ロックの殿堂が、2025年の殿堂入りメンバーを発表したそうだ!ヒップホップ界からはパイオニアのOutkast(アウトキャスト)とSalt-n-Pepa(ソルト・ン・ぺパ)が名誉ある殿堂入りを果たしたぞ。
アウトキャストはパフォーマー部門で殿堂入りを果たし、ヒップホップを再定義しつつ、「Dirty South(ダーティ・サウス)」を有名にした革新的なジャンル融合サウンドが評価されたそうだ。1992年にAndre3000 (アンドレ3000)とBig Boi(ビッグ・ボーイ)よって結成されたアトランタ出身のこのデュオは、ファンク、ソウル、ジャズを融合させた独自のサウンドで常識を覆し数々のヒット曲を生み、史上最も高く評価され、商業的に成功したヒップホップグループの一つとなった。
ソルト・ン・ペパはミュージカル・インフルエンス賞を受賞。ゴールドディスクとプラチナディスクを獲得した初の女性ラップアーティストであるソルト・ン・ペパは、クロスオーバーヒットでジェンダーの壁を打ち破った。彼女らは自分たちの欲望やセクシュアリティについて率直に語り、同時に尊敬を求め、フェミニストの価値観を説きつつ暴行や差別に反対を唱え、ヒップホップとユースカルチャーの進化に大きな影響を与えた。
式典はまだまだ先の、2025年11月8日にロサンゼルスで開催される。過去に殿堂入りを果たしたヒップホップグループやアーティストは以下の通りである。
- グランドマスター・フラッシュ・アンド・ザ・フューリアス・ファイブ
- ラン・D.M.C.
- 2パック
- ノトーリアス・B.I.G.
- パブリック・エネミー
- N.W.A.
- LLクール・J
- ジェイ・Z
- エミネム
- ミッシー・エリオット
- ビースティ・ボーイズ
ロックンロールの殿堂なのに、ヒップホップ?と思う読者もいるかもしれないので、ここで補足を付け足しておく。まず、ノミネート資格を得るにはアーティストは最初の商業録音のリリースから少なくとも25年が経過している必要があるのだ。殿堂入りアーティストは4つのカテゴリーから選出される。①音楽と文化的な影響によってロックンロールの方向性を変えた「パフォーマー賞」、②革新的なスタイルで文化変革を推進した影響力のあるミュージシャンの「インフルエンス賞」、③ロックの最も重要な曲の舞台裏で重要な役割を果たした作詞家、プロデューサー、セッションミュージシャンに贈られる「音楽的卓越性」賞、そして④パフォーマーではないものの音楽業界に大きな影響を与えた業界のプロフェッショナルを称える「アフメット・アーティガン賞」である。近年、ロックの殿堂はロックアイコンの定義を拡大し、より幅広いジャンルや経歴を持つアーティストを選出しているという。
不仲説が流れているアウトキャストは、果たして一緒に授賞式に参加するのだろうか…?90年代半ばにセンセーショナルなヒットを飛ばしていたソルト・ン・ぺパも嬉しいが、筆者は(ヒップホップでは無いが)グーニーズ時代からずっと聴いていたシンディ・ローパーのパフォーマー賞を、個人的にとても嬉しく感じる。2パックやビギーも殿堂入りしていたのは驚きだが、ラキムやKRS-One、Snoopなどもっとヒップホップ界のOGラッパーやシンガー、プロデューサーも殿堂入りしても良さそうな所である。まあ、今後に期待しよう!