故2Pac(2パック)のDeath Row Records(デス・ロウ・レコーズ)のチェーンとDrake(ドレイク)の物語の続きをお届けしよう。残念ながら「勇者ドレイクはデス・ロウのチェーンを手に入れた!レベル2パックUPした!テレレレッテッテッテー♪」で終わらなかったこのお話。前回の記事の後、獄中のSuge Knight(シュグ・ナイト)が出てきてドレイクの持っているチェーンは偽物だと吹聴し始め、更には2パックの異父兄弟のラッパーでThug LifeのメンバーであるMopreme Shakur(モプリーム・シャクール)が異議を唱えだした。
The Latestに出演したモプリームはこう語った。「彼(ドレイク)はもっと自分の行動について考えるべきだぞ。ロンドンで『ロンドンには最高のラッパーがいる。ロンドンのラッパーはアメリカのラッパーより優れている』という話を聞いたばかりだ。なのに、なぜラップ界の王様の宝石、文字通りの宝石にこだわるんだ?」彼は続けた。「イギリスに最高のラッパーがいるなら、なぜこんなことをするんだ? よく分からないな。個人的には、パックの持ち物は全て家族が持つべきだと思っている。でも、物事はいつもそううまくいくとは限らない。これは俺の個人的な意見だが、そう感じている」と、どうやらご令兄様はパックの遺品は彼の愛する人たちの所から離れるべきではなかったと信じているようだ。
獄中から度々インタビューに応じ、嘘か誠か分からない話を吹聴しているシュグ・ナイト。彼曰く、「デス・ロウのチェーンを持ってたのも、配ったのも俺だけだ。最初はSnoop(スヌープ)にやったんだが、スヌープはデス・ロウのチェーンが物議を醸すと感じたらしいぜ」と振り返った。そこから、デス・ロウのチェーンを受け取った少数のグループを列挙し、2Pacが特に彼のチェーンを気に入っていると言ったと明かした。「当時の俺のデス・ロウのチェーンは、チェーンとベゼル(主に液晶ディスプレイや腕時計の文字盤(風防)を囲む枠のこと)にダイヤモンドがびっしり付いていた。Pacがこのチェーンを手に入れた」とシュグは付け加えた。そして、(ドレイクの所有しているチェーンと異なり)裏蓋には何も書かれていなかったと主張した。その上で今回の件に関し、ドレイクは騙された被害者であろうと述べていた。
シュグの発言後、西海岸ヒップホップ界の重鎮Wack100(ワック100)はDJ Akademiks(DJアカデミクス)にこの件について話し、チェーンは偽物だと改めて主張していた。同ポッドキャストに電話出演していた…というかワック100によって無理やり出演させられたReggie(レジー… デス・ロウ・レコードの警備責任者であり、元コンプトン警察署員だったレジー・ライト)が、Mike(マイク)という宝石商と一緒に、後年幾つもの複製品を作成したとアカデミクスに説明している。そして、同じくポッドキャストに電話出演したデス・ロウの歴史に詳しいレジーのパートナーJohn(ジョン)という人物が、2つのジュエリーの間に明らかな矛盾点がいくつかあると指摘し(例えばパックのデスロウボーイのベルトには5つダイアモンドがあるのに対し、ドレイクの持っているデスロウボーイは4つしかない、裏に刻印が無かった、等々)、そしてパックのオリジナルのネックレスを所持していた最後の人物は、Outlawz(アウトロウズ)のメンバーで2015年に死亡したHussein Fetal(フセイン・フェータル)であり、あくまでも噂と強調していたものの、彼か、彼の家族が宝石を溶かしてしまったというのだ。だが、彼らもドレイクはパックの大ファンであり、偽物だったとしても彼はやるべきことをやっただけだと述べたうえで、ドレイクが以前購入したパックの指輪は間違いなく本物だったと言い切っている。
めでたしめでたし、で終わらなかったこのドレイク劇場。デス・ロウと契約していたDogg Pound(ドッグ・パウンド)のDaz Dillinger(ダズ・ディリンジャ―)もこの騒動に参戦し、自身のペンダントをインスタで見せ「ダズ・ディリンジャ―のオリジナル、デス・ロウ・チェーン👀 クラシックを手に入れたけど、セールじゃないよん」と絵文字付きで載せたりと、波紋を呼んでいる。そして今回の異母兄プリーム氏の登場。
どうやら偽物説が濃厚となってきたが、果たして勇者ドレイクはこの負けイベントを認めるのだろうか?まだこの話題は続きそうだ。