木曜日, 9月 18, 2025

ヤングサグがDrakeに謝罪。YSLメンバーYak Gottiが嘲笑[発端から総まとめ]

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なんとヤングサグが盟友Drakeに謝罪したというニュース。全くこの一連の流れを知らないリスナーにも紹介しよう。

ドレイクの楽曲は知っていても、USヒップホップの奥深い人間関係やクルー内の複雑な力学を知らない読者も少なくないはずである。

しかし今回のヤングサグの謝罪は、単なる和解のニュースでは終わらなかった。

同じYSLクルーのメンバーであるYak Gottiが、この謝罪を公然と嘲笑したのである。

これは一体何を意味するのか。

ヒップホップの世界では、「スニッチ(密告者)」という言葉は最大のタブーとされる。

仲間を裏切る行為は、アーティストのキャリアを終わらせるほどの破壊力を持つためである。

今回のヤングサグを巡る騒動の背景には、YSL RICO事件に端を発する「スニッチ疑惑」が深く絡んでいる。

ドレイクへの謝罪が、なぜ身内からの「公開処刑」ともいえる反発を招いたのか。

本記事では、ヒップホップ界の裏側に潜む忠誠心と裏切りを深掘りする。


YSL RICO事件と「スニッチ」の重み

YSL RICO事件の概要

2022年5月、ヤングサグ(本名Jeffery Williams)は、自身が率いる音楽レーベル「Young Slime Life(YSL)」が犯罪組織であるとして、ジョージア州のRICO法(Racketeer Influenced and Corrupt Organizations Act)違反で起訴された。

彼を含む28人が起訴され、殺人・強盗・薬物取引など計56件の罪状が並んだ。

検察は楽曲の歌詞やSNS投稿を証拠として提出し、YSLを音楽グループではなく暴力的なギャングであると主張した。

ヤングサグに浮上した「スニッチ疑惑」

裁判は長期化し、その過程でヤングサグにも「スニッチ疑惑」が向けられた。

特に共同被告人のGunnaが司法取引に応じ釈放されたことは大きな議論を呼んだ。

司法取引はコミュニティ内で「密告」と見なされることが多く、彼は批判を浴びた。

さらに、法廷証言やリーク音声から、ヤングサグ自身が仲間を不利にする発言をしたのではないかという疑念が生まれた。

YSL Woodyの証言や、ヤングサグが楽曲「Closing Arguments」で一部のメンバーを「rats(裏切り者)」と呼んだことも、不信感を決定づけた。

ヒップホップ界における「スニッチ」の絶対性

ヒップホップ界で「スニッチ」というレッテルは致命的である。

仲間を裏切る行為は許されず、業界から完全に排斥されることも珍しくない。

この疑惑は、ヤングサグのキャリアと評価に影を落とし、今回の謝罪劇にも重い意味を与えている。


ドレイク(Drake)への謝罪が招いた「身内からの裏切り」

「Miss My Dogs」に込められた謝罪

2025年9月12日にリリースされた「Miss My Dogs」は、7分間にわたり、Mariah the Scientist、Lil Baby、21 Savage、そしてドレイクに対する謝罪を歌った内容である。

特にドレイクへの謝罪は、Metro Boominの母親の死を巡る過去の発言が原因とされる。

ヤングサグは以前、ドレイクがこの悲劇の中でフィーチャリングを求めたと非難していたが、この楽曲で発言を撤回し、関係修復を望む意思を表した。

ドレイクもSNSで「いいね」を押し、謝罪を受け入れる姿勢を見せた。

Yak Gottiの嘲笑と「公開処刑」

和解ムードを壊したのは、YSLのYak Gottiである。

彼は謝罪を「アルバム『UY SCUTI』のための戦略的な動き」と批判し、「フィーチャリング欲しさの行動だ」と嘲笑した。

さらにヤングサグを「イエスマン」と揶揄し、かつてのサポートとは正反対の態度を示した。

この発言はYSL内部の不信感と亀裂の深刻さを如実に示している。


「Closing Arguments」と裏切りの構図

Yak Gottiの反応の背景には、過去の因縁がある。

リークされた「Closing Arguments」では、ヤングサグがGunnaやYak Gottiを「rats」と呼び、裏切り者扱いしている。

ヒップホップで「rat」という言葉は「スニッチ」を意味し、最大級の侮辱である。

この曲はYSLの絆が崩壊しつつある現状を象徴している。

ヤングサグを映す二つの楽曲

怒りを表現した「Closing Arguments」と、和解を模索する「Miss My Dogs」は対照的であり、ヤングサグの複雑な心理を浮き彫りにしている。

「Miss My Dogs」は彼の成長や関係修復への姿勢を示しつつも、逆に新たな波紋を呼んだ。


今後の行方:『UY SCUTI』と揺れるYSL

ドレイクが謝罪を受け入れたように見える一方で、Yak Gottiらの反発は収まっていない。

ヤングサグの新アルバム『UY SCUTI』は、この騒動によってさらなる注目を浴びるであろう。

今回の事件は忠誠と裏切りというヒップホップの根源的テーマを象徴し、ヤングサグのキャリアにも大きな影響を与える可能性が高い。

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