単純な疑問だが、なぜKendrick Lamar(ケンドリック・ラマ―)は11月22日に発売したアルバム『GNX』に、グラミー賞を総なめにしたメガヒット曲『Not Like Us』(以下『NLU』)を入れなかったのだろうか?その理由を、彼の元レーベル社長が説明したそうだ。
Top Dawg Entertainment(トップ・ドッグ・エンターテイメント)のエキュゼクティブ、Terrence “Punch” Henderson(テレンス・”パンチ”・ヘンダーソン)氏が2月3日(月曜日)Xで行ったファンのやりとりでは、こう述べている。「Integrity(インテグリティ:誠実さ)さ。あのレコードは戦いのためのものだった。アルバムは別物だ。全体の売上を上げるために、そこ(GNX)に入れることも可能だったが、現状のままにすることを選択したんだよ。インテグリティのためにね」
『NLU』はわずか2週間でミリオンセールをに達し、昨年リリースされた曲の中では最速ペースで更新し続け、その後米国内で600万ユニットを超えて2024年に最も売れた曲の1つとなった。その上、先週末のグラミー賞で年間最優秀レコードや年間最優秀楽曲を含む、ノミネートされた5つの賞全てを受賞した。Masdard(マスタード)がプロデュースしたこのアンセムは、注目を集めたDrake(ドレイク)との確執においてケンドリックの勝利を確実にした、破壊的且つリリカルなミサイル攻撃であったが、このインテグリティの概念はヒット曲の背後にある深い意味の中心だったという。
筆者も昨年読んだHarper’s Bazaar(ハーパーズ・バザー)とのインタビューでケンドリック・ラマ―は『NLU』における自身の定義を明かし、次のように語っていた。「『NLU』というのが俺という人間のエネルギーであり、俺が代表とする人間そのものだ。この男にはモラルがあり、価値観があり、何かを信じており、意見を持っている。彼は媚びたりしない。彼は自分の過ちを認識でき、間違いを共有することを恐れず、恐怖に基づくイデオロギーや経験を深く掘り下げて、自分が男らしくないと感じることなく、それらを表現できる男なんだ」さらに、「『NLU』ということを考えているとき、俺は自分と、それに共感する人のことを考えている」と付け加えた。
ケンドリックの定義は哲学的且つ抽象的だが、頭の良さがうかがえる。彼が「ひとりの男としてのインテグリティ」のために立ち上がった曲だということが、インタビューの回答からも読み取れた。確かに『GNX』には合わなかったし、この曲が単独でリリースされたからこそ威力を発揮したように思う。ケンドリック・ラマ―関連のニュースは恐らく今週末(スーパーボウル)にピークを迎えるだろう。
- VIA
- https://www.harpersbazaar.com/culture/art-books-music/a62568151/kendrick-lamar-sza-interview-2024/
- https://hiphopdx.com/news/kendrick-lamar-left-not-like-us-off-gnx-explanation