ラッパーと車。この2つの関係は、昔からずっと魅力的だ。
筆者もそうだが、ラップを聴きながら“この人って何乗ってんだろ?”って調べたことがある人、少なくないと思う。だが最近、そのガレージだけじゃなく、リスクや報いの影もちらつくようになってきた。
まず語らずにいられない、ブガッティ・シロンの異常さ
ブガッティ・シロン・スーパースポーツ300+。
時速490km。もう“車”というより、空に浮かびそうな数字だ。
- 8.0L W16 クアッドターボ
- 馬力1600
- 価格はゆうに4億円以上
この車を持ってる人間は、地位も金も“やり切った人”だろうと思ってしまう。
実際、リル・ウェイン、トラヴィス・スコット、Birdmanなど、ブガッティに到達したラッパーたちは、もはや別次元にいる存在だ。
けど最近、スピードよりも“意味”が問われている気がする
スピードを極めた先に何がある?
ド派手なカスタムの奥にあるのは、ただの見せびらかしじゃないか?
そんな自問に答えるように、ラッパーたちはそれぞれの表現で自分の車を選んでいる。
狂気を感じる愛車たち(でも目が離せない)
- 50 Centのロケットカーは、見るたびに「これ合法なのか?」と心配になる。
- リル・ウージー・ヴァートの戦闘用ベントレーには、機関銃が装備されてる(らしい)。
- チーフ・キーフは、アニメの“スクービー・ドゥー”を完全再現したランボルギーニで街を走る。ある意味天才。
- ドレイクの青いコンセプトカーは、20フィート級の“走るアート”。金もセンスも振り切れてる。
筆者が思うに、これらの車って全部、「曲を出す代わりにガレージで作品作ってハマってる」感じに近いのでは。
ラッパーたちが落ちた闇もまた、車に映っている
成功と紙一重で“暴走”があることも事実。
以下は、逮捕されたラッパーと彼らの愛車、そしてその背景である。
- Big Lurch:血まみれのメルセデスC55。PCP中毒で終身刑。
- GlockNine:ブラックのレンジローバー。殺人未遂で懲役7年。
- Honeycomb Brazy:マセラティ+ロールス。銃器所持で実刑。
- Tory Lanez:フェラーリ、マクラーレンなど高級車だらけ。銃撃事件で10年。
- NBA YoungBoy:カモ柄ウラカンから戦車まで。銃器で2年弱の刑。
- Lil Durk:推定6000万ドルの車群。殺人請負の容疑で収監中。
- Diddy:4台以上のマイバッハを含むコレクション。訴訟と収監中。
筆者としては、こうした“車に宿ったカルマ”にゾクッとすると同時に、「彼らはなぜそこまで突っ走ったのか」を考えてしまう。
でも、そんな中で“静かにカッコいい”ラッパーたちもいる
ここで一旦、派手さじゃない“リアルな成功”を感じさせる車たちを紹介したい。
ラッパー | 車種 | モデル年 | 価格(USD) |
---|---|---|---|
ケンドリック・ラマー | メルセデス Gクラス | 2018年 | $123,600 |
ジョイナー・ルーカス | Sherp Pro XT(軍用バギー) | 2019年 | $124,995 |
メソッドマン | メルセデス SL 55 AMG | 2003年 | $125,000 |
XXXTentacion | BMW i8 | 2016年 | $140,700 |
バスタ・ライムス | ランボルギーニ・ムルシエラゴ | 2006年 | $150,000 |
アイス・キューブ | ベントレー フライングスパー | 2017年 | $189,000 |
キッド・カディ | メルセデス SLS AMG | 2011年 | $189,600 |
チャイルディッシュ・ガンビーノ | ダッジ バイパー ACR | 2017年 | $198,500 |
ロジック | アウディ R8 | 2020年 | $198,850 |
驚くほどバランスが取れていて、それぞれの個性もちゃんと見える。
ラッパーによるのだろうが信念を感じる車選びがあるのだろう。