筆者もビヨンセの『Cowboy Carter Tour』のチケット売り上げが芳しくない噂は、アメリカのヒップホップ界隈でニュースにもなっていたし注目していたのだけれど、どうやらいじめっ子カーティスこと50Cent(50セント)の耳にも入っていたらしく、冷やかしの矛先をBeyonce(ビヨンセ)に向けたようだ。
28日ロサンゼルスのSoFiスタジアムを皮切りに始まった、ビヨンセの『Cowboy Carter Tour』。TMZによると、彼女のチケットはまだ3800枚以上も残っており、転売価格は20ドルまで下がっているという。ヒップホップ界のおしどり夫婦でマネー、パワー、リスペクト全てを手にしたQueen Bey(クイーン・ビー…ビヨンセと女王蜂をかけている)と呼ばれている彼女のことを考えると、これはかなりショッキングである。しかも彼女は同名の曲『Cowboy Carter』で2月にグラミー賞最優秀アルバム賞を獲得したばかりなのだ。チケットが売れない理由は不明らしく、クイーン・ビーの勢いが衰えているのか、ファンが他で音楽を楽しんでいるのか…それとも舞台裏で何か他のことが起こっているのか、等々憶測が飛び交っている。
このニュースを聞いた50は、どうやらいじめっ子の血が騒ぎだしたよう。レジェンドラッパーは、自身インスタグラムでこのニュースのスクリーンショットを載せ、こう投稿した。「いよいよ現実味を帯びてきたな。チケット売れてないのか?」(投稿は削除済み)その上、「カウボーイフィッティーIn da Club」と題したカントリーミュージシャンの格好をした自身のカバーと歌詞付きカントリーミュージックをを投稿。「俺のカントリーのアルバムが来るぜ!ビヨンセは何もできねぇな。笑」とキャプションをつけてからかった。
これに対しビヨンセ側からは何も反応が無いが、50はよくビヨンセの夫のJay-Z(ジェイ・Z)をターゲットにしていることでも有名である。どうやら2022年のスーパーボウルでEminem(エミネム)、Dr.Dre(ドクター・ドレー)、Snoop Dogg(スヌープ・ドッグ)、Kendrick Lamar(ケンドリック・ラマー)、Mary J. Blige(メアリー・J・ブライジ)らと共にNFLハーフタイム史上歴史的なパフォーマンスを披露した際も、ジェイは自分が出演することを望んでいなかったと主張していた。本件は、大親友のエミネムが50無しでは出場しないと言い張ったため、出演が叶ったという逸話がある。その恨みがあるからか、以前ジェイ・Zがレイプ疑惑で訴えられた際も嬉しそうにしていた。
ちなみに今回のツアーでは、13歳の娘Blue Ivy(ブルー・アイビー)もビヨンセのバックアップダンサーとして参加している。母親そっくりのブルー・アイビーが舞台の真ん中でソロダンスを始めると、観客は大いに沸いていた模様。また、歌の途中でもう一人の娘、ジェイ・Z似の7歳のRumi(ルミ)が登場するサプライズもあったようだ。
ビヨンセは好きだが、ヒップホップではなくカントリーという音楽がメインだからか。それとも彼女の「旬」は過ぎ去ってしまったのか。どうしても今回のツアーは観たいと思えなかったファンも多いようである。Coachella(コーチェラ)ではローンを組んで観に行ったという人も多々いたらしいが、もしかしたら近年のチケット高騰や、時期が重なっている大盛況のケンドリックのツアーや他のツアーも影響しているかもしれない。いずれにせよ、クイーン・ビーのツアー自体はそれなりに話題にはなっているようである。