水曜日, 10月 22, 2025

遂にローンチまで10日──FORCE MAGAZINEが提示する、HIPHOP新時代

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FORCE FESTIVAL 2025|YOKOHAMA ARENA

文:Ito Kotaro(HIPHOPCs編集部)

■ “熱狂の向こう側”──FORCEが見せたHIPHOPの再定義

2025年10月31日、HIPHOPに特化した新しいニュースアプリ&ウェブプラットフォーム「FORCE MAGAZINE™」が正式ローンチを迎える。そのわずか10日前、横浜アリーナでは、すでに“その未来”の一端が体現されていた。2日間にわたって開催された「FORCE FESTIVAL 2025」は、単なるライブではない。それは、アメリカと日本のHIPHOP文化を、報道・体験・創造の三層で結び直す、壮大な文化実験であった。

FORCE MAGAZINEが掲げる理念――「HIPHOPを記録し、文化を構築する」。それをに体現したのが、振り返りになるが、Polo G、Latto、Moneybagg Yo、Rae Sremmurdという4組の、個性に満ちたステージでもあった。

■ Polo G──“21歳の痛み”が希望に変わった夜

静寂の中、照明が落ちる。ゆっくりと現れたのは、シカゴ出身のリリシスト、Polo Gだ。

1曲目「21」で幕を開けた日本初公演は、まるで彼自身の半生を再現するかのようであった。語尾を震わせながらも芯を持つ声――その一音一音が、アリーナの観客の胸を刺す。彼は「Martin & Gina」で切なさをこらえ、「Neva Cared」で少年時代の荒さをさらけ出した。そしてラスト「Pop Out」では、盟友Lil Tjayのヴァースを引き継ぎ、観客全員が一つの物語の登場人物になったかのような一体感を生み出した。

その瞬間、HIPHOPは単なる“表現”ではなく、痛みを共有する“儀式”に変わったのである。

■ Latto──“Big Mama”が支配した横浜の夜

次に登場したのは、アトランタの女王 Latto。

登場と同時に「Big Mama」のイントロが轟く。ストライプのタイツ、髪のリボン、そして挑発的な笑み――すべてが彼女の揺るぎない自信の象徴であった。中盤「There She Go」から「Somebody」では、力強さとユーモアを同居させ、観客の視線を一瞬たりとも離さない。

終盤「Sunday Service」からの「Big Mama」では、ヒールを脱ぎ捨てて戦闘モードに突入した彼女は、まるで「本物の女は舞台で証明する」とでも言うように、全身で横浜を制圧した。彼女が残したのは、“女性ラッパー”という枠を超えた存在感――まさに「主語としてのHIPHOP」の提示であった。

■ Moneybagg Yo──リアルを貫く者の風格

警報のようなサイレンが鳴り響き、「Memphganistan」のスキットが始まる。Moneybagg Yoが姿を現した瞬間、アリーナの空気は一変した。

「Said Sum」「Me Vs Me」「All Of A Sudden」と続く怒涛のセットリスト。メンフィスの現実を背負いながらも、そこに漂うのは悲壮ではなく、確固たる誇りであった。GloRillaとの「BUSSIN」で最高潮を迎えたあと、彼はシャツを脱ぎ捨て、観客に向けてこう叫ぶように歌った―― “Stay real, even when it hurts.”

その声に応じて拳を掲げた日本のファンの姿こそ、HIPHOPの「翻訳不可能な共感」を象徴していた。


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■ Rae Sremmurd──青春と自由の爆発

最後に登場したのは、兄弟デュオ Rae Sremmurd。

低音が轟き、「No Type」のイントロで観客は一気に跳ね上がった。Swae Leeが「Tokyo Japan!」と叫び、Slim Jxmmiがステージを縦横無尽に駆け回る。アリーナ全体がモッシュと歓声の渦に包まれた。「Powerglide」「Swang」「Black Beatles」…彼らが放ったメッセージはただ一つ―― “Remember this night for the rest of your life.”

「Unforgettable」から「Sunflower」へ、肩を組み歌う彼らの姿に、HIPHOPの核心――愛と自由が確かに存在した。

■ FORCE MAGAZINEが描く、HIPHOP報道の「次章」

FORCE MAGAZINEが描く、HIPHOP報道の「次章」

FORCE FESTIVAL 2025は、単なる前夜祭ではない。それは**FOFORCE MAGAZINEが提示する「HIPHOP報道の未来」の序章である。この未来は、現在の日本のHIPHOP報道を牽引するHIPHOPCSの活動とも密接に結びついている。

ニュースでありながら、ライブの鼓動を伝え、カルチャーの“文脈”を再定義する。これまでの日本のHIPHOP報道(HIPHOPCS)は、翻訳や情報の伝達に留まることが多かった。しかし、この夜、我々が目撃したのは、「現場の熱」を「ジャーナリズムの力」で昇華させる新たな試みであった。

FORCE MAGAZINEは2025年10月31日(金)20:00、アプリ&ウェブプラットフォームで正式ローンチされる。そのとき、“日本のHIPHOP報道”は音を立てて変わるだろう。我々HIPHOPCSも、この変化を記録し続ける。


著者:Ito Kotaro(HIPHOPCs文化部所属のジャーナリスト。FORCE FESTIVAL 2025の現場取材を担当し、文化的な視点からレポートを執筆。)
出典 FORCE FESTIVAL 2025 現場取材

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