先週金曜日、『Legend Has It…』シリーズの最新作、Mobb Deep(モブ・ディープ)の『Infinite』がリリースされて大きな話題となっていた。アルバム自体はHavoc(ハヴォック)がプロデュースしたことで音の一貫性が保たれた上、ムーディーで没入感のあるビートに乗せて彼らの妥協のないストリートな歌詞が光っていた。亡きProdigy(プロディジー)のヴァースも無駄無く鋭かったし、何よりも我ら古参のファンを裏切らない安心・安定感があった。同シリーズからは、Slick Rick(スリック・リック)、Raekwon(レイクウォン)、Ghostface Killah(ゴーストフェイス・キラー)、そして先述のモブ・ディープのニューアルバムが既にリリースされている。そしてなんと贅沢なことに、De La Soul(デ・ラ・ソウル)のLP、Big Lの遺作、そしてナズとDJ Premier(DJプレミア)の共演作で、この1年が締めくくられるという。HipHopDXによると、10月10日(金)に開催されたNYのコミコンでナズやプレミアらが登壇し、マーベルとのコミックコラボ発表と共に、今後リリース予定ののアルバムのタイムラインを公開した。
直近のリリースは、Big Lの『Harlem’s Finest: Return Of The King』で、10月31日にドロップ予定だ。1999年、ドライブ・バイ・シューティング(走行中の車からの銃撃)で顔と胸を撃たれ、24歳という若さで命を落としたBig L。「これですべてが一巡したような気持ちだ。私たちが取り組んできたものを皆さんに聴いてもらえるのが本当に嬉しい」と彼の家族は述べている。「ご存知の方もいるかもしれないが、ここ数年、Big Lの多くの曲がストリーミングサービスから削除されてしまった。これらの曲はミックスやマスタリングがされておらず、サンプルの許可も下りず、多くのプロデューサーへの報酬やクレジットも適切に支払われていなかった。マス・アピールのチームのおかげで、これらの曲のベストバージョンを再リリースできることになった。レアなフリースタイルやサプライズもいくつか…」とこのプロジェクトが亡きラッパーの遺産を残す手段になったと示唆している。
Big Lの次のプロジェクト……デ・ラ・ソウルの『Cabin In The Sky』は今年11月にリリースされる。1943年の同名の黒人ミュージカル映画へのオマージュであり、2023年にうっ血性心不全で亡くなった、故Trugoy The Dove(トゥルゴイ・ザ・ダヴ)へのトリビュートでもある。「アルバム制作に取り組んでいた時に、この映画を見つけたんだ」と同コミコンに出席したはPosdnuos(ポス)はパネルで語った。「『YO、このタイトルはヤべぇ!』って思ったんだ。『Cabin in the Sky』。すぐにデイヴ(トゥルゴイ・ザ・ダヴ)を感じたよ」
同アルバムは、2017年のグラミー賞で最優秀ラップ・アルバムにノミネートされた2016年の『And the Anonymous Nobody…』に続く、デ・ラ・ソウルのほぼ10年ぶりのアルバムとなる。ただし、具体的に11月の何日に発売かはまだ未定だ。
そして最後。締めくくりは12月にリリースの、ナズとDJプレミアのコラボアルバムだ。同レコードレーベルの大ボスたるナズ氏はローリングストーン誌のインタビューでこのプロジェクトについて簡単に語り、彼とプリモ(DJプレミア)が初めて一緒にアルバムを作る計画を立てたときに録音した古い曲が、数曲含まれることを明らかにした。「少なくともそのうちの2つのアイデアは、このアルバムで実現したと言えるだろう」と彼は語った。「話していた時には実現する機会がなかったけど、今年ようやくレコーディングする機会が得られたんだ」
彼らは先行して昨年4月にイルな楽曲『Define My Name』をリリースしている。毎月が楽しみだ。