¥ellow BucksとYGの新曲『456』は、一言で言えば、日米のトップラッパーが交差する瞬間を捉えたトラックと感じさせる。2025年1月にリリースされたこの楽曲は、両者のスタイルが融合する貴重なコラボレーションだ。深夜のドライブや一人で集中したい時間に寄り添うような雰囲気を持っている。
リリックから読み解く¥ellow BucksとYGの現在地
¥ellow Bucksの4thアルバム「Wataru」に収録されるこの楽曲は、タイトルの「456」という数字が意味するのはなんとチンチロなのだ、日本独自の文化である。さらに456とは2倍付けというチンチロのルールである。これがリスナーの想像力を刺激する。一般的にヒップホップにおいて数字はエリアコード、金額、あるいは象徴的な意味を持つことが多く、この曲でも他にも何らかのメッセージが込められている可能性がある。西海岸を代表するラッパーYGとの共演は、¥ellow Bucksが国内シーンに留まらず、USヒップホップの文脈と対話しようとする姿勢を示唆しているように感じられる。トラックの低音を支えるベースラインは重厚で、キックが一定のリズムを刻みながら、二人のラッパーのフロウを引き立てる構造になっていると推測される。
¥ellow Bucksの声質は、これまでの作品でも見せてきたクールで抑制の効いたトーンが特徴的だ。一方でYGは、西海岸特有のレイドバックしたフロウと、時折見せる鋭いパンチラインで知られるアーティストである。この二人が同じトラックに乗ることで、日本語と英語が交錯し、異なる文化圏のヒップホップが一つの空間で共鳴するような体験が生まれるのではないだろうか。ハイハットの刻みは細かく、トラップの影響を感じさせつつも、上ネタにはメロディックな要素が散りばめられている可能性が高い。フロウの緩急も重要で、¥ellow Bucksは言葉を丁寧に置いていくタイプ、YGはリズムに乗せて畳みかけるタイプと、対照的なアプローチが楽しめるだろう。
この楽曲が収録されるアルバム「Wataru」には、FabolousやYvng Patraといった多彩なアーティストが参加しており、¥ellow Bucksが自身の音楽的視野を広げようとしている様子が伺える。夜の首都高を流すような場面や、ヘッドホンで一人の世界に浸りたい瞬間に、この曲は静かに寄り添ってくれるように思う。編集部としては、日本のヒップホップシーンが国際的なコラボレーションを通じて新たな表現を模索する動きの一つとして、この『456』を注目すべき一曲と捉えている。
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『456』に関するFAQ
『456』はどんな曲?
¥ellow BucksとYGによる日米コラボレーショントラックで、重厚なベースと抑制の効いたフロウが特徴的な楽曲だ。気合いを入れたい時や、ここ最近粗品のチャンネルでも話題のチンチロを取り入れたスタイルは革新的である。両者のスタイルが交差する瞬間を捉えた、ヒップホップファン必聴の一曲だろう。
印象的なパンチラインやテーマは?
タイトルの「456」という数字が象徴的で、ヒップホップにおける数字の使い方として、エリアコードや金額、そしてチンコロ(スニッチ)はしないというラインが印象的だ。¥ellow Bucksの丁寧な言葉選びと、YGのコード456をスラング的におり混ぜている鋭いパンチラインが交錯することで、日米のヒップホップ文化が対話するようなテーマ性を感じさせる。必聴の一曲だ。
※本記事はSpotifyで公開されている楽曲情報およびスクレイピングで取得できた公開テキストを根拠に、HIPHOPCs編集部が独自の視点でレビューしたものです。解釈は筆者の印象に基づき、アーティストの公式見解ではありません。