カニエ・ウェストが、新アルバム『BULLY』において「反ユダヤ的なサウンド」を取り入れると発言したことが、大きな波紋を呼んでいる。彼の過去の発言や行動を考えると、今回の発言も多くの議論を巻き起こす可能性が高い。
カニエ・ウェスト、新アルバムで物議を醸す発言
カニエ・ウェストはこれまでもソーシャルメディアやファッションを通じて自身の政治的・社会的思想を発信してきたが、今回のアルバムでは音楽を通じてより直接的にメッセージを伝える意向を示している。
現在は削除されているものの、X(旧Twitter)においてカニエは次のように発言した。
「この次のアルバムは反ユダヤ的なサウンドが入ってる。俺の新しいサウンドは“反ユダヤ”ってやつだ」
この発言が公開されるや否や、SNSでは彼の意図や目的について様々な憶測が飛び交っている。
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『BULLY』のリリース日と制作背景
ウェストは新アルバム『BULLY』を6月15日にリリースすると発表している。この日は、彼の長女ノース・ウェストの12歳の誕生日でもある。
また、この作品はカニエ自身が全曲プロデュースを手掛ける予定であり、初期の『College Dropout』時代に見られた制作スタイルに回帰するとも言われている。さらに、AI技術を活用した音楽制作についても示唆しており、彼はこう語っている。
「音楽におけるAIの力を、人々に説明したい」
この発言は、AI技術が音楽業界にどのような影響を与えるのかという議論を再燃させる可能性もある。
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カニエ・ウェストの過激な発言が再び問題に
今回のアルバム発表に先立ち、カニエはSNS上で過激な発言を繰り返し投稿し、大きな物議を醸していた。
特に、彼は過去に自身の反ユダヤ的な発言が原因でアディダスとのパートナーシップを解消されたことについて激しく反発し、次のような強烈なメッセージを投稿している。
「俺はユダヤ人に関する発言について絶対に謝らねえ。俺は言いたいことを一生好きに言える。俺のアカウントを凍結したことに謝罪はねえのか?謝罪しろよ。くそくらえだ」
さらに、彼はユダヤ人を直接的に批判しながら、黒人・ラテン系コミュニティにおける中絶問題にも触れた。
「お前らユダヤ人はもう俺を支配できねえ。この国は自由な国だし、俺は自由に意見を言える。お前らは黒人の胎児を幹細胞のために中絶してんだ。中絶は殺人だ。それを黒人やラテン系に押し付けてる」
彼の発言は明らかに挑発的であり、音楽業界だけでなく社会全体にも大きな影響を与える可能性がある。
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ナチズム擁護とも取れる発言が波紋を広げる
さらに衝撃的なのは、カニエ・ウェストが自らを「ナチス」や「ヒトラーの支持者」だと公言したことだ。
「俺は人種差別主義者だ。ステレオタイプは存在するし、それには理由がある。全部事実だ」
「俺はヒトラーが好きだ。どうだ、文句あっか?」
「俺はナチスだ。すべての白人は人種差別主義者だ」
こうした発言が飛び出す中、彼は最近、スワスティカ(ハーケンクロイツ)のロゴが入ったTシャツを着用している様子も目撃されており、この衣装を2026年のスーパーボウルのハーフタイムショーで着るつもりだと宣言している。
この件に関し、NFL(アメリカン・フットボールリーグ)は現在も正式な声明を出していないが、物議を醸すことは避けられないだろう。
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今後の影響と音楽業界の反応
カニエ・ウェストの一連の過激な発言や行動は、音楽業界やスポンサー企業、さらには世界中のファンからの批判を招いている。
しかし、これまでの例を見る限り、彼の作品は批判が集まるほど話題となり、商業的な成功を収めるケースが多いのも事実であろう。VIA