木曜日, 10月 16, 2025

ダンジョン・ファミリーの家のアルバム写真で訴訟を起こされたFuture、アジアとATL老舗グループとのつながりとは?

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Forceフェスに登場し、そのカリスマ的な圧倒的パフォーマンスで他のアーティストとの違いを見せつけていた、Future(フューチャー)。2019年Erykah Badu(エリカ・バドゥ)が自身のインスタ投稿で、あまり自分について多くを語らない彼の民族的バックグラウンドを「韓国/アフリカ」と暴露してしまい、全世界を驚かせていた。どうやら彼は25%韓国の血を引いているという。今もまだSNSで話題となっている上、象徴的なサングラスを取った彼の素顔を見るとなんとなく説得力が増すが、彼の驚きのバックグラウンドはそれだけではない。なんとATLの伝説「Dungeoun Family(ダンジョン・ファミリー)」とも深い関わりを持っているというのだ。

Futureの過去2024年

2024年はフューチャー自身にとって最も輝かしい年の一つとなり、一緒に来日公演を果たしたMetro Boomin(メトロ・ブーミン)との2枚の大ヒットコラボアルバムを経て、9月に『MIXTAPE PLUTO』をリリースして幕を閉じていた。だが、そんなノリにノってるカリスマラッパーが、同名のアルバム関連の訴訟問題に巻き込まれているという。最初に断っておくが、『MIXTAPE PLUTO』のカバーアートに使用されているダンジョン・ファミリーの家の写真に関する問題であり、フューチャーとこの家やグループとの繋がりに関する訴訟ではないので、あしからず。

MIXTAPE PLUTOのカバー写真訴訟

薄暗い家の窓からフューシャピンク色の光が印象的な『MIXTAPE PLUTO』アルバムカバー。写真家のGarey C. Gomez(ギャリー・C・ゴメス)氏は、フューチャーと彼の会社が、自身が撮った家の写真を無断で表紙アートと関連グッズに使用したとして告発した。ゴメス氏は、2023年10月にチームと交渉し合意に至らなかったと主張し、金銭的損害賠償、作品の収益、そして画像の継続的な使用を差し止める裁判所命令を求めている。彼側としては、使用許可を与えたことはなく、また写真の使用料も受け取っていないと主張している。

ダンジョン・ファミリーとは?

ダンジョン・ファミリーについて説明する。ダンジョン・ファミリーとは、アトランタ出身のヒップホップ/R&Bグループで、1990年代に「Dirty South・ダーティサウス」サウンドの先駆者として最もよく知られていた。このグループはレジェンドプロデューサートリオOrganized Noize(オーガナイズド・ノイズ)によって結成され、Outkast(アウトキャスト)やGoodie Mobb(グッディー・モブ)らといった当時を象徴するアーティストのキャリアを牽引していた、ATLの歴史的ヒップホップ集団だ。

Futureとダンジョン・ファミリーのつながり

フューチャーとダンジョン・ファミリーとの繋がりは、実はとても深い。彼は有名になる前、Meathead(ミートヘッド)というニックネームでダンジョン・ファミリー下、キャリアをスタートさせたのだ。フューチャーの従兄弟で、上記オーガナイズド・ノイズのメンバーだったRico Wade(リコ・ウェイド)は、アトランタのイーストポイントにあった母親の家の地下室にコミュニティを築き、その後数十年にわたるサザン・ヒップホップのサウンドを形作った天才だった。心不全で昨年4月、奇しくも52歳という若さで亡くなっている。アウトキャストのBig Boi(ビッグ・ボーイ)は、その歴史的意義を守るため、2019年にこの家を購入したという。「アトランタは俺の故郷で、俺はこの家でダンジョン・ファミリーと育った」と、アウトキャストのレジェンドは語る。「俺たちは地下室で何時間も過ごし、夜な夜なライムを書いたり、ビートを作ったりしていた。家を購入してからは、この扉を開け、数え切れないほどの曲にインスピレーションを与えてきたこの空間に、次世代のアーティストを迎えるのが待ち遠しい」

このATLヒップホップの歴史を象徴するかのような歴史的建造物(の写真)に対する訴訟。この訴訟内容より、フューチャーと故リコ・ウェイド氏が従兄同士だったという事実に筆者は驚いた。こうやってヒップホップは世代のバトンタッチが行われつつ、聖火が引き継がれ続けるのだろう。

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