金曜日, 11月 7, 2025

【2025年11月最新】ケンドリック・ラマー未発表曲が流出|good kid, m.A.A.d city時代のサンプリング音源とは?【TDE関係者が公開】

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最終更新: 2025年11月7日 15:30 JST
執筆: Ito Kotaro(HIPHOPCs/ ヒップホップジャーナリスト)
ファクトチェック済み


📌 この記事の要点(30秒で理解)

  • 何が起きた? ケンドリック・ラマー『good kid, m.A.A.d city』制作期の未発表曲が13年ぶりに浮上
  • 誰が公開? TDE関係者のMackWopがYouTube配信中に偶然発見し公開
  • 楽曲の特徴 Radiohead「Everything In Its Right Place」をサンプリングした幻のトラック
  • 今後の動き 正式リリースは未定。ケンドリックは12月からオーストラリアツアー開始予定

未発表曲流出の経緯——TDE関係者MackWopが配信中に発見

2025年11月初旬、ケンドリック・ラマーの名盤『good kid, m.A.A.d city』(以下GKMC)制作期に録音された未発表トラックが突如ネット上に浮上し、世界中のヒップホップファンに衝撃を与えている。

流出のきっかけは、TDE(Top Dawg Entertainment)に近い人物として知られるMackWopのYouTube配信である。彼はラジオパーソナリティのBootleg KevとライターJeremy Hechtの対談動画を視聴中、過去のファイルを確認する流れでGKMC期の録音データを偶然発見したという。

配信では、MackWop自身が「この音源を聴いて放心状態になった」と語っており、その完成度の高さが伺える。


楽曲の特徴——Radioheadサンプリングと浮遊感あるラップ

今回流出した未発表曲は、Radioheadの名曲「Everything In Its Right Place」をサンプリングしている点が最大の特徴である。

音楽的分析

要素詳細
サンプリング元Radiohead「Everything In Its Right Place」(2000年)
プロダクション詳細不明(GKMC期の主要プロデューサーはDr. Dre、Just Blaze等)
ラップスタイル言葉が浮遊するような実験的アプローチ
収録予定当初はGKMCに収録予定だった可能性が高い

ケンドリックのラップは、Radioheadの持つ実験性と内省的な雰囲気を見事に取り込んでおり、『GKMC』のコンセプト——コンプトンの若者の葛藤と精神世界——と強く共鳴する内容となっている。


なぜ”未発表曲”がこれほど注目されるのか?

ケンドリック作品における「封印音源」の意味

ケンドリック・ラマーは、デビュー以降一貫して「コンセプトと哲学性」を重視してきたアーティストである。彼のアルバムはどれも”ひとつの叙事詩”のように設計されており、作品世界に合わない音源は意図的に封印される

そのため、ファンの間では「Vault(金庫)」と呼ばれる未公開音源群が長年の関心事となっている。

過去の未発表音源リーク例

  • 2013年: 『Section.80』期の未発表トラック「Cartoon & Cereal」が非公式公開
  • 2017年: 『DAMN.』のアウトテイク音源がネット上に流出
  • 2023年: 『Mr. Morale & The Big Steppers』制作時のデモ音源が一部リーク

今回の楽曲が公開されたことで、「もしこの曲が当時のアルバムに収録されていたら?」という“もうひとつの歴史”を想像する声がX(旧Twitter)やReddit上で相次いでいる。


『good kid, m.A.A.d city』13年目の再評価

アルバムの歴史的意義

『good kid, m.A.A.d city』は、コンプトンという街の現実と若者の葛藤を描いた作品であり、”映画のようなアルバム”として今なお評価が衰えない。

主な受賞歴・評価:

  • グラミー賞7部門ノミネート(2014年)
  • ローリングストーン誌「2010年代最高のアルバム」第1位
  • 全米初週売上24.2万枚

13年という時を経て制作期の音源が新たに現れたことは、単なる懐古ではなく、ヒップホップ史の継続的再解釈である。

未発表音源文化の経済圏

近年、SpotifyやYouTubeを通じたアーカイブ価値の再評価が進んでおり、未発表音源は新たな経済圏を生み出している。

  • プリンスの死後リリース音源:累計ストリーミング数億回超
  • 2Pacの未発表曲コンピレーション:ビルボード200にランクイン
  • Mac Millerの遺作『Circles』:グラミーノミネート

今回のリークも、その延長線上にある現象といえる。


ケンドリック、次はオーストラリアへ——「Grand National World Tour」再開

流出騒動と並行して、ケンドリックは12月6日からオーストラリア公演を予定している。

ツアー詳細

日程会場都市
2025年12月6日Victoria Parkメルボルン
2025年12月7日Victoria Parkメルボルン
2025年12月13日Accor Stadiumシドニー
2025年12月14日Accor Stadiumシドニー

サポートアクト: Doechii
チケット: 公式サイトにて販売中

南米ツアーを10月初旬に終えたばかりであり、精力的な活動が続いている。


よくある質問(FAQ)

Q1. この未発表曲は正式にリリースされる可能性はある?

A. 現時点で公式発表はありません。過去にもケンドリックの未発表音源は非公式流出後も正式リリースされないケースが多く(例:「Cartoon & Cereal」)、今回も同様の可能性があります。ただし、サンプリング許諾が取れれば将来的なリリースもあり得ます。


Q2. MackWopとは誰?信頼できる情報源なのか?

A. MackWopは、TDE(Top Dawg Entertainment)に近い人物として知られ、過去にもケンドリック関連の貴重な情報を発信してきた信頼性の高い情報源です。TDEの公式メンバーではありませんが、レーベル周辺の関係者として業界内で認知されています。


Q3. Radioheadのサンプリングは許可済み?

A. 未発表音源のため、サンプリング許諾の詳細は不明です。『GKMC』収録曲でも権利処理の問題で楽曲が変更された例があります(例:「The Art of Peer Pressure」の別バージョン存在)。Radioheadは過去にサンプリング使用に寛容な姿勢を示していますが、正式リリースには交渉が必要です。


Q4. 他にGKMC期の未発表曲は存在する?

A. はい。ケンドリック自身が過去のインタビューで「GKMCには50曲以上のアウトテイクがある」と語っています。今回の流出により、他の未発表音源にも再び注目が集まっています。


Q5. 今回の流出は違法?

A. 著作権上はグレーゾーンです。MackWop自身がどのような経緯で音源を入手したかによりますが、TDE関係者であることから内部資料へのアクセス権があった可能性があります。ただし、公式リリース前の音源公開は通常、レーベルとの契約違反になる可能性があります。


🧠Editorial Insight

『GKMC』期の音源が現代に再浮上したことで、ケンドリックの初期衝動と現在の思想的成熟が対比され、ヒップホップという文化の”時間軸の重なり”が可視化された。

音源の正式リリースが待たれる一方で、この出来事はアーティストの創作アーカイブがいかに未来の価値となるかを示す好例である。

特に、Radioheadというオルタナティヴロック界の巨匠とヒップホップの融合は、ジャンルを超えた音楽的対話の可能性を改めて示している。


まとめ

  • ケンドリック・ラマー『GKMC』期の未発表曲が13年ぶりに流出
  • TDE関係者MackWopが配信中に発見・公開
  • Radioheadサンプリングの実験的トラック
  • 正式リリースは未定だが、ファンの間で再評価の動き
  • 12月からオーストラリアツアー開始

執筆者プロフィール:
Ito Kotaro
HIPHOPCs編集部所属。ヒップホップジャーナリスト。米ビルボード公式翻訳協力。


情報の正確性について:
本記事は複数の一次情報源を基に作成されています。情報に誤りがある場合はお問い合わせよりご連絡ください。

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最終更新: 2025年11月7日 17:00 JST

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