jay-ZのRoc Nationに所属。2020年のデビューアルバム『Mad Love』や、TikTokでバイラルヒットした「Hater’s Anthem」で知られています。シンガー、ソングライター、プロデューサー、マルチ楽器奏者として活動しています。
アルバム『Ca$ino』の他の収録曲は?
全12曲で、「Good Flirts」のほか、Too $hortをフィーチャーした「Sex Appeal」、Che Ecruが参加する「Tubi」、タイトルトラック「Ca$ino」、自身のスタイルについてセルフアウェアに語る「I Am Not a Lyricist」など、ハイエナジーなトラックからイントロスペクティブな楽曲まで幅広い構成となっています。
Baby Keem「Good Flirts (feat. Kendrick Lamar & Momo Boyd)」はSpotifyで配信中。
本記事の楽曲解釈は編集部の印象に基づくものであり、アーティストの公式見解を代表するものではありません。
