『WTF』は、ダークなビートと鋭いフロウが印象的なヒップホップトラックだ。挑発的なタイトルが示すとおり、緊張感のある音像とラッパーとしての存在感が際立つ新曲として仕上がっている。
この楽曲は重低音のキックが空間を支配し、ベースラインが執拗に刻むグルーヴによって推進力を生み出している。上ネタはミニマルな構成で、余白を活かした音像が全体の緊迫感を増幅させる。一言で言えば、削ぎ落とされた音数の中に凝縮されたエネルギーを感じさせる作品だ。ハードなビートメイクは、聴き手の集中を楽曲の核へと引き寄せていく。
ボーカル面では、声質の荒々しさと確信に満ちた発声が特徴的である。フロウは直線的でありながら、要所で緩急をつけることで単調さを回避している。ライミングの配置も計算されており、言葉が持つ攻撃性を最大限に引き出す構成になっている。歌詞の内容は具体的な人物や出来事を指すというよりも、内面の葛藤や状況への反発を象徴的に描いているように感じられる。
『WTF』は深夜のドライブや、一人で集中したい作業時間に最適だ。照明を落とした部屋でヘッドホン越しに聴けば、楽曲が持つ雰囲気の濃密さをより体感できるだろう。また、ジムでのトレーニング中に流せば、モチベーションを高める効果も期待できる。シーンを選ばず、さまざまな瞬間に寄り添う汎用性を備えている。
HIPHOPCs編集部としては、この新曲が持つ研ぎ澄まされた音像設計と、無駄を排したアプローチに注目したい。WTFというタイトルが象徴するように、既存の枠組みに対する問いかけや、表現者としての新たな立ち位置を提示しているようにも聴こえる。今後の展開においても、こうした鋭角的な表現がどう進化していくのか、期待を抱かせる一曲である。
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※本記事はSpotifyで公開されている楽曲情報をもとに、HIPHOPCs編集部が独自の視点でレビューしたものです。楽曲の解釈は筆者の印象に基づいており、アーティストの公式見解ではありません。
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