Written by HIPHOPCs編集部
一言で言えば、Rich The Kidが持つ「見せびらかし」の衝動をストレートに凝縮したトラックのように感じさせる。アルバム『The World Is Yours 3』からの新曲「No Counterfeit」は、ラグジュアリーなイメージと自己肯定感を反復するフックが印象的で、パーティーや移動中のテンションを上げたい場面に合うように聴こえる。
リリックとテーマの分析
冒頭の「I love you, Tate」というイントロは、誰に向けた言葉なのか明言されておらず、一瞬だけパーソナルな空気を漂わせる。しかしコーラスに入ると一転、「hundred thousand」や「Adam Sandler」といったフレーズで富と余裕を誇示するモードへ切り替わる。この緩急がRich The Kidらしい距離感を作っているようにも聴こえ、内省と誇示の間を行き来するヒップホップの定型をなぞりつつ、あえて深みを追わない軽やかさを選んでいるように感じられる。歌詞には「Birkin」「Chanel」といった高級ブランド名が並び、トラップシーンにおけるフレックス文化の典型を体現している。
サウンド面では、タイトなキックと細かく刻むハイハットが土台を支え、その上にシンセ系の上ネタが薄く敷かれる構成のように推測できる。Rich The Kidのボーカルはやや鼻にかかった声質で、フロウは跳ねるようなリズムを刻みながらも緩急の幅は控えめに抑えられている印象を受ける。ビートとボーカルが互いに主張しすぎず、どちらかといえば溶け合うタイプのバランスで、BGM的に流しても邪魔にならない設計のように聴こえる。歌詞中の「no counterfeit」というタイトルフレーズは「本物」であることを強調するワードと読め、ヒップホップにおける真贋の価値観を端的に示している。
HIPHOPCs編集部として本曲を聴いたとき、2020年代中盤のトラップにおける「安定供給型」の置き場所にあるように感じた。突出した実験性よりも、既存ファンへの確実なデリバリーを優先しているように見える。ヴァースで触れられる「Paris」「fashion week」といった単語は、グローバルなラグジュアリー志向を示唆しており、ラッパーとしてのブランディングを維持する役割を果たしているようだ。新曲としてはコンパクトにまとまっており、アルバム全体の中でどう機能するかを聴き比べる楽しみも残されている。
FAQ
「No Counterfeit」の読み方と意味は?
「ノー・カウンターフィット」と読み、直訳すると「偽物なし」となる。ヒップホップでは自身の成功や存在が本物であることを主張する際に使われる表現のように読める。
この曲はいつリリースされた?
Spotify上の表示では2025年11月27日に公開されており、アルバム『The World Is Yours 3』の収録曲として発表されたと推測できる。
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本記事は公開情報をもとにHIPHOPCs編集部が独自に作成したものであり、アーティスト本人や関係者の公式見解を代弁するものではありません。歌詞の解釈はあくまで編集部の視点に基づく推測です。
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