ラッパーのLil Uzi Vert(リル・ウージー・ヴァート)が、ニューヨーク・マンハッタンのホテルから病院へと緊急搬送されました。現地時間の午後2時30分ごろ、EMSに「体調不良」の通報が入り、ホテルのロビーでストレッチャーに乗せられたUziは、意識がある状態で病院へと向かいました。
現場にはパートナーであり、City GirlsのJTが同行。黒い傘で姿を隠すスタッフの動きからも、ただならぬ雰囲気が伝わってきます。報道を受けて、ファンの間では「また薬物が関係しているのでは」との声がささやかれ始めています。どうやらオーバードーズの可能性が高そう。
こちらから動画を見ることができます。
https://www.tmz.com/watch/lil-uzi-vert-scene-ambulance-04-21-2025
Uziが繰り返してきた“暗号”歌詞に散りばめられた薬物の名前
Lil Uzi Vertは、これまでも多くの楽曲の中でザナックス(Xanax)やモーリー(Molly)、パーコセット(Percocet)、そしてアデロール(Adderall)といった薬物の名前を繰り返し登場させてきました。
たとえば、2017年リリースの「XO TOUR Llif3」では、「Xanny(ザナックス)で頭がぼーっとしてる」といったラインが印象的です。また、「Adderall」と直接言及する曲もあり、注意欠陥障害の治療薬として知られるそれが、“覚醒と集中”の象徴のように歌われています。
彼のリリックは単なるラッパーのキャッチーな言葉遊びではなく、精神的な不安定さや現実逃避の手段として薬物に頼っていることの“リアルな吐露”にも見えます。
実は日本でもADHDだといいはり受診を受けアデロール(日本ではコンサータ等)の処方を受ける方は多数存在しています。
モーリーの“煌めき”と代償
特に「モーリー」は、フェスやクラブシーンでの快楽の象徴として扱われがちですが、その正体はMDMA(エクスタシー)。高揚感と引き換えに、神経伝達物質を枯渇させ、うつや幻覚のリスクも伴う危険な薬物です。
Uziはモーリーについても楽曲で頻繁に言及しており、その使用が単なるパーティーシーンの演出ではなく、内面の孤独を隠す「光の仮面」だった可能性も否定できません。
アデロールが“武器”になるラップゲーム
アデロールはADHDの治療薬として処方されますが、ラッパーの間では集中力と持続力を高める“合法的ドーピング”として使われることがあります。Uziも一時期この薬に傾倒していたと言われており、「Adderall all on my mind」といったリリックがいくつかの楽曲に登場します。
彼にとってアデロールは、「完璧なバースを書くための武器」であったかもしれませんが、それが過剰になれば睡眠障害や精神不安定、依存といった“逆効果”を引き起こします。
「中毒文化」としてのヒップホップ、そしてJTの支え
ヒップホップにおける薬物の描写は、90年代のコカイン取引から、2010年代の“パーコセット文化”へと移行してきました。Lil Uzi Vertはその変化の中で、「薬物そのものがアイデンティティの一部」として描かれるトレンドの象徴的存在です。
そんな彼を支えてきたのがJT。彼女はSNS上でたびたびUziを擁護し、攻撃的な批判に対して声を上げてきました。彼の外見や言動が炎上したときも、「Uziが白人だったらここまで叩かれてない」と鋭く指摘。まるで“防波堤”のように彼を守り続けています。
ファンが気づいていた「予兆」
今回の搬送は、Uziの過去の言動や歌詞から「薄々感じていたこと」が、目に見える形になったとも言えます。
SNSでは「前の投稿から様子がおかしかった」「あの目の虚ろさはヤバかった」といった声も上がっており、多くのファンがこの事態を“驚き”ではなく“納得”として受け止めている節もあります。
音楽業界全体が抱えるメンタルヘルスや薬物依存の問題。Uziのこの出来事は、その課題がまだ何も解決されていないことを改めて突きつけてきますね。。
とにかく一命を取り留めた事が本当になによりです。