今年9月に本サイトでもニュースをお届けした、「Ready or not, here I come, you can’t hide♪」が今でも耳に残る、伝説的ラップトリオThe Fugees(フージーズ)のメンバーPras(プラーズ)。大腸がん手術で懲役判決が延期していたが、ついにこの『Ghetto Supastar』のアーティスト生命を脅かす判決が下った。
前記事と重複するが、再度経緯を説明する。事の発端は、プラーズことPras Michel(プラーズ・ミシェル)は、2つの長期にわたる犯罪計画で連邦刑務所で最長22年の刑に直面していた。1つは、オバマ氏の2012年再選キャンペーンに外国の金融業者Low Taek Jho(ロー・テク・ジョー)氏から数千万ドルを流用した罪、もう1つはトランプ政権下で、ロー氏に対する捜査を中止し、著名な中国人「反体制派」を中国に送還するよう米国司法省に働きかけようとした罪である。つまり、外国資金を違法な政治献金に利用し、米国大統領や政府高官に影響を与えた国際的な陰謀に関与していたのだ。
ちなみにこのロー氏。この2件の民事訴訟を解決するため、司法省に1億ドルの資産を没収され、現在国際逃亡者となって米国と母国で刑事訴追を受け続けている。マレーシア出身のこの実業家は、ディカプリオ主演の『ウルフ・オブ・ウォールストリート』を含むハリウッド映画の資金提供にも関与していたらしい。
ビルボード紙とニューヨーク・タイムズ紙によると、 Judge Colleen Kollar-Kotelly(コリーン・コラー=コテリー判事)は、プラーズに懲役14年と3年間の保護観察を言い渡した。ビルボード紙によると彼は先月、この詐欺に関与したとみられる6400万ドルの没収も命じられたという。
これに対し、プラーズの弁護人のPeter Zeidenberg(ピーター・ザイデンバーグ)氏は、14年の刑期は「犯行内容に全く釣り合いが取れていない」と述べていた。弁護側は、有罪判決と量刑に対し控訴する予定だという。
フージーズは言わずもがな、Lauryn Hill(ローリン・ヒル)とWyclef Jean(ワイクリフ・ジーン)とプラーズから成る、マルチプラチナム、グラミー賞受賞ヒップホップグループだ。だが現在、以前の記事でお知らせしたとおり、2023年の再結成ツアーが原因で、ローリンとプラーズはビーフを繰り広げている。
当初検事側は22年の懲役を求刑していたので、それからすれば14年はかなり減刑されたと捉えられるかもしれない。だが、現在53歳のプラーズ、50歳のローリン、56歳のワイクリフの年齢を考えると、14年後(仮釈放でその前に出てきたとしても)アラセブン(70代前)でのフージーズ再結成や活動は、難しいだろう。プラーズ側の控訴や大統領恩赦が上手く行けばよいのだが。
「Ready or not, here I come, you can’t hide」との名曲の歌詞の通り。プラーズ自身、用意が出来ているか否かにかかわらず、逃げられない現実に向き合わなければならないようだ。フージーズファンには悲しいニュースであるが、彼らの名曲は永遠にヒップホップ史と我らの心に残るだろう。
