カニエ・ウェスト、幻のアルバム『Donda 2』がついにストリーミング解禁される
カニエ・ウェストが、これまで自身の専用デバイス「Stem Player」でのみ聴くことができたアルバム『Donda 2』を、ついにSpotifyやYouTube Musicなどの主要ストリーミングサービスで公開した。ただし、Apple Musicでは現在のところ配信されていない。
このアルバムは2022年2月に初公開されたが、ウェストは当時、一般的なリリース方法を拒否し、Stem Playerという革新的なデバイスを購入した者のみが聴けるという限定的な手法を採用した。そのため、『Donda 2』は長らく“入手困難な作品”として知られてきた。
今回の配信にあたり、アルバムはカニエ本人の公式Spotifyページではなく、「DONDA」と名付けられた新たなアカウントからリリースされている点も注目に値する。
一部楽曲に変化、新曲も追加
アルバムの構成自体はStem Player版とほぼ同様であるが、いくつかの変更点が存在する。
最も顕著なのは、The Gameとの物議を醸した共作「Eazy」が完全に削除されていることだ。その一方で、Futureとの新曲「Mr Miyagi」が追加されており、Playboi Cartiのボーカルもフィーチャーされている。
また、Ty Dolla $ignとのジョイントプロジェクト『Vultures 2』に未完成の形で収録されていた楽曲「530」も、ウェストの手によって整えられ、本作に正式収録された。
豪華アーティストが多数参加
『Donda 2』には、Travis Scott、Jack Harlow、XXXTENTACION、Baby Keem、Alicia Keysといった、ジャンルを超えた多彩なアーティストが参加している。
アルバムのジャケットには、ウェストの幼少期の家が炎に包まれた印象的なビジュアルが採用されており、Stem Player版と同一のアートワークが使われている。
キム・カーダシアンの声もそのまま収録
ウェストの元妻キム・カーダシアンのボイスメッセージもそのまま収録されている。トラック「Scifi」では、彼女が2021年に『サタデー・ナイト・ライブ』で語った一節が引用されており、次のようなセリフが含まれている。
「私は史上最高のラッパーと結婚しました。しかも、彼はアメリカで最も裕福な黒人男性。才能にあふれた、正真正銘の天才であり、4人の素晴らしい子どもを私に授けてくれました。」
さらなるリリースへの布石???
『Donda 2』の再リリースに加え、ウェストは近頃、音楽活動を再び活発化させている。
先日にはビジュアルアルバム『Bully』を発表し、さらに「WW3(後に『Cuck』に改名)」という、タイトルや楽曲名、アートワークまでもが物議を醸すプロジェクトの存在も明かされた。
同作には「Heil Hitler」や「Cosby」など挑発的な楽曲が含まれており、ジャケットにはクー・クラックス・クラン(KKK)の格好をした2人が抱き合うという過激なビジュアルが用いられている。