ヒップホップ界の二大スターを巡る「重すぎる現実」
ここまでリークされると個人的な会話さえ気を付ける必要があると思う今日である、Young ThugとTravis Scott――「Maria I’m Drunk」での共演で知られる両者は、音楽的には数々の名曲を生み出してきたが、そのキャリアは常に大きな論争と隣り合わせであった。
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そして今回、両者のストーリーが交差する驚きのリーク音声が拡散された。
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「Travisには11件の殺人が…」衝撃の発言
SNSアカウント「@JrMoneyGetting」によって公開された獄中通話の一部音声には、Young ThugがTravis Scottの犯行内容が含まれていた。彼は、Metro Boominの母親の死や自らの法的苦境に言及したうえで、
「あいつの母親は亡くなった。俺は現実の地獄の中にいる。Travisには11件の殺人が背負わされている…」
と語ったとされている。
個人的なものなのか、Astroworld悲劇に触れる内容なのかと憶測が飛び交っていたようだ。
実際のAstroworld Festivalでの死者は10人であり、「11件」という発言は誤認とみられる。との事。
それでも、このやり取りはファンやメディアの間で大きな議論を呼び、再び両者の過去の出来事に注目が集まっている。
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Astroworld悲劇.ヒップホップ史に残る群衆事故
2021年11月、テキサス州ヒューストンで開催されたTravis ScottのAstroworld Festivalは、10人の命を奪う悲劇的な群衆事故へと発展した。
不十分な安全対策や現場の混乱が指摘され、Travisや主催者に対する訴訟や社会的批判が殺到。大陪審は彼に刑事責任を問わなかったが、彼のキャリアには今も影を落としている。
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Young Thugを取り巻くリークの連鎖
Young Thugに関するリークはここ数年でエスカレートしている。仲間への辛辣な発言、楽曲「Closing Arguments」でのディス、スニッチ(密告)疑惑への反応など、ネット上での炎上は止まらない。
この流れは、ヒップホップ文化における「リアル」と「戦略的発言」の境界線を問う象徴的な事例となりつつある。
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ヒップホップ文化の闇
Astroworldの悲劇も、YSL裁判も、ヒップホップというカルチャーが抱える光と影を如実に示しているのだろう。
音楽界で頂点を極めるアーティストであっても、社会的責任や仲間との複雑な関係から逃れることはできない。今回のリーク音声は、単なるゴシップではなく、ヒップホップ界全体の現状を映す鏡のような存在である。