著者:HIPHOPCs編集部
一言で言えば、別れの予感を前にして立ち止まる感情の境界線を描いた楽曲のように感じさせる。2019年8月7日に公開されたこのトラックは、CHANMINAのアルバム「Never Grow Up」に収録された14曲目であり、切ない旋律の中で「さよならはまだ先でしょう」と問いかけるような構成が印象的だ。
本文には「This is a fucking sad song for you guys」という直接的な宣言がイントロに配置されており、CHANMINAがこの新曲で示そうとした感情の種類を明確にしている。続くヴァースでは日英のコードスイッチが頻繁に起こり、ラッパーとしての言語運用の幅を活かしながら、別れという普遍的なテーマを個人的な距離感で描写する試みが感じられる。本文全体を通して「永遠」という単語が繰り返され、時間の限界を意識しつつもそれに抗おうとする姿勢が浮かび上がる構成だ。
キックとベースラインは控えめに配置され、上ネタのシンセパッドが広がりを持たせることで、押し付けがましくない音像を作り上げているように聴こえる。ハイハットは規則的に刻まれるが、CHANMINAの声質はそのビートに完全に同期せず、むしろ少し遅れて乗るようなフロウを選択しており、この「ズレ」が感情の揺らぎを表現する装置として機能している印象を受けた。コーラスでは英語と日本語が混在しながらも、声の緩急が明確に対比され、サビの「dekiru dake」という部分では急に力が抜けるような歌い方が採用されているため、諦めと執着の境界が可視化されるような効果を生んでいるように思われる。ヒップホップの文脈において、こうした内省的で感情の距離を測るような楽曲は、誇示型のトラックとは対極に位置する置き場所にあるものとして捉えられるだろう。
アウトロでは「sayonara wa dekinai kara」と締めくくられ、別れを言語化することそのものへの拒否が最後まで貫かれる。このトラックは夜の一人時間や、終わりを予感しながらも踏み出せない関係性の中で聴くと、より深く響く音楽レビューの対象となり得る一曲だ。CHANMINAが持つボーカルの多面性と、ビートが引くことで生まれる余白のバランスが、歌詞のテーマと噛み合っている点に、HIPHOPCs編集部としては注目したい。
## よくある質問「SAD SONG」はどんな気分のときに聴くべき?
別れを意識しながらもまだ決断できない状態や、感情を整理したいけれど言葉にできない夜に向いているように感じられる。静かに浸りたい場面で力を発揮する雰囲気を持った楽曲だ。
CHANMINAの他の曲と比べて「SAD SONG」の特徴は?
アルバム「Never Grow Up」の中では比較的ビートが控えめで、内省的な距離感を強調した配置になっている印象を受ける。他曲と比べてもボーカルの緩急が際立つ構成だ。
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※本記事はSpotifyおよびGeniusで公開されている情報を基に、HIPHOPCs編集部の視点で執筆したレビューです。楽曲解釈には主観的な表現が含まれます。
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