要点まとめ
- Cash Money対No LimitがVerzuzで激しい対決を繰り広げた。
- Cash Moneyはリル・ウェインやジュヴェナイルを生んだレーベルで、No LimitはマスターPと共に多くのヒップホップアーティストを支えた。
- SNSではNo LimitのMia XとCash MoneyのJuvenileが称賛され、それぞれのレーベルを代表する存在として注目された。
- Snoop DoggはNo Limitを代表して登壇し、マスターPへの恩返しを果たした。
- リル・ウェインの不在にファンは疑問を呈し、バードマンはHot BoysのTurkを批判した。
南部はATLだけではないぞ~!南部ルイジアナ州ニューオリンズが誇る2大ヒップホップレコードレーベルは何といってもCash MoneyとNo Limitだが、なんと両者が10月25日土曜日、数十年にわたる歴史を競い合ったのだ。両社は数年ぶりとなる『Verzuz』で激しいバトルを繰り広げ、SNSでの反響はまさにその盛り上がりを物語っていた。
90年代にBirdman(バードマン)とSlim(スリム)によって設立されたCash Moneyは、Mannie Fresh(マニー・フレッシュ)、Juvenile(ジュヴェナイル)、そして最も有名なモンスターMC、Lil Wayne(リル・ウェイン)といったアーティストのサウンドを世に送り出したことで有名だ。対して指折りの実業家Master P(マスターP)率いるNo Limit Recordsは、Death Rowとの契約に縛られていたところを助けたSnoop Dogg(スヌープ・ドッグ)、弟のSilkk the Shocker(シルク・ザ・ショッカー)、息子のLil Romeo(リル・ロメオ)、女戦士Mia X(ミア・X)といったアーティスト達のキャリアを確固たるものした。
米国のヒップホップファンは皆、今週末ラスベガスのコンプレックスコンで開催された、Cash Money対No Limitの歴史的な対決に注目した。このショーは、パンデミックの真っ只中にSwizz Beatz(スウィズ・ビーツ)とTimbaland(ティンバランド)によって始められた、ヒット・フォー・ヒットのバトル競技プラットフォームである『Verzuz』の復活であった。という事で、最も話題になったアーティストや出来事を紹介する。
ファーストレディMia-X と熱いJuvenile
People誌は、No Limitのファーストレディミア・Xと、Cash Moneyのヒット曲『Slow Motion』や『Back That Azz Up』のジュヴェナイルの両名を、それぞれのレーベルを象徴する存在として称賛した。あるユーザーは、「No LimitはCash Moneyを破壊し、リル・ウェインでさえ(そこにいたら)彼らを救うことはできなかっただろう」とコメントした。「MVPはミア・X。特別賞…ジュヴェナイル」「ミア・Xはステージを熱狂させた。バー、自信、エネルギー、全てが彼女だった!ジュヴェナイルはあのフリースタイルで観客を熱狂させた」また別のファンは、「ジュヴィ(ジュヴェナイルの愛称)は今夜Cash Moneyを背負って背中を痛めていただろうね」と付け加えていた。
義理堅いSnoop Dogg
スヌープ・ドッグは、どうやらNo Limitに所属として登壇し、恩師マスターPにきちんと義理を返していた。彼はステージに飛び出し、終身刑で服役中の(マスターPの弟)C-Murder(C・マーダー)の『Down For My N____』のヴァースを披露し、観客を驚かせた。「@snoopdog に敬意を表すよ。Verzuzで歴史を作ったぜ!文化のためにやったんだ。C-Murder釈放を!No Limitを一生応援するぜ!」とマスターPはインスタグラムの投稿で綴った。「ファンの皆に敬意を表すよ」
Lil Wayneはいずこ?
だがしかし。Cash Money出身の大スターといえばリル・ウェインだが、重鎮がこのバトルに参加していなかったことは特に目立ち、ファンは皆彼の不在に疑問を呈した。「Cash Moneyにリル・ウェインがいないのは、お気に入りのケーキを買ってきて、一口食べる前に砂糖不使用、乳製品不使用、グルテンフリーだと言われるのと同じだよ」とあるユーザーは反応した。別の視聴者は「リル・ウェインがVerzuzバトルに来てくれていたらよかったのに。彼こそが彼らが必要としていたエネルギーだった」とコメントしていた。だがCash Money陣はウェインのヒット曲『A Milli』を演奏し、ジュヴ氏が歌詞の一部をラップしていた。
BIRDMANはTurkを名指しで非難
もうひとつSNSを騒がせたのが、CashMoneyの創始者バードマン。彼はステージ上でのスピーチ中に、Hot Boys(ホット・ボーイズ)のひとりTurk(ターク)を「リル・b*tch」と呼んで批判した。ラッパーのターク、B.G.、ジュヴェナイル、リル・ウェインからなるホット・ボーイズは、『I Need A Hot Girl』や『We On Fire』といったヒット曲で知られているが、Verzuzに登場しなかったタークは以前30周年ツアー中プロモーターからの減給を拒否したため、ツアーから強制的に外されたことで関係を拗らせていた。バードマンと直接ビーフがあったわけではないが、今回の出来事でバードマン側の苦い思いが暴露してしまったようだ。
SNSの反応
今回のバトルに対するソーシャルメディアの反応は主に好意的で、ファンや閲覧者は番組の復活にエキサイトし、パフォーマンスを楽しんだと表明している一方、一部のコメントはバトルのプラットフォームであるXに焦点を当てていた。多くのユーザーがアーティストと音楽を賞賛した一方で、以前イーロン・マスクが所有していたプラットフォームであるXとのパートナーシップ移行について議論するユーザーもいたという。
この話題となった『Verzuz』、Apple TVやApple Music等でまだ閲覧可能なようなので、チェックしてみてくれ。
