金曜日, 4月 25, 2025

スヌープ・ドッグとデス・ロウ・レコーズ、1億700万ドルの訴訟の却下を求める

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2月原宿にポップアップストアを開き、グローバル展開中のSnoop Dogg(スヌープ・ドッグ)率いるDeath Row Records(デス・ロウ・レコーズ)。順風満帆かと思いきや、とある訴訟問題に巻き込まれそうになっているとのこと。発端のご婦人は、Suge Knight(シュグ・ナイト)時代からずっと同レーベルに寄生していたので、事情を知っている者からすれば「まだ?どんだけ?」と突っ込みたくなる内容である。そう。筆者の以前のデス・ロウの略歴にも登場した、あのゴールド・ディガーのご婦人である。

ハリス側:「1億700万ドル頂いていません」と主張

スヌープとデス・ロウ・レコーズはついに我慢の限界を迎えたようだ。同レーベルの共同創設者Michael “Harry-O” Harris(マイケル・“ハリー・O”・ハリス)の元妻、Lydia Harris(リディア・ハリス)は、スヌープとシュグ、インタースコープ・レコーズ、タイム・ワーナー、ユニバーサル・ミュージック・グループに対し、2005年の裁判所命令に関連する1億700万ドルの支払いを怠ったとして非難した。この訴訟が未だに解決されていないのは、彼女が2022年に修正を加えているためだ。まさにその年は、スヌープ・ドッグが西海岸を象徴するレーベルのオーナーになった年である。ハリス氏はこのことを、この訴訟を再び提起することを決めた主な理由の一つとして挙げている。彼女によると、2005年裁判に勝ったはものの、その金額を一銭も受け取っていないと主張しているのである。

スヌープ側:「いや、もう時効なんで」と主張

これに対し、スヌープは訴訟の却下を申し立て、告発は時効を超えていると主張。スヌープと彼の弁護団はまた、ハリスを「悪意のある訴訟当事者」であり、「長年にわたりカリフォルニア州で嫌がらせ行為を続け、今度は嫌がらせの場をテキサス州に移した」と非難している。この訴訟は当初、ロサンゼルスで審理された。しかし、ハリスは自分が受け取るべきと考える数百万ドルの利益を求めて、テキサス州の法廷に場所を移行。彼女がこれほどまでに断固とした主張を続けるのは、1989年のレーベル立ち上げに150万ドルを投資したと主張しているからである。なぜならハリスは当時、創設者のマイケル・“ハリー・O”・ハリスと結婚していた。裁判所はスヌープの申し立てについてまだ判決を下しておらず、訴訟の他の当事者もコメントを発表していない。

ハリス側:「私がいなければデス・ロウは存在しなかった」と主張

ハリスは、自分がいなければデス・ロウ・レコーズは設立されなかっただろうとヒューストン・クロニクル誌に語っている。90年代初頭、麻薬容疑で投獄されていた夫マイケル・“ハリー・O”・ハリスが、彼女を「Dr. Dre(ドクター・ドレ)」として知られるAndre Romell Young(アンドレ・ロメル・ヤング…Dreの本名)と引き合わせた。ハリス氏によると、当初の計画はドレにアルバムのリミックスを依頼することだったが、彼のスタジオを見た彼女は、少しの資金があればもっと大きなものになるかもしれないと元夫に告げたという。「彼らには少し資金が必要だと言ったのよ。マイケルは服役中だったから、私は彼の目と耳だったの」とハリスは語る。「それで彼は弁護士に音楽業界に参入したいと言ったわ…あれよあれよという間に、私は自分の音楽のキャリアを後回しにして、デス・ロウの舞台裏の仕事を担当することになったのよ」だが、レーベルが軌道に乗り大きな利益を上げ始めると、シュグはハリスから事業を移し、最終的には会社から完全に排除したため、彼女は訴訟を起こすに至ったと語った。しかし、当時のニュースリリースによると2008年、彼女が雇った債権回収会社はハリスが1996年の破産を隠蔽し、金銭回収の「機会を失った」と主張している。ロサンゼルスの別の判事は、ハリス自身が2002年の訴訟で当時の弁護士が「不当に判決を得る」ため彼女を利用したと主張し、判決の無効化を求めたのを受けて、2019年に判決を破棄した。だがハリスによると、同年の後半、弁護士らが被告の財務履歴は適切に開示されていたと主張し、判決は復活したという。またハリスは、シュグの代理弁護人から2005年の判決の無効化を求める申し立てを行うよう勧められたと述べ、それがヒューストンで訴訟を起こす動機の一つになったと付け加えた。「それが、私たちが彼らを共謀と詐欺で告発している大きな理由よ。この事件から何年も経つけど、人はあらゆる法的手段を講じてきたわ。そして、彼らが基本的に自滅しようとしていたことに気づいたのよ」

ハリスは訴訟を起こしてから20年以上「一銭ももらっていない」と再度強調。「私はただ戦い続けるしかない」と語る。「権力者たちは、自分たちを騙した人間がただ黙って受け入れると思っているわ。でも私は違う。私は自分の権利を取り戻すまで戦い続ける」また、「スヌープ・ドッグがレーベルを買収した時、本当に目が覚めたわ」と彼女は続ける。「まだ返済されていない負債がある。デス・ロウ・レコーズを買収したのに私の面倒を見てくれない人がいるなんて、どういうこと?」彼女は、自分の行動が他の人々の勇気となり、名乗り出るきっかけになればと願っているらしい。「ただ、夢を諦めてはいけないと伝えたいの。自分が築き上げてきたものを、他人に利用されてはいけないわ」とハリスは語った。「辛いけど、毎日、正義が実現するように神に祈っている」

まとめ


元を辿れば、2002年にハリスは当時のオーナーだったシュグ相手に訴訟を起こし2005年に勝訴。そのままレーベルは以前の記事の通り色々な経緯を辿り、所有者も変わり、最終的には元所属アーティストだったスヌープが買収した。日本初上陸含め、精力的なアパレルや関連グッズ展開、新たなアルバムやプロジェクトを発足させ、レーベルに着いた汚名を払拭し、ビジネスが絶好調のこのタイミングでの再訴訟。皆さんはどう感じただろうか?ちなみに2021年トランプ大統領から恩赦を受けて出所したマイケル・ハリスとリディアは2005年に離婚している。筆者は冒頭でうっかり「ゴールド・ディガー」発言してしまったが、タイミング、インタビューの内容、どれを取っても彼女の行為が金目当てに見えてしまう。この件、元夫のマイケル・ハリスはどう思っているのだろうか?個人的に気になるところである。


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