『East River Side 2』は、都会的で洗練された雰囲気を漂わせる一曲と感じさせる。メロウなビートの上で揺れるフロウが聴きどころである。夜のドライブや一人の時間に浸りたいリスナーに響くヒップホップナンバーといえる。
サウンドとボーカルの焦点
『East River Side 2』のビートは、深みのあるベースラインと控えめなキックが土台を作り、上ネタにはどこか哀愁を帯びたシンセが漂っている印象を受ける。全体的にメロウなトーンが支配しており、夜の街を思わせる空気感が漂う。テンポ感は中速寄り、しかしEricならではのかなり攻撃的設計になっているように感じる。
ボーカルは刺々しく、言葉を丁寧に置いていくようなフロウが特徴的である。声質には程よい渋みがあり、抑えた熱量の中にも芯の強さがにじむ。緩急の付け方も巧みで、淡々と語るパートから感情がわずかに高まる瞬間への移行が自然に感じられる。ラッパーとしての表現力が随所に垣間見える仕上がりといえる。
歌詞の世界観は、内省的な心情や日常の断片を切り取ったような雰囲気が少し混じった成り上がり!と言った感じだ。具体的な物語とそれぞれの記憶に重なるような余白を残している印象である。一言で言えば、意外と静かな夜に自分と向き合う時間を彷彿とさせると感じさせる。この新曲は、派手さ、いつも通りのEricだ。
リスニングシーンとしては、深夜の一人ドライブや、仕事行きにテンションをぶち上げに行く時間帯にフィットしそうである。日本のヒップホップシーンにおいて、編集部としては、グルーヴに身を任せながらも思考が巡るような、独特の聴取体験を提供できるラッパーだと捉えている。
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よくある質問
『East River Side 2』はどんな曲?
メロウなビートに攻撃的な印象のヒップホップナンバーである。派手さを抑えた音像の中で、内省的な空気感も少し垣間見える一曲と感じられる。
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※本記事はSpotifyで公開されている楽曲情報をもとに、HIPHOPCs編集部が独自の視点でレビューしたものです。楽曲の解釈は筆者の印象に基づいており、アーティストの公式見解ではありません。
