著者:HIPHOPCs編集部
一言で言えば、対極を抱えたまま前に進む意志を感じさせる楽曲のように聴こえる。REAL-Tがアルバム『善悪(ZENAKU)』の3曲目に配置した「ZENAKU」は、タイトルが示す二面性を音の構造とフロウの緩急で表現している。プロデュースはKIM PRODUCTIONが手がけた。
リリックとテーマの分析
本作はアルバム『善悪(ZENAKU)』のトラック3として2025年12月31日にリリースされた。スクレイピング情報によれば「Tags」には「Rap」「J-Rap」「Japanese」「Japan」が記載されており、J-Rapの文脈に位置づけられる楽曲であることがわかる。タイトルそのものが善と悪という相反する概念を並置している点に、REAL-Tの創作上の視点が表れているように思える。このような二項対立を扱う姿勢は、ラッパーが自身の内面や社会との距離感をどう測るかを示唆する要素と言えるだろう。
サウンド面では、キックの沈み込みとハイハットの刻みが明確な棲み分けを見せるビートが印象的だ。ベースラインは低音域を支えつつ、上ネタは空間を埋めすぎないバランスで配置されている。REAL-Tの声質は中音域を保ちながら、フロウには強弱のついた緩急が存在し、ビートに対して押す箇所と引く箇所を使い分けているように聴こえる。この噛み合わせ方が、楽曲全体に緊張感と解放感の往復を生んでいる。HIPHOPCs編集部としては、こうした音の配置とボーカルの距離感が、同時代のヒップホップの中でも内省的な置き場所に近い印象を受けた。
テーマとしては、善悪という言葉が持つ重さをそのまま引き受けながら、単純な結論へ向かわない姿勢が感じられる。アルバム全体の流れの中で、前後に「INSPIRATION」や「SKIT」といった曲が並んでいることから、楽曲単体ではなく作品全体の中で意味を形成する構成が意識されているように思える。どんな気分に合うかといえば、自分の中にある矛盾を整理するのではなく、抱えたまま動き出す場面に寄り添う音楽と言えるだろう。
▼ REAL-Tの他の楽曲もチェックする
https://hiphopnewscs.jp/?s=REAL-T
よくある質問
「ZENAKU」はどんなテーマの曲ですか?
善と悪という対極的な概念を同時に抱える心情を扱っているように感じられる楽曲です。単純な答えを出さずに、矛盾を抱えたまま前に進む姿勢が音の構造やフロウの緩急に反映されています。
プロデュースは誰が担当していますか?
KIM PRODUCTIONがプロデュースを手がけており、キックとハイハットの配置やベースラインの扱いに明確な設計が感じられる仕上がりとなっています。
この曲をSpotifyで聴く:
https://open.spotify.com/track/4XRVzBN0y2E27gPTubtRyA
※本記事はSpotifyおよび公開情報をもとに編集部が独自に作成したレビューです。楽曲の解釈には主観が含まれます。
Spotifyで今すぐ聴く