世界的音楽プロデューサーでありラッパーであるカニエ・ウェストが、またしてもヒップホップ界に激震を与える発言を投下した。今回のターゲットは、コンプトン出身の実力派ラッパー、ケンドリック・ラマーである。彼の音楽が「嫌い」だと断言し、プレイボーイカーティの最新アルバムにケンドリックが参加したことについて、激しく批判したのである。
2025年3月14日、ついにリリースされたプレイボーイカーティのニューアルバム『Music』。深夜のリリース予定から数時間遅れての公開となった本作には、ケンドリック・ラマーが複数の楽曲にフィーチャーされている。しかし、Ye(カニエ・ウェスト)はこの起用に納得していない。
「俺はケンドリック・ラマーの音楽が好きじゃない。確かにラップは上手い。でもカーティのアルバムに彼は要らなかった。」
このようにYeは投稿し、自身の明確な音楽的好みと価値観を表明した。ヒップホップ界での盟友関係や過去のコラボレーションなどお構いなし。彼の言葉は、媚びを捨てた真の「本音」だと言える。
ドレイクが爆弾発言:「ケンドリックが女を殴った」!? カニエ「命を懸けてツイートしてる」
このカニエの怒りは単なる音楽的嗜好にとどまらない。彼はSNS上でドレイクからの衝撃発言を暴露した。
「ドレイクは、ケンドリックが自分の女を殴ったと言ってた。でもそれは映像がない。パフがカシーを殴った映像はある。ケンドリックはスーパーボウルの舞台に立ち、パフは監獄の中。俺は今LAのフォーシーズンズにいる。命懸けでこれをツイートしてる。だから付いてこい。」
Yeは、芸能界におけるダブルスタンダードを強く批判している。「誰を持ち上げ、誰を潰すかは支配者が決めている」と言わんばかりの主張だ。
「奴らは、持ち上げる黒人と潰す黒人を選んでいる。そしてそのタイミングも全て操作されてる。セレブはみんな臆病者で自己中心的だ。」
カニエ、ケンドリックに「FREE PUFFを叫べ」と要求。沈黙の裏にある偽善とは?
Yeはさらに、ケンドリック・ラマーに対し、スーパーボウルの場で収監中のDiddy(パフ・ダディ)を擁護するよう求めた。
「ケンドリック・ラマーはスーパーボウルで『FREE PUFF』を叫ぶべきだった。それが出来ない理由は皆わかってる。俺はこれ以上言わない。だが、それが偽善なんだ。片方は牢屋、もう片方は華やかなステージ。」
しかし…カニエ、ケンドリックのライブを「マイケル以来最高」と称賛
ここで驚くべき展開がある。カニエは後に、ケンドリックのスーパーボウルでのパフォーマンスを「1993年のマイケル・ジャクソン以来、最も素晴らしい」と絶賛。さらに、ドレイクとのビーフで見せたケンドリックの強さをも高く評価した。
「ケンドリックとラップ勝負したら負ける。あいつはこのゲームのプロ。ストリートファイターの春麗みたいに、必殺技が強すぎる。」
しかしYeは、唯一勝てる相手がいると述べた。
「ケンドリックに勝てるのは俺だけ。俺はサイコな天才だからな。ケンドリックと戦うなら、俺みたいな狂った天才でなければ無理だ。」
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カニエ・ウェストの激白は暴言か真実か?ヒップホップ界の闇が浮き彫りに
カニエ・ウェストの発言は、単なる炎上商法ではない。彼が見ているのは、音楽業界の構造的な偽善であり、セレブリティたちの沈黙と選択的正義である。プレイボーイカーティのアルバムにケンドリックが登場したこと、それ自体が彼にとっての「許されざる行為」であった。
ヒップホップは本来、真実を語る文化だ。Yeの叫びは、その原点への警鐘かもしれない。誰を讃え、誰を裁くのか。それを決めるのはリスナー自身である。VIA