Mass Appearl Records(マス・アピール・レコーズ)をご存知かな?OGラッパーのNas(ナズ)がNYを拠点とするレコード会社兼広告会社のDecon(ディーコン)の、元共同経営者のPeter Bittenbender(ピーター・ビッテンベンダー) と共に2013年に設立したレコード会社なのだが、どうやら今年同社がヤバい爆弾(レコード)を幾つか投下してくるとの情報を入手した。
4月16日、マス・アピール・レコーズ社は、ナズ、DJ Premier(DJプレミア)、Mob Deep(モブ・ディープ)、De La Soul(デ・ラ・ソウル)のニューアルバムを2025年にリリースすると発表した。その上、Wu-Tang(ウータン)のGhostface Killah(ゴーストフェイス・キラー)、Raekwon(レイクウォン)、故Big L(ビッグ・L)、そして現時点で名前は伏せられているものの「サプライズゲスト」といったヒップホップ界のアイコンたちのプロジェクトもNasが共同所有する同レーベルから今年リリースされる予定だという。
ファンとしては、NasとDJ Premierのコラボレーションアルバムだけでも嬉しいニュースだが、同社は新たなアルバムシリーズ『Legend Has It…』を発表した。このシリーズは、様々な伝説的アーティストによる7枚のアルバムで構成されるという。プレスリリースによると、このアルバムは「史上最も重要で影響力のあるヒップホップアーティストたちを称賛し、スポットライトを当てることに専念している。彼らは音楽と文化の構築と形成に重要な役割を果たし、ニューヨークのストリートから世界へと広め、消えることのない足跡を残してきた先駆者たちである」とのこと。いやはや、とても感慨深い。
以前レイクウォンが自身の次回作のタイトルが『The Emperor’s New Clothes』になると発表。ゴーストフェイス・キラーも2024年リリースのアルバム『Set the Tone』で、次回作が待望の『Supreme Clientele』の続編になると予告していた。そして、2017年にProdigy(プロディジー)が逝去してからずっと未発表だったモブ・ディープも、ナズやAlchemist(アルケミスト)を迎えて作品を発表予定だという。Trugoy the Dove(トゥルーゴイ・ザ・ダヴ)亡き後のデ・ラ・ソウルも幾つかプロジェクトが進行中だそうだ。昨年、アルバムリリース前の第一弾として音好きを唸らせる逸品『Define My Name』をドロップしたナズとDJプレミアも、きちんとそれ以降もプロジェクトを進行しているという。
ナズの人脈やキャリア、知名度が影響しているのは確かだが、いやあ、よくもここまで先駆者たるレジェンド達を集めたものだ、と感心した読者も多いはず。しかも主要アーティストを亡くしたグループも居り、彼らサウンドや楽曲はどのように影響するのか、AIで復活か?客演でカバーするのか?等々、ファンは気になるだろう。また、優劣つけがたい大御所たちで溢れるニューヨーク出身の、どのアーティストが参加するのだろうか。同社のこのプロジェクトは、今から2025年の年末まで続くらしい。アフター・マス・レコーズ社のアルバム投下時間差攻撃、謹んで受けて立とうぞ!