Instagramで示唆された「9PM」投稿、その正体はやはり新曲公開だった
Drakeが2025年7月25日(日本時間)に“Iceman”エピソード2を公開した、視覚的にも象徴的な演出とともに幕を開けた。
空っぽのプール、無言のDrake、そして音楽に合わせて腰を揺らす1人の女性。
これは単なるセクシーな映像ではなく、「選ばれし者とは誰か」を問う構図でもある。
歌詞の核:「どちらを選ぶ?成功か、友情か、愛か」
本作のコーラスで繰り返されるのは、以下の問いかけである:
You want Cench or your ex, which one?
You want friends or success, which one?
つまり、「元カレか?今ここにいる成功者か?」「友情か?それともキャリアか?」と聞いている。
この構造はDrakeの近年のライフスタイル──特に裏切り・孤立・選択の連続と重なる。
Drakeは「君は周囲と違う。だから俺は君を“下げる”」と矛盾するような愛を語りながらも、女性に対しても選別的視点を持つ姿勢を強調している。
ベッドルームからクラブまで、すべてが“演出”
Verseでは以下のような過激なラインが登場する:
Put your head inna the pillow, face first
You want diamond watch, you want purse
Face of a angel, I come like church
性的支配・物質的欲望・宗教的な二面性──これらが一つのフレームに押し込められている。
彼女の“顔”は天使でも、行為はそれと真逆。Drakeの持つ聖と俗の並列が如実に表れている。
Central Ceeとの共演は「イギリスとの同盟」でもある
Central CeeはUKドリルシーンの顔であり、今回のコラボは地政学的意味も含む。
2023年の「On The Radar Freestyle」に続くタッグとなるが、今回はより完成されたトラックで、UK × トロントの連携強化を象徴している。
また、リリック中に「six-side yute(トロントの若者)」というフレーズが出ることからも、Drakeが自らのルーツとポジションを強調していることがわかる。
Kendrickビーフ後、静かに始まった「反撃フェーズ」
この「Which One」は、ソロシングル「What Did I Miss?」に続く第2弾である。
前作でDrakeはKendrick Lamarとのビーフをストレートに表現したが、今回は再び女性・関係性・選択にフォーカスを戻してきた。
ただし、コーラスにある「Which One?」は、ファンにも業界にも向けたダブルミーニングとも取れる。
つまり「お前はどっちにつく?」というライン上の選択を迫っているのだ。
「Iceman」は自己神話化の最終章か?
冷たく、感情を遮断し、距離を取りながら選び抜かれた者にだけ近づく。
それが“ICEMAN”の真意である。
このプロジェクトは、ドレイク自身の過去と現在、そして人間関係・信頼・裏切りを再定義するプロセスとも言える。
「Which One」はその中間地点に位置し、今後続くエピソードに向けた“静かな攻撃”でもありそうだ。 VIA