カニエ・ウェスト(Ye)が、またしても世間を騒がせています。今度はドイツ人アーティスト、アリス・マートン(Alice Merton)さんに著作権侵害で訴えられるという事態に発展しました。何度彼はクリアランスの問題で訴訟を起こされるのでしょうか。。。
問題となったのは、カニエが3月にリリースしたアルバム『Vultures 2』のボーナストラック「Gun to My Head」。この楽曲には、マートンさんの2022年リリース曲「Blindside」のサンプリングが無断で使用されていたとされています。さらにこの曲には、Ty Dolla $ignやKid Cudiも参加しており、注目度の高い1曲となっていました。
「反ユダヤ・人種差別発言が続いている」― アーティスト側は使用を正式に拒否していた
TMZの報道によれば、マートンさんの代理であるBMG Rights Managementは、2023年2月にサンプル使用の許可を求められたものの、「カニエの価値観は私たちの理念と真逆であり、彼の公的な差別発言を容認できない」として使用を断ったとのことです。
それにもかかわらず、カニエ側はサンプリングを強行。その行為に対して、マートンさんが法的措置を取るのは時間の問題だったとも言えるでしょう。現在、Ye側からのコメントや反論は出ていません。
カニエの最新作『BULLY V1』はAIボーカルだらけ?過激なMVと謎の展開
一方でカニエは現在、未完成版の新アルバム『BULLY』をYouTubeおよびApple Musicにて45分間のミュージックビデオ形式で公開しています。この作品は「BULLY V1」というタイトルで、彼の息子・Saintがマレットを持ってプロレスラーたちと戦うという白黒のアート映像となっています。
映像こそ気合が入っているものの、音楽の内容に関しては10曲中1曲が削除され、構成もバラバラに。さらにボーカルの半分近くはAIによって生成されたものであることをカニエ本人が認めており、物議を醸しています。
また、Playboi CartiやTy Dolla $ignの名前が削除された代わりに、メキシコの人気アーティストPeso Plumaが「Last Breath」に参加し、カニエがスペイン語でラップするという異色展開も注目ポイントですよね。
カニエの「魂のビート制作」は本物か?一方でラップの熱量には疑問も…
制作面では、「全てのビートを素手で刻んだ」とカニエ本人が語っており、ソウルフルでエモーショナルなループやBoom Bapドラムが光る、原点回帰とも言えるプロダクションになっています。
しかしその一方で、ラップやボーカルへの熱量は明らかにAI任せで薄味。かつての彼の鋭さを知るファンからは賛否が分かれているよう。。
訴訟の行方はどうなるのか? そして、カニエが目指す「真の完成形アルバム」はどんなものになるのでしょう。