長すぎた沈黙が生む虚無
A$AP Rockyの新アルバム『Don’t Be Dumb』。発表から数年が経ちますが、いまだにリリース日は不明ですよね。ファンの多くは、もはや「出る出る詐欺」と半ば諦めモードになっています。タイラーと仲が良いのに二人の熱量に大きな差があることも一つの要因なのかも??
2010年代前半なら、顔を隠して神秘性を保つスタイルは効果的でしたが、今の時代は違います。ファンは動きが見えないとすぐに離れてしまうのです。
アートより先に生活がある
もちろん、彼には個人的な事情もあります。父親になったり、海外での暴行事件や銃撃事件など、法的なトラブルも続きました。その合間にも、ブランドとのコラボやフェス出演など、音楽以外の活動では名前を見かけます。
しかし、音楽面では「待たされすぎて意味がわからない」という声が。
かつての革新者、いまは足踏み
A$AP Rockyは、かつてヒューストンとハーレムのスタイルを融合させて「クラウドラップ」の火付け役となりました。
『Live.Love.A$AP』『Long.Live.A$AP』『Testing』などでファッションと音楽を見事にリンクさせてきました。
でも最近は、かつてのような新しさや勢いを感じません。シングルは出るものの、明確なビジョンが見えないのです。
ファンの不満が表面化
「Same Problems?」では社会問題にも触れましたが、深みには欠ける印象です。「Shittin Me」や「Riot(Rowdy)」といった曲も、一部のライブで盛り上がる程度。かつてのような影響力はありません。
Tyler, The Creatorも「いつも先に喋るだけで、作品が完成していない」とSNSでチクリ。これがファンの本音でもあります。
ドレイクとのビーフと存在感の低下
最近では、ドレイクが「もうお前が音楽やってるかも知らん」と痛烈なラインを吐いたことで話題になりました。皮肉ながらも、多くの人の気持ちを代弁しているようです。
これに対してA$AP Rockyは沈黙。ミステリアスというより、ただの逃げに見えてしまいます。
祈りの歌も届かない
「pray4dagang」という曲では感情をさらけ出し、父としての苦悩や未来への希望が描かれました。プロデューサーにはJames Blakeなどの有名アーティストが参加。
ただし、この曲でさえApple Musicではチャートインせず。リリースのタイミングも話題性も活かせなかったのが現実だと思います。
ファッションと音楽、どちらも中途半端?
今のA$AP Rockyは、音楽よりもファッションやビジネスに軸を置いているように見えます。これはリアーナと同じ方向かもしれません。
ただし、時代の流れは速く、どの分野でも「中途半端」では生き残れません。彼のような「トレンドを作る側」が、今では過去の栄光にすがっているように映ります。
Don’t Be Dumbは待つ価値があるのか?
あまりにもリリースが遅れ、ファンの期待が冷めてしまったのは事実です。アルバムが出る頃には、誰も興味を持っていないかもしれません。
彼が再び本物の革新者として戻るには、沈黙の裏にあるビジョンをしっかりと示す必要があるのかも。。